Drotops armatus

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一体彼は誰から身を守りたかったのでしょうか?
あるいは、誰かにその派手な見た目をアピールしたかったのでしょうか?

デヴォン紀を代表する有名種、ドロトプス・アルマトゥス (Drotops armatus) です。アルマトゥスとは『武装した』という意味ですが、その種小名が呈する通り、三葉虫の全身を痛そうなトゲトゲで覆っております。デヴォン紀を代表する三葉虫であるファコプスの仲間であり、同時代を特徴づける『棘』を持ち、まさにこの時代を代表する種と言えるかと思います。この種は多くのファコプス同様、防御姿勢をとる事ができますが、そうなるとぐるり一周棘だらけで、もはや捕食者は手出しできなくなります。この派手な『棘』は、この時代に巨大化・高機能化した魚類に対する防御の為という説が根強くありますが、本当のところは誰にも分かりません。

比較的繁栄した種のようで、常に市場で売りに出されている為、状態を問わなければ比較的入手はし易いです。ただ棘が偽物である事が多いのと、プレパレーションが荒い標本が多いので、状態の良い標本の入手はそれなりに困難です。

いずれにせよ、150mm近くになる巨体も手伝い、初見でのインパクトは凄まじく、多くの三葉虫コレクターが最初に憧れる種の一つであります。

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    Trilobites

    2020/06/08

    本種は、明らかに見分けがつく幾つかのバリエーションがあるので、そろそろ別の小種名を与えても良いと思うのですが、研究者は後回しにしているのでしょうか。ファコプス系の様に細かく研究が進むと手に入りにくくなるので、意外と今が抑え時かななんて思っています。(お金に余裕が無く、収集出来てませんが)コレクターとしては、敬遠しがちなエンロールの姿の標本が魅力的に思える種類ですね。現生の魚を当てはめてみた時に、硬い外骨格は防御に有効ですが、棘は意味ない気がしますので、何か別の目的があったとみて良い気がしますが、デボン紀モロッコの海の中が分かる情報が皆無に等しい位分からないんですよね。

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    • 素人目に見ても確かに特に軸葉の棘が2列か4列か、棘の長さなど区別しやすい要素がてんこ盛りで、記載はしやすそうに見えるのですが、学術的に優先順位が低いんでしょうか?私もとりあえず、軸葉の棘が4列のタイプも押さえておきたいのですが(できれば防御姿勢ものもの)、何せ結構な高額種なので躊躇しています。確かに棘の機能については色々と疑問の余地がありますね。魚に対する防御という説は根強いものの、肝心のその魚の化石って同産地でそんなに産出したのかなあと思ったりします。本当に化石の世界は謎だらけですね。それがまた楽しいんですけども。

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    MOYO.

    2020/06/10

    凄い!これはまるでゾイドみたい!「失礼(^_^;)」でカッコ良い!

    昔「デボン紀」の三葉虫の化石を福井県勝山の恐竜博物館にて購入して大切にしておりましたが、甥っ子が欲しいとせがむのであげてしまいました(笑)。

    その甥っ子も今では24歳にもなったので、もう要らなくなったならば返してくれないかなぁ。と思ってしまいました(笑)。

    有難う御座いますm(__)m。

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    • 格好良いですよね!
      半ば見慣れたはずの今でさえ、この種をみると、いつもその威容にびっくりしてしまいます。

      MOYO様も、デボン紀の三葉虫を買われた事があるんですね。甥っ子さんにあげたとの事ですが、どんな種だったのか少し気になりますね。

      コメント、有難うございます!!

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    Mineosaurus

    2023/06/12 - 編集済み

    今の技術でスキャンしたら内臓が全て見えそうです。

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    • コメント有難う御座います。
      三葉虫ではあまり聞かないですが、近年、古脊椎動物の研究で多用されるエンドキャスト解析など、やってみたくなりますね。

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