Hamatolenus morocanus

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カンブリア紀モロッコ産の大型種です。尾部近くまで達する緩く弧を描いた長い頬棘が印象的で、見た目はレドリキアそのものです。分類的には所属するEllipsocephaloidea(科)が、Ptychopariida(目)という考えと、近年ではRedlichiida(目)と分かれていますが、この種類を見ていればRedlichiida(目)という事で良いと感じます。産出量が極めて少ないことで知られ、産地も特定のエリア以外から報告が無い様で、今後も多産する事は先ず無いといって良い種類です。

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  • H. vincentiやH.magnusなど数種いる中でもとりわけ巨大で、それらと比較しても稀産だと感じるのがこの種ですね。ただ個人的には、H. vincentiは、magnusかmorocanusあたりの幼体のような気がしなくもないのですが。
    均整が取れていて立体感もあり、細部が手抜きになりがちなこの手の大型標本にして、細かい構造までよくわかる良い標本ですね。またこの種は尾部が微妙に母岩の中にくるんと丸まっていて、見えなくなっている事も多いと思うのですが、その点も本標本はパーフェクトですね。

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      Trilobites

      2020/12/29

      本種は、まだ正式には学名が確定していないのだと思っています。Protolenusの一種とされていたり、一文字違いのH.maroccanus(Neltner,1938)など混乱が長年続いたままなのです。この種類は、選べるほど出回らないので、気になる標本があれば先ず押さえて、その後良いのが出たら乗り換えてもいいな位で行かないと、入手は何時までもできない種類だと思います。この標本は、元は巣穴氏から放出された標本で、後から何故かリサイクルショップ経由で入手したものです。

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