中国/「水滸伝」(2次)1989.7.25【World Topics Stamp Collection】

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『108人の豪傑の痛快ドラマ』

 『水滸伝』は、時代(1368-1645)の長編小説で、『三国志演義』とならび、近世の中国で最もひろく読まれた口語小説だ。「悪をこらして正義を助ける」英雄物語は、古くから多くの人々に愛読されてきたが、『水滸伝』は、日本でも幅広く親しまれてきた物語のひとつである。

 この物語は、明代初期に、施耐庵(したいあん)と羅貫中(らかんちゅう)によってまとめられたもので、北宋末年、山東省の湖「梁山泊」の水辺(水滸)に集まった、実在の群盗をモデルにして生まれた。その後、物語の数多くのエピソードを付け加えながら、史実が物語の中にデフォルメした形でで入り、やがて庶民の英雄物語に成長する。ストーリーは、官史や土豪に圧迫され、梁山泊に集まって義兄弟となった108人の豪傑たちが、悪をこらし、正義を助けるという痛快な展開で、表現力ゆたかな口語で、豪傑たちひとりひとりを個性的に描いている。切手は、1987年に発行された第1次に続くもので、物語はいよいよ佳境を迎える。

▷8分「武松、トラを退治する」
20~30人を喰い殺したという、景陽岡にすむ大トラを、酒に酔った武松が、拳骨でなぐりつけて殺す武勇伝。

▷10分「秦明、夜瓦礫場を走る」
気が短く怒りっぽいので、霹靂火(へきれきか)と呼ばれる秦明が、瓦礫場(焼野原)を走る場面。

▷20分「花栄、梁山に雁を射る」
弓の名人、花栄が、遠くわたっていく雁の列の、先頭から3番目を、見事に射落す場面。

▷1.30元「黒旋風、浪裏白跳と戦う」
あばれん坊で名高く、黒旋風とよばれる李逵と、浪裏白跳と呼ばれる張順。やがて仲間として結ばれる二人の闘い。

※1989年当初の説明です。

#切手

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