ウルトラセブン〈1998 30th ANNIVERSARY〉太陽の背信

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 「ウルトラセブン誕生30周年記念3部作」の最終3作目。地球より180光年離れたバンデラス太陽が百億年の寿命を終えようとしているが、その太陽に依存している生命体を救済するために再び燃え上がらせる必要があり、そのために地球のマイナスエネルギーが必要なのだという。ということで、怒り、欲望などの人間のマイナス感情を渡しても構わないのではないか、いやそれは罷り成らないのか、またその地球人の選択に対して異星人であるウルトラセブンが介入するべきなのか、という議論もありますが、そんなものはラストのモロボシ・ダンとフルハシの再開のシーンのインパクトの前にはすべて吹っ飛びました。結論を言ってしまうと、「平成ウルトラセブン」の最も感動的だったのがこのシーンだったと私は思っています(添付画像の5~8枚目)。

(フルハシ参謀送迎車の車内)
「いつもと道を変えたのか。」
「寄り道もたまにはいいですよ、フルハシ参謀。」
(夜の港で海と空を見ながら)
「ダン、お前にとっちゃー、ほんのちょっぴりの寄り道だったんだろうな。いやいや、地球にいた時間さ。おれ、孫ができるんだ。つまりおじいちゃんだな。その孫が大きくなって子どもを生む。するとおれは、ひいじいちゃんだ。その子どもが大きくなって…。そんな時にはおれはもうこの世にいないだろうな、ダン、おまえは生きてんだろうな。おれの孫の、孫の孫の孫の孫の孫の代まで、おまえは生きてんだろうな…。」
「人間に生まれたかったと思ったこともあります。ずっとこの星にいたいと思ったことも…。」
「いつでも帰って来てくれ。人間はいつでもおまえを心から歓迎するよ。それがどんなに遠い未来でも、またこの星に寄り道してくれ。」
「ありがとう、フルハシ参謀。お互いに会うのが楽しみですね。人類は受け継ぎ、繰り返すことで成長する生き物じゃないですか。」
「そのとおりだ。また会おうぜ。」
(会話の途中で向かい合った二人は、両手で固い握手を交わし、その後セブンに変身して飛び立ったモロボシ・ダンをフルハシは笑顔で見送る)
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