Olenellus thompsoni

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1980年代に閉鎖されてしまったペンシルバニア州kinzer累層からは、初期の特徴的なオレネルスの仲間が産出していました。本種は一般的な種類ではありましたが、閉鎖から40年以上経った今となっては簡単に入手できなくなっています。kinzer累層のオレネルスは、O.getzi、O.roddyiなど幾つかの種類が確認できるのですが、Wikipediaの情報を参考にすると、他のOlenelloideaと同様にGlabella(頭鞍部中央)の微妙な違いで種を判別しています。少し専門用語が多くて分かり難いですが、
O.thompsoniは、Glabella (L4)の Frontal lobe(前頭葉/両眼の間の上にある膨らみ)の最大幅は、Occipital ring(L0)の最大幅よりも大きい。L2はL0と比較して横に膨らむ。O.getziは、L4 の最大幅が L0 の最大幅より小さいか、ほぼ等しい。L2はL0と同じくらい広い。T3のPleural spinesは、6~8セグメント後方に伸びる。T7の幅は、棘を除くT3の幅の2/3未満。とありますが、実際の化石は明瞭に区別がつかないので、判断できるに至りません。単語の位置関係は、参考リンクからが分かりやすいと思います。

【参考リンク】trilobites.info
http://www.trilobites.info/trilomorph.htm
https://www.trilobites.info/trilomajor.htm

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  • お持ちだったんですね、トンプソニ。kinzersの三葉虫の中では比較的多産する印象ですが、中々綺麗な標本はありませんよね。記載から、他種と鑑別するのは、どうしても難しく私は正直慣れないですが、違いの分かりにくいオレネルスは、ある程度は参照せざるを得ませんね。この種の素人的な見分けとしては、頭部に対する眼の占めるサイズが、他のオレネルスと比較しても、かなり大きい事が一つの特徴かなと思っています。

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      Trilobites

      2020/07/02

      6年以上前に入手していたのですが、各カテゴリーを10に分けて月1公開だと、10か月周期で順番が巡るのですが、カンブリア紀北米産はバックヤードに多くの種類が控えていて、中々順番が来ませんでした。ただ後回しになっていたのも理由があり、thompsoniは記載年が北米の中でも古く、O.getziとの差が分からずに調査中だった事もあります。オレネルスは小型個体だと眼が大きい比率になるので、O.getziの幼体なのか疑問があったんですが、近年はこの様な差は別種扱いになる傾向があるので、そのままで良いかなと踏ん切りがついたのでした。

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