74回目の日記 島田陽子逝去

初版 2022/07/30 07:15

改訂 2022/07/30 23:30

 女優の島田陽子氏が今月(2022年7月)25日に亡くなりました。享年69。まだ若いですね。半年くらい前に、ミステリー映画に造詣の深いミューゼオ館長さんがモノ日記の欄で映画『犬神家の一族』のUltra HD Blu-rayの入手を披露された際に、その発売関連のイベントに島田陽子が出演していたことを紹介していましたので、そのときは一応健在だった(実際は違ったようですが)ことを思うと、言葉がありません。

 かなりネット上ではその人生の足跡が紹介されていますのでここでは詳らかにはしませんが、個人的にはかなり複雑な心境ですね。私自身はあまり俳優について好き嫌いはないのですが、例外的に島田陽子についてはあまりいい印象はありませんでした。いろいろ理由はあるのですが、やはりアメリカのテレビドラマ『将軍SHŌGUN』で一応成功した過信からくる大女優気取りが鼻についたのかな。正直言って女優のキャリアとしてはこの時がピークでした。

 出演作として印象に留まっているのは月並みですが映画では『砂の器』や前出の『犬神家の一族』ですがこれらが劇場ではなくテレビ放映で観たので、公開時とは少しタイムラグがあり、若々しく見えました。もっとも、彼女の姿を最初に画面で見たのは御多聞に漏れず、初期、すなわち昭和46年放映の仮面ライダーシリーズだったわけですが、その時は女性陣のその他大勢程度の認識でしかなかったです。ちなみに、この文章を作成している段階では、東映特撮YouTube Officialで旧作が配信されているので、まだ10代の姿を見ることができます。テレビドラマでは『腐蝕の構造』でのヒロイン役が良かったかな。原作の小説よりもより強い女性に描かれていたのがいかにも島田陽子らしく見えたものでした。また、とにかく見た目が美しかったのが大河ドラマ『黄金の日日』での細川ガラシャ役で、その際の姿の画像を上に掲げてみました。と、ここまでは清楚な役柄が大半だったのですが、それとは一線を画す汚れ役を演じたのが映画『白昼の死角』での鶴岡の情婦の綾香の役で夏八木勲との濡場は頑張っていました。そして『将軍SHŌGUN』となるのですが、一応何らかの受賞があったらしくそれなりに評価されたようなのですが、映画、そしてドラマそのものは、まあ面白くなかったですね。モーリス・ジャールの音楽も、画像と切り離して聴くとそれなりに佳作なのですが,観ている間はそれほどいい曲に聴こえなかったというのは、私の気のせいだったのかな。

 それ以後も芸能活動はしていたわけですが、何かスキャンダルの報道の方が多く聞こえてきたようです。とにかく、その時々に発せられるコメントが自分の行動を何とか正当化しようというのを世間よりもむしろ自身に対して訴えかけているようで、何か哀れに見えたものでした。

 ということで、ここでは上でもその名を挙げたモーリス・ジャールの『将軍SHŌGUN』のCDの画像を掲げます。この盤については、いずれ別の機会にちゃんと紹介してみたいですね。

https://www.youtube.com/watch?v=56FK7m8V38g

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 映画音楽とクラシック音楽をこよなく愛するwoodstein(ウッドスタイン)という者です。それ故、必然的にCD、レコードコレクターであり、他人にその保有数を告げると、殆どの場合、引かれてしまうという困り者です。自分でもコレクションを把握できていないという体たらくでして、この場を通じて、実情を解き明かしていこうと目論んでいます。

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    bigmac

    2022/07/30 - 編集済み

    綺麗な方でしたね!残念、ご冥福をお祈りいたします。

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      woodstein

      2022/07/30 - 編集済み

       bigmacさん、コメント有難うございます。見た目が美しかっただけに、周囲のスタッフのグリップがもう少し効いていれば、もっと違った女優人生が送れたと思われるだけに、本当に残念でした。

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    dape_man

    2022/07/30 - 編集済み

    毎日放送の森村誠一シリーズ『腐食の構造』に触れていらっしゃるのはさすがですね。私もあのドラマのヒロイン役は良かったと思います。
    あと、『仮面ライダー』を降板して一年後ぐらいに日本テレビの『火曜日の女シリーズ』で、佐々木守が横溝正史の『三つ首塔』を脚色した『いとこ同志』というドラマでヒロインを演じているのですが、これも印象に残っています。相手役は佐々木剛、そう一文字隼人です。

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      woodstein

      2022/07/30

       dape_manさん、コメント有難うございます。いろいろ挙げた中で『腐蝕の構造』に注目されるなどは、さすがはdape_manさんですね。昭和52年4月からのTBSテレビ(制作は毎日放送)土曜日午後10時というと「横溝正史シリーズ」でしたが、その裏の10月からが「森村誠一シリーズ」でその第一作目でした。今考えても豪華キャストでこの頃の角川関連の制作力の強さを彷彿とさせるものでした。私はドラマを観る前に原作を読み、特に誰が久美子や大町を演じるかに注目していたのですが、前者が島田陽子だったのはこの場合納得だったのに対し、後者が松田優作というのはかなりビックリしました。でも、それがこのドラマ全体を成功させることに貢献していたのは間違いなく、その中でも島田陽子はヒロインとして輝いていました。
       『いとこ同志』は「三つ首塔」が原作ということを知っていたくらいで、ドラマ自体も観たことがないので何も言えません。スミマセン。まあ、私としてはこのタイトルだけだとクロード・シャブロルのフランス映画を想起してしまいますが…。

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    T. S

    2022/07/30 - 編集済み

    「犬神家の一族」も思い出されます。
    綺麗な方でしたね。

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      woodstein

      2022/07/30

       T.Sさん、コメント有難うございます。『犬神家の一族』の島田陽子に関しては、この欄にもコメントを寄せてくれたdape_manさんのモノ日記に以前コメントしたのでそれを見て頂くと有難いです。必ずしも肯定的ではなかったのですが、こうなるとdape_manさんの御説のとおり、やはり島田陽子でよかった、とも思えてきました。
      https://muuseo.com/dape_man/diaries/23

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