Olenellus fremonti

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カンブリア紀の巨大なオレネルス、オレネルス・フレモンティ (Olenellus fremonti) です。
オレネルス類はカンブリア紀を代表する一派で非常に多くの種がいますが、その多くは似通った形状をしており、なかなかその区別は難しいです。

この中でも、オレネルス・フレモンティは頭鞍が発達しており、頭鞍先端が頭部の辺縁に重なる事から、比較的容易に区別が可能です。100mmを越える巨大なサイズにまで成長する事も特徴的で、本標本も150mmをオーバーしており、大迫力の標本であります。5億年以上前の化石ですが、まるで母岩の中を泳ぎ回っているようなハッとする美しさと生々しさがあります。私のコレクションを代表する重要標本であります。

オレネルスは当時大繁栄した種であり頭部標本の部分化石だけならば、出回る機会は比較的多く、オレネルスの中で比較的希少なこのフレモンティでも、しばしば頭部化石を見かけます。一方、オレネルスは胸部〜尾部が脆弱で、余程の幸運に恵まれなければ化石化しにくい種でもあります。それ故、このように全身が残る標本はかなり希少と言えます。頭部化石のそれなりの多さと、全身化石の希少さを総合的に考慮して、レア度としては★3としました。

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    Trilobites

    2020/06/09

    この標本の迫力は、写真では中々伝わらない気がしています。展示派なら中心に置くような存在で、実物を見たら、きっと驚く凄い標本ですね。大型のオレネルスは、完全体が先ず出てこない産状なので、奇跡といえる状態です。このレベルの標本を私もいつかは手に入れたい目標的な存在です。

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    • 確かに写真では伝わりづらいかもしれません。ずっと見ていると流石に見慣れてくるのですが、久しぶりに取り出して見ると、でかっと驚く標本でもありますね。滅多に残らない胸尾部の保存状態も良好なのですが、頭部の頭鞍の盛り上がりが三次元的でそこがまた良いです。

      普段オレネルスを集中して集めていると、何らかの欠損があるか、非常に不鮮明な標本か、あるいは綺麗に残っているとしても小型の個体であるか、そのどれかなので、大型かつ保存状態が良好なオレネルスは貴重だと思います。

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