KONISHIROKU HEXANON 1:2 f=50mm

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1960年の終わり頃(12月?)に廉価版として登場したKonica FS用のセットレンズとして50mm F2は登場します。ちょっとはっきりしないのですが,このレンズの登場は1962年のようで,FSの登場時期と一致していません。Konica Fのセットレンズは52mm F1.4でしたから当初FSも52mm F1.4をセットレンズとしていたものの価格を下げるために後から50mm F2が投入されたのかもしれません。しかしながら,1962年の秋にはKonica FPが登場し,そのセットレンズは52mm F1.8に変更され,50mm F2はディスコンになります。このようなことから50mm F2がFSにセットされて販売された期間がどのくらいだったのか,今ひとつ判然としないのですが販売期間が極めて短かったこと,単体では販売されていな可能性が高いこと,は容易に想像されます。結果として,このレンズはコニカFマウントレンズのなかでもかなりレアなレンズです。とは言え,コニカFマウントのレンズ自体の数がそれほど多くはないので,52mm F1.8以外はいずれのレンズもそれなりにレアであると言えるかもしれません。

もうひとつ,この50mm F2について特筆すべき点は,コニカの一眼レフ用のレンズとして,ARマウントレンズも含めて50mm F2というスペックのレンズは後にも先にも存在していない,ということです。50mm F2なんていかにも廉価版レンズの王道をいくスペックでいくらでもありそうなのですが,コニカの一眼レフに関して言えば,1962年頃にそれほど多くない数が販売されたこのレンズが50mm F2というスペックの唯一のレンズなのです。

ネット上の情報によるとこのレンズのバリエーションは距離環がfeet表示のものとmeter表示の二種類だけのようです。販売期間が短かったことを考えるとそれ以上のバリエーションがあったとはちょっと考えにくいので,実際,仕向地ごとのバリエーションしか存在しなかったものと思われます。やたらと細かい違いのバリエーションが多いコニカ(小西六)にしては珍しいパターンです。

この個体はヤフオクでたまたま見つけたので入手しました。やや高い値付けでしたが,次にいつ見つけられるかわからない,ということもあって入札しました。レアなレンズであることは間違いありませんが,古い時代の廉価版レンズだし,そもそも使い道があるのかないのかわからないコニカFマウントだし,でなんとも微妙な値付けでした。

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