Pliomera fisheri

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まるで、ダンゴムシかミツオビアルマジロの様に完璧に丸まったPliomera、4億年以上前の生き物の化石というよりは、美術工芸品の根付を見ている様な錯覚になります。ファコプスの仲間が繁栄したのは、この完璧なエンロール姿勢が可能だった事が一つあると考えられ、捕食者から幾度の危機を乗り切って来た事でしょう。ここまで完璧に丸まった状態で化石化するのは、埋もれるタイミングなど奇跡的な事で、更に発見される時もホンの僅かな箇所だけ(この化石でいうと右頬辺りが少し風化)が見えていて、発見される風化する前に採掘されるなど奇跡が重なる必要があります。

【標本リンク】FFストア
http://www.ffstore.net/detail/pmf_020.html

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    tatsutoy

    2021/10/01 - 編集済み

    近年、化石の無秩序な採掘を防ぐために、世界中のサイトが保全指定を受けつつある一方で、風化により、化石が消え去る事象も起きている事かと思います。掘るべきなのか、保全すべきか悩ましいところです。MUUSEO内のミネラル系の他の館長様方のご意見を伺いたいです。ロシアのPliomera fisheriは特徴がはっきりした三葉虫なので、見ていて面白いです。北欧でもいくつか近種が見つかっていますが、白黒画像でしか見た事ががないので実物を見てみたいですね。

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      Trilobites

      2021/10/01 - 編集済み

      本種は、1属1種だと思われてきましたが、近年は幾つかの種類が提唱されていますね。棘が無い種類の中でデザイン的に優れていて、多くのコレクターに人気な種類だと思います。北欧の広い範囲で見つかりますが、他のエリアだとノルウェー産くらいしか完全体は見た事がありませんね。

      問題提起ありがとうございます。難しい問題で正解には行きつかないでしょうね。三葉虫に限らず化石産地は保護されてしまうと専門家でも採掘できない状況もあると思います。保護の建前の中で、自然の侵食や風化により人知れず消失していく化石は、商業的に採掘するレベルの比でない位に日々消失しているのは事実だと思います。日本だけ見てもアマチュアが気軽に採掘できる化石産地など無いに等しくなっていますから、地学発展の裾野が広がらない事も危惧に値するレベルだと感じます。国際的に通用する何らかの取決めが待たれますね。

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