第1集「あらふたの青葉若葉の日の光」① 奥の細道シリーズ切手限定コレクション

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『奥の細道』には、

 卯月朔日(ついたち)、

 御山に詣拝す。

 住昔(そのかみ)、

 この御山を二荒山と書きしを、

 空海大師開其の時、

 日光と改め給ふ。

 千歳未来を悟り給ふにや、

 今この御光一天にかかやきて、

 恩沢八荒にあふれ、

 四民安堵の栖穏やかなり。(略)

  あらふたと青葉若葉の日の光

 と出る。芭蕉たちの日光到着は四月一日(陽暦五月十九日)午後ごろで、翌日は裏見の滝などを見て、昼ごろ出立している。
 旅中に「あらふたと木の下闇も日の光」と作られた句を、『奥の細道』に一部改めて用いた(他の句形も伝えられるが、信じられない)。改めたのは、「木の下闇も」として日光(つまりは徳川家康)の偉業を讃えた部分を、文中に「恩沢八荒にあふれ」と用いたからで、重ならぬよう「青葉若葉の」としたのだが、理屈っぽさがなくなってよい句になった。「日の光」は、日光の地名を詠み込んだもの。日光参拝の当日は曇りだったが、句作りには関係ない。

【句意】
 ああ、まことに日光という名にふさわしく、折からの青葉若菜に降り注ぐ日の光は、平和の世の中をもたらした東照宮の御威光と恩沢を示すかのようで、尊く感じされることだ。

季語・「青葉若葉」(夏)

 東照宮宝物館の傍の楓の木の脇と、ずっと離れた安良沢の大日堂跡に俳碑はある。裏見の滝は、この安良沢の次のバス停「裏見の滝入口」から歩く。切手に描かれた華厳の滝に芭蕉は行っていない。日光局は門前町の中、日光市役所の前。

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