FULLWINGS 【1/500】ANA 全日空  B747-400D マリンジャンボ

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ANA 全日空 
B747-400D
マリンジャンボ
JA8963

マリンジャンボは1993年から1995年まで存在した特別塗装機。
スヌーピージャンボや、ポケモンジェットよりも歴史は古く、旅客機のスペシャルマーキングの先駆け的存在であり、登場当時、社会現象を巻き起こした。
マリンジャンボの登場の経歴はANAの意識改革・業務改革の推進活動「LEAD THE WAY」活動での社員参加型プログラム「First Choice Program」にて1991年3月から7月の第一段階の議論提案の部で行われた「FCP提案」において整備部門3部署からのセクション提案と社員5名からのパーソナル提案で特別塗装機運航のアイデアが提案され、第二段階の実行の部へ引き継がれ11月に社長への答申を行い「全社員が一丸となり厳しい時代を頑張り抜くための象徴となること」「これからのサービスをトライアル実施する実験機にできること」「増収のチャンスを広げる機体になりえること」といった理由から特別塗装機計画が持ち上げられたことである。
1992年10月に小中学生を対象にデザイン公募を発表。12月から募集を開始し2か月にわたり、スペシャルマーキング案を募集、20,110点の応募を集め、社外審査員に倉本聰氏・サトウサンペイ氏・小谷実可子氏を迎え、最優秀作として当時、千葉県在住の小学校6年生の女子児童だったデザイナーの大垣友紀惠氏の、機体一杯にクジラの姿をユーモラスに描き、その他海の生き物をあしらった形の作品が選ばれた。
就航時にはマスコミも連日取り上げ、グッズの売り上げも好調で、まだ就航していない小規模な地方空港からも同種のスペシャルマーキング機の訪問を望む声も多数寄せられた。
しかしながら、ボーイング747-400Dでは離着陸できる空港が限られていたため、後にB767-300(JA8579)に同種のペイントを施した「マリンジャンボJr.」が登場し、こちらはローカル空港を担当した。
1995年にジャンボ、Jr.共に運行を終了しているが、商品展開やメディア展開が時たまされるなどいまだに根強い人気があり、2008年の佐賀バルーンフェスタには原案者の大垣友紀惠氏によるマリンジャンボと同デザインの気球や
2022年、2023年にはマリンジャンボのデビュー30周年となることから、公式から「マリンジャンボカレンダー」が発売されているなどしている。
モデルはFULLWINGSという中国のメーカーが1994年に発売した物で商標の関係上(やはりか)、日本国内では発売されていない。
FULLWINGSはメジャーなモデルメーカーでは1/500スケールだと印刷しにくい特別塗装ならば(マリンジャンボだとなおさら)スルーされがちなところ、堂々とモデル化するメーカーである。
ヘルパをトレース・・・もといインスパイアしたのか、なぜかモデルのプロポーションがヘルパになっており、塗装印刷、尾翼の質感は本家さながらフラップの表現、さらには旧ギアまで再現してしまっているというリスペクトぶりである。
それも本家であったエバー航空特注モデルのホイールベース表現も難なくやっちゃってるわけだから、あの技術は下手したらこちらが元祖かもしれない。
さらにパッケージのスケール表記がヘルパまんまなのがニクい。
商品名もB747-"300"となっており、やはりこちらもビッグバードのSRと同じく400Dが日本国内仕様で、海外では馴染みがなかった故なのか。
"複雑な特別塗装機の1/500"と"謎のヘルパモールド"、"ホイールベース表現"と三拍子揃ったFULLWINGSのモデルは、まさにエアラインモデル界の珍味といえよう。
また、マリンジャンボの1/500スケールはやはり塗装の複雑さから非常に少なく、他にビッグバードやシャバクからしか出ていない。
ちなみにこのモデル後方部にペイントされたタコのイラストの位置が微妙に実機と合っていないのはご愛嬌。
さらにモデルについて補足させていただくとすれば、ガリバー特注のANK以外、ヘルパでANA系のモデルは発売されておらず、ANA表記なしでのヘルパ(正確には風味だが)モデルの発売はユーザーにってどこかギャップがある。
しかしながら、全日空商事のモデルはヘルパの子会社であるホーガンに受注しており、金型がヘルパと共通であるため初期ギア仕様やNGギア仕様などに多くの共通点が見られる。
そんなことから、もし全日空商事が初期ラインナップの頃にマリンジャンボを出していたら・・・なんて妄想にふけることができるモデルかもしれない・・・。

備考・機体に色とび?あり、箱汚れ。

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