第2集「野を横に馬牽むけよほととぎす」① 奥の細道シリーズ切手限定コレクション

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 四月三日(陽暦五月二十一日)に黒羽(栃木県那須郡黒羽町)に入った芭蕉一行は、ゆっくりと骨休めをしたあと、十六日(陽暦六月三日)の昼に馬で送られて。次の高久(那須郡那須町)へ向かった。

『奥の細道』には、

 是より殺生石に行く。

 館代より馬にて送られる。

 この口付きのをのこ「短冊得させよ」と乞ふ。

 やさしきことを望み侍るものかなと、

 野を横に馬牽むけよほととぎす

とある。

 「館代」は城代家老の意味で、浄法寺図書高勝(俳号・秋鴉)という人物。「口付のをのこ」とは、馬の手綱を引いていく人。
 旅中に作られた句かどうかは分からないが、元禄四年の撰集に出るので、『奥の細道』執筆より前には出来ていた句。
 ほととぎすは、鳴きながら飛ぶもの。那須野は広々としたところで路も多くあるというのが、伝統的に歌に詠まれてきたことであった。その二つが、この句にはよくあらわされている。『奥の細道』本文の中に置いて詠むと、「口付のをのこ」が風雅な願いをしたのに対して、芭蕉が同じく、(馬上にあるため、那須野ゆかりの鎌倉武士を気取って)風雅な願いを命令口調で述べた体になる。

【句意】
広々とした那須野をほととぎすが鳴いて飛んでいった。口取りの者よ、しばし、ほととぎすの鳴いていった方向に馬の頭を向けよ。

 季語・「ほととぎす」(夏)

黒羽局近くの常念寺に句碑がある。

吟詠地 栃木県・那須(那須町)

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  • 常念寺の句碑です。
    これをマキシマムカードにして欲しかった....

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