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- 62F 奥の細道シリーズ切手限定コレクション
- 第三集「世の人の見付けぬ花や軒の栗」① 奥の細道シリーズ切手限定コレクション
第三集「世の人の見付けぬ花や軒の栗」① 奥の細道シリーズ切手限定コレクション
四月二十日(陽暦六月七日)に白河の古関跡にあった旅館(福島県白河市旗宿)を超えてみちのくに入った芭蕉は、二十二日に須賀川(福島県須賀川市)の等躬宅に泊まり、二十九日に発足するまでに滞在する。二十四日には、可伸という人物のところで、
かくれ家や目だたぬ花を軒の栗
を発句も歌仙(連句)の会を催した。
『奥の細道』に
この宿の傍に、
大きなる栗の木陰をたのみて世をいとふ僧あり。
橡ひろふ太山もかくやと閬に覚えられて、
ものに書き付け侍る。
その詞
栗といふ文字は西の木と書きて
西方浄土に便りありと、
行基菩薩の一生、
杖にも柱にもこの木を用ひ給ふとかや。
世の人の見付けぬ花や軒の栗
とあるが、その「世をいとふ僧」が可伸で「かくれ家や」の句を改めて、ここに用いた。改めたのは、「かくれ家」にあたる語を、前文に「世をいとふ」と用いたからであろう。「世をいとふ僧」(可伸)の人柄を賞でた句である。
[句意]
栗は西方浄土に縁のある尊い木であるが、その花は、入の賞するところではない。この草庵の傍に、人に知られずひそやかに咲いている栗の花があるが、それは、あたかも草庵の主に人柄と照応するかのようだ。
季語・「栗の花」(夏)
市立博物館と可伸庵跡(NTT須賀川)に句碑がある。須賀川局は、可伸庵跡からJR須賀川駅へ行く途中。
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