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- 14F 映像ソフト 英語圏60~80年代製作映画
- DVD「メーン・イベント 特別編」
DVD「メーン・イベント 特別編」
1979年製作。この年の御盆興業は、洋画部門は本命『スーパーマン』、対抗『エイリアン』というのが大方の予想であり、実際その通りにはなったのですが、そこに割って入ったのが、日本中の女子供の涙腺を大いに刺激した『チャンプ』でした。これは1931年に公開された同名映画のリメイク作品なのですが、その製作準備段階で主役のビリー・フリン役としてアピールしたのがライアン・オニールでした。最初は製作陣もオニールならば適任だろう、と考えていたそうですが、オニールは自分を起用する条件として、自分の息子(おそらく、パトリック・オニール)もビリー・フリンの息子役で起用するように要求したことから話がこじれ、結局親子共々この作品への出演は果たせませんでした。この仕打ちに対して腹の虫の収まらないオニールは、かつて『おかしなおかしな大追跡』で共演したことのあるバーブラ・ストライサンドに何とかしてくれと頼み込みました。姉御肌のストライサンドはこの要求を聞き入れ、当時交際していたジョン・ピーターズとともに製作し、オニールと再び共演したのは、本展示アイテム収録作である『メーン・イベント』でした。
では、オニールの『チャンプ』製作陣への意趣返しは成功したのでしょうか。米本国の興行収入は、最終的には『メーン・イベント』が『チャンプ』を上回り、その点はオニールも留飲を下げる結果になったとは言えます。ただ、こと日本国内の事情はどうか、興行的には『スーパーマン』にはさすがに及ばなかったものの『エイリアン』に伍する成績を上げたのは配給会社にとっても望外の結果だったそうです。それに対し、『メーン・イベント』は1979年暮れの公開、つまり1980年の正月興行の作品だったのですが、正直言って惨敗といっていい成績でした。実際、私も丸の内ピカデリーで観たときの周囲の客席はガラガラだった記憶があります。また、作品自体の出来も、比較するのは難しいとはいえ、私自身はやはり『チャンプ』の方に軍配を挙げますね。そして何よりも、この本展示アイテム収録作が製作されるきっかけとなったオニール本人が、この作品への出演を境にして、私生活も俳優としてのキャリアも下降線をたどることとなってしまったわけで、スクリーンの外の出来事の方が、作品自体よりドラマティックな結果となったのは皮肉でした。
そういえば、作品自体のことには殆ど触れていませんでした。それはまた、別の機会に。
https://www.youtube.com/watch?v=44jGI_TR-sg
#DVD #メーン・イベント #ハワード・ジーフ #ジョン・ピーターズ #バーブラ・ストライサンド #ライアン・オニール #ポール・サンド
momoten4010
2020/04/24woodsteinさん、ありがとうございます!
映画の裏情報まで!
あの感動作『チャンプ』は、もしかすると主役が違っていたかも知れないんですねー。
テレビで一度しか観たことありませんが、今でも場面の所々がハッキリ頭に焼きついてます。
またいろんなお話を楽しみにしてます!
ありがとうございました!
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woodstein
2020/04/25製作前、場合によっては撮影開始後であっても出演俳優が変わるのはよくあることですが、そのことがもとになって別の作品を製作してしまうのは、他に聞いたことがないですね。まあ、あるのかもしれませんが。もっとも、撮りたい作品を撮れなくて別の作品を製作してしまった、というのはありますが…。
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