大英自然史博物館シリーズ1 世界を変えた100の化石

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「世界を変えた100の〇〇」という題目の書籍は多く発刊されていますが、化石に絞ると何が該当するだろうか?誰もが知るアノマロカリスや始祖鳥以外に、どの様な化石が登場するだろうか?三葉虫に絞ると何が題材に選択されているだろうか?開く前に色々想像できます。世界を変えたは大げさな気もしますが、生物史の考え方を見直す切欠となった化石が大英自然史博物館のコレクションを中心に解説されています。ここでは、三葉虫に絞りますが、2つ選定されていました。「視覚の始まり」では、デボン紀モロッコ産Erbenochile「天敵避ける棘だらけの三葉虫」では、同じくデボン紀モロッコ産Comura。視覚の始まりではカンブリア紀のオレネルス類ではなく、タワーアイのErbenochileなのは、三葉虫の眼で最も特徴的な種類と解釈しておきます。Comuraは、捕食者からの身を守る術として進化をした結果という概要です。この本の写真は、大きく見やすく、化石を美術品の様に見る事が出来る化石図鑑です。

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    tatsutoy

    2021/08/21 - 編集済み

    1つ1つの解説がとても良く練りこまれた文書で、化石全般に興味がある人であれば、是非手に取って読む事をお勧め出来る良書ですね。著者と監修者の息がぴったりとあっています。エルベノチレの視覚に関する記述で、「あの塔の様な目の張り出しは、まぶしさを抑える日除けだったのかもしれない」、とさりげなく興味深い推測がされています。

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      Trilobites

      2021/08/21

      化石そのものは勿論ですが、写真の撮り方、文面、構成と良くできた書籍ですよね。Erbenochileの庇は、全否定するつもりはありませんが、あの程度の庇では日除けには役立たなかったのでは個人的には思っています。シリーズ本ですので、その他のテーマも魅力的で、「生物毒の科学」「動物が見ている世界と進化」「サピエンス物語」といった続編が発刊されています。

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