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- 55F 日本近代美術シリーズ 初日カバーコレクション
- 青木 繁 ≪わだつみのいろこ宮≫(1907年) 「近代美術シリーズ初日カバーコレクション」
青木 繁 ≪わだつみのいろこ宮≫(1907年) 「近代美術シリーズ初日カバーコレクション」
1979年5月30日発行
青木 繁
明治15年(1882)7月13日、没落した旧有馬藩士青木廉吾の長男として、福岡県久留米市に生まれた。明治32年上京して画塾不同舎に入門、さらに翌33年東京美術学校に入学した。明治36年第8回白馬会展に「黄泉比良坂」などを出品して第1回の白馬会賞を受賞、ついで翌年第9回白馬会展に「海の幸」を出品し、その浪漫主義的な情感にあふれる表現は人々に新鮮な感動を与え、青木の画名を一躍高めた。しかし名声は長くは続かず、明治38年頃から父の病気、福田たねとの恋愛問題などから心痛がたえず、また自分自身の生活の困窮も加わって、心身ともに切迫した状態に落ち入る。そして明治40年再起を期して、東京府勧業博覧会に出品した「わだつみのいろこの宮」が3等末席に終わり、さらに同年第1回文展に出品した「女の顔」があえなく落選したことが、彼を決定的にうちのめした。明治41年以降失意のまま福岡、熊本、佐賀地方を転々と流浪し、44年(1911)3月25日わずか28歳のわかさで歿した。なお福田蘭童は福田たねの生んだ青木の遺児である。
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