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大英自然史博物館シリーズ1 世界を変えた100の化石
「世界を変えた100の〇〇」という題目の書籍は多く発刊されていますが、化石に絞ると何が該当するだろうか?誰もが知るアノマロカリスや始祖鳥以外に、どの様な化石が登場するだろうか?三葉虫に絞ると何が題材に選択されているだろうか?開く前に色々想像できます。世界を変えたは大げさな気もしますが、生物史の考え方を見直す切欠となった化石が大英自然史博物館のコレクションを中心に解説されています。ここでは、三葉虫に絞りますが、2つ選定されていました。「視覚の始まり」では、デボン紀モロッコ産Erbenochile「天敵避ける棘だらけの三葉虫」では、同じくデボン紀モロッコ産Comura。視覚の始まりではカンブリア紀のオレネルス類ではなく、タワーアイのErbenochileなのは、三葉虫の眼で最も特徴的な種類と解釈しておきます。Comuraは、捕食者からの身を守る術として進化をした結果という概要です。この本の写真は、大きく見やすく、化石を美術品の様に見る事が出来る化石図鑑です。
Paul D.Taylor & Aaron O'Dea 大英自然史博物館シリーズ1 世界を変えた100の化石 978-4-7678-2497-0 JapaneseTrilobites
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A Pictorial Guide to North American Trilobites Second Edition
2005年に発行された第1弾に続く第2弾であり、第1弾の更新版に当たります。よって第1弾と同じ標本が登場しますが、白黒からカラーになり、産出州毎、時代を追って纏められていて参照しやすくなりました。北米ということで、以前よりカナダ産の種類が充実しました。フィールドガイドですが、現在では産出できない閉鎖産地や、一見では採掘不可能な超希少種まで網羅されています。フィールドガイドらしくユタ州やオハイオ州などの現地ガイドや露頭の写真も掲載され、そこで採取できる種類などが載せられています。 【外部リンク】Paleojoe.com https://www.paleojoe.com/
Joseph J. Kchodl A Pictorial Guide to North American Trilobites Second Edition 0-9773581-9-4 EnglishTrilobites
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TRILOBITES of the BRITISH ISLES
古生物学発祥の地であり、カンブリア紀から石炭紀まで幅広い時代の古生代の地層に恵まれた英国は、多くの三葉虫が確認され、研究もされてきました。今のコレクターの主流は、モロッコ、ロシア、アメリカといった産地ですが、この書籍に載っている数々の標本は、それらの有名な産地と比較してされ全く劣るものではなく、凌駕しているレベルだと気が付きます。これらの標本の多くが著者で世界的三葉虫コレクターのR.Kennedy氏の所蔵品です。構成もフルカラーの大きな写真にキャプション、時代毎に配列されています。現物のDeiphonを写真で見られる数少ない書籍です。
Robert Kennedy,Sinclair Stammers TRILOBITES of the BRITISH ISLES 978-0-9957496-1-0 EnglishTrilobites
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Fossiles du Maroc – Volume 1 : Gisements emblématiques du Paléozoïque de l’Anti-Atlas
モロッコ産の三葉虫は、時代を問わず詳しい産地情報が乏しく、長らく化石標本だけの市場先行型のコレクター泣かせの産地でもありました。モロッコ産の詳しい専門図鑑が欲しかったのは、コレクター共通の願いでもありました。この本では、モロッコでの産地と時代毎に、産出するレベルの高い標本をフルカラーで網羅しており、最新のが研究に基づく学名の記載や詳しい産地解説が書かれていて、今の所、モロッコ産三葉虫本の最高レベルの本であります。 【参考リンク】minéraux&fossiles.com https://www.minerauxetfossiles.com/produit/fossiles-du-maroc-volume-1-gisements-emblematiques-du-paleozoique-de-lanti-atlas-patrice-lebrun/
Patrice Lebrun Fossiles du Maroc – Volume 1 : Gisements emblématiques du Paléozoïque de l’Anti-Atlas 978-91719-839-1 FrenchTrilobites