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Sigma 85mm F1.4 DG DN | Art
SigmaのArtシリーズのレンズのなかの1本です。一眼レフ用のDG HSMからミラーレス一眼にあわせた設計になって,2020年8月に登場しました。 DG HSM時代は手振れ補正が入っていましたが,このモデルは小型化の代償としてなのか,手振れ補正ははいっていません。肥大化するArtシリーズにあっては,意外にも小型軽量を目指したと思われます。イマドキのレンズらしくAFも速く,AFのモーター音も聞こえません。 中古であれば10万円を大きく下回る金額で取引されていますが,その性能を考えると不当に安い価格だと思います。個人的には中古が安いことはうれしいことで,だからこそ調達することができた,とも言えるのでなんとも微妙なところです。Sony純正と比較すると,明らかにSigmaのほうがコストパフォーマンス高いといえると思います。もちろん,連写速度の制限など非純正であることのデメリットはあるのですが,超高速連写が必要でないような写真を撮っている人には十分すぎる性能だと思います。 このレンズによる作例を https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/85mm%20F1.4%20DG%20DN%20%7C%20Art に置いています。 #レンズ #AF #SonyE #Sony #Sigma #85mm #F1.4 #望遠 #単焦点
AFレンズ Sony E SigmaMOR
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M-HEXANON LENS 28mm F2.8
1999年に登場したコニカ のHexar RFはライカM型とほぼ互換性のあるレンジファインダーカメラです。ライカに遠慮してかレンズのマウントはKMマウントという名前になっていました。微妙に距離計の連動が異なっていたようです。これはHexar RFの基線長がライカMのそれよりも少し(2.8mm)短かかったことが原因かもしれません(本当のところはよくわからない)。当時は,KMマウントのレンズをライカに装着して使えるように距離計の連動カムを調整するというサービスもあったようです。 M-Hexanon 28mm F2.8はHexar RFの広角レンズとして1999年にHexar RFとともに登場します。2003年ころまでは販売されていたようです。よく言われるのはライカの第4世代のElmarit M 28mm F2.8とウリ二つのレンズ構成で,よく写るレンズだというものです。和製エルマリートなどと呼ばれたりしたようですが,そのように呼ばれること自体,なんとなく負けた感があるというか,最初から負けているという感じがします。 そうはいっても,コニカはHexar RFに相当,力をいれていたようで,この28mm F2.8も構成レンズの全ての面をマルチコーティングして絞り羽も10枚というとても贅沢なつくりで,当時のコニカの意気込みが伝わってきます。 イマドキのレンズと比べるようなものではないと思いますが,開放からシャープできっちり写り,コントラストもある,今風の写りのレンズだと思います。なんというか,普通にちゃんと写るレンズ,と言えばよいでしょうか。もちろん21世紀にはいってすぐの頃に発売されたレンズでもまだ現役のものもあることを考えればM-Hexanon 28mm F2.8が「よく写る」ことはあまり驚くことではないのかもしれません。 このレンズによる作例を https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/M-HEXANON%20LENS%2028mm%20F2.8 においています。 #レンズ #MF #M-HEXANON #LM #Konica #28mm #F2.8 #広角 #単焦点
MFレンズ LM KonicaMOR
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smc PENTAX-A MACRO 50mm F2.8
smc PENTAX-Mレンズの後継として絞り環にAポジションが追加され,電子接点も追加された世代のレンズで1984年に登場し,AFのSFXが登場した1987年の翌年,1988年にsmc PENTAX-F MACRO 50mm F2.8に交代します。このAレンズの50mm F2.8マクロはハーフマクロ(0.5倍)ですが,前世代のMレンズまでの50mmマクロはF4のハーフマクロ,後継のAFに対応したFレンズ以降の50mmマクロはF2.8で等倍マクロです。 したがって,50mm F2.8のハーフマクロはPentaxではAレンズだけしかありません。レンズ構成も先世代,後継機とも異なる4群6枚構成です。普通は4群6枚といえばダブルガウス型のレンズ構成を想像しますが,後群の第3群が張り合わせではなく,第4群が凹凸の張り合わせで,クセノター型を想起させる構成です。製造期間がわずか4年で,かつ,同型のレンズが全くない,という意味で希少種なのですが,特に写りがよいというようなこともないので,たいして注目されていなくて,中古の価格もたいしたことはありません。同世代のsmc PENTAX-A 100mm F2.8 MACROが希少品として特別な扱いをうけているのとは対照的です。 レンズの距離環のテーパー部分にレンズ銘を刻印するAレンズのデザインは個人的にはかなり違和感がある,というか端的に言えば,あまり好きになれないのですが,後継のAFレンズに比べるとずっと「普通のレンズ」っぽい(私の基準で)ので許容範囲です。 どうしても等倍撮影が必要という事情があったためにD-FA MACRO 50mm F2.8を入手したため,ハーフマクロのsmc PENTAX-A 50mm F2.8の出番がなくなってしまったのですが,モノとしてはとてもよいレンズだと思います。 撮影倍率が1/2でも撮影対象において特に問題がなくて,かつ,マクロなら普通,MFだよね,という(非常にニッチな)人にとってはMFのフィーリングもよく,開放F値も明るくて唯一無比のレンズだと思います。そういう私は安直にsmc PENTAX-D FA 50mm F2.8 MACROを使ってます。 https://muuseo.com/MOR/items/85?theme_id=30044 #レンズ #MF #smc_PENTAX-A #PK #PKA #Pentax #50mm #F2.8 #標準 #単焦点 #マクロ
MFレンズ PKA PentaxMOR
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smc PENTAX-F 1:2.8 100mm MACRO
1984年末に登場したミノルタのα7000は本格的なAFを備えた一眼レフシステムとして業界をひっくり返すほどの衝撃を持って迎えられました。他社は全て,ミノルタを追う立場となり,Pentaxも総力を結集し,ミノルタに遅れること約2年,1987年に最初のAFフィルムカメラであるSFXを世に送ります。SFXではそれ以前のMFレンズ用の自動露出に対応したKAマウントに上位互換なKAFマウントを採用します。これにあわせてPentax-Fレンズシリーズを展開しました。 1991年にはAF第二世代モデルであるZ-10が登場し,マウントもKAF2に,レンズもPentax-FAシリーズに刷新されます。そのため,Fレンズは5年ほどの短命に終わってしまいます。 smc Pentax-F 100mm F2.8 MacroはFシリーズレンズとしてPentax最初の100mm等倍マクロです。生産期間はFレンズが展開された1987年から1991年までであったために,意外にもレアです。前世代のAEに対応したsmc Pentax-A 100mm F2.8 Macroが希少性ゆえに中古市場ではかなり高価で取引されています。しかし,どういうわけかF 100mm F2.8 Macroは同様に希少であるにもかかわらず,その希少性は価格にまったく反映されていません。 これは,AFをアピールするあまり,非常に狭い幅のMF用距離環が鏡筒先端にとりつけられており,いまひとつ高級感が感じられない鏡筒のデザイン(作りは決して悪くないのに),見た目以上に重いことなどネガティブな要素が多いことが原因ではないか,と想像します。 100mm F2.8の等倍マクロはAレンズから登場し,FレンズでAF化されるとともに光学設計も変更されています。その後,FA, D-FAへと時代とともに同スペックのレンズは変遷していきますが基本設計はFレンズのままです。その意味では,PentaxとしてはFレンズにおいて100mm F2.8 Macroはひとつの完成形であったのかもしれません。 この個体をいつ,どこで入手したのかまったく記憶にありません。おそらく,中古店でとても安い値段で投げ売りされていたことに惹かれて思わず買ったのに違いありません。当然のように,このレンズで何を撮ったのか,これといった記憶もありません。防湿庫の奥から発掘されて,そういえばこのレンズを買ったよな,ということだけを思い出しました。 Muuseoに展示するためにレンズの来歴を調べてみて,意外なレンズの背景を知ることとなりました。もはや写真を撮るという目的からは大幅に外れていますが,これはこれで楽しいかな,と。 #レンズ #AF #smc_PENTAX-F #PK #PKAF #Pentax #100mm #F2.8 #望遠 #単焦点 #マクロ
AFレンズ PKAF PentaxMOR
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RMC TOKINA 17mm F3.5
Tokinaの17mm超広角レンズです。1979年に発売され,2008年まで生産されていたということですので30年近いロングセラーだったことになります。非球面レンズや異常分散ガラスなどの高級なものを一切使っていないレンズ構成で,廉価版としての位置付けだったと思われます。そのわりにはよく写る,とも言えます。超広角レンズとしては小型の部類といえ,前玉が飛び出していないので普通に前枠にフィルタをねじ込むことができて便利です。ちなみにRMCはrainbow multi coatingの略で7層膜の多層膜コーティングだそうです。 ロングセラーだった割にはたくさん売れたわけではないようで,中古品をあさっていてもあまり見かけることがありません。 色々なマウントで発売されていたようですが,手持ちの個体はPentax Kマウント用で,電子接点のないタイプです。いつどこで入手したのかまったく記憶にありません。ある日,防湿庫の奥から発掘されたのですが,それまで所有していることさえもすっかり忘れていました。 #レンズ #MF #RMC_TOKINA #PK #Tokina #17mm #F3.5 #広角 #単焦点
MFレンズ PK TokinaMOR
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SUPER ROKKOR 5cm F1.8
千代田光学精工(のちのミノルタ)は1947年にバルナックライカコピーの35mm判レンジファインダーカメラMinolta-35Aを市場に投入します。フィルムは35mm判でしたが,撮影範囲は24x32mmのニホン判が採用され,そのときの標準レンズは「梅鉢」の名で知られるChiyoko SUPER ROKKOR C 45mm F2.8でした。その後,いくつかのモデルを経て1958年にMinolta IIbで24x36mmのライカ判が採用されますが,このモデルがミノルタの最後のレンジファインダー機となります。 SUPER ROKKOR 1:1.8 f=5cmは1957年か1958年に登場したと考えられていますが,某所での考察によるとMinolta IIbの前年の1957年に市場投入されたと考えられるとのことです。これは,ミノルタ独自の複層膜コーティングであるアクロマチックコーティング(AC)が実用化されたタイミングが1958年で,かつ,SUPER ROKKOR 1:1.8 f=5cmにはACによるコーティングが施されていないことから推察されています。 いずれにしても,SUPER ROKKOR 1:1.8 f=5cmは千代田光学がリリースした(ほぼ)最後のL39マウントレンズであったことは容易に想像できます。このモデルの前,おそらく1954年ころには梅鉢の上位の高速レンズとして5cm F2の標準レンズがリリースされています。しかし,このF2のレンズはかなりの暴れ玉のようです。一方のF1.8はよく写るレンズという定評に加えて,販売期間が短かったこともあって,千代田光学がライカコピーの最後を飾るレンズとしてそれなりの人気があるようです。 私は普通の人なので暴れ玉の5cm F2ではなく普通に写るであろう5cm F1.8を探していましたが,それなりによいお値段のためなかなか手が出ませんでした。結局,価格の誘惑に負けて絞り羽に少し油染みのあるあまり状態の良くないものを入手しました。このレンズはダブルガウス型の第2群の張り合わせレンズを二つにわけた5群6枚構成であり,Carl Zeisのウルトロンと似たような構成です。 撮ってみると確かに解像感が高く,絞ればかなりかっちりとした像を結び,よく写るという印象です。ただ,ハイライトが簡単に飛んでしまうようなところがあるように私には感じられます。そのため,陽の光を受ける金属面などがのっぺりしてしまい金属の質感が感じられなくなる場合がありました。その一方で,ハイライト以外では階調が豊かで陰影のある木の表面などの質感表現はたいへん優れていると感じます。 ところが,暗部よりも明部のほうが粘る,という意見もあるようで,そのあたりは被写体のどこに注目しているか,によって感じ方が異なるのかもしれません。いずれにしても,被写体を選ぶようなところが無きにしも非ずなのですが,よく写るか,と問われれば定評どおりよく写るレンズだと思います。 このレンズによる作例は https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/SUPER%20ROKKOR%201%3A1.8%20f%3D5cm に置いています。 #レンズ #MF #Super_Rokkor #L39 #Chiyoda_Kogaku #Minolta #50mm #F1.8 #標準 #単焦点
MFレンズ L39 Chiyoda KogakuMOR
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Rayqual KAR-LM
国産マウントアダプタの雄,宮本製作所(Rayqual)のアダプタです。Konica ARマウントレンズをLeica Mマウントカメラに装着することができます。NEWYi製の同等のスペックのマウントアダプタを既に所有しているにもかかわらず改めてRayqualのKAR-LMを導入したのには理由があります。 https://muuseo.com/MOR/items/46?theme_id=31758 理由は簡単で小西六(のちのコニカ)の初期の一眼レフ用レンズであるKonica Fマウントのレンズを小西六純正のF → ARマウントアダプタを介してLeica Mマウントのカメラにとりつけたい,という欲望を満足するためです。なぜ,NEWYI製のアダプタでは何が問題だったのか,というような話はその顛末を日記に書き留めています。 https://muuseo.com/MOR/diaries/1 結論だけを簡潔に書けば,Rayqual製のARレンズ用マウントアダプタは正しい形状であり,小西六純正のF → ARマウントアダプタを正しく装着することができました。さすがはRayqual,完璧な仕様でした。 #マウントアダプタ #Rayqual #宮本製作所 #AR #LM #Konica #Leica
マウントアダプタ AR to Leica M 宮本製作所MOR
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smc PENTAX-A 50mm F1.2
旭光学は1984年にプログラムAEを含む自動露出に対応したPENTAX Super Aを登場させるとともに自動絞りに対応したsmc PENTAX-Aレンズもラインナップします。Aレンズはマウントの物理形状はそれまでのKマウントから変更はされていませんが(というか,現時点でのデジタル一眼レフの最新モデルであるK-3 Mark IIIまで変更されていません),絞り情報を伝達するための電気接点が追加され,KAマウントとなります。 このとき,50mm F1.2もリニューアルされます。レンズ構成は前モデルを踏襲して6群7枚の拡張ウルトロン型ですが,レンズの曲率などは再設計されているようです。また,絞り羽は前モデルの8枚から9枚に変更されています。フィルムの一眼レフカメラがAF化されてMFのAレンズが少しずつ整理されていく中で50mm F1.2だけは旭光学の一眼レフ用のもっとも明るいレンズとして生き延びます。2000年にはPENTAX LXの特別バージョンが発売されますがその際に標準レンズとしてシルバーの50mm F1.2がセットされます。シルバーの50mm F1.2はLimitedシリーズを彷彿とさせる意匠で高級感のあるものでした。 標準モデルの50mm F1.2はその後も生き続けます。デジタル一眼レフの時代に入ってもカタログに残っていましたが,2011年頃にカタログから消えたようです。27年にわたるロングセラーだったことになります。MFレンズなのでもちろんAFは使えませんが電気接点も絞り環もあるので,歴代のあらゆるKマウントカメラで使うことができるオールマイティなレンズです。F1.2で少し大柄ですが,最近の肥大化したレンズと比較すればむしろコンパクトと言ってもよいと思います。 作例を以下においています。 https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/smc%20PENTAX-A%2050mm%20F1.2 #レンズ #MF #smc_PENTAX-A #PK #Pentax #50mm #F1.2 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ PKA PentaxMOR
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smc PENTAX 135mm F2.5
旭光学の135mmはM42マウントのTakumar時代から大口径F2.5のレンズがラインナップされていました。M42からKマウントへ移行した際に,マウントだけ変えてTakumar時代のものが引き継がれて1975年にKマウント版135mm F2.5が登場しています。Kマウントのごく初期にはsuper multi coatedを意味するsmcを大文字で表記していたようで,135mmレンズの銘板にも「SMC PENTAX 1:2.5/135」と刻印されていました。これが前期型です。 その後,SMCをsmcと表記するようになって銘板の刻印も「smc PENTAX 1:2.5 135mm」となった後期型が1977年に登場します。また,焦点距離の表記にmmがつくようになっています。 光学系は前期型も後期型も6群6枚で,レンズ構成に変化はありません。各エレメント(レンズ)の形状は微妙に変わっているのかもしれませんが細かいことはわかりません。大口径中望遠レンズとはいえ公称で500gあり,かなり大柄なレンズです。 手持ちの個体は銘板の刻印から後期型です。プラスチック製の純正フードがついています。このレンズをいつどこで入手したのかまったく記憶がありません。たぶん,1990年代の後半に東京出張のついでに中古カメラ店にぶらっと寄った際に,二束三文で売られていて思わず買ったのだろうと思います。実測で483gと公称値よりは少し軽いのですが,重いことに変わりはありません。ガラスの塊のような存在感は素晴らしいと思いますが,その重さゆえに入手してから一度も使った記憶がありません。しかし,存在感はあるので手元にこのレンズがあるという記憶は鮮明でした。最近,はじめて,それも今さらのようにフィルムカメラのPENTAX LXにつけて使ってみました。今のレンズのような解像感はもちろんなくて柔らかい画で,ちょっと懐かしい気分になりました。よくも悪くもオールドレンズ感満載ですが,個人的にこういう写りは好きだったりします。 作例を以下においています。 https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/smc%20PENTAX%20135mm%20F2.5 #レンズ #MF #smc_PENTAX #PK #Pentax #135mm #F2.5 #望遠 #単焦点 #大口径
MFレンズ PK PentaxMOR
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KONICA HEXANON 1:1.4 f=57mm
1960年に登場したKonica FマウントのKonica Fからはじまった小西六の一眼レフが1965年に新たに登場し,新しいARマウントを採用したKonica Autorexとともに登場した高速標準レンズがHexanon 57mm F1.4です。57mm F1.4は全てのバリエーションがEEタイプでした。1973年にAUTOREFLEX T3の登場によって絞り優先およびシャッタースピード優先の両対応となるAEタイプの時代になると,T3用の大口径標準レンズとして新たに登場した50mm F1.4にその座を明け渡します。 Konicaの一眼レフ用レンズのご多聞にもれず,57mm F1.4には細部の細かな違いにより多くのバリエーションが存在しています。そのバリエーションはわずか8年の供給期間中に少なくとも16種類はあるようですが,細かく見ればもっと多くのバリエーションがあるのかもしれません。銘板にARの文字が入るのは最後期のレンズに限られるようです。最後とその直前のバージョンのみ,鏡筒全体がブラック仕上げで,それ以前のモデルは被写界深度指標のリングがクローム仕上げでした。時代が進むにつれて少しずつ簡略化されているようです。ただ,レンズ構成は5群6枚のウルトロン型で4群6枚のダブルガウス型の第2群の貼り合わせレンズを分離した構成で一貫していました。外観の変更は多くありますが,光学系には変更がなかったものと思われます。 1/2段明るいHexanon AR 57mm F1.2がフィルタ径62mm,重さが460gもあるのに対して,F1.4のこのレンズはフィルタ径はコニカ標準の55mmで重さも275gですからF1.2はF1.4の1.6倍以上も重いことがわかります。F1.2でなくては撮れない画があることも事実ですが,大きさ,重さの違いを考えるとF1.2のレンズを持ち出すのは少し躊躇してしまいます。 https://muuseo.com/MOR/items/19 この個体は中期型-IIあるいは第11版と呼び方は人によって異なりますがおそらく1968年のKonica FTAが発売された頃に登場したタイプです。ヤフオク!を通して入手しましたが,説明では薄カビはあるものの機能はスムースで純正フード付きということでした。実際に届いたものを見ると,大カビで距離環はほぼ固着していて,どんな素人が見てもわかるような完全にダメな個体でした。ヤフオク!でレンズを転売している人にはこういう人が少なくないのでいちいち目くじらを立てているようではレンズ遊びなどできない,というのが私のスタンスですので,さっさと某マエストロにオーバーホールを依頼しました。もちろん素晴らしいコンディションになって返ってきました。距離環の軽すぎない滑らかな感触はピント合わせが楽しくなります。ピントの山が一瞬なうえに,開放では光の状態によってはハロを纏うため,ピント合わせはたいへん難しいレンズです。そのため,距離環の感触は重要です。実際に撮影してみると開放での被写界深度は非常に薄く感じられ,これならF1.2のレンズはいらないんじゃないか,と思ってしまうほどです。昔のレンズらしく少し絞るとピント面はシャープになって甘さがなくなります。 開放でのピント合わせが難しいのでミラーレスカメラで撮影する場合はついつい1段ほど絞って撮ってしまいます。古い時代の一眼レフの冴えないファインダーでどうやってピント合わせをしていたのか,自分が当時のカメラにこのレンズ をつけていたとすると,ちょっと想像するだに恐ろしくなります。とはいえ,花などを柔らかく撮りたいときには気合を入れて開放でチャレンジしてそれでちゃんとピントがきていると,とてもいい感じの画になってうれしくなります。 このレンズによる作例を https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/HEXANON%20AR%2057MM%20F1.4 に置いています。 #レンズ #MF #Hexanon #AR #Konica #52mm #F1.4 #標準 #単焦点 #大口径
MFレンズ AR KonicaMOR
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CANON LENS 25mm F3.5
Canonがレンジファインダーカメラを作っていた1956年に登場したレンズです。当時25mmの画角は超広角で,かつこのレンズは25mmで世界で最も明るい(ZeissやNikonよりF値が半絞り小さい)レンズでした。こういうスペック重視なところは現在と変わらずCanonらしいなぁ,と思ってしまいます。 レンズ構成は2群4枚のトポゴン型の後群の後ろに「無限遠曲率の特殊光学ガラス」を追加して収差補正を行っています。「無限遠曲率の特殊光学ガラス」という表現は,Canonのオフィシャルサイト内のCanon Camera Museumの説明です。要するに,最後面に板ガラスを追加した,ってことです。簡単なことをわざわざ難しく説明するというのはなんだかなぁ,と思わなくもありませんが,このような変形トポゴン型のレンズはたぶん,Canon 25mm F3.5が唯一無二だと思われます。 トポゴン型レンズは,まるでビー玉のように大きな曲率をもつ半球状の2組のレンズが向かいあって配置される対称型のレンズで,Carl Zeissのロベルト・リヒテルによって戦前に発明されました。歪曲が非常に少ないため,航空測量用のレンズとして使われたようです。その後,レンジファインダーカメラのContax用のTopogon 25mm F4として投入されます。歪曲は小さいのですが,周辺減光が半端なく大きい,という特徴を持ちます。ZeissのContax用トポゴンは数も少なくたいへん高価です。Zeissの超広角レンズはTopogonはこの一代限りで終わり,Biogonや15mmのHologonに置き換わります。 トポゴン型構成のレンズはレンズエレメントの製作が難しいためか,あまり多くはなく私の知る限り2つしかありません。ひとつはトポゴンコピーとして知られるNikonのW-Nikkor C 2.5cm F4です。このレンズも繊細で美しいレンズですが,本家のTopogon以上に高価で取引されているようです。もうひとつはソ連製のOrion-15 28mm F6です。Orionは第二次世界大戦のどさくさでソ連が接収した多くのレンズ(と技術)の末裔ではなく,Zeissから技術供与をうけて独自に開発されたソ連オリジナルのレンズだそうです。Orionは数も多く,ソ連製ということもあってそれほど高価ではありません。 Canonの変形トポゴン型レンズである25mm F3.5は1970年代まで現役の20年にわたるロングセラーだったようです。また,このレンズによって撮られた多くの写真が写真雑誌の月例コンテストなどに多く入賞していたようです。撮影に使われたカメラはLeitz Minolta CLが多かったとか。一番重要なのは写真の腕とセンスなのでしょうけれど,このような武勇伝を聞くとこのレンズを使えば自分もよい写真が撮れそうな気がしてきます。 #レンズ #MF #Canon_Lens #L39 #Canon #25mm #F3.5 #広角 #単焦点 #Topogon
MFレンズ L39 CanonMOR
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Pentax Mount Adapter K
旭光学の純正マウントアダプタです。通称M42マウントをPentaxはPentax Sマウントと呼んでいるので(スクリューのSらしい),Pentax SマウントレンズをPentax Kマウントボディに装着するためのアダプタ,というのがPentax的に正しい説明です。 PentaxのカメラがスクリューマウントからKマウント(KingのKらしい)に移行した際(1975年)にTakumarレンズユーザーのために用意された純正のアダプタです。M42もPKもフランジバックは同じなのですが,PKの口径はM42より一回り大きいため,カメラの中にこの変換リングを埋め込むようにして装着します。 この変換リングは1975年以来,長らく希望小売価格1000円で販売され続けてきましたが,ついに2007年に価格改定されて3675円になります。21世紀に入っても1000円で売っていたこと自体が奇跡なのですが,価格改定されるという話を聞いたときには,Takumarレンズはおろか,M42マウントのレンズを1本も持っていないくせにヨドバシカメラにすぐさま走りました。その後,少なくとも10年は出番がありませんでしたが,あるとき血迷ってTakumarレンズを調達しようとしたときに,PentaxマウントアダプターKが手元にあることがお買い物のハードルを大幅に下げるという顕著な効果を発揮してくれました。いいんだか悪いんだかまったくわかりませんが。 この変換リングは見た通り非常に華奢で,単体でレンズを支えることはできませんが,うまくカメラのマウント部分と一体化することでカメラのマウントの強度を使うという巧妙な構造になっています。結果として,いったんリングを装着するととりはずのは結構,面倒です。とりはずすときはカメラとリングの間にある小さな切れ目に先が尖ったものを差し入れて板バネを動かしてロックをはずさなくてはなりません。はずれなくなる,ということはないのですが,M42マウントレンズとPKマウントレンズをごちゃ混ぜにしてレンズ交換しながら使う,というような使い方にはむいていません。 #マウントアダプタ #PK #M42 #Pentax #純正
マウントアダプタ M42 to PK PentaxMOR
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Panasonic AG-AF105
Panasonicの業務用AVCHDカメラAVCCAMシリーズのAG-AF105です。2010年12月に世界初の4/3 (フォーサーズ)型センサーを搭載したHDビデオカメラとして登場しました。レンズ交換式でマウントはマイクロフォーサーズ(m4/3)規格です。 AG-AF105は同じ年の10月に発売されたm4/3ミラーレス一眼カメラであるGH2と同世代のハードウェアであると考えられますが,動画撮影に特化しています。内蔵のNDフィルタやマイクのXLR端子を内蔵していますがメカシャッターは持たないためスチル写真を撮ることはほとんど想定されていません。もちろん,HD動画から静止画を切り出すことは可能ですが,当然ながら静止画としての解像度はあまり高くありません。 2012年5月には有償のファームウェアアップデート(AG-SFU100G)によってHDプログレッシブの1080/60p出力に対応します。同じ年の11月にはAG-AF105の後継機としてAG-AF105Aが発売されますが,ハードウェアはほぼそのままで1080/60p出力に対応し,SDIから10ビット4:2:2信号を出力できるようになりました。ファームウェアをアップデートしたAG-AF105との違いは10bit出力とフォーカスアシスト機能が少し追加されたくらいだと思われます。最近では業務用でもSDIではなくHDMIで事足りるようなところがありますがSDI出力はBNC端子で確実に接続できるのはなんとなく安心感があります。ただ,私個人としてはSDI出力を使うような本格的な動画撮影をしないのでAG-AF105Aが出てもなんだかなぁ,という感じでした。 手元の個体は,AG-SFU100Gをあてた中古をヤフオク!で調達したものです。なぜ,このカメラを調達しようと思ったのか,今から思い出そうとしてもあまり思い出せません。ミラーレス一眼で動画が撮れるといっても外部マイク端子がついていなかったり,ついていてもプラグインパワーのしょぼい端子でマイクアンプも最低限のものしか内蔵されていないため音声は相当に貧弱でした。そのため,コンサートの録画には到底使えず,XLR端子が付いた動画機が欲しい,と思ってAG-AF105を調達したような気がします。もちろん録音は別途やっているのでそちらの音声を使えばよいのですが,万一のときの保険としてカメラ側でもそこそこの音声が録れていれば安心というのもありました。 これを調達したのがいつごろかすっかり記憶が失われていますが,2016年5月に最初の動画を撮っているようなのでこの時期に調達したものと思われます。AG-AF105はインターフェースが充実しているかわりに見た目通りにガタイがでかく,かさばります。しかし,プラスチックの筐体なので持つと意外に軽く撮影の取り回しはそれほどたいへんではありません。しょぼい三脚に据えてもよほどひどい三脚でなければフラフラしないし,トータルとして荷物を軽くできて助かります。私は動画を撮る機会はそれほど多くないので,撮影をするたびに使い方を思い出すのに苦労しますが,最低限の機能を使うだけなら大きな問題はありません。インターフェースもよく考えられていますからすぐに慣れます。 SDカードスロットが2つあるのですが,どういうわけか同時にパラレルで録画することができず,2枚に連続して書き込むことで長時間記録をする,という機能しかありません。SDカードの容量が小さくて高価だった時代のカメラだからかもしれませんが業務用と言う割にはなんだかなぁ,と思う仕様です。しかしそれ以外は私のような使い方では特に不満もありません。ちゃんとしたマイクを使えば音声もそこそこの音質ですし,リニアPCMで記録できるので保険としては十分です。音楽ではなく講演の録画程度なら単体+マイクで余裕です。 使用頻度は高くないですが,いざというときには頼れるカメラです。 #カメラ #レンズ交換式 #ミラーレス一眼 #AF #Panasonic #AG-AF105 #デジタル #m4/3
レンズ交換式カメラ MFT PanasonicMOR
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LUMIX G VARIO 14-45mm/F3.5-5.6 ASPH./MEGA O.I.S.
マイクロフォーサーズ用の小型で軽量な標準ズームレンズH-FS014045です。2009年4月の発売のレンズなので随分と古いレンズで2021年時9月点では既にディスコンになっています。2016年頃にLumix DMC-GH2を調達した際,キットレンズとしていっしょについてきたものです。本当は高倍率ズームが欲しいな,と思っていたはずなのですが,なんらかの勘違いをしたらしく,気がついたらGH2とともにこのレンズが手元にありました。謎です。 https://muuseo.com/MOR/items/53 これといって特徴のないキットレンズなのですが,センサーが小さいことを活かしてとても小型,軽量です。また,けっこう最短撮影距離は短くて,ズーム全域で30cmまで寄れるのはたいへん便利です。 写りは価格相応といって良いと思いますが,値段を考えれば十分によく写るレンズだと思います。逆光ではすぐにコントラストが低下してしまいますが,レンズの逆光耐性が低いことが原因なのかカメラのダイナミックレンジが狭いことが原因なのかよくわかりません。このレンズは意外にもシャープな写りという印象です。カメラのチューニングの違いも大きいと思いますが,色も優しい発色で,赤色も色飽和しないでちゃんと出ます。このレンズだけをわざわざ買おうとはたぶん思わないと思いますが,キットレンズとして付いてきたら,それなりに満足できるレンズだと思います。 このレンズによる作例を https://mor-s-photo.blogspot.com/search/label/LUMIX%20G%20VARIO%2014-45mm%2FF3.5-5.6%20ASPH.%2FMEGA%20O.I.S. に置いています。 #レンズ #AF #m4/3 #MFT #Panasonic #14-45mm #F3.5-5.6 #H-FS014045 #標準 #ズーム #手振れ補正
AFレンズ m4/3 PanasonicMOR
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Panasonic LUMIX DMC-GH2
パナソニックのマイクロフォーサーズ(m4/3)マウントのミラーレス一眼カメラ,GHシリーズ第二世代nおDMC-GH2です。動画機能を強化,FullHDに対応して2010年10月に登場しました。 発売当初は,高感度,高速AF,タッチパネル,マルチアスペクトなどが売りでしたが,これらの機能の多くは10年も経つとさすがに色褪せてしまいます。1600万画素というと今ではどうってことはない画素数ですが,当時としてはかなりの高画素で,m4/3の小さなセンサーとしてはかなり画素数を頑張った(無理をした,とも言えますが)センサーです。高感度性能は,ISO 12800でも撮れるよ,という話で高感度耐性が高い,という話ではありません。少し暗いところで感度を上げて撮るとノイズざらざらで,あぁ...,となってしまいます。イマドキの1インチセンサの高級コンデジに普通に負けます。それでも,当時のカメラとしては頑張っていて,現在(2021年)の基準で比較する方が悪いのです。 動画撮影用に調達したPanasonicのAG-AF105がm4/3マウントだったので,レンズを共用できるバックアップ機としてヤフオクで程々の程度のGH2を2016年頃に調達しました。AG-AF105が動画専用でスチルにはまったく使えないので,スチルと動画の両方に使えると便利だろう,というのもありました。動画撮影そのものをあまりやらないうえに,バックアップ前提なので結局GH2はあまり使っていません。 三脚にのせてオートフォーカスにして放置しておくと何故か,時々フォーカスが動いて勝手に迷ったりするので動画で固定カメラとして使う場合は(ほぼ100%固定カメラとして使ってました),MFにしておかねばなりませんでした。それで不都合もなかったのでそれでよかったのですが,AFのレンズなんていらんなぁ,といういうことでマウントアダプタを挟んで手持ちのCanon EFレンズやPentax Kレンズをつけてピント固定で使ってました。 GH2を調達したのにはもう一つ別の理由がありました。それは,当時ファームウェアのハッキングがとても進んでいて,デフォルトの24 Mbpsを超える,より高いビットレートでの録画が可能なファームウェアが公開されていたのです。いろいろなファームウェアが作られたようですが,安定しているのは44 MbpsのChris's 44 Mbitというファームウェアだったようです。 当然のことながら速攻で導入しました。確かに綺麗な,解像感の高い動画が得られます。しかし,ビットレートが高いからといって高感度耐性が高くなるわけではないので,ノイズが減るわけではありません。こういう遊びもあると思って楽しむものだと思います。実際,それはそれで面白かったです。 スチルで使ってみると,センサーのダイナミックレンジがあまり広くないことが目立ってすぐに白飛びするようなところがあります。発色は悪くなくて優しい色合いで,色飽和もしなくて赤いものを安心して撮れるのですが,ラチチュードが狭いために被写体を選ぶように感じました。また露出補正ダイアルがなく,ちょっとアンダーで撮りたい,というときにあたふたしてしまいます。露出にシビアなセンサーなのに露出補正ダイアルがないってどうなんだろう,とちょっと考えてしまいます。ピントもタッチパネル上である程度はターゲットを選択できますが,どちらかというと狙ったところにピントがこなくてストレスがたまりました。もっとも,私の使い方がうまくないだけなのかもしれません。 別に気に入らなかったわけじゃないですが,あまり使わなかった,私にとって影の薄いカメラです。防湿庫の整理をしていて奥の方から発掘するまですっかり存在を忘れていたくらいですから。 #カメラ #レンズ交換式 #ミラーレス一眼 #AF #Panasonic #GH2 #デジタル #m4/3
レンズ交換式カメラ MFT PanasonicMOR