Meadowtownella trentonensis

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10mmほどの小型の三葉虫で、細かいトゲで全身を武装している。
しかし、この小さく細かいトゲが防御面で役に立ったのかどうか定かでない。
むしろ何億年も後の人間の目を楽しませるためにトゲを生やしていたとしか思えない。

トゲ以外の特徴としては、外殻上の顆粒があげられる。
この標本では頭部や中軸の顆粒は確認しづらいが、側葉にははっきりとその構造が認められる。

あくまでもルーペで眺めるという条件付きでだが。

さて、本種は Meadowtownella という名前がついているが、本来の Meadowtownella はイギリス産で、Gondwanaspis に酷似している。
いっぽう、異名として扱われることの多い Primaspis は、本来はチェコ産で、こっちは Leonaspis に似ている。

アメリカ産のはどちらかといえば Gondwanaspis 似なので、Meadowtownella という名前で合っていると思われるが、それにしても英国産とはずいぶん見た目が違う。

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    Trilobites

    2023/04/16 - 編集済み

    この種などの小型種の棘は、確かにドロトプスの様に鎧の様な防御には役に立たないでしょうね。現生の一部の毛虫のように毒針があった可能性もありますし、感覚毛のような触覚の補完や生殖のためにより棘が多い個体がモテるとかかもしれませんね。

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      ktr

      2023/04/17

      私たちには装飾としか見えませんが、どういう機能があったのかは謎ですね。
      ミラスピスなどはあのブラシのようなトゲだけでどれほど魅力を高めているか知れません。

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    trilobite.person (orm)

    2023/04/17 - 編集済み

    Meadowtownellaというと、アメリカなりカナダなりの印象が強くて、イギリス産は知らなかったのですが、調べてみるとwalesなどからたしかに産出するようですね。

    図鑑Trilobites of the worldに一標本だけ、イギリス産のMeadowtownellaの一種が掲載されていますが、幅広いフォルムや頭部辺縁のfringeなど、なるほどゴンドワナスピス寄りの体型をしておりますね。

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      ktr

      2023/04/18

      メドウタウンというのがもう端的にイギリスの地名ですね。
      イギリス産のフォルムは私の中では「南京虫型」として認識されております。
      Boedaspis なども同じフォルムに属するかと思っているのですが、ちょっと強引ですかね。

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