第1集 西陣織(2) (伝統的工芸品シリーズ切手 初日カバー)

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 紋織は、明治初期までは、空引機(紋織の織機で補助者が必要である)で織っていたが、ジャガード機の導入依頼、紋紙を使って経糸を操作し、緯糸で杼で連続的に通して、緻密で優美な文様を織り上げるようになった。西陣織の代表的な綴れは、織組織は平織りで簡単であるが、多色で多彩な色糸を駆使して、表も裏も同じ文様を織り出す手の込んだものである。また、経錦(経糸だけで文様を表わす錦)は平織り又は綾織りによる紋織物、緯錦(緯糸だけで文様を表す錦)は、綾織り又は平織り又は変化織りによる紋織物である。切手図案はいずれも佐々木清七製織列帳の中の織見本から採用されたもので、この列帳(織の見本帳)は現在、京都西陣会館内に展示されている。

佐々木清七製織列帳
 佐々木清七は、フランスの織機ジャガードをいち早く西陣織に取り入れた、非常に先見性あふれる機業家であった。明治11年には、すでに広幅女帯地製織に成功するなど、ジャガードの特徴をよく生かした、新しい紋織をつぎつぎと発明している。鹿子織、蓬莱織の発明に彼の独自性がいかんなく発揮されている。
 それまでの機業家とは異なり、彼は機職人ではなく、事業家に徹している。ジャガードを導入すると、すぐれた技術者を結集し、自らはつねに実業と業界活動に専念していた。そこに近代西陣の新しい機業家の姿がある。

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