ヘルパ【1/500】香港返還 L-1011

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香港返還 L-1011
レジ なし

空港のために作られたフィクションモデルの中で、最も入手が難しいのは、この啓徳空港(旧香港飛行場)のL-1011であろう。
なぜなら販売されたのが香港が返還された1997年の7月より数ヶ月間しか販売されなかったからだ。
このモデルは香港をイギリスが返還したことに加えて、啓徳空港の閉港を記念して発売されたモデルであり販売個数も少なく、折しも啓徳空港が閉港したのが1年後の1998年の7月であるため数多く出回ってないのである。
同じく香港地区のフィクションモデルといえば今でもB777-300(同フロアにて展示中)や747-SPが市場に並んでいる事があるが、このトライスターだけほとんど見ることはなく、収集家の方で「トリプルセブンやエスピーは見かけるのにトライスターだけは見かけない」といった経験をされた方も多いのではないだろうか。
啓徳空港はかつてイギリス領香港・九龍のヴィクトリア・ハーバーに面した九龍城区にあった国際空港(イギリス空軍基地と兼用)で、同じ地区の九龍城とならび香港を象徴するランドマークの一つだった。
そのため香港の代名詞の一つとして位置付けられ、数多くドラマや映画などに登場した。
特に有名だったのは"香港カーブ"として知られるアプローチ(空港への侵入経路)で、美しい香港の夜景に飛行機が吸い込まれていくように着陸していく光景は多くの人々の脳裏に焼き付いた。
そんな美しいシーンとは裏腹に、乱立するビルや聳え立つ九龍城を飛行機がスレスレに飛行しないと着陸できないこと、そして周りの険しい山々に反射して吹いてくる横風が、飛行機に大きく影響を与えることから「世界一着陸が難しい空港」と称され、多くのパイロットが手に汗を握る空港としても知られた。
着陸には相当な技量が要求される空港であるが、香港を拠点としているキャセイパシフィック航空のパイロットは、安全と乗り心地を考え、IGS(※1)を早めにディスエンゲージし北側へわずかに進路を修正後、緩やかに右旋回をしバンク角も少なめにスムーズに着陸することを「秘伝の技」として編み出した。
ちなみに香港にはヘルパのグループメーカーであるホーガンウィングスが存在する。

※1 計器着陸装置(けいきちゃくりくそうち)着陸進入する航空機に対して、空港・飛行場付近の地上施設から指向性誘導電波を発射し、視界不良時にも安全に滑走路上まで誘導するシステム。

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