脱走四万キロ

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こちらの展示部屋は懐かしのTV番組を振り返っておりますが、TV放映されていて発売されているソフトに吹き替えが収録されていない作品も「洋画劇場で観た懐かしの映画」という事でお披露目する事にしました。

この映画は1956年英国で製作された作品で、所謂「脱走映画」です。面白いのは英国の映画でありながらドイツ人捕虜が主人公で、彼が不屈の精神で脱走を繰り返して成功するまでの実話を描いています。

主演は吹き替えで紹介した「ワイルド・ギース」にも出演しているドイツ人俳優ハーディー・クリューガー。彼が世界に羽ばたくきっかけとなった作品という事になります。放送された際の声はフィックス声優である中田浩二氏でした。日本公開は1964年。おそらく「大脱走」のヒットに便乗したものと思われます。

「イギリスは島国だから脱走なんて出来っこない」という驕りのあるイギリス軍の裏をかいて、隙を見て脱走したものの綿密な計画を立てておらず逮捕され、別の収容所へ。そこでトンネルを掘って脱走、何と大胆にも墜落したオランダ空軍のパイロットに成りすまして飛行機を奪う計画。あと一歩で捕えられ、今度は真冬のカナダに護送されます。今度は乗っている列車から飛び降り、凍りつく河へ。対岸はアメリカ。アメリカはまだ参戦前の中立国でした。

大脱走とは違い、たった一人で行動する主人公は「これぞドイツ軍人の鑑」とも言えるヒーローです。しかし、最後のテロップで示されるその後の彼の運命は非情なものでした。大脱走でも描かれた悲しい現実を戦争は孕んでいるという事です。

 #懐かし #TV

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  • Lion

    toy ambulance

    2019/07/17

    ハーディー・クリューガーと言えば、「シベールの日曜日」を挙げる方が多いと思いますが、私はテレビで観た「飛べ!フェニックス」の「飛行機」の技師役が印象的です。
     ネタバレは出来ませんが、彼の正体は私のような人間にとっても思い入れをしたくなるキャラクターでした。

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      オマハルゲ

      2019/07/17 - 編集済み

      toy ambulanceさん、分かって頂けておられますね。彼に注目したのは正に子供の頃に見た「飛べ!~」のとぼけたドイツ人役でした。
      その後、その前にNHKで「シベール~」を見ていたという事が分かり、すっかり彼のファンになりました。「ハタリ!」などでの好演も印象深いです。ありがとうございます。

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      woodstein

      2019/07/17

       『シベールの日曜日』はいいですね~。いつかその機会が来たら、語り尽くしたいと思っています。

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