(C946-947)近代洋風建築シリーズ 第9集 初日カバーコレクション

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発行日 1983.8.16

 旧五十九銀行本店は、明治37年(1904)弘前市に、大工の棟梁、堀江佐吉の設計施工により建てられた。柱は地元青森のケヤキ、建具にはヒバが広く用いられている。現在の青森銀行記念館である。
 旧学習院初等科正堂は、明治32年(1889)に学習院初等科の正堂(講堂)として建てられたが、木造平屋建てストレートぶきで、明治時代の学校の行動建築として数少ない貴重な建物である。

※1983年当初の説明です。

額面・種類 
  60円 2種
図案    
  ①旧五十九銀行本店本館
  ②旧学習院初等科正堂
原画構成者  
  ①②近岡 善次郎
版式・刷印 
  ①②グラビア4色 凹版1色
印面寸法  
  ①②よこ35.5×たて25ミリのよこ型
シート   
  ①②よこ5×たて4=20面構成
発行数   
  ①②3,000万枚

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#初日カバー
#FDC
#近代洋風建築シリーズ

■近岡善次郎氏による創画カバーと詳しい建築物の説明

①旧五十九銀行本店本館
https://muuseo.com/stamp_collection/items/456

②旧学習院初等科正堂
https://muuseo.com/stamp_collection/items/478

旧五十九銀行本店本館「近代洋風建築シリーズ初日カバー」
1983年8月15日発行  明治37年(1904)の上棟。現在は青森銀行記念館となっている。木造2階建てで正面に展望台を兼ね備えた屋根窓がある。壁面は木の下地の上に瓦を貼り、その上をシックイで塗籠にしているので、一見石造りのように見える。様式的にはルネッサンス調の意匠を基本にしているのが、屋根窓の半円を三つ重ねたデザインなど独創的でもごとである。やはり擬洋風建築と言うべきであろうが、きわめて洗練されている。  明治時代の半ばごろから伝統的な技法である土蔵造りを応用して、各地に銀行建築が建てられるようになった。もちろん内部の間取りや使い方は西洋風の銀行だが、外観は日本の土蔵造りの意匠をとっていた。当時は未だ耐震・耐火の鉄筋コンクリートは日本に紹介されておらず、また煉瓦の建物に対しては耐震上の不安があり、地方では熟練した煉瓦職人が少なかったためもあろう。経験のある、信頼できる人間関係の中から土蔵造りの銀行建築が生まれたものと思われる。この建築は技法的にも意匠的にも、そうした傾向の頂点に位置する優れた作品である。  これを設計し工事を行ったのは地元弘前の棟梁、堀江佐吉(1845~1907)。津軽藩お抱え大工の家に生まれ、青森の第四連隊兵舎工事ではじめて洋風建築に接し、明治12年函館に渡って開港以来の多くの洋風建築を学び、明治19年、彼のおそらく最初の設計になる洋風建築である東奥義塾校舎を皮切りに、弘前市およびその周辺でさかんに洋風建築の設計・施工に当った。この建物はとくに彼が心血をそそいでつくり上げたものである。 (重要文化財、弘前市) ※1983当初の説明です #近代洋風建築シリーズ #切手 #初日カバー #FDC
https://muuseo.com/stamp_collection/items/456
旧学習院初等科正堂「近代洋風建築シリーズ初日カバー」
1983年8月15日発行  正堂とは講堂の意。この建物は2度の移築を経て現在地に至ったものである。最初は東京四谷尾張町の学習院に初等科正道として明治32年(1899)7月に竣工した。構内に約10年前に建てられた旧本館の古材を使用するなどして経費節減を図ったため当初予算3万円のものが9,500円で完成したと伝えられ。宮内省所管で設計者などは不明である。  昭和12年(1937)皇太子殿下の初等科御入学に備え新講堂を新築されることになったので、宮内省から移築費の一部3,500円を添えて千葉県印旛郡遠山村に下賜され、同村立遠山尋常高等小学校講堂として移築された。完全復元の方針で忠実に工事が行われていたので、戦後昭和48年に国の重要文化財建造物に指定されたが、その直後から再び解体工事が始められ、昭和51年3月に現在地に移築が完了したのである。これは成田国際空港の開設に備えて、同校に新しく防音講堂を新築することになり、この建物は千葉県に譲りわたされたためである。当初遠山村に下賜されたのは、ここに宮内省の下総御送料牧場があったという縁によるもの。空港の設置でこの牧場も他所に移った。時代の動きというものであろうか。  建築面積約655㎡、木造平屋建てストレート葺きの簡素な印象の建物で、正面中央に大きな広間をとり左右に控室が張り出し、また背面に演壇部分が突出し、正面と側面の三方にはベランダをめぐらしている。内部は演壇全面に柱頭飾りをつけた円柱と四角柱を一組にしら柱の列が並び、窓まわりや出入口扉など、さすがにこの建物の由緒を物語る堂々たる意匠である。屋根の棟飾りも田舎の学校の講堂には不相応である。しかし全体の印象は堅実・質素で、落着いた趣みを持つひそかな名建築と言えよう。 (重要文化財、千葉県成田市) ※1983当初の説明です #近代洋風建築シリーズ #切手 #初日カバー #FDC
https://muuseo.com/stamp_collection/items/478

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