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BRAINWASHED / GEORGE HARRISON
#CD #DVD #george-harrison
ロック CAPITOL Dark Horse 2002年11月45rpm
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DVD「暗黒街の顔役」
本展示アイテム収録作である『暗黒街の顔役』という作品の存在を知ったのは、1984年に本邦公開された映画『スカーフェイス』に関する映画雑誌の記事でした。そもそも本展示アイテム収録作の原題が『SCARFACE』で、『スカーフェイス』はリメイク作品なわけですが、何と言ってもブライアン・デ・パルマ監督、オリバー・ストーン脚本、アル・パシーノ主演の大作ギャング映画でしたので、そのオリジナル作品にも当然興味は湧きました。ただ、いかんせん1932年製作の作品ですので観ることは叶わないのかな、と漠然と思い込んでいたのですが、程なく見る機会に恵まれました。 1986年の11月から12月にかけて、『東宝シネ・ルネッサンス'86』というイベント上映会が日比谷みゆき座で行われたのですが、その際『暗黒街の顔役』が『グランドホテル』との2本立てで上映されました。前段で述べたような思いがありましたので、当然観に行ったわけですが、圧倒されましたね。設定等は現代風にアレンジされていたものの基本的な筋立ては『スカーフェイス』と同じでしたが、作品的には別物という感じで、両作とも監督の個性がかなり前面に出ていたのが印象的でした。 本作を観るまでハワード・ホークス監督というと、『三つ数えろ』や『紳士は金髪がお好き』などもあいましたが、基本的には『赤い河』『リオ・ブラボー』『ハタリ!』『エル・ドラド』『リオ・ロボ』に代表される「西部劇」「ジョン・ウェイン」に紐づけられたイメージがありましたので、若かりし頃(といっても、すでに30歳代半ばでしたが)には、こんなハードでストレートな演出をしていたのは、意外でした。もっとも、さらに程なく『赤ちゃん教育』や『ヒズ・ガール・フライデー』を観ることができ、この監督の守備範囲の広さに感服させられたのですが、それはともかく、本作で描かれたラストの銃撃戦の激しさは圧巻で、ポール・ムニ演じるトニーの最期のシーンは迫力満点でした。 ちなみに、その過激な暴力描写や近親相姦を彷彿させる内容が問題となり、ラスト・シーンがホークスや製作のハワード・ヒューズなどの了解もなしに勝手に撮り直され、結局ホークスのオリジナル版と検閲版の両者が存在することになったのですが、私がみゆき座で観たのはオリジナル版の方でした。そして、本展示アイテムにはその両方の版が収録されています。「IVCにしては珍しくサービスしたものだ」という別の感想はあるのですが、それはともかく、一応検閲版も観たのですが、ホークスのオリジナル版の方がいいに決まっている、というのは言うまでもありません。 https://www.youtube.com/watch?v=XRmWftEjit0 #DVD #淀川長治 #暗黒街の顔役 #ハワード・ホークス #ハワード・ヒューズ #ポール・ムニ #アン・ドゥヴォーラック #カレン・モーリー #オスグッド・パーキンス #ボリス・カーロフ #ジョージ・ラフト
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DVD「キートンの探偵学入門」
戦前初公開の時は『忍術キートン』という邦題でしたが、1973年6月16日、フランス映画社が「ハロー!キートン」という特集上映をした際にこの邦題に改められて以来、この邦題で定着しているそうで、私も本展示アイテムを入手した際に、『忍術キートン』というタイトル名を知りました。 さて、このフロアには本展示アイテム以外にもバスター・キートン出演作を収録したアイテムは『キートンの恋愛三代記』『キートンのセブン・チャンス』のDVDがありますが、出来、面白さなど作品の質的には本作が抜きんでており、私が観たキートン・シリーズの作品群の中では『荒武者キートン』と双璧という印象でした。 「映写技師であったキートンは、探偵を目指して勉強中であった。ある日、恋敵にはめられて、愛する女性の父親から泥棒扱いされることに。濡れ衣を晴らすため、キートンは夢の中で上映中の映画の中に入り込み、名探偵シャーロック・ジュニアとなって活躍をする。」というのが概要ですが、その身体を張った活躍が見ていて痛快で、この手の作品があまり好みでもない私でも、かなり楽しめました。 あと、本展示アイテムの裏書(2枚目の画像)に「ウッディ・アレン『カイロの紫のバラ』の原点、原題のコメディアンに強烈な影響をおよぼした。」とありますが、スクリーン内の虚構が現実化されるという要素を翻案したというだけで、私には異質なものに見えました。スクリーン内に入り込むか、スクリーン内から人物が出てくるか、という差異もありましたしね。その辺りのことは、『カイロの紫のバラ』に触れる機会があれば、述べてみたいです。 https://www.youtube.com/watch?v=QwiEqQevn0M #DVD #淀川長治 #キートンの探偵学入門 #バスター・キートン #キャリア・マクガイア
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DVD「ホット・ロック」
平たく言えば「泥棒映画」ですから、あるいは現代の「ポリコレ」の風潮からは、たとえこのような作品を製作したとしても、本展示アイテム収録作のような結末にはできない、ということになりそうですが、まあ、70年代でしたから、そこはね。 「刑期を終えて出所したドートマンダーを迎えに来た義弟のケルプが早速新しい仕事(ヤマ)を持ちかけてきた。アフリカ某国のアムーサなる人物が、ブルックリン博物館で展示中の巨大な宝石サハラ・ストーンを盗み出せというのだ。一旦は断りかけたドートマンダーだが、当座の生活費のためにしぶしぶ引き受けると、錠前屋ケルプ、運転の天才スタン、爆薬物のプロ・アランとチームを組み、まんまと博物館の宝石を盗み出すことに成功するのだが…。」というのが導入で、この後の宝石をめぐる攻防が進行していくわけですが、その過程をウィリアム・ゴールドマンの脚本とピーター・イェーツの演出が軽妙かつ巧みに描き、そこにクインシー・ジョーンズの音楽も相まって、快作といっていい仕上がりの作品となっています。ですので、レッドフォードのフィルモグラフィーの中でも、もう少し大きな地位を占めてもいいと個人的には思っているのですが、知名度は今一つ、という感じですかね。 なお、本展示アイテムには残念ながら吹替は収録されていません。おそらく、現存していると思われるのですけれどね。もちろん、テレビ放映時にその吹替版を観てはいるのですが、その数日前に名画座で初見したこともあり、野沢那智氏がレッドフォードの吹替をしたことを覚えているくらいで、あまり印象には残っていません。むしろ、その吹替版はフジテレビのゴールデン洋画劇場の枠で放映されたのですが、番組の案内役の高島忠夫氏の「数多観てきた映画の中でこの作品のラストが最も好きだ」という冒頭のコメントの方が記憶に残っています。 https://www.youtube.com/watch?v=mUtIl_x2tvY #DVD #ロバート・レッドフォード #ホット・ロック #ピーター・イェーツ #ウィリアム・ゴールドマン #クインシー・ジョーンズ #ジョージ・シーガル #ロン・リーブマン #ポール・サンド #モーゼス・ガン #ゼロ・モステル
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DVD「ヤング・ゼネレーション」
『午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本』という上映会が、2010年から2013年にかけて計3回行われました。「デジタル上映ではなく、全作品がニュープリントで作られたフィルムでの上映」というのがコンセプトで、御存じの方、さらには実際に足を運んだこともおられると思います。私も、その際に上映された『明日に向って撃て!』を観に行ったのですが、その件は「モノ日記(41回目の日記)」の欄で紹介しました。ちなみに、その後、2013年4月から開催の『新・午前十時の映画祭 デジタルで甦る永遠の名作』という、名画のデジタル上映会も、この紹介文を作成している段階では、断続的に継続されています。 話を『午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本』に戻します。この上映会が催されるとの報を受けて作品のラインナップを見ました。それなりに知名度の高い名作のオン・パレードの中に「意外ではあるが、でもよくぞ選んでくれた」と思わざるを得ない映画も数作含まれており、その中の一作が本展示アイテム収録作でした。本邦公開が1980年のGWだったのですがヒットしたとはいえず、程なく名画座落ちして、そのとき私は何かとの2本立てで観ることができたのですが、期待してなかったこともあったせいか、観終わった後は思わぬ拾い物をした感のある佳作でした。まあよく考えれば、監督がピーター・イェーツですから、それも納得だったわけですが。 ということで、作品の内容などについては別の機会に譲るとして収録の吹替ですが、少し物申したい。物語の中心となる4人はハイスクールを卒業直後という境遇ですから、まだ20歳前という設定ですが、吹替の声が揃いも揃って若くない! 池田秀一、玄田哲章 、鈴置洋孝、そして中尾隆聖という面々ですが、テレビ放映用に収録された1984年当時、この4氏は30歳代半ばで、もちろんそれなりに巧く演じていたとは思いますが、どうも違和感があったのは残念でした。他方、主人公の父親の声を担当した大塚周夫氏の吹替は、出番はそれほど多くなかったものの、それなりに爪痕を残した名演でした。 https://www.youtube.com/watch?v=J1jzs6dk4bs #DVD #ヤング・ゼネレーション #ピーター・イェーツ #パトリック・ウィリアムズ #デニス・クリストファー #ダニエル・スターン #デニス・クエイド #ジャッキー・アール・ヘイリー #ポール・ドゥーリイ #バーバラ・バリー #ロビン・ダグラス #ハート・ボックナー #エイミー・ライト #ジョン・アシュトン #池田秀一 #玄田哲章 #鈴置洋孝 #中尾隆聖 #大塚周夫 #中西妙子 #高島雅羅 #田中秀幸 #潘恵子 #池田勝 #吹替
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DVD「アイアン・ホース」
有り体に言えば、ジョン・フォード監督の出世作であり、そういう意味では映画史においてもそれなりに重要な地位を占める作品です。内容的には、アメリカ大陸を横断して東から伸びるユニオン・パシフィック鉄道と西から伸びるセントラル・パシフィック鉄道をひとつのレールで結ぶ横断鉄道建設を巡り、男女の恋、土地売買の陰謀、父の仇討ちなど、さまざまな物語が交錯する、という壮大なスペクタクル、というところですかね。 もちろん映画ですから、主人公やヒロインが設定され、それらを取り巻く人間模様も描かれていますが、飽くまで主題は、南北戦争後のアメリカ開拓期の一部を切り取り、横断鉄道建設を通じて近代国家へ脱皮する礎を築くのにどのようなドラマがあったのか、ということ。製作されたのが1920年代前半ですから、まだまだ19世紀末の開拓期の原風景が残っており、それを背景にしての撮影、しかもSFXもCGもないわけですから、実物大のセットを製作して撮影した映像の内容はリアリティに溢れ、迫力がありました。 そして、最も感心させられたのが、撮影時のジョン・フォードの年齢が若干29歳であった、ということで、B級西部劇の撮影のキャリアをそれなりに積み重ねてはいたものの、これほどの大作を任されるには、100年近く経過した現代でも思わざるを得ないわけで、起用したフォックス社の英断はバクチと紙一重のものだったのではないでしょうか。ですが、ジョン・フォードがその英断に応えたのは彼自身の非凡さのなせる業であり、その後の映画人としての成功を予見させる作品の完成度でした。 ということで、ここからは不満な点ですが、作品の内容についてではなく、本展示アイテム自体のこと。本フロアで掲げる「淀川長治監修『世界クラシック名画』100撰集」シリーズ、というよりも、企画・制作のIVC社自体の問題ですが、不完全な版を臆面もなく世に出しているわけで、本展示アイテムの収録時間は118分、これとは別の会社から発売されている『アイアン・ホース』のDVDは132分で当てつけのように「132分ヴァージョン」をタイトルに付しており、amazonの販売ページには「完全版」の語まで付いています。ただ、これはアメリカ国外向けの版であり、アメリカ国内向けは約150分の版が公開されました。だから、amazonの販売ページの「完全版」の語は正確ではない、とも言えるでしょう。いずれにしても、本作はすでにパブリック・ドメインになっているはずですから、150分版を日本向けに出版する努力はできなかったのか、と思ってしまいます。 https://www.youtube.com/watch?v=wTmWsrHp2nA #DVD #淀川長治 #アイアン・ホース #ジョン・フォード #ジョージ・オブライエン #マッジ・ベラミー #チャールズ・エドワード・ブル #シリル・チャドウィック
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DVD カーペンターズ/LIVE AT BUDOKAN 1974
#カーペンターズ #武道館ライブ #DVD
DVD カーペンターズ/ライブ・アット・ブドウカン 地元レコード店 覚えていないkyusha_fan
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DVD「アンダルシアの犬」
1928年製作。ルイス・ブニュエルとサルバドール・ダリによるシュルレアリスムの傑作と評される、実験的ショート・フィルム、アナキズムに心酔していたブニュエルによる、「映画の機能を否定した映画」、という映画史において重要な位置づけがなされている作品で、かなり語り尽くされてもいますので、次段以降は思い出話などさせて戴きます。 高校生の頃、劇場で映画を観る資金が潤沢ではなかったこともあり、学園祭シーズンにはあちこちの大学の上映会に出向いたものでした。もちろん、劇場公開作の無料上映を観るのが目的だったのですが、その余波というか、副産物というか、その大学の映画研究会か何かの製作の、いわゆる自主映画も観る羽目となり、その殆どが退屈で、当時は結構苦痛で迷惑に思ったものでした。そして、その中には映像の脈絡のない羅列としか思えない作品もあり、「これは私のようなおバカな高校生の理解を超えるものなのか」と帰路の電車の中で考え込んだりもしましたが、ひょんなことからちょっと事情が分かったような気になったことがありました。 それは、おすぎとピーコのラジオ番組に大林宣彦監督がゲスト出演した時のこと、主目的は映画『転校生』の宣伝だったわけですが、それ以外にもトークは展開し、話題は当時の自主映画に及びました。大林監督は日本の自主映画に関しては草創期から活動された方であり、このラジオ放送の頃もおそらくこの類の作品に触れる機会があったようで、御自身が撮影していた頃との作風の違いについて語っておられたのですが、その中に「料理でいうと素材だけあって調理がされていない」という意味の発言があり、このときはまさに「我が意を得たり」と思ったものでした。さらに数年後、ルイス・ブニュエル監督の作品をまとめて観る機会があり、その際に本展示アイテム収録作を初見できたのですが、この25分程度のとても理解しにくい内容の作品が、私が観させられた愚にもつかない自主映画の原点にも思えました。ただ、この私の思い込みは多分浅はかなのでしょう。もしかしたら、大林監督もそれらの自主映画を観て『アンダルシアの犬』を連想したかもしれませんが、所詮は「意欲は買うが、格が違い過ぎる」くらいに感じたのかもしれない、そんな妄想をしてしまいました。 ということで、ネット検索すれば全編を収録した動画は簡単に見つかりますし、特に日本語字幕を必要とする内容でもありませんので、未見の方は御覧になってみるのも一興と思います。 https://www.youtube.com/watch?v=vJKNp7v5FOg #DVD #淀川長治 #アンダルシアの犬 #ルイス・ブニュエル #サルバドール・ダリ #シュルレアリスム #ピエール・バチェフ #シモーヌ・マルイユ #ハイメ・ミラビエス
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DVD「アンナ・カレニナ」
文学作品『アンナ・カレーニナ』は、レフ・トルストイ原作の小説の中では、おそらく『戦争と平和』に次いで著名で、幾度となく映画、テレビドラマ、演劇、さらにはバレエ化されていますが、ここでは本展示アイテム収録作も含めた映画化作品などについて触れていきます。因みに、『アンナ・カレニナ』と『アンナ・クリスティ』を混同してしまいがちだった、というヨタ話は、このフロアの『アンナ・クリスティ』のDVDの展示の紹介文に記載しました。 そもそも『アンナ・カレーニナ』は文庫本で上・中・下巻になるほどの長大な文学作品ですから、仮に映画化しても上映時間の制約から「あまり原作に忠実な脚色はできない」だろうことは、想像がつきます。実際、主な映画化作品の上映時間は、 ・1927年製作『アンナ・カレニナ』(原題:Love)、サイレント映画、グレタ・ガルボ主演:82分 ・1935年製作『アンナ・カレニナ』、グレタ・ガルボ主演:95分 ・1948年製作『アンナ・カレニナ』(本展示アイテム収録作)、ヴィヴィアン・リー主演:110分 ・1997年製作『アンナ・カレーニナ』、ソフィー・マルソー主演:108分 ・2012年製作『アンナ・カレーニナ』、キーラ・ナイトレイ主演:130分 と、いずれも2時間前後であり、原作小説のディテールまでをカバーしているとは言いづらい。因みに、その不備を補っている作品として、1977年BBC製作、ニコラ・パシェット主演のテレビドラマ『アンナ・カレーニナ』が挙げられ、こちらの本編時間は実に6時間5分ということですが、少なくとも日本国内での知名度は、上記映画5作品のそれよりもかなり低いようです。 さて、上記5作品のうち、私自身は1927及び2012年製作版以外の3作品を観ました。1997年のソフィー・マルソー主演版は論外で、1935年のグレタ・ガルボ版と本展示アイテム収録作のヴィヴィアン・リー版が俎上に上がるのですが、少々語りづらい。正直言って、映画の出来自体はガルボ版の方がいいと思いますが、それはグレタ・ガルボとヴィヴィアン・リーの魅力の差ではなく、演出法の違いによるところが大きいのかな。1935年のグレタ・ガルボ版については別に触れる機会もあるかもしれませんからここでは詳細は申し上げませんが、原作小説の要素の一つであるアンナの心理描写をかなり省略し、あらすじを追うことを主眼とした構成でした。それに対し、本展示アイテム収録作はこう言っては何ですが、ヴィヴィアン・リーのプロモーションフィルムの風情の感を受けました。ヴィヴィアン・リーを美しく見せることで、よりラストの観客の受ける悲劇の度合いを強めようというジュリアン・デュヴィヴィエ監督の意図はそれなりに伝わりましたし、ヴィヴィアン・リーも持ち前の演技力でその期待に応えていたのでしょうが、ではその意図がそもそも本作の出来に反映されたのか、というと、はなはだ疑問であると私には思われました。 https://www.youtube.com/watch?v=xiTXmsJaDkI #DVD #淀川長治 #アンナ・カレニナ #トルストイ #ジュリアン・デュヴィヴィエ #ヴィヴィアン・リー #ラルフ・リチャードソン #キーロン・ムーア
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DVD「春の調べ」
表題の画像は現代でも映像ソフトのジャケットとしてはいささか刺激的ですが、製作された約90年前の1932年では相当衝撃的だったのは想像に難くないわけで、その顛末は添付画像2枚目、すなわち本展示アイテムの裏ジャケットの説明文に記載されています。あと、本展示アイテム収録作については、 ・全裸で泳ぐ場面 があったため、当時は議論を巻き起こした。 ・非ポルノ映画において、初めて肉体関係を描いた作品であるが、俳優の顔以外のところは見えていない。 ・映画史上初女性のオーガズムを描いた作品としても知られている。 などのことがWikipediaに記載されているので、参考までに。 内容は、年齢の離れた夫との性的関係が満たされない若妻が他の男性に走る、という割とよくあるコンセプトで、例えば映画ではシルビア・クリステル主演の『チャタレイ夫人の恋人』や、もっと格調高くいけばデヴィッド・リーン監督の『ライアンの娘』などがありますかね。もっとも、D・H・ローレンスの小説『チャタレイ夫人の恋人』が発表されたのは1928年のことでしたから、映像作品としては時代の先端を行くものであったとも言えるかもしれず、それなりの映画史的な意義はあったものと思われます。 あと、ヘディ・ラマーが、本名のラストネームをそのまま使用したヘディ・キースラー名義で主演したとのことですが、正直、本展示アイテムを入手するまでヘディ・ラマーという女優の存在を不勉強ながら知りませんでした。フィルモグラフィーを見るとセシル・B・デミル監督作の『サムソンとデリラ』くらいしか知らず、さらに言えば「発明家としても著名」ということも、この時が初耳だったわけで、改めてまだまだ知らないことが膨大であると実感させられたのでした。そもそも、この『春の調べ』という映画の存在自体を、1998年に本フロアで掲げる「淀川長治監修『世界クラシック名画』100撰集」シリーズの発売ラインナップを見て知った、という体たらくでしたから、致し方ないか。 https://www.youtube.com/watch?v=5qI_nxU9zHc #DVD #淀川長治 #春の調べ #グスタフ・マハティ #ヘディ・キースラー #ヘディ・ラマー #スヴォニミール・ロゴス
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DVD「ならず者」
本フロアに展示のアイテムは「淀川長治監修『世界クラシック名画』100撰集」シリーズを基本とした一連のDVDであり、そのように設定してしまった以上、そこに属するアイテムを入手していれば展示が余儀なくさせられるように自分自身に縛りをかけてしまったわけですが、では、本展示アイテム収録作がこのシリーズのお題目にある、いわゆる「名画」なのか、と問われると、私なら即座に否定しますね。個人的には、何でこの作品をこのシリーズにブッコんだのか、疑問なのですが…。 と、いきなり悪口めいたことを捲し立てましたが、では本作が嫌いなのか、というと、そうではありません。確かに、西部開拓史上で著名な面々、ドク・ホリデイ、パット・ギャレット、そしてビリー・ザ・キッドの人間模様を縫う様に、一人の魅惑的な女性が揺れ動くという、少し大袈裟に言えば荒唐無稽な筋立ての作品であり、さらには監督がハワード・ホークスから演出に関しては素人同然のハワード・ヒューズに交替したという様々なマイナスの要素はありますが、そんなものは主役のジェーン・ラッセルの魅力の前にはどうだっていいことだろう! さすがにこれは言い過ぎですが、要するに上記の歴史上の人物をそれぞれ演じたウォルター・ヒューストン、トーマス・ミッチェル、そしてジャック・ビューテル諸氏の扱いは、本作でデビューした新進女優ジェーン・ラッセルの刺身のつま程度であった、ということですかね。 ジェーン・ラッセルを最初に観たのは御多分に漏れず『紳士は金髪がお好き』で、正直言ってマリリン・モンローよりもよほど魅力的に私には見えたのですが、その原点が本作であったというのを確認できたのが、本展示アイテムを入手した最大の収穫で、作品自体の出来を超越している、と思い込んでいます。 あと、音楽はヴィクター・ヤングが担当したのですが、本作に関してはどうも彼本来の切れ味がない凡庸な劇伴でした。おそらく、画面上の冗長な演出に合わせて作曲したから、そんな残念な結果になってしまったのだろう、と想像してしまえるのですが、どうなのでしょうか。 https://www.youtube.com/watch?v=Gnjv3ONSa9o #DVD #淀川長治 #ならず者 #ハワード・ヒューズ #ハワード・ホークス #ヴィクター・ヤング #ジェーン・ラッセル #ウォルター・ヒューストン #トーマス・ミッチェル #ジャック・ビューテル
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DVD「素晴らしき哉、人生!」
今日においては、『或る世の出来事』と並んでフランク・キャプラ監督の代表作と言われることも多く、特にアメリカ本国においては、クリスマスの時期のド定番でもあるわけで、ストーリーなど作品そのものの話をこの場でする必要もないでしょう。ということで、別の切り口の話を。 スティーブン・スピルバーグ監督は、以前何かのインタビューで、映画の撮影前や製作に行き詰まったときに、もの作りの原点に立ち戻るために必ず観る映画として、『アラビアのロレンス』『七人の侍』『捜索者』、そして本展示アイテム収録作である『素晴らしき哉、人生!』の4作を挙げている旨の記事を読んだことがあります。スピルバーグほどの人ですから、各作品の隅々まで知り尽くしているはずで、それでも観返す、というのは、多分に気分転換の要素が強いのでしょうが、「言われてみればそうなのか」と、妙に納得してしまう側面もあります。というのも、上記4作に止まらず、デヴィッド・リーン、黒澤明、ジョン・フォード、そしてフランク・キャプラ監督の他の作品も含めて、その演出のオマージュではないかと見て取れる映像での表現が、スピルバーグ自身の監督作品のみならず、製作総指揮などで関わった作品にも散見されたからで、そのような表現があるのではないかと探しながら観るのがスピルバーグ絡みの作品の楽しみ方の一つでもあります。 ただ、基本的にはスピルバーグ絡みの作品の中であっても、この演出は気に入らないという部分はあるわけで、それらがどうもフランク・キャプラ監督の影響を受けた部分ではないかと想像されることがあります。もちろん、一方的な思い込みで、要するに私自身がフランク・キャプラ監督の演出タッチと相性が良くないということに過ぎない、ということなのでしょう。 もっとも、フランク・キャプラは生涯に40作近くの映画を監督しており、その中で私が観たのは、せいぜい本フロア展示アイテム収録の4作と『オペラハット』『失はれた地平線』『我が家の楽園』『スミス都へ行く』『ポケット一杯の幸福』と10作にも満たないわけですから、その程度の知見でフランク・キャプラ監督の演出タッチを気に入らないと断じてしまうのも総計なのかもしれません。 https://www.youtube.com/watch?v=y_LselYMgS4 #DVD #淀川長治 #素晴らしき哉、人生! #フランク・キャプラ #ディミトリ・ティオムキン #ジェームズ・スチュアート #ドナ・リード #ライオネル・バリモア #ヘンリー・トラヴァース #トーマス・ミッチェル #ワード・ボンド #グロリア・グレアム #シェルドン・レナード #チャールズ・レイン
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DVD「バルカン超特急」
本展示アイテムのジャケットの裏面に記載されている淀川氏のコメント「見事なる映画の教科書、ヒッチコックのオリジナル」はまさに正鵠を射ていると思われます。すなわち、意図せず事件の渦中に巻き込まれて冒険を余儀なくされ、いくつかの困難を乗り越え、その過程でラブ・ロマンスを折り込み、ハッピーエンドに流れ込む、という手順を本展示アイテム収録作は踏んでいるということで、まさに典型的ヒッチコック作品であると言えます。 さて、そのような内容的なことはともかく、本作を最初に観たときに気になったことがありました。本編中でマイケル・レッドグレイブが口笛を吹くシーンがあったのですが、そのメロディを聞いて、「これは紛れもなく『クワイ河マーチ』!でも、何で?」と疑問に。というのも、『クワイ河マーチ』は映画『戦場にかける橋』のテーマ曲ですが、製作されたのは1957年、他方で本作は1938年で、なぜ後年の映画のテーマ曲がこの作品の中から聞こえてくるのか、と思ってしまったわけですが、言うまでもなく、これは私の無知が生んだ愚かな疑問でした。『クワイ河マーチ』は、ケネス・ジョゼフ・アルフォードが1914年に作曲の『ボギー大佐』を、マルコム・アーノルドが映画『戦場にかける橋』のテーマ音楽用に編曲した行進曲で、要するに本作の中で聞こえたのは『ボギー大佐』マーチだった、という他愛もない話でした。 あと、本作の本邦初公開は1976年、製作が上記のとおり1938年で、長らく日本未公開作品だったわけです。そのようなヒッチコック作品は本作に限らず、『第3逃亡者』(1937年)、『海外特派員』(1940年)、『逃走迷路』(1942年)なども同様でしたが、1970〜80年代頃、映画評論家の水野晴郎氏が主催していたインターナショナル・プロモーション(IP)という、リバイバルと未公開映画発掘専門の配給会社により、劇場公開が実現化されました。この辺りの話もいずれは別の機会にしてみたいと思っていますが…。 最後に、本作は1979年にシビル・シェパード主演の映画『レディ・バニッシュ 暗号を歌う女』としてリメイクされていることを付け加えておきます。 https://www.youtube.com/watch?v=YihbNGUNQmU #DVD #淀川長治 #バルカン超特急 #アルフレッド・ヒッチコック #マーガレット・ロックウッド #マイケル・レッドグレイブ #ポール・ルーカス #メイ・ウィッティ #ボギー大佐
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DVD「カリガリ博士」
最初に観たのは高校生の時、某大学の文化祭での無料上映会で、個人的には『チャップリン小劇場』などをテレビで観たのを除けば、初のサイレント映画体験だったのですが、そんな感慨がどうでもよくなってしまうほどのインパクトが内容的にはありました。御覧になったことのある方なら納得できるはず。ということで、相当語り尽くされている作品なので、内容そのものについては特に触れなくてもいいでしょう。 さて、「世界最古級のホラー映画」あるいは「ホラー映画の原点」というのが、本展示アイテム収録作に付せられている修飾語句の代表例なのでしょう。ただ、私自身はホラー映画がそれほど好みではなかったこともあり(今でもそうですが)、そのような意義を唱えられても「へぇー、そうかね。」としか思えなかったですね。というのも、上段で述べたようにこの作品自体は高校生の頃に初見だったのですが、その頃は「ホラー映画イコールスプラッター映画」という感じの作品が多く、そんな認識もあってか、本作は、ホラーというよりもサスペンス若しくはスリラー映画という捉え方をしてしまったわけで、その辺りに違和感があったのだと思います。いわゆる「どんでん返し」のストーリー・テリングでしたので。そんな無知で鈍感な高校生でしたから、画面の背景の歪んだセットが主人公の心情の具象化であり、それが映画における、いわゆる「ドイツ表現主義」であった、というのを知ったのはかなり後年のことで、そんな知識を具備した後に本展示アイテムを入手し、収録作を再見してみて、改めて本作の映画史に占める位置を噛みしめたものでした。 https://www.youtube.com/watch?v=97EcJeozhWo #DVD #淀川長治 #カリガリ博士 #ドイツ表現主義 #ロベルト・ヴィーネ #ヴェルナー・クラウス #コンラート・ファイト
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続人間革命 DVD
平成18年(2006年)にシナノ企画より発売された『続人間革命』のDVDです。 『続人間革命』は前作から3年後の昭和51年(1976年)、ほぼ同じスタッフで製作された続編です。(残念ながら音楽は伊福部昭から伊部晴美に変更) 丹波哲郎の“大独演会”だった前作とは打って変わり、こちらはあおい輝彦演じる弟子の山本伸一(池田大作センセイがモデル)と織り成す「師弟のドラマ」が主軸となっています。その分、前作のような異様なテンションの高さは影を潜めますが、渡哲也演じるヤクザのボスが意外な形で再登場し、“宗教映画”らしからぬアクションを見せるという日活ファンには堪らない見せ場なんかもあったりして(しかも本作の監督は、数々の日活アクション映画でメガホンを執った舛田利雄!)、映画としての娯楽度はこちらのほうが高めですかね。 特撮も鎌倉時代の天変地異で、村が洪水で押し流されるシーンや、寺が崩れ落ちるシーンなどスペクタクルなシーンが増え、特撮ファン的にも更に楽しめるものとなっています。 ところで、戦前から戦後までの創価学会史を描いた『人間革命』『続人間革命』の二作は、'70年代の日本映画の“大作路線”の先陣を切った作品でありながらも、ほとんど観ることが出来ない“幻の映画”でした。それだけに平成18年(2006年)のDVD発売は邦画ファン、特撮ファンにはまさに“寝耳に水”の出来事でしたが、販売方法も変わっていて、普通、これほどのビッグタイトルならば大々的に告知されてもいいはずなのにそういったものが一切無く、シナノ企画での通販、あるいは信濃町(創価学会の本拠地)の書店やコンビニでひっそりと販売されるという異例なものでした。(私も当時、噂を耳にして、慌てて信濃町の書店まで買いに行きましたっけ。笑) 最近はCSやBSでも放映されているようですので、興味のある方は是非一度ご覧ください。 #丹波哲郎 #舛田利雄 #シナノ企画 #東宝 #DVD
シナノ企画dape_man
