DVD「キング・コング」

0

 「ウッホ、ウホウホ、ウッホッホ~」こんな出だしの主題歌のアニメ、それがキングコングとの最初の出会いだったような。日米共同制作で1960年代後半に放映された、このアニメーション番組でのキングコングは少年ボビーと友情で結ばれた存在でしたので、子供心としても特に恐怖の対象という感じではありませんでした。その後は、東宝特撮映画の『キングコング対ゴジラ』『キングコングの逆襲』を経て、1976年末に大々的に公開されたジョン・ギラーミン監督の、というよりもディノ・デ・ラウレンティス製作の『キングコング』がありましたが、個人的にはこの作品に登場した実写ものが最も印象的でしたかね。似て非なるものとして、『月光仮面』に「マンモスコング」なるキャラクターがありましたが、ここでは触れません。あと蛇足ですが、ディノ・デ・ラウレンティス製作版には『キングコング2』なる続編も製作され、本邦公開もされましたが、作品的にも興行的にも大失敗でした。
 と、このような経験をしたあとで本展示アイテム収録作を何かの上映会で観ました。もちろん、その頃には本作についての事前知識もありましたから、様々な意味で冷静に観られたのですが、それこそ様々に興味深い内容だった、というのが率直な感想でした。ただ、その興味も世評で語り尽くされている文明批判や1930年代の特撮技術の秀逸さなどについて、というよりも、その後の怪獣が登場する映画やテレビ番組などとの比較、という側面のものが殆どでしたかね。
 あと触れておきたいのがマックス・スタイナーの音楽についてですが、作品を観た直後の感想は、正直言って少し拍子抜けでした。一応、鑑賞前に「本作の音楽が彼の出世作であった」という評価をした記述を目にしていたので、かなりの名演を期待したのですがね。もっとも、後の『風と共に去りぬ』『カサブランカ』などの作曲家である、という先入観があったわけで、1933年当時のハリウッドの映画音楽の状況を考えると、やはりそれなりのレベルのスコアだったのかな、という認識も後になって持てるようにはなりました。
https://www.youtube.com/watch?v=PbrikL8IjXM
#DVD #淀川長治 #キング・コング #メリアン・C・クーパー #ウィリス・H・オブライエン #マックス・スタイナー #フェイ・レイ #ロバート・アームストロング 

Default