第7集 京扇子(1) (伝統的工芸品シリーズ切手 初日カバー)

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 扇子は涼をとるためでなく、礼儀や芸事に欠かせないもので、現在京都の他に名古屋、大阪、奈良でも作られている。

 京扇子は平安時代(920~1184)の初期に、木簡(文字を記す木片)から派生して、京都で創作されたものと考えられ、元慶元年(877)の京都東寺の木彫千手観音立像の胸の中から発見されたものが最古の桧扇とされている。京扇子の伝統美は多くの欧米人を魅了した。

 京扇子は、京都市を中心に宇治市、亀岡市、船井郡の八木町で生産されており、木の薄板を綴り合せた板扇と、主として竹骨に紙や布を貼った貼扇(紙扇・絹扇)がある。夏扇、茶扇、舞扇、飾り扇、祝儀扇、豆扇等の種類が多い。華麗な装飾と、柔和で洗練されたデザインが特色で用途も広く、最近では装飾品として愛されている。

 伝統的な京扇子は、板扇の骨材はヒノキ、スギ、ビャクダンで、縦割にして作り、加飾は箔押し、染め、手描きの絵付けによる。貼扇の骨材はマダケ、ハチク、モウソウチク、象牙、牛骨、貼地は和紙、絹織物、綿織物で、加飾は彫り、染め、天然漆の蒔絵、漆塗りによる。また、貼地の加飾は箔押し、はき、切箔振り、砂子振り、分金、絵付けによる。絵付けは、手描き、版木つき、または木版画摺りによる。伝統工芸士は現在、扇骨加工4名、地紙1名、折加工5名、上絵2名、箔押4名、仕上げ4名の合計20名がいる。

※1986年当初の説明です。

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