Ditomopyge zhirnovskiensis

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世界的に貴重な石炭紀の三葉虫産地の中で、私が知る限り最も保存状態が良いと思うのが、ロシア、ヴォルゴグラード州の産地です。白磁の様な白い母岩に白い殻の三葉虫がは美しく、もはや美術品のようです。石炭紀の種類に興味が無いコレクターでも一目置ける存在かと思います。大型で立体的で細部の保存が良く、体表の細かな突起まで残っております。しかし供給量が極めて少なく、入手がとても難しい産地の一つとして知られます。この標本は途中から折れていますが、石炭紀の種類としては珍しく尾部まで達する長い頬棘をまとう優雅な姿をしています。学名は、以前から混沌としていて、Pseudophillipsia(Carniphillipsia) rakoveci=Paladin transilis(WEBER,1933)が混同していますが、同一種と認識しており、近年Ditomopyge zhirnovskiensis(Mychko, 2017) に再編された模様です。

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