ウルトラセブン〈EVOLUTION〉パーフェクト・ワールド

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 「誕生35周年 ”EVOLUTION” 5部作」第3弾〈EPISODE:2〉。冒頭にこんなことを申し上げるのもなんなのですが、いわゆる「平成ウルトラセブン」全16話の中で個人的に最も好きな作品が本アイテム収録作でした。ですので、以下の紹介文が思い入れの混ざった冗長な文章だとお感じになったら、ゴメンナサイ。
 「前エピソードでペガッサ星人の計画をとりあえず回避できたものの地球防衛軍極東支部は異星人に静かに乗っ取られたことが判明し、そのことを憂慮したシラガネは解散されたウルトラ警備隊のメンバーを結集し、地球防衛軍極東支部の基地を爆破する決心をして実行に至る。シラガネ、シマ、ミズノ、そしてキサラギの4名が潜入し、オメガファイルをダウンロードし、爆薬を仕掛け、脱出する段になってゴドラ星人が現れ…。」というストーリーで、本作の見所はこれ以後になります。
 ゴドラ星人によって、4名はそれぞれ別個の状況に置かれます。シマはTDF丼(?)の山に囲まれ食べ続ける、ミズノは図書館の中で本に囲まれ状況打破を調べ続ける、キサラギはもう一人の自分や他の隊員などに己の立ち位置を問われる、そしてシラガネは自宅の階段に私服姿で座っています。階下に降りるとそこに妻のショウコが現れる、でもショウコはすでに交通事故で亡なっており、その時初めて懐妊していたことが発覚したはずなのでは。シラガネはショウコが亡くなる当日の朝に置かれたのでした。その日のことはよく覚えている、やがて基地から緊急事態の連絡を受け、その対処に出かけた後に、病院へ検診に向かう途中で小学生をかばってショウコは自動車に轢かれる、すなわちこれから起こることが分かっているので、シラガネはショウコを失いたくないがために、自分から離れるな、と言います。ですが、それに対しショウコは基地に向かうべきだと主張します。なぜならば、あなたと結婚すると決めた時から、いつも覚悟をしていたから。あなたが行って対処しなければ異星人の仕掛けた爆弾により基地にいる多くの人々の命が奪われることになる、私が行かなければ子供の命が奪われることになる旨を述べて。そして、ショウコはいつものように夫を送り出すことになるのですが、今朝ばかりはその覚悟の気持ちを込めるべく、敬礼をして見送ります。
 前段で紹介したストーリーはゴドラ星人によって見せられた幻覚によるものなのですが、その内容は個々の心の中の思いの発露であるわけで、SFの設定を利用することでシラガネの痛切な思いを浮き彫りにしつつ、かすかな希望の余韻を残して本エピソードが終わるという展開には感動させられました。
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