DVD「セント・オブ・ウーマン/夢の香り」

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 1992年製作。いきなり余談ですが、この紹介文を作成している時期に『ラストマン-全盲の捜査官-』なる連続テレビドラマが放映されています。主人公の福山雅治扮する、交換研修生として来日した全盲のFBI特別捜査官皆実広見(みなみ ひろみ)が独自のノウハウで事件を解決していく、というミステリードラマですが、その内容や出来はともかくとして、皆実の佇まいを眺めて何となく連想してしまったのが、本展示アイテム収録作でした。あらすじは、
 「全寮制の名門ハイスクール、ベアード校の奨学生チャーリー(クリス・オドネル)は、アルバイトで盲目の退役軍人フランク(アル・パチーノ)の世話を頼まれた。翌朝、トラクス校長(ジェイムズ・レブホーン)が全校生徒の前でペンキまみれにされるというイタズラが起き、校長はその犯人の顔を知るチャーリーと同級生のジョージ(フィリップ・S・ホフマン)を呼びつけ、犯人の名を明かさないと週明けの特別集会で退学を申し渡すと脅した。さらに校長はチャーリーに大学進学の奨学金を交換条件に提示した。バイトの初日、チャーリーはフランクに無理矢理ニューヨークへの旅に同行させられることになり、一流ホテルや高級レストランを使うその超豪華な旅に仰天した。フランクはこの旅の最後に自殺すると平然と語り、チャーリーの学校での一件の話を聞くとジョージに裏切られる前に友を売って自分を救えと言う。翌日フランクはチャーリーと共に郊外に住む兄を訪ねるが、歓迎されずに寂しく立ち去った。さらに2人の旅は続いた。あるホテルのラウンジで、偶然近くに座った美しい女性ドナ(ガブリアル・アンワー)に近づき、ダンスを申し込んだフランクは、優雅なタンゴを披露した。次の日にはフェラーリに強引に試乗して陽気にはしゃぐ。そうかと思うとすぐ塞ぎ込むフランクにチャーリーは不安を覚えた。そして予告通りフランクは軍服を着て自殺しようとするが、チャーリーの必死の説得で断念し、2人の頬に涙が伝った。そして旅は終わり特別集会の日がやって来た。ジョージに裏切られたチャーリーは孤立するが、講堂にフランクが現れてチャーリーを援護する演説をして、全校生徒の支持を得たチャーリーは退学をまぬがれることができたのだった。」
(KINENOTEより)
というもので、アル・パシーノは本作でアカデミー主演男優賞を受賞しました。だからというわけではありませんが、アル・パシーノの盲人の演技は絶品で、福山氏のリアリティに欠けるそれとは比較にならない。ですが、それでも両者の、特に相棒に対する「人垂らし」振りの佇まいは何となく似ている気がしてしまいました。まあ、作品の内容が違い過ぎるので、相当にこじつけてしまったのですが、私生活ではこの時期に「83歳で新たに父親になった」というパシーノに関する報道があり、その意味もあって取り上げてみました。
 あと、本作はイタリアの作家ジョヴァンニ・アルピーノの小説 Il buio e il miele (「闇と蜂蜜」の意)を脚色したものですが、同原作の映画化としては1974年のイタリア映画『女の香り』があります。つまり、本展示アイテム収録作はこの作品のリメイクということになります。ただ、この『女の香り』に関しては本邦劇場未公開で、どうも映像ソフトも出版されていないようですが、アルマンド・トロヴァヨーリのサントラCDは国内盤が『女の芳香』というアルバム名でリリースされており、名盤です。いずれ紹介できればいいのですが…。それで思い出しましたが、本展示アイテム収録作のトーマス・ニューマンのスコアも佳作でした。
 最後に吹替ですが、やはりアル・パシーノの担当は野沢那智氏というのがしっくりきますね。それだけで他はどうでもいい。主な吹替はタグに表示しておきます。
https://www.youtube.com/watch?v=6r9xTCsIU14
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    recopan

    2024/02/01 - 編集済み

    woodsteinさん、セント・オブ・ウーマンを取り上げてくださりありがとうございます。冒頭のフランク(アル・パシーノ)の面倒を見ている姪一家が、アルバイトに来た初対面のチャーリーに、扱い辛いおじさんであるフランクのことを「本当に優しい人なのよ」という言葉と、チャーリーとフランクの初対面の時にジャックダニエルのグラスに指でいつものようにたどりつくフランクを見て、アル・パシーノに釘付けになります。フランクとチャーリーの旅で、ジャックダニエルを、フランクが「親しい人間はジャックをジョンと呼ぶ」というセリフもにくいなーと思いました。ラストの学校裁判の場面でのフランクはアル・パシーノの真骨頂だと思います。あと、ガブリエラ・アンウォーは、ボディー・スナッチャーのリメイクに出ていましたね。

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      woodstein

      2024/02/02

       recopanさん、コメント有難うございます。『セント・オブ・ウーマン』という作品へのあふれる愛情が感じられました。リメイクされるくらいですから、もちろん題材もいいのですが、この作品の白眉はマーティン・ブレスト監督の演出だと、私は思っています。ただ、寡作なのですよね。もう、70歳を越してしまったのですが、もう少し活躍の場が与えられれば…。そう、思うと残念です。特に、本作と『ジョー・ブラックをよろしく』でなされたきめ細やかな演出を観てしまうとね。

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