パラオ/独立の日 1994.10.1【World Topics Stamp Collection】

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『非核条項凍結をめぐる複雑な独立の舞台裏』

 パラオは、太平洋の200余りの小さな島々から成る共和国で、全面積は約500平方キロ。人が住んでいるのは首都があるコロール島など十数島だけで、人口は約1万5千人。観光と小規模な漁業が主な収入源だ。第1次世界大戦で1914年日本に占領され、47年から国連による米国の信託統治領となった。

 94年10月1日、国連による世界で最後の信託統治領だったパラオは、信託統治していた米国との「自由連合協定」が発効され、独立した。なお、オアラオは核兵器の使用を禁じた非核憲法を持っているが、経済援助と引き換えに米国に軍事・防衛権を移管することに伴い、非核事項を凍結した。自由連合協定承認をめぐっては、7回の住民投票を行ったが承認されず、わざわざ憲法を改正して、承認の基準を75%から50%に下げ、93年11月の8回目の住民投票でようやく承認された。自由連合協定承認が難航したのは、住民の間に根強く反核、反軍事基地化の意識が残っているからだ。独立後も反対意識は強く、協定反対の訴訟も相次いでいる。住民の間では「この状態は本当の独立ではない」という批判もあり、これに対してパラオの日系人大統領クニオ・ナカムラは「クリストファー国務長官から、有事の時か、パラオが防衛を依頼した時しか、米軍は軍事力を行使しないことを確認している」と説明した。

 パラオ郵政から、この独立の日を記念する切手5種横連刷が発行された。これはパラオの美しい島々を背景に、クニオ・ナカムラ大統領とビル・クリントン米大統領が握手を交わしているところや両国の国旗などを描いた連続図案になっている。

#切手

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