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Contarex Planar 50mm F2
1958年に登場したZeiss Ikon渾身のカメラContarex用の標準レンズです。ContarexはZeiss Ikonがカメラ事業から撤退する1973年で市場から退場しますが,最初から最後までラインナップされていたレンズの一つがこのPlanar 50mm F2です。Wikipediaによると4群6枚構成のレンズ構成で銀鏡筒で最短撮影距離が30cmの前期型と1965年に登場したフラッシュマチック機構を組み込んで黒鏡筒,最短撮影距離38cmの「ブリッツ」があって,Contarex用レンズ最多の計37,768本が製造されたとのことです。 しかし,実際には,レンズ構成は第3群の張り合わせレンズを分割して薄い空気レンズを挟んだ5群6枚構成の拡張ダブルガウス型で,4群6枚構成のPlanarはカタログ上で見られるだけで本当に出荷されたのかどうかはっきりしません。また,鏡筒の色についても,ブリッツではない黒鏡筒モデルもあり,これは,前期型の単なる色違いのようです。しかもその黒鏡筒モデルは,ブリッツタイプのように距離環だけがアルミの銀色でそれ以外の鏡筒部分が黒なのではなく,距離環も含めて黒いオールブラック版と呼ばれるモデルがごくわずか存在するのです。 どのタイミングでオールブラック版が市場に投入されたのかはっきりしませんが,おそらく,銀鏡筒,オールブラック版,距離環のみ銀色の黒鏡筒という順番でリリースされているであろうと考えています。オールブラック版はほとんど見かけることはないのですが,なぜか,私の手元にはSonnar 135mm F4のオールブラック版があるので,Planar 50mm F2以外にもオールブラック版が存在することは間違いありません。しかし,全てのモデルにオールブラック版があったかどうかは私が調べた限りではよくわかりません。軽く検索した範囲では,Planar 50mm F2の他に,Sonnar 85mm F2, Distagon 25mm F2.8は本物らしきものが出品されていました。 だからどうだ,という話は何もありません。私の手元のPlanar 50mm F2は前期型,最短撮影距離が30cmの銀鏡筒モデルです。シリアル番号は261万番代なので,1959年か1960年ごろの製品で,Contarex用レンズとしてはかなり早い時期のものだと思われます。Zeiss Ikon純正のバヨネット式フードは50-135mm用というかなり大雑把なものです。レンズ先端にはネジを切ってあるのでねじ込み式のフィルタを取り付けることもできますが,純正フードとは共存できない,という微妙な仕様です。フィルタとフードを両方使いたい場合は,バヨネット式のフィルタを取り付けてからフードをとりつけるか,ねじ込み式のフィルタを取り付けてから社外品の適当なねじ込み式のフードをつけるしかありません。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/Planar%201%3A2%20f%3D50mm に置いています。 #レンズ #MF #Planar #Contarex #Carl_Zeiss #50mm #F2 #標準 #単焦点
MFレンズ Contarex Carl ZeissMOR
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SKOPAREX 1:3.4/35
Voigtlanderのベッサマチック用SKOPAREXです。ざっくり言えばBessamatic用の3群4枚の典型的なTessar型であるColor Skopar 50mm F2.8をベースに焦点距離を35mmにしたもの,と言えます。ただし,Bessamaticは一眼レフでミラーがあるため,レンズはバックフォーカスを長くとらねばなりません。そのために,Tessar構成のレンズ前端に2群2枚のレンズを追加して5群6枚構成のレトロフォーカスタイプで設計されています。 Skoparexの祖先はTessar型のColor Skoparですが,これをレトロフォーカスタイプにしたProminent用のSkoparon 35mm F3.5が直接の先祖だと考えられます。マウント形状はDKLと同じであるものの後のBessamaticとは互換性がないVitessa-T用のSkoparet 35mm F3.4となり,いわゆるDKLマウントのBessamatic用のSkoparex 35mm F3.4へと繋がっていきます。 Bessamatic用のSkoparex 35mm F3.4は大きく分けて前期型と後期型があり,前期型はVoigtlanderが出すつもりだったレンジファインダー式カメラとの互換性を考慮して距離計に連動するためのカムが装備されており,最短撮影距離も1mでした。当時は35mmレンズは十分に広角レンズだったと思われますが,広角レンズなのに1mまでしか寄れない,というのはなんのための一眼レフ用レンズなんだ,という中途半端な仕様でした。 その後,レンジファインダー式カメラは実現しないまま,一眼レフカメラが全盛となり,Skoparexも距離計連動のためのカムを捨て,最短撮影距離を40cmとした後期型になります。最短撮影距離がどうしても長くなってしまうビハインドシャッター方式のBessamatic機のなかでは最短撮影距離の短さで1,2を争うレベルであったと言えます。 Skoparexは1960年から1969年まの9年間で6万本強が生産されたということです。1969年にはVoigtlanderはZeiss Ikonに吸収合併されて消滅しますが,ブラウンシュヴァイクの工場は操業を続けます。SkoparexはZeissのICAREXやSL706用レンズとしてマウントをICAREXやM42に変更されます。レンズ構成はBessamatic時代の5群6枚のレトロフォーカス型であることに変わりはなかったようですが,光学設計は微妙に変更されているようです。したがって,同じレンズ銘でもVoigtlander時代とZeiss時代では異なる描写となっているようです。その後,1972年にはZeis Ikonのカメラ事業とVoigtlanderがRolleiに移譲され,RolleiからColor Skoparex銘のレンズがリリースされます。 1981年にはそのRolleiも倒産し,Voigtlanderの商標は別の会社に移譲され,現在は日本のコシナが商標を使っています。コシナからはColor Skopar銘のレンズはでていますが,Skoparex銘のものはないようです。だからどうってこともないのですが,コシナがSkoparex銘を使わない理由は少し気になります。 この個体は最短撮影距離が40cmの後期型でシリアル番号が700万番台なので,Voigtlanderとして最後期の1965から1970年の間に製造された個体であると考えられます。この頃のVoigtlanderのシリアル番号は1年におおよそ20万づつ増えていることを考えると,この個体は1967年ころの製造ではないかと推察されます。 #レンズ #MF #SKOPAREX #DKL #Voigtlander #35mm #F3.4 #広角 #単焦点
MFレンズ DKL VoigtlanderMOR
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SUPER ROKKOR 5cm F1.8
千代田光学精工(のちのミノルタ)は1947年にバルナックライカコピーの35mm判レンジファインダーカメラMinolta-35Aを市場に投入します。フィルムは35mm判でしたが,撮影範囲は24x32mmのニホン判が採用され,そのときの標準レンズは「梅鉢」の名で知られるChiyoko SUPER ROKKOR C 45mm F2.8でした。その後,いくつかのモデルを経て1958年にMinolta IIbで24x36mmのライカ判が採用されますが,このモデルがミノルタの最後のレンジファインダー機となります。 SUPER ROKKOR 1:1.8 f=5cmは1957年か1958年に登場したと考えられていますが,某所での考察によるとMinolta IIbの前年の1957年に市場投入されたと考えられるとのことです。これは,ミノルタ独自の複層膜コーティングであるアクロマチックコーティング(AC)が実用化されたタイミングが1958年で,かつ,SUPER ROKKOR 1:1.8 f=5cmにはACによるコーティングが施されていないことから推察されています。 いずれにしても,SUPER ROKKOR 1:1.8 f=5cmは千代田光学がリリースした(ほぼ)最後のL39マウントレンズであったことは容易に想像できます。このモデルの前,おそらく1954年ころには梅鉢の上位の高速レンズとして5cm F2の標準レンズがリリースされています。しかし,このF2のレンズはかなりの暴れ玉のようです。一方のF1.8はよく写るレンズという定評に加えて,販売期間が短かったこともあって,千代田光学がライカコピーの最後を飾るレンズとしてそれなりの人気があるようです。 私は普通の人なので暴れ玉の5cm F2ではなく普通に写るであろう5cm F1.8を探していましたが,それなりによいお値段のためなかなか手が出ませんでした。結局,価格の誘惑に負けて絞り羽に少し油染みのあるあまり状態の良くないものを入手しました。このレンズはダブルガウス型の第2群の張り合わせレンズを二つにわけた5群6枚構成であり,Carl Zeisのウルトロンと似たような構成です。 撮ってみると確かに解像感が高く,絞ればかなりかっちりとした像を結び,よく写るという印象です。ただ,ハイライトが簡単に飛んでしまうようなところがあるように私には感じられます。そのため,陽の光を受ける金属面などがのっぺりしてしまい金属の質感が感じられなくなる場合がありました。その一方で,ハイライト以外では階調が豊かで陰影のある木の表面などの質感表現はたいへん優れていると感じます。 ところが,暗部よりも明部のほうが粘る,という意見もあるようで,そのあたりは被写体のどこに注目しているか,によって感じ方が異なるのかもしれません。いずれにしても,被写体を選ぶようなところが無きにしも非ずなのですが,よく写るか,と問われれば定評どおりよく写るレンズだと思います。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/SUPER%20ROKKOR%201%3A1.8%20f%3D5cm に置いています。 #レンズ #MF #Super_Rokkor #L39 #Chiyoda_Kogaku #Minolta #50mm #F1.8 #標準 #単焦点
MFレンズ L39 Chiyoda KogakuMOR
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KONICA HEXANON 1:1.4 f=57mm
1960年に登場したKonica FマウントのKonica Fからはじまった小西六の一眼レフが1965年に新たに登場し,新しいARマウントを採用したKonica Autorexとともに登場した高速標準レンズがHexanon 57mm F1.4です。57mm F1.4は全てのバリエーションがEEタイプでした。1973年にAUTOREFLEX T3の登場によって絞り優先およびシャッタースピード優先の両対応となるAEタイプの時代になると,T3用の大口径標準レンズとして新たに登場した50mm F1.4にその座を明け渡します。 Konicaの一眼レフ用レンズのご多聞にもれず,57mm F1.4には細部の細かな違いにより多くのバリエーションが存在しています。そのバリエーションはわずか8年の供給期間中に少なくとも16種類はあるようですが,細かく見ればもっと多くのバリエーションがあるのかもしれません。銘板にARの文字が入るのは最後期のレンズに限られるようです。最後とその直前のバージョンのみ,鏡筒全体がブラック仕上げで,それ以前のモデルは被写界深度指標のリングがクローム仕上げでした。時代が進むにつれて少しずつ簡略化されているようです。ただ,レンズ構成は5群6枚のウルトロン型で4群6枚のダブルガウス型の第2群の貼り合わせレンズを分離した構成で一貫していました。外観の変更は多くありますが,光学系には変更がなかったものと思われます。 1/2段明るいHexanon AR 57mm F1.2がフィルタ径62mm,重さが460gもあるのに対して,F1.4のこのレンズはフィルタ径はコニカ標準の55mmで重さも275gですからF1.2はF1.4の1.6倍以上も重いことがわかります。F1.2でなくては撮れない画があることも事実ですが,大きさ,重さの違いを考えるとF1.2のレンズを持ち出すのは少し躊躇してしまいます。 https://muuseo.com/MOR/items/19 この個体は中期型-IIあるいは第11版と呼び方は人によって異なりますがおそらく1968年のKonica FTAが発売された頃に登場したタイプです。ヤフオク!を通して入手しましたが,説明では薄カビはあるものの機能はスムースで純正フード付きということでした。実際に届いたものを見ると,大カビで距離環はほぼ固着していて,どんな素人が見てもわかるような完全にダメな個体でした。ヤフオク!でレンズを転売している人にはこういう人が少なくないのでいちいち目くじらを立てているようではレンズ遊びなどできない,というのが私のスタンスですので,さっさと某マエストロにオーバーホールを依頼しました。もちろん素晴らしいコンディションになって返ってきました。距離環の軽すぎない滑らかな感触はピント合わせが楽しくなります。ピントの山が一瞬なうえに,開放では光の状態によってはハロを纏うため,ピント合わせはたいへん難しいレンズです。そのため,距離環の感触は重要です。実際に撮影してみると開放での被写界深度は非常に薄く感じられ,これならF1.2のレンズはいらないんじゃないか,と思ってしまうほどです。昔のレンズらしく少し絞るとピント面はシャープになって甘さがなくなります。 開放でのピント合わせが難しいのでミラーレスカメラで撮影する場合はついつい1段ほど絞って撮ってしまいます。古い時代の一眼レフの冴えないファインダーでどうやってピント合わせをしていたのか,自分が当時のカメラにこのレンズ をつけていたとすると,ちょっと想像するだに恐ろしくなります。とはいえ,花などを柔らかく撮りたいときには気合を入れて開放でチャレンジしてそれでちゃんとピントがきていると,とてもいい感じの画になってうれしくなります。 このレンズによる作例を https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%20AR%2057MM%20F1.4 に置いています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #52mm #F1.4 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ AR KonicaMOR
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HEXANON AR 85mm F1.8
小西六の一眼レフカメラ用85mmレンズは1960年に登場した最初の一眼レフカメラKonica Fおよび他の3本のレンズとともに登場します。ネット上の噂(?)によると,Konica Fは1500台ほど生産され,初代の85mm F1.8レンズは500台ほどの生産数だったようです。1965年に登場したAutoReflexからマウントがARマウントに変わりますが,85mm F1.8もマウントを変えてコニカの一眼レフの最後までラインナップされます。ARマウントの85mm F1.8は,フィルタ径が58mmのEE版ではじまりますが,その後,フィルタ径はコニカの標準である55mmに変更されます。さらに,鏡筒の意匠がクロームのリングがあるものから全体が黒色のものになり,意匠はオールブラックのまま,最後のAE版が登場しています。 レンズ構成は5群6枚の拡張ダブルガウス型で,この時代の大口径中望遠レンズによく見られる構成です。85mm F1.8はコニカの一眼レフの望遠レンズのなかでは最も大口径でポートレートで用いることを意識したレンズでした。もうひとつの大口径望遠レンズであった135mm F2.5は今でも簡単に見つけることができますが,85mm F1.8はあまり見かけません。 手元の個体はこのレンズのなかでは最後期にあたるAE版です。85mm F1.8は探してみるとなかなか見つからなくてARマウントレンズのわりには高価だったりしますが,たまたまeBayでフランスから出品されているのを見つけて入手しました。外観は非常にきれいなのですが,距離環が非常に重く,ピント合わせがたいへんです。ただ固着しているというわけでもないのでどうにかなるかな,という感じです。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #85mm #F1.8 #望遠 #単焦点 #大口径
MFレンズ AR KonicaMOR
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KONISHIROKU HEXANON 1:2.8 f=35mm
このレンズは1962年に登場したようです。ネット上の情報には「Konica FSとともに1962年に登場した」との説がありますが,FSはFと同じ年,1960年の終わり頃に発売されているのでちょっと違う気がします。1962年にはFSの後継機であるFPが発売されていますので,このレンズの発売が1962年だとすればFPの登場と前後して発売された,と考える方が自然であるように思います。まぁ,今となってはよくわからないし,わからなくてもまったく困らない話なのですが。 コニカFマウントレンズのなかでは35mmがもっとも広角なレンズでした。高級路線まっしぐらであったKonica Fと同時に発売された35mmは上位の開放F値がF2のレンズでした。35mm F2はARマウントに移行後もよく写ると言われているようですが,あまり見かけません。ARマウントでさえも見かけないくらいなので,当然のことながらKonica Fマウントの35mm F2は見たことがありません。F2.8はコニカFマウントの第一世代ではなく2年遅れでの登場ですが,ARマウントに移行後も最後まで残っていました。 Hexanon 35mm F2.8のレンズ構成は典型的なレトロフォーカス型で,3群4枚のテッサーの前に2群2枚を付け加えてバックフォーカスを長くとり一眼レフカメラに適合させた構成です。これは1950年に世界ではじめてレトロフォーカス型レンズを商品化したP. ANGENIEUX PARISのRETROFOCUS TYPE R1 35mm/f2.5とほとんど同じ構成です。ただし,アンジェニューはF2.5ですが,小西六はF2.8で明るさは少し控えめです。 Type R1のレンズ構成を見るとすぐわかるとおり,第一群が飛び抜けて大きな径を持っています。1950年当時はこの構成は大発明だったわけですが,その後,レトロフォーカス型の光学系も少しずつコンパクトになっていきます。Hexanon 35mm F2.8はType R1から遅れること12年での登場ですが,レンズ構成が大きく進歩したような印象はうけません。実際,F2.8という暗めのレンズなのにずいぶんとデカいです。和製アンジェニューなどと呼ばれたりすることもあるようですが,これは褒め言葉として受け止めるべきなのかどうか,微妙です。 Hexanon 35mm F2.8のARマウント版はそれほど珍しいものではありませんが,コニカFマウント版はあまり見かけません。コニカFマウント版には,プリセット絞りのものと自動絞りのものがあります。Hexanonに詳しいサイトでは,どちらのバージョンも最短撮影距離は30cmとされています。しかし,手元の個体は自動絞りバージョンで最短撮影距離は60cmです。そのため,ひょっとすると,絞り方式以外にも光学設計のバリエーションが存在するのかもしれません。 #レンズ #MF #Hexanon #KonicaF #Konishiroku #35mm #F2.8 #広角 #単焦点
MFレンズ Konica F KonishirokuMOR
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KONISHIROKU HEXANON 1:2 f=50mm
1960年の終わり頃(12月?)に廉価版として登場したKonica FS用のセットレンズとして50mm F2は登場します。ちょっとはっきりしないのですが,このレンズの登場は1962年のようで,FSの登場時期と一致していません。Konica Fのセットレンズは52mm F1.4でしたから当初FSも52mm F1.4をセットレンズとしていたものの価格を下げるために後から50mm F2が投入されたのかもしれません。しかしながら,1962年の秋にはKonica FPが登場し,そのセットレンズは52mm F1.8に変更され,50mm F2はディスコンになります。このようなことから50mm F2がFSにセットされて販売された期間がどのくらいだったのか,今ひとつ判然としないのですが販売期間が極めて短かったこと,単体では販売されていな可能性が高いこと,は容易に想像されます。結果として,このレンズはコニカFマウントレンズのなかでもかなりレアなレンズです。とは言え,コニカFマウントのレンズ自体の数がそれほど多くはないので,52mm F1.8以外はいずれのレンズもそれなりにレアであると言えるかもしれません。 もうひとつ,この50mm F2について特筆すべき点は,コニカの一眼レフ用のレンズとして,ARマウントレンズも含めて50mm F2というスペックのレンズは後にも先にも存在していない,ということです。50mm F2なんていかにも廉価版レンズの王道をいくスペックでいくらでもありそうなのですが,コニカの一眼レフに関して言えば,1962年頃にそれほど多くない数が販売されたこのレンズが50mm F2というスペックの唯一のレンズなのです。 ネット上の情報によるとこのレンズのバリエーションは距離環がfeet表示のものとmeter表示の二種類だけのようです。販売期間が短かったことを考えるとそれ以上のバリエーションがあったとはちょっと考えにくいので,実際,仕向地ごとのバリエーションしか存在しなかったものと思われます。やたらと細かい違いのバリエーションが多いコニカ(小西六)にしては珍しいパターンです。 この個体はヤフオクでたまたま見つけたので入手しました。やや高い値付けでしたが,次にいつ見つけられるかわからない,ということもあって入札しました。レアなレンズであることは間違いありませんが,古い時代の廉価版レンズだし,そもそも使い道があるのかないのかわからないコニカFマウントだし,でなんとも微妙な値付けでした。 #レンズ #MF #Hexanon #KonicaF #Konishiroku #50mm #F2 #標準 #単焦点
MFレンズ Konica F KonishirokuMOR
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KONISHIROKU HEXANON 1:1.8 f=52mm
1960年に登場した小西六の最初の一眼レフカメラコニカFはニコンFよりも高価な高級機でした。そのため同じ1960年の終わり頃に廉価版であるFSが投入されます。SはスタンダードのSということのようです。Fのキットレンズは小西六渾身の52mm F1.4でしたが,FSでは50mm F2がセットされます。その後,FSの改良版(?)として1962年にFPが登場すると,セット用のレンズは50mm F2から52mm F1.8に変わります。 1965年には小西六はコニカFマウントを捨ててARマウントに変えますが,52mm F1.8はARマウントになっても継続してセット用の標準レンズとして供給されます。1973年にAutoreflex T3のセットレンズとして50mm F1.7が登場すると,ついにその座を明け渡して市場から消えていきます。しかし,52mm F1.8は10年あまりにわたって供給が続けられたため,コニカの一眼レフ用のレンズとしては目にすることが最も多いレンズのひとつです。ARマウント版の52mm F1.8は以下で紹介しましたが,ここで紹介するのはコニカFマウント版です。 https://muuseo.com/MOR/items/1 ARマウント版では途中から自動露出に対応したEE仕様のものが登場しますが,基本的に,ARマウント版とFマウント版は同じ光学系のまま,大きな変更はされていないようです。ネット上の情報によると,Fマウント版の52mm F1.8には3種類あるようですが,仕向地ごとに銘板の表示が異なっていただけのようですので大きな違いはなさそうです。また,最初期のモデルは距離環のfeet表示の数字が黄色だったようですが,途中からオレンジ色に変更されています。feet表示が黄色っぽい個体は確かに見たことがあるような気もするのですが,オレンジ色が退色しただけ,あるいは写真のホワイトバランスが悪いだけ,のようでもあって,今ひとつはっきりしません。手元の個体はfeet表示の文字がオレンジ色のバージョンです。 コニカFマウントレンズのためのミラーレスカメラに使えるマウントアダプターはまったくないわけではないですが,最近は販売されているのを見たことがありません。このレンズを何らかのカメラにマウントする最も確実な方法は小西六純正のFマウントレンズをARマウントカメラに装着するためのマウントアダプタを用いることです。このアダプタは極めてレアものであるというだけでなく,Konica Lens Adapterというまるで特徴のない当たり前な名前がついているおかげで,検索してもほかのアダプタばかりヒットしてしまって容易には見つけられません。 #レンズ #MF #Hexanon #KonicaF #Konishiroku #52mm #F1.8 #標準 #単焦点
MFレンズ Konica F KonishirokuMOR
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HEXANON AR 40mm F1.8
コニカのARマウントのレンズの中でも有名な部類に入ると思います。パンケーキ型で鏡筒の長さが非常に短いレンズです。普通のパンケーキ型レンズは3群4枚構成のテッサータイプがほとんどですが,このレンズは5群6枚のウルトロン型(変形ガウス型)です。短い筐体によくもそれだけレンズを詰め込んだ,ものだと思わせるレンズ構成です。でもって,パンケーキ型レンズとしては破格に明るい開放F値と,普通に45cmまで寄れる最短撮影距離を実現しており,作り手のこだわりを感じさせてくれます。 パンケーキ型であるだけでなく,そのレンズ構成,設計者,正面に赤色で刻印された大きな「40/1.8」という文字,など,写り以外のところでいろいろと話題が多いレンズです。 1979年に発売されたコニカの一眼レフ機であるFS-1のセットレンズとして共に発売されています。その後,1980年発売のFC-1にもセットレンズとして使われたようですが,その後は,コニカのARマウントの一眼レフ機そのものが終焉に向かっていきます。FS-1の発売時のコニカの立ち位置がどうだったのか,はよくわかりませんが,1980年頃がコニカ一眼レフの終わりの始まりだったように思われます。 このレンズはカメラの売れ行きが必ずしも好調ではない時期に出されたセットレンズなのでコストの制約が厳しかったと想像され,高級品として企画されたものではなかったはずです。しかし,セットレンズがレンズ沼の入り口ですので,セットレンズはそれなりの性能がなければカメラシステム全体の評価を落としかねませんし,他のレンズも買ってもらえない,ということもあって手抜きができない,という難しい立ち位置にありました。そこへ50mmではなく40mmを投入してきた,というのは当時のコニカが独自性を出そうとしていろいろ考えていた,ということなのだと想像されます。 あまりよい状態の個体は見つかりにくいようで,手持ちの個体もそれほど状態がよいわけではあrません。逆光で大暴れするのはコーティングがダメになっているからかもしれません。基本的に逆光の条件で強い光が入り込むとゴーストがでてコントラストが大幅に低下します。その一方で斜光や順光の条件では,つまらない画になりそうなところを,あれっと振り向かせる何かがあることがあります。私の腕の問題もあって,いつもそれを再現できるわけではないのですが,何かよくわからない引き付けるものがある場合があるのです。まったりした,少し粘性が高いねばっとした写りというのでしょうか,だからといって重苦しいわけではなくかといってさっぱりしているというわけでもなく,言葉にしにくい不思議な表情を見せることがあります。 Sony α7Sの絞り優先自動露出で撮ると,たいていの場合はなんだか色が浅くて必要以上にスッキリした画になることが多いと感じます。その特性をうまく活かすとハイキーな妙に明るくて軽快な画になります。一方で少し露出をアンダーにすると,ぐっと色がでて腰がすわわったような画になります。そういう意味で懐が広いというか,表現の引き出しが多いレンズと言えるのかもしれませんが,いつもはその引き出しを開けるのが難しくて,多くの場合はなんだかカスみたいな画ばかり量産してしまう(もちろん,撮影のウデの問題が大きいけど),という実に難しいレンズです。 コニカのARマウントのレンズの中で独自の地位(?)を築いているのはそういう予想が難しく,いつも新鮮な驚きを与えてくれるレンズ,という特性が貢献しているのかもしれません。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%20AR%2040mm%20F1.8 においています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #40mm #F1.8 #標準 #単焦点
MFレンズ AR KonicaMOR
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HEXANON AR 50mm F1.7
1973年に発売されたAUTOREFLEX T3のセットレンズとして初期型が登場しています。当初は絞り環にEEと刻印された前期型,その後,両優先に対応したAEが刻印された中期型,小型軽量化がはかられて最短撮影距離が10cm伸びて55cmになった後期型の3つのバリエーションがあるようです。この個体は後期型です。中期型に比べて35g前後軽くなっています。最短撮影距離を犠牲にして35gの軽量化って,バーターとして妥当だったんだろうか,などと余計なことを考えてしまいます。イマドキの大きく重いレンズを見慣れていると,35gスリム化するよりも最短撮影距離が45cmのほうがよかったんじゃないか,と思ってしまいます。 それと,F1.8じゃなくてF1.7という微妙に半端な開放F値がいろいろな意味で日本的です。 同時に上位機種としてHEXANON 50mm F1.4もリリースされています。この50mm F1.4のレンズは撮っていていまいちピンとこなかったのですが後からゆっくり見直してみると優しい感じで写っていました。F1.7のレンズはその廉価版ということで写りにも共通するものがあるようにも思えます。普通にまっとうな画を望むならF1.4のレンズでも開放で撮ることはあまりなくて少し絞ることになります。それなら開放で普通に写る中口径のレンズでも十分,ということはありがちです。もちろん,F1.4でなくては撮れない画は撮れないことも事実です。 このレンズは,なんというかよく言えば「普通さ」の王道をいく,悪く言えば何の特徴もないレンズ,ということになるでしょうか。小さくて軽いし持って歩くことが苦痛ではなく,普通に写るレンズです。セットレンズとして,まさしく王道をいってます。そんだけ,って感じです。 この個体は2019年の新宿クラシックカメラ博のジャンク棚から1000円で救出したものです。埃や傷やカビはそれなりですが,特にどうしようもない,というものでもなくて1000円分の仕事(ってどんな仕事?)は十分に働けそうです。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%20AR%2050mm%20F1.7 においています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #Konishiroku #50mm #F1.7 #標準 #単焦点
MFレンズ AR KonicaMOR
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MC ROKKOR 85mm F1.7
1970年頃に最初のMC ROKKOR-PF 85mm F1.7が登場しています。金属ローレットでMC ROKKOR-PG 58mm F1.2 前期型-IIと同世代のものが最初のモデルのようです。ミノルタには微妙な1.7という開放F値のレンズがいくつかありますが,このレンズもそのひとつです。F1.8よりもちょっと明るい(ほとんど変わらないけど),というセールス的なことを考えていたのか,それとも,技術的ななんらかのこだわりがあったのでしょうか。 1978年にはMD ROKKORにバトンタッチします。MDタイプになってコーティングは少し変わったようですが,レンズ構成に大きな変更はなかったようです。しかし,MDタイプになってすぐに85mmレンズはf2の小型軽量タイプが登場したためにMD ROKKOR 85mm F1.7はかなり短命であったようです。85mm F1.7でについて言うならばMDタイプの方がMCタイプに比べてかなりレア度は高いと思われます。 レンズ構成は5群6枚のウルトロン型ですから,かの有名なC/YマウントのContax Planar T* 85mm F1.4と同じです。もちろん,レンズの構成が同じだからといって写り具合が同じになるわけもありません。でも,レンズ構成に共通点があるということでレンズ構成に特有の特徴は似ているかもしれません。だからどうだ,ということもないのですが。 重さは450gあまりで,58mm F1.2と同じくらいです。さすがに,どちらも大口径レンズだけあって贅沢なつくりであるためか,かなり重いレンズです。最近の高級レンズは見境なく大きく重くなっているので,1970年前後の高級レンズとはまったくスタンダードが異なります。しかし,それを差し引いてもこのレンズは十分に重く,ぎっちりとガラスが詰まっている,という感じがします(実際どうなのか,ということは別にして,イメージです)。最後の写真に見られるように,専用のねじ込み式のフードがあったようで,minoltaの文字がレトロ感満載です。 rokkorレンズはおしなべて不人気ですので,値段はあって無きが如しですが,58mm F1.2と並んで85mm F1.7は人気が高いため,相対的に高価です。この個体はローレットがゴム巻きになった後期型です。ROKKORレンズ特有のレンズ構成を示す2文字のアルファベットによる符号が省略されて以降の個体です。レンズの世代の違いはほとんど相場には影響がないようですが,58mm F1.2は金属ローレットの前期型を所有しているので気分をかえてゴム巻きローレットのタイプを入手しました。ヤフオク!で高くも安くもないほどほどの値段で落札しました。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR%2085mm%20F1.7 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #85mm #F1.7 #望遠 #単焦点 #大口径
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MC ROKKOR-PF 55mm F1.7
解放F値がF1.8じゃなくてF1.7というちょっと半端な開放F値がマニアックです。でもロッコールレンズにはF1.7のレンズというのはけっこうあったりします。例えば,有名な中望遠レンズのMC ROKKORの85mmもF1.7です。 このレンズは,おそらく1966年に登場しています。フィルター径が52mmでこれ以前の多くのauto rokkorやmc rokkor (いずれもフィルター径55mm)よりも少しだけ小型化していますが最短撮影距離が55cmであと一歩が寄れない,という微妙なスペックです。これも想像ですが,このレンズはAuto Rokkorの55mm F2の光学系を引き継いでMC化を果たしたものだと思われます。 焦点距離が50mmよりもちょっと長い55mmで古い時代によくあった焦点距離の標準レンズで,かつ,寄れないというのがいかにも普及版レンズという感じを醸し出しています。でも,ちょっと頑張って解放F値は1.8ではなくて1.7。小型化,微妙な明るさ,最短撮影距離のトレードオフのなかで普及型としてアピールポイントをどこに置くか悩んだ末に,わかりやすい解放F値の明るさをアピールするという落とし所に持ってきたというのはたいへん興味深いものがあります。 この個体も新宿クラシックカメラ博でジャンク箱から救出してきた個体です。そんなにひどい状態だったわけでもなく,前後のレンズをお掃除したら普通に使えそうになりました。で,実際,普通に使えています。 このレンズによる作例は, https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR-PF%2055mm%20F1.7 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #55mm #F1.7 #標準 #単焦点
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MD ROKKOR 50mm F1.7
MD ROKKORレンズは1977年に発売されたミノルタXDの両優先AEに対応すべく登場したレンズシリーズです。 MD ROKKOR 50mm F1.7には大きく分けて前後期の2タイプがあるようで後期型はフィルター径が49mm,質量も160gと小型軽量化されています。この個体は小型化する前のモデルでフィルター径が55mmです。後期型の登場が1979年の始めごろのようなので,前期型の販売期間はそれほど長くなかったかもしれません。おそらくMC ROKKOR-PF 50mm F1.7をシャッタースピード優先AEに対応させただけでリリースされたものと思われます。ただMC ROKKOR時代よりもMD ROKKOR時代になると緑のロッコールたるアクロマティックコーティング(AC)を施した面が減ってたったの1面だけになっているという話もありますし,最短撮影距離が少し短くなっています。そのために光学系も再設計されているものと思われます。外観はMC時代と比較して明らかにチープになっています。 この世代以降のrokkorレンズはレンズ群がプラスチックのモールドで固定されているため分解が難しくカビが生えるとメンテナンスをするのが非常に難しいレンズです。こんなところにもコストダウンの影響がでているというのはある意味,おもしろいですがなんとも世知辛い話です。しかしその一方で,入門用のセットレンズとして色々な部分でコストをギリギリまで削ってはいるものの,性能は精一杯よいものを目指していたはずです。カメラのセットレンズとして多くの人が手にするレンズであり,ユーザーにとって最初のレンズがダメなら誰も他のレンズを買ってくれません。ですからコストダウンしつつも性能を維持すべく力が入っていたと想像します。レンズの生い立ちや立ち位置を考えれば耐久性やメンテナンス性は兎も角として,基本性能が悪かろうはずがありません。 実際,写してみるとよく写るレンズであることがわかります。 この個体は新宿でやっていたクラシックカメラ博のジャンクかごから救出してきた5本のレンズのなかの1本です。レンズに大カビがあってこりゃだめか,という感じでしたが,意外にもカビは前玉と後玉の外側に生えているものがほとんどだったので,分解しないで外側を掃除したらそれなりに綺麗になりました。そもそも分解してもメンテは難しいレンズなのでレンズ内部の汚れは気にせずそのまま実戦投入です。 このレンズによる作例は, https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MD%20ROKKOR%2050mm%20F1.7 に置いています。 #レンズ #MF #MD_ROKKOR #SR #Minolta #50mm #F1.7 #標準 #単焦点
MFレンズ SR MinoltaMOR
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AUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8
Auto Rokkor 55mmレンズは最初F1.8で1958年にミノルタの最初の一眼レフSR-2とともに登場します。レンズ先端部分(というか内側の鏡筒)が銀色のもので,プレビューレバーが円筒形のつまみが付いています。これが前期型で私が所有している個体もこのタイプです。 その後,フィルター径が55mmから52mmに縮小されて絞り羽根も8枚から6枚に減っています。プレビューレバーも円筒形のつまみがなくなって,半円形のでっぱりがついているだけになって,いろいろな意味で小型化かつ簡素化されています。ロッコールレンズは基本的にはフィルター径は55mmなので微妙に中途半端な小型化です。 さらに,次の代ではF2.0になってより普及価格帯向けとなって,普及価格のカメラとして登場したSR-1とともに1959年に発売されます。Auto Rokkor時代の55mmレンズはこの3つだけのようですが,その後,MC rokkorになってから55mm F1.7という標準レンズになりますが,この55mm F1.7のレンズはAuto Rokkorの55mm F2のレンズ構成を継承しているという説があります。その意味で,Auto Rokkor 55mm F1.8は最初期に出てそのまま消えたレンズの系譜なのかもしれません。Auto Rokkor時代はやわらかい描写が主たる特徴だと思いますが,その後のMC RokkorからMD Rokkorへと時代がすすむにつれてより解像度が重視されていく傾向があってそのような流れのなかでAuto Rokkor 55mm F1.8のレンズ構成の系譜は淘汰されてしまったのかもしれません。 ただし,Auto Rokkor 55mm F1.8の前期型は解像度が高いとの説もあります。実際,撮影をしてみてもそれなりに高い解像感があります。もちろん,古いレンズなので逆光性能などはそれなりですが,古い時代のレンズなのに想像以上にカチッとした写りです。普段使いのレンズとしてなんの問題もないと思います。 下手をするとミラーレスカメラ用のマウントアダプター(新品)よりも安いお値段で入手できてしまうかもしれません。兎に角,一眼レフカメラのセットレンズとして世の中に出たレンズなので数はいっぱいあります。よって安い。基本設計が1958年頃とすると既に還暦を過ぎています。ある意味20世紀中頃のレンズ性能の高さを実感させてくれます。安くてよく写るレンズだと本当に思います。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/AUTO%20ROKKOR-PF%2055mm%20F1.8 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #55mm #F1.8 #標準 #単焦点
MFレンズ SR MinoltaMOR
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MC ROKKOR-PF 58mm F1.4
MC ROKKOR-PF 58mm F1.4には距離環のローレットがフラットな意匠の前期型と,アーチ型になっている後期型がありますが,この個体は後期型です。発売は1968年頃のようです。前期型からは2年でモデルチェンジしています。アクロマチックコーティング(AC)によるコーティングのやわらかい感じは最初期のAUTO ROKKORがいちばん顕著で,その次にMCの前期型,そしてMCの後期型という順番に解像度重視にシフトしていくようです。それでも,この後期型でも十分にやわらかいと思いますし,解像度とのバランスもとれているのだと思います。 新宿クラシックカメラ博のジャンク箱から救出してきた個体です。明るいけれども焦点距離が長く,寄れないのはいかにも昔風味の設計です。ACは剥がれやすいということですが,緑のロッコールと呼ばれるACによる緑色のコーティングはまだ残っています。距離環や絞り環は普通に使えるので(多少のトルクむらはしょうがないものとして),実用上の問題はありません。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/MC%20ROKKOR-PF%2058mm%20F1.4 に置いています。 #レンズ #MF #MC_ROKKOR #SR #Minolta #58mm #F1.4 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ SR MinoltaMOR