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41回目の日記

公開日:2019/11/11

 この欄への投稿は本当に久し振りとなります。本来ならば、新たなアイテムの入手などの活動を報告するのがこの欄の正当な活用法なのでしょうが、どうもそれが果たされていない。今回は、それこそ昔の日記を今更ながら披露する、という感じのものになってしまうのですが、このような形で残しておくのも多少の意義はあるのかもしれない、と自分に言い聞かせて進めていきます。

 ということで「ロバート・レッドフォード関連ソフト」のフロアに展示した『明日に向って撃て!―特別編―』のDVDの説明文内でこの作品への思い入れをこの項で語る、としましたので、自身のこの作品への思いの変遷を時系列で以下に認めたいと思います。


1.『明日に向って撃て!』への憧れ

 私が本格的に劇場などテレビ放映以外で映画を観るようになったのは70年代後半からで、そのための情報収集の拠所はいくつかあったのですが、最も利用したのは御多分に漏れず情報誌「ぴあ」で、その頃はまだ月刊誌でした。この情報誌に「ぴあテン」と「もあテン」という企画、すなわち映画、音楽、演劇などの各分野でその年のトップテン、年度を問わずもう一度見たい作品のトップテンを読者投票により選ぶ、というものがあり、『明日に向って撃て!』は「もあテン」の映画部門の常連作品で、同じく常連作品だった『2001年宇宙の旅』や『シベールの日曜日』は70年代後半から80年にリバイバル公開されたのに、『明日に向って撃て!』は何と20世紀フォックスが配給止めにしているので劇場公開されないとのことで、当時はかなり忸怩たる思いをしたものでした。


2.隔靴掻痒

 少し余計な話になりますが、学校の先輩に観た人がいて、それは渋谷全線座という劇場で、ということだったのですが、その話を聞いたときはすでにその劇場は閉館しており、いろんな意味でもう少し早く映画を観ることに覚醒していればよかったと思ったものでした。また、私が「ぴあ」を定期購読するようになって2、3年目くらいに「もあテン」で『明日に向って撃て!』が1位となり、その記念イベントで配給止めにもかかわらず上映されるという告知があり、祈る思いで応募したものの、当選するはずもなく(相当すごい倍率だったらしい)、本作を観たいという欲求は募るばかりでした。


3.『明日に向って撃て!』の前日譚

 さらに余談となりますが、1979年に『新・明日に向って撃て!』(Butch and Sundance: The Early Days)という西部劇映画が公開されました。ウィリアム・ゴールドマンが原作・製作の『明日に向って撃て!』の前日譚であり、ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの若年期が描かれた作品ですが、私はこの作品を翌年早々に名画座で観ました。つまり、本家本元の作品を観る前にその関連作を観たわけで、これも本作を観たいという欲求が募る一因となりました。


4.初めて観た

 結局、最初に観たのは残念ながらテレビ放映でした。確か1981年最初の月曜ロードショーの作品としてで、荻昌弘氏の解説は「音楽と映像の一体化」という表現を使ったものだったような。吹替はフジテレビ版の流用で、もちろんカットされた完全なものではなかったのですが、それでも一応「観ることはできた」わけです。

 そしてほどなく、隔週化となっていた「ぴあ」に『明日に向って撃て!』の上映情報が掲載されましたが、なんと、喫茶店での16ミリフィルムでの上映、それでもノーカット字幕スーパーで観ることができるというので出かけました。オーダーの他に席料も請求されましたが、それでも名画座で映画を観るのと同じくらいのコストでしたので嬉しかったですね。

5.その後の何年か

 その後は、たまに前出の月曜ロードショー放映分を録画したビデオテープを観たりはしたのですが、ベータマックスでしたので、使用していたビデオデッキの寿命が尽き、次のビデオデッキをVHSにしてしまったことで、結果的にそのビデオテープは他の作品を収録したビデオテープとともに封印され、現在も我が家の押し入れの奥深くに眠っています。もっとも、その頃には巷にビデオソフトやレーザーディスクも流通するようになりましたし、たぶん少し努力すれば観ることだけはできるだろうと、たかをくくるようになっていました。

6.劇場鑑賞の機会が…

 1995年の夏、期間限定で劇場公開される、という情報がありました。考えてみれば、この作品をちゃんと劇場で観たことがない、この機会に観に行こう、と思い立ったのですが、間の悪いことにその期間、仕事がとんでもなく忙しく、平日は残業、土日も出勤してこなさなければ期日までには終わらないという状況に追い込まれ、結局観に行くことはできませんでした。これは、本当に残念でした。

7.本アイテム購入

 そして2001年に、今回当ミュージアムに展示・登録したアイテムを入手しました。まず本編を字幕スーパーで、次に特典映像を、さらに今度は音声解説版で本編をもう一度観るなどして、この映画を堪能しました。それ以後も、今日に至るまで数年に1回くらいの頻度で観るようにしています。

8.劇場鑑賞

 この作品に関して自分なりに残っていた宿題が、劇場で観ること。展示アイテムであるDVDを入手した際は、もうそんな機会もないだろうと諦めていたのですが、なんとその10年後に実現しました。『午前十時の映画祭』の上映作品の中に『明日に向って撃て!』がリストアップされたのです。劇場はTOHOシネマズみゆき座、この時より約40年前に最初にロードショー上映された日比谷映画劇場からは10分の1程度の観客席の劇場ですし、映像そのものはさんざん観たものですが、それでも新たな感慨がありました。と同時に、やはりこの作品に関しては、若い頃に劇場で「初見」を体験したかったという後悔の念も湧きました。

9.最後に

 以上、この作品に関する私の思い出話をつらつらと認めてみました。もちろん、このような思い出というのは個々の映画ごとにあるわけですが、そんなものは自分以外にとっては取るに足らないものなのでしょう。それはわかっているのですが、この作品に対する思い入れの強さのあまり、こんな駄文を作成してみました。最後まで付き合ってくれた御奇特な方には感謝申し上げます。失礼しました。

#ロバート・レッドフォード #明日に向って撃て! #新・明日に向って撃て! #午前十時の映画祭 #DVD

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    2019/11/19

    ace

    ウッドさんの「明日に向かって撃て!」像が構築されていく過程がみえて楽しかったです❗️😆
    大切な思い出をありがとうございました😊✨

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      2019/11/21

      woodstein

       aceさん、コメント、そして何よりも最後まで読んで頂き有難うございました。この手の思い出話は極めてプライベートなもので、他人に披露してもなかなか興味を持って頂ける類のものではないと思っていただけに、このように御反響を頂き、嬉しく思っています。本文中でも述べましたが、このような思い出は映画一作、あるいは展示アイテム一品それぞれに存在するわけで、それをすべて文字に残すのは不可能ですが、いずれ何らかの作品でまたこんなような思い出を語ってみたいと思っていますので、そのときは機会があればまた付き合ってやってください。

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    • File
      2019/11/21

      ace

      当方の展示はほぼプライベートの露出ですから平気ですよん✨
      是非是非、よろしくお願いします❗️😆

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    2019/11/21

    0214seiji

    ウッドさんの想いを読んでると、劇場に映画を観に行きたくなりました。

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      2019/11/21

      woodstein

       0214seijiさん、コメント有難うございます。若い頃は劇場や試写会場などによく出かけたものですが、この歳になってすっかりフットワークが衰え、足が遠のくようになってしまいました。ただ、作品そのものは映像ソフトやテレビ放映、動画配信などで観ることは可能ですが、やはり映画館独特の雰囲気というものは何物にも替え難く、例えば『スターウォーズ』など自分にとって節目と思われる作品が公開されたときは、出向くようにしています。

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      2019/11/21

      0214seiji

      私は九州の片田舎の出身なので、試写会などは縁がありませんでした。

      昔は映画も東京から1ヶ月遅れぐらいで来てたんじゃないでしょうかね。
      いつも2本だてでした。

      レイトショーで仁義なき戦いを3本だてなんか無茶な上映もありました。
      終わると朝です。
      3本も見るとさすがに自分が強くなってるような錯覚に陥ります。^_^

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      2019/11/23

      woodstein

       0214seijiさん、コメント有難うございます。九州でのかつての映画上映事情の一端を披露して頂いたわけですが、私は幼少の一時期を除いてはほぼ東京在住なので、あまりピンとくる話ではありませんでした、ゴメンナサイ。ただ、「地方での2本立ての公開」というと、同じ配給会社の作品で興行力がそれほどないと思われる作品については東京などでは1本立てで公開されている2つの別の作品を最初から2本立てにしてしまうというパターンと、東京などでは1本立てで公開されている作品にくっつけて地方のみで公開される作品を併映して2本立てにするというパターンがありました。特に、その後者のパターンで東京では公開されない作品を「スプラッシュ」と言っていたのですが、例えばジョー・ダンテ監督作品の『エクスプロラーズ』などがあり、私はこの作品を観たいがために千葉まで出向いて行ったことがありました。もっとも、この作品は『スタンド・バイ・ミー』以前のリヴァー・フェニックス出演作ということもあって、その後に東京の名画座でも上映されましたが…。
       あと、『仁義なき戦い』などの「やくざ映画」を観た後、その観客の何人かは「やくざ」風に歩いていたなんてこともよく言われましたが、要するに「自分が強くなった」と思ったうえでの行動だったのかもしれません。私はそのジャンルの映画をオールナイトで観る度胸がありませんでしたので0214seijiさんのような体験はしませんでしたが、軟弱なところで『ゴジラ』シリーズなどの東宝特撮映画4本立てというオールナイトには行ったことがありました。
       みんな懐かしい思い出です。

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    2019/11/23 - 編集済み

    omaharuge102

    woodstein さんの映画に対する熱い想いがひしひしと伝わって来ます。当方など映画については「あれ嫌いこれは見ない」「昔の吹き替えじゃなきゃダメ!」の我が儘で、書きたい事をだらだらと展示に紛れてたれ流しているだけです。地元では途中から「午前十時の映画祭」が見れるようになりましたが、結局一度も足を運びませんでした。

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      2019/11/23

      woodstein

       omaharuge102さん、コメント有難うございます。まあ、若い頃はそれなりの情熱はあったのでしょうが、今となっては私も「あれ嫌いこれ観ない」「昔の吹替じゃなきゃダメ!」状態になっています。また、『午前十時の映画祭』も実際に劇場に行ったのは、それこそ『明日に向って撃て!』の上映の時だけで他の作品には行っていません。理由としては、他の上映プログラムに羅列された作品を殆ど劇場やホールなどで観たことがあるからなのですが、それは言い訳であって、要はフットワークの衰え、そしてそれは情熱の枯渇に起因するものなのかもしれません。でも、それでいいのではないでしょうか。仕事や生活に追われる中で自分の楽しみを持ち、その一部をこのMuuseoという場で見ず知らずの方々と共有するというのも、この時代、そしてオジサン世代の者の在り方の類型の一つ、と私は考えています。ただ、枯れ切ってはいないとも思っています。たとえ線香花火のようであっても情熱は保ち続けたいものですし、皆様の「モノ日記」でその下支えをされているようにも感じています。

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woodstein

 映画音楽とクラシック音楽をこよなく愛するwoodstein(ウッドスタイン)という者です。それ故、必然的にCD、レコードコレクターであり、他人にその保有数を告げると、殆どの場合、引かれてしまうという困り者です。自分でもコレクションを把握できていないという体たらくでして、この場を通じて、実情を解き明かしていこうと目論んでいます。

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