Meniscopsia beebei

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Weeksでも入手が難しい種類ですが、注目すべきは消化管の内容物が残っていることです。本種には比較的残っている割合が高いのですが、消化管が残っていると殻の保存状態は相反して悪くなるので、両方とも良好なことも貴重です。三葉虫の体構造や食生活を知る貴重な軟体部残存化石の一つです。三葉虫の消化管は、哺乳類の様に胃や大腸など明確な区分は出来ずに、口から肛門まで直線に近い状態でつながっておりました。未発達といってよい原始的な作りとなっていました。本標本は、「The Back to the Past Museum Guide to TRILOBITES」270p PLATE67に載っている本種の代表的標本であります。Selenocoryphe platyuraとして各種図鑑にも掲載されていますが、この名称は学名ではなく、裸名(nomen nudum/分類学)であるため、新しく制定された学名にて記載し直しています。

<消化管参考>[A Guide to the Orders of Trilobites]
http://www.trilobites.info/trilointernal.htm

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  • まるで、綺麗な川の石の裏によくいるヒラタドロムシの幼虫のような三葉虫で、全体的に丸っこくて可愛らしい種ですね。
    一見地味で、多くのコレクターの注目度はそれほど高くないですが、Weeksを目下集めている私にしてみれば、入手がかなり困難な部類の種であり、相当貴重であることよく分かります。私のこれまで見かけた極少数の本種の標本はずっと状態が悪く、希少性と良好な状態と消化器系の保存を併せて考えれば、この標本はこの種の代表的な標本とすら言えそうですね。

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      Trilobites

      2020/06/14

      確かに化石上は扁平ですが、実際はもう少し立体感はあったと思っています。ぺっしゃんこに潰された形なので、上からも消化管が確認できる点は、観察上助かりますね。weeksの中では消化管の例があり有名種ですが、見かける標本は博物館、大学など公的機関なども含まれるため、それらは放出は無いでしょうね。入手の道は個人コレクションの崩壊しか無いですが、見かける標本以上に絶対数が少ないと推定できるので、気長に待てば其のうち市場に出てはくるでしょうが、市場に出て場合は取り合いになるので価格は凄いことになりそうです。

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