56回目の日記

初版 2021/06/20 13:37

改訂 2021/06/21 08:41

 要するに自分の怠惰な性格が招いたことなのですが、このところこの欄に記載するのは訃報に関することが主流となってしまいました。本来は「モノ日記」であるので、いかにコレクションを構築していっているのか、という過程を報告すべきなのですが、それができていないのは本末転倒と言わざるを得ません。かといって、何をどのように入手したかをいちいち詳らかにするのも現実的ではない。結局、展示・登録を通じて、ということになってしまうわけですが、それでも結果だけではなく過程も語ってみたい、という意欲だけはありますので、時々はコレクションのこと、それも私の趣味の本筋であるサントラ盤を題材にして、何かをお知らせできれば、と思います。ということで、今回は映画『チャイナタウン』のサントラ盤CDを最近手に入れたので、それをネタに話を進めていきます。

1.1枚目

『チャイナタウン』のサントラ盤CDを最初に購入したのは90年代の中頃、アメリカのサウンドトラックのほぼ専門レーベルといっていいVarese Sarabandeからリリースされた輸入盤でした。映画自体はロマン・ポランスキー監督の名作ですし、サントラもジェリー・ゴールドスミスの名盤でしたので、入手したときは何度も聴きましたね~。

2.2枚目

 その後、1998年にこのサントラの「国内盤仕様」なる版が発売されました。「国内盤仕様」というのは、従来の輸入盤に日本国内で制作したライナーノーツと帯を付加したもので、一見すると国内盤のような外観をしています。当時、Varese Sarabandeレーベルのサントラの国内盤を販売していたのはボルケーノ・レコードでしたが、そこから日本国内で生産された純然たる国内盤ではなかったわけです。一応私は、同じ録音内容で国内盤と輸入盤の両方がリリースされている場合は国内盤の方を入手するという自分自身のコレクションのルールを設定していますので、購入すべきか否かの判断に迷う何とも悩ましい形態のものをリリースしてくれたと思ったものでした。しかも、当時の他の国内盤の相場よりやや高額の2,625円でしたし。その悩みをCDショップの店員にうっかり話したところ、向こうは売りたいという思惑もあり結構強く勧められて、結局購入しました。そうなると全く同じものが2枚手元にあるわけで、この時に入手した輸入盤の部分、すなわち帯とライナーノーツを取り去った状態のものを中古レコード屋に後日買い取ってもらいました。ちなみに、この「国内盤仕様」ですが、同時期にこれも同じくVarese Sarabandeで既出だった映画『1941』のサントラ盤もリリースされました。ですので、こちらに関しても『チャイナタウン』のCDと同様のことをしました。ただ、『1941』のサントラについては『チャイナタウン』のサントラ以上に様々なエピソードがあるのですが、それらについては、機会があれば…。

3.3枚目?→見送り

 それから10数年後、新たな『チャイナタウン』のCDがVarese Sarabandeからリリースされました。日本でも、かつて売れ筋だったCDが少し仕様を変えて再発するということはありますが、こちらはそれとは少し事情が違います。

いずれ詳しく紹介することもあるでしょうからここでは端折って説明しますが、Varese Sarabandeには新作映画の公開に合わせてリリースされる通常盤のカテゴリーとは別に、過去の映画のサントラを再発、もしくはレコード・CDが発売されなかった映画のサントラをCD化してリリースする「Varese Sarabande CD Club」というカテゴリーがあります。このカテゴリーのCDはいずれも限定盤でしかも通常盤より高額で発売されるので、ものによっては販売終了後に中古市場やオークション市場においてさらなる高額で取引されるものも少なくありません。要するに、その「Varese Sarabande CD Club」のカテゴリーから新たな『チャイナタウン』のCDがリリースされたわけです。サントラファンですから、この「Varese Sarabande CD Club」のカテゴリー内の各盤には当然興味はあるわけで、それまでも可能な限り入手はしてきましたが、このリリース盤を入手するかどうかは迷いました。ただ、従来盤と録音内容に多少なりとも差異があれば購入してもいいかなと思いつつ内容を確認したのですが、結局、同内容であることがわかりました。それでも欲しい気持ちはありましたが、同内容ということに加えて価格が5,000円近くもしたこともあり入手は断念しました。ただ、喉に魚の小骨が刺さったような感覚はその後も続きました。


4.4枚目

 さらに数年後、また新たな『チャイナタウン』のCDがリリースされました。今度はVarese SarabandeからではなくIntradaという、これもアメリカのサウンドトラックのほぼ専門レーベルで、その中の「Intrada Special Collection」という、「Varese Sarabande CD Club」と同じような限定盤カテゴリーからリリースされました。例によってその収録内容を確認すると、従来のアルバム内容をマスターテープから自然なリマスタリングしたものに加えて、モノラルのセッションテープから40分のフルスコアを追加したもので、いわゆる拡張盤という体のものでした。ということで、従来盤とは異なる収録内容のものでしたので、こちらも高額でしたが入手し、現在でも時々聴いています。

5.3枚目再び

 一度は断念した「Varese Sarabande CD Club」版の『チャイナタウン』のCDですが、やはり購入しておけばよかったという後悔の念はありました。中古レコード店やヤフオクなどで売りに出ていないか、物色を継続していたもののなかなか見つからなかったのですが、先日偶然見つけました。なんと通販業者の駿河屋で、しかも3,000円を切る価格で。他にもうひとつ欲しかったCDも見つけ、その2枚を購入することができました。

6.補遺

 結局、映画『チャイナタウン』のサントラ盤CDで現在手元にあるのは、

・1枚目に、2枚目に付属していたライナーノーツと帯を付加したもの

・3枚目:「Varese Sarabande CD Club」版

・4枚目:「Intrada Special Collection」expanded edition

の3組です。このように一本の映画に対して複数種類のサントラ盤を持つことになってしまう例は枚挙に暇がなく、今回紹介したのはそのごく一例です。この言わば「同題異盤」の収集というのは醍醐味なのか、あるいは悩みごとなのか、という自問自答はサントラ盤コレクターにとってはある種、宿命なのかな。とにかく、このような例も含めて、今後もいろいろな話をこの欄で少しずつ紹介しつつ、本格的なサントラ盤の展示につなげていければ、と考えています。

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 映画音楽とクラシック音楽をこよなく愛するwoodstein(ウッドスタイン)という者です。それ故、必然的にCD、レコードコレクターであり、他人にその保有数を告げると、殆どの場合、引かれてしまうという困り者です。自分でもコレクションを把握できていないという体たらくでして、この場を通じて、実情を解き明かしていこうと目論んでいます。

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    オマハルゲ

    2021/06/20 - 編集済み

    当館に展示したみうらじゅんの本にもボブ・ディランのレコードのジャケット違いを購入した話が出てました。みうら氏は「巡礼」と表現してます。

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      利右衛門

      2021/06/21

      巡礼!
      棚にずらり並ぶ「同題異音」の音源の全てを肯定してくれる良い表現👏👏
      作品へのリスペクトも込められていますし。
      これから使わせていただきます(笑)

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      woodstein

      2021/06/21

       omaharuge102さん、コメント有難うございます。まあ、私がジャケ違いにはこだわらない旨は上記「モノ日記」にあるとおりです。ただ、Varese通常盤とCDClub盤は録音内容が同じだから、結果的にはジャケ違い買いになりましたね。
       さて、みうらじゅん氏の「巡礼」の件です。同様に当ミュージアム「音楽関連本」のフロアに展示した『音の書斎』に、みうらじゅん氏が中野D児氏の言葉に従ってボブ・ディランのレコードを一気買いしたという旨の記載がありました。それが高じて、ジャケットの微妙な差異やリリース国の違いにまでこだわるようになったのかしら。omaharuge102さんの掲げたみうらじゅん氏の著作を読んでいないので何とも言えませんが、そんな想像をしてしまいます。ちなみに、そのみうら氏の「巡礼」に優るとも劣らない収集活動をされておられる方がMuuseoにもおられます。MATHEW STREET 1962さんのビートルズのレコードへのこだわりは、まさしく「巡礼」であると思われます。
      https://muuseo.com/1962

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      woodstein

      2021/06/21 - 編集済み

       りえさんさん、コメント有難うございます。「同題異音」ですか。私は「同題異盤」としたのですが、まあどっちでもいいか。今回は『チャイナタウン』でしたが、これが例えば『スターウォーズ』となると、シリーズ各作も絡んでもっと凄まじいことになってしまうか。そんな話を何年か先でもできればいいな~、と漠然と考えています。

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      利右衛門

      2021/06/21

      すみません、入力ミスです😅
      スターウォーズ!!………それは、すごい事になってしまう事、想像にかたくないです😵💦
      またそのお話も含め、日記楽しみにしていますね🌈

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