第2集 江戸木目込人形(2) (伝統的工芸品シリーズ切手 初日カバー)

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 雛人形は、昔、災いをうつし負わせるために、幼児のそばに置いたお守りの人形である形代や天児(あまがつ)、また女の子玩具として遊んだ、小さな人形である這子(ほうこ)といった人形から、紙の立雛が生まれ、室町時代から坐雛が作られた。徳川時代に入って別格の進歩を見せ、元禄、享保の頃には現在のようなものが作られるようになった。

 江戸木目込人形の題材の多くは昔の美に構想を得ているが、古典美を現代感覚の中で、もう一度練り直している。静の中に動を感じさせるのは、布地をきめ込むことによって美しい線を出し、重ねによって豪壮、華麗な美しさを現わしてふっくらと仕上げ、まろやかな線や硬い線を自由に表現しているためである。

雅子雛(野口光彦作)
 雅子姿をした坐雛である。雅子とは古くは赤ん坊、幼児の意味に用いたが、寺院で女の子の代りに給仕や雑用をしていた少年を指したこともある。現在は、大法会の行列などに美装して加わる幼童を指すことが多い。

犬張子持(初代金林真多呂作)
 犬張子を持っている人形。犬張子は張子で作った犬の玩具で、張子というのは木型に紙を重ねて貼り、乾いてから型を抜きとって作ったものであり、達磨や虎も多い。犬張子が立った姿をしたものが多く、宮詣しの時の贈物にする。昔は顔を子供に似せ、体は犬の姿に作って子供の魔除けにしたようにである。

※1985年当初の説明です。

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