第6集 出雲石灯ろう(1) (伝統的工芸品シリーズ切手 初日カバー)

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 石灯ろうは 燃灯供養の意味で仏堂の前に設けられたり、神社に献灯として設けらていたが、のちに庭園に、さらに近世になって、一般家庭の庭の景物としても用いられるようになった。出雲地方では、平安時代の頃から石工芸が始まり、鎌倉時代には宝塔(ほうとう)、宝篋印塔(ほうきょくいんとう)、手水鉢(ちょうずばち)、狛犬(こまいぬ)等が作られていたが、石灯ろうが作られるようになったのは江戸時代(1596~)になってからである。

 石灯ろうは茨城県の真壁、愛知県の岡崎、香川県の庵治が大産地であるが、出雲地方では福岡県の八女とともに軟石の石灯ろうの産地として知られている。島根県の出雲市、穴道町、玉湯町、松江市、鳥取県の境港市で生産されている。春日型、六角雪見型、濡鷺型、草屋型、織部型、五重塔の六つの基本型と、これらの同系の型がいろいろある。石材の来待石は、暗灰色をしていて、美麗とはいえないが、軟石で質が均一なので加工しやすく、苔もつきやすい。また耐寒、耐熱にすぐれている。なお、石灯ろうのほかに、手水鉢、狛犬、家庭用の置物等も作っているが、庭園向けのものが最も多い。

 伝統的な技術、技法としては型作りは手斧、つるはし、三本刃、ノミによる手掘りで、各部(宝珠、笠、火袋、中台、基礎、基壇)の接合は、笠と火袋の接合以外はほぞ接ぎ(双方に反対の凸凹をつくって接ぎ合わせる)による。彫りにノミを用い、浮彫り、筋彫り、透かし彫り、丸彫りによる。伝統工芸士は現在12名(加工)いる。

※1985年当初の説明です。

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