Diplichnites

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三葉虫の生痕化石には、大きく3つに区分できます。泥底の海底に潜って身を隠していた痕のRusophycus(三葉虫の休息痕)、食事をしながら海底を這い回ったCruziana(三葉虫の這い痕)、それとこの標本の様に海底をただ歩行した跡であるDiplichnitesに大別されます。Diplichnitesは、化石の中で最も化石化しにくい状態という事もあり、3つの状態の中では見つかる確率は最も低くなります。三葉虫の生態を知りうるのに、この様な生痕化石から生活の様子や行動、体の構造など多くの情報が秘められているのです。この足跡の主は誰なのかという事が気になりますが、この産地を含め、シルル紀オハイオ州で知る限り三葉虫の化石が判明せず、不明です。この産地の同様の標本も大体幅が25㎜ほど、それ程大きな種類ではなかったとしか分かりません。

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  • 生痕化石も面白いですね。Rusophycusをみると、もったいなくも、半分に切ってその断面や中身を観察したい欲求に駆られます。中から三葉虫の化石が丸々出てくれば面白いと思うのですが、超奇跡的な確率でしか無理でしょうか。あとは、CruzianaあるいはDiplichnitesの先に三葉虫本体が残る化石ってあるのでしょうか。カブトガニの化石などでは、そういう組み合わせを偶に見ますが、私は三葉虫に関しては、そういうものを見た事がないんですよね。

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      Trilobites

      2020/07/05

      三葉虫本体が残っている確率が一番高いのが、Rusophycusだと思うのですが、何故か共産しないのが不思議ですよね。少なくても潜穴を掘って主が抜けた後に何日も状態を維持できるようには思えないんですけどね。これらの生痕が本当に三葉虫のものだったのか、何となく疑問には感じております。ゾルンホーフェンのMesolimulusみたいな決定的証拠が三葉虫では無いんですよね。

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