同志社礼拝堂「近代洋風建築シリーズ初日カバー」

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1981年11月19日発行

 同志社大学構内にレンガ造、平屋建て一部中二階および地下室つきのゴシック様式の礼拝堂で、明治19年(1886年)に献堂された。設計はアメリカ海外伝道協会の宣教師D.C.グリーンと伝えられる。

 天に向かって鋭い先端を見せる屋根と円形のばら窓、先の尖ったアーチの窓、それらの白いふち取りの石など、左右対称の簡素な正面デザインは、いかにも宗教建築らしい気品の高さと迫力を持っている。堂内は新教の礼拝堂に共通して見られる単身廊(壁から壁への梁間に柱列のない、すなわち身廊だけで側廊のない平面構造)で、天井は斜め張りの野地板を見せる化粧天井仕上げ。その高い天井を支える補助合掌が簡潔で力強い印象の堂内空間をつくり上げている。側壁の先に尖ったアーチのついた縦長で木製建具の二連の窓にはステンドグラスがはめられており、薄暗い堂内に神秘的な七彩の光を流している。

 同志社は幕末にアメリカへ渡り、ニューイングランドで学んだ新島襄が明治7年(1874)帰国のうち、アメリカ海外伝道協会(組合派)の協力のもとに明治8年に創立した学校で、その構内には、この礼拝堂の他に京都でもっとも古いレンガ造建築である彰栄館(明治17年、設計D.C.グリーン)、有終館(同20年)、理化学館(同23年)、神学館(クラーク記念館、同26年)の重要文化財建造物が建ち並んでいる。ともにレンガ造、グリーンら外人の設計で、互いにほどよい調和を保って大学らしい落着いた環境をつくり上げている。鉄板葺きの屋根の塔には建造当初は棟飾りは全長にわたってついていたが今はない。

(重要文化財、京都市上京区烏丸通)

※1981当初の説明です

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