DVD「終着駅」

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 「『終着駅』(原題:Stazione Termini、英題:Terminal Station)は、1953年に製作されたイタリアとアメリカの合作映画で、ハリウッドの映画プロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックが映画『逢びき』に匹敵するメロドラマを作ろうと、イタリア「ネオレアリズモ」の巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督を招いて作りあげた恋愛映画の名作。日本でも大ヒットした。日本で初公開される前は、題名と同じ意味を表す言葉は「終点」くらいしかなかったが、この映画の邦題から「終着駅」という新しい言葉が生まれた。そして、今ではこの映画の題名のみならず、日常でも使われている。このような、外国映画の邦題から日常語になった同じ例として、戦前のフランス映画『巴里祭』がある。イタリア語での原題は物語の舞台となったローマ・テルミニ駅(イタリアのターミナル駅の一つ)。ジェニファー・ジョーンズの衣裳デザインはクリスチャン・ディオールが担当した。」(以上Wikipediaより)。作品については、上記の解説内容に私の触れたかったことが概ね含まれていましたので、引用させて戴きました。あとはまだ子役のリチャード・ベイマーが「ディック・デイマー( Dick Deymer)」というクレジットで出演していたことくらいが追加事項かな。
 さて、前段で映画『終着駅』の英題が「Terminal Station」と紹介しましたが、本展示アイテムのジャケットに記載されている英題は「Indiscretion of An American Wife」、直訳すれば「アメリカ人妻の不義理」、少し意訳すれば「アメリカ人妻の不倫」ということになりますかね。なぜ、こんなことになっているのか、詳しい経緯はわからないのですが、以下のように推測します。本展示アイテムに収録されている本編の尺は64分、それに対し本作の本来の上映時間は89分、つまり何らかの理由で短縮版が編集・製作され、その版のタイトルが「Terminal Station」から「Indiscretion of An American Wife」に改題されたようです。本展示アイテム収録映像も「Terminal Station」ではなく、「Indiscretion of An American Wife」のタイトルが冒頭に出現しますしね。それにしても、何と直接的で無粋な改題なのでしょう。
 そこで問題なのが、本展示アイテムが本来の89分版ではなく短縮版の方を収録して出版してしまったことで、カスタマーの立場からすれば、このような不完全なものに高額な負担をさせられるのはベラボー極まりない、ということになります。幸いにも、本展示アイテムを私は廉価で入手できたので「高額な負担」はせずに済んだのですが、それでも多少の憤りはありました。ただ、現在は本展示アイテムとは違う本編89分の『終着駅』収録のDVDが廉価で入手可能ですし、そういう意味ではこのようなイレギュラーな形の版を手元に持っておくのも、負の産物の歴史を留める意味でも悪くはないのかな、と自分に言い聞かせる理由にもなりえるのかも…。
https://www.youtube.com/watch?v=NXKuMaoWk04
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