ブラジル/F1レーサー、アイルトン・セナ追悼 1994.10.20【World Topics Stamp Collection】

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『神に召された"音速の貴公子"』

 1994年5月1日は、世界中が深い悲しみに包まれたような一日だった。あの天才的F1レーサー、アイルトン・セナがサンマリノ・グランプリ(GP)で事故に遭い、突然この世を去ったのだった。サンマリノは、イタリアの中の小さな国。この国の名を冠したサンマリノGPはサンマリノ国内ではなく、お隣のイタリアにあるイモラ・サーキットが会場となっている。悲劇は。5月1日に開催された第3戦で起きた。"タンブレロ"と呼ばれるコーナーにさいかかったとき、セナは300㌔のスピードでカーブを曲がり切れず、そのままコース脇のコンクリートの壁に激突。病院に運ばれたが、即死だったという。

 セナは1960年3月21日、ブラジルのサンパウロで生まれた。幼い頃からモータースポーツに魅かれ、81年にはイギリスに渡り、フォーミュラ・フォードにレースに参戦。84年のF1デビュー以来、通算の優勝回数は41回(史上2位)、年間ドライバーチャンピオンを3回獲得している。88年日本GPで、ポールポジションからスタートに失敗したセナは大きく後退してしまったが、先行するライバル、アラン・プロストを28週目のメインストレートで抜き去り、そのままゴールインして初のF1チャンピオン獲得。この信じられないような逆転勝利が日本のファンの心を掴んだ。セナは日本のファンにとって特別な存在だった。ホンダの64年のF1参戦から92年の撤退まで合計71勝のうち32勝は。87年にチームに加わったセナによるものだった。日本にF1ブームを巻き起こしたホンダエンジンと、そのメカニカルと共にチャンピオンにのぼりつめた彼は、日本とホンダをこよなく愛した。セナの死は、本国ブラジルをはじめ世界中を悲しませたが。日本のファンの悲しみもまた格別だ。

 ブラジル郵政は。この偉大なドライバー、セナの健闘を称える切手3種を発行。マクラーレン・ホンダに乗って観衆に応えるセナ、チャンピオンに輝いた時のセナ、セナの肖像を掲げてその業績を称えるブラジルの人々などが描かれている。

#切手

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