リベリア/米大統領就任 1989.1.20【World Topics Stamp Collection】

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『アフリカにも新しい風を』

 西アフリカのリベリアといえば、アフリカ諸国のなかでは最も親米勢力の強い国で、切手に関してもその傾向は変わらず、これまでにアメリカ合衆国歴代の大統領の肖像を図案にした切手をシリーズで発行したり、ニューヨークの「自由の女神」が100年を迎えた1986年には、自由の女神の補修工事を描く切手を何種も発行して、親米路線を強調してきた。この切手は、第41代の合衆国大統領に就任したジョージ・ブッシュ氏(共産党)を描くもので、先の「合衆国大統領シリーズ」も新しい1枚を加える形で発行された。

 ブッシュ新大統領は、1989年1月20日正午すぎに、連邦議会議事堂前で就任の宣誓を行い、就任演説では、自由と民主主義の拡大によって世界に「新しい風が吹いている」と未来への明るい展望を表明した。この演説は、合衆国の基本的価値感である自由と民主主義への確信を物語るものであり、世界全体が民主主義と自由経済の拡大に向けて動き出していることを示唆している。この1枚の切手には。そうしたアメリカの新鮮な息吹を、アメリカ合衆国と歩調を合わせながら、アフリカの小国にも取り込んでいきたいという切なる願いがこめられている。その意欲を反映するかのように、この切手は、世界でもいち早く、大統領就任式の当日に発行され、その迅速な対応ぶりは、リベリアの切手発行政策を知っている世界の収集家をして、さすがと言わせた。

#切手

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    kinggidoko

    2019/12/11

    他国の要人を切手にする国もあるんですね。

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    • それだけ、アメリカに期待する想いが強かったのでしょう。
      リベリアはその後、内戦が続き、今日も辛い状態が続いております。

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