Conrad Schnitzler “Filmmusik 2”

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前回に続いて、Conrad Schnitzler先生の未発表音源”Filmmusik 2”を紹介します。今回もSchnitzler先生が生前、特に1975年に録音していた曲を集めたもので、B面には”Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen”と題された長尺のビデオ用の曲が、収められています。それで、元々はこのアルバムは”Filmmusik 1”と同時発売の予定だったのですが、途中で色々あって、最終的に、別作品としてリリースされました。と言うのも、Bureau BのThomas Worthmannが、最初、仮に”02/1980”と呼んでいたトラックの一つが、元々は”Gute Fahrt (Nice Journey)”と言うビデオ作品の曲だったことに端を発します。それで、”Filmmusik 1980B”とした曲群は間違いで、”1975B”であり、本来、”02/1975B”と呼ぶべきであったとのこと。その後になって”Gute Fart”が見つかったことも大きかったようです。そして、”Filmmusik 1”がリリースされた時に、Schnitzler先生の音源を管理していたJin Kawaiから連絡があり、2009年に彼が、Conrad Schnitzler先生の全てのビデオ作品をネットにアップした時に、”Gute Fahrt”が一曲ではなく、数曲から成る作品群であったことが判明し、それで、今回、1975年録音未発表シリーズとして、本作品”Filmmusik 2”がリリースされることになりました。一方、本アルバムB面の曲” Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen”は元から、ビデオ作品の為に、1978年に書かれた曲であり、2015年に見つかったものです。と言う、ややややこしい変遷の経て、リリースされた作品では、ありますが、内容は、”Filmmusik 1”を踏襲するように、簡素ながらも素晴らしい構成力と音色を持った電子音楽です。通奏低音のようなドローンやリズムボックスのチープな音によるミニマルな展開と、それに乗る上物のシンセ音で、全てを過不足なく表現し切っています。特に、B面一杯を占める曲は、その構成の巧みさもあり、一気に聴き通すことができます(実際、どんなビデオ作品であったかは不明ですが、、、)。それから、Schnitzler先生が、ビデオ等の映像作品に手を出し始めるキッカケは、先ずは、1968年に、彼とHans-Joachim RoedeliusとBoris Shaarkで作った西ベルリンのZodiak Free Arts Lab.で、24時間ラジオ放送をやっていたことに端を発し、”Totally free music. Everyone join in”と表明したことでしょう。その後、彼は、DüsseldorfでJoseph Beuysに師事して、米国のポップ・アートに触れ、そこで、活動していたKapitalistischer Realismusの”Akustische Raume”と言うインスタレーションに参加したこと、それと、Nam June PaikのTVとビデオを使ったインスタレーションを観て、友達になったことが大きかったようです。当然、Fulxus運動とも繋がっていきます。例えば、Schnitzler先生は、VHS以前のフィルムの時代に、Mike Steinerとコラボして、Steinerのギャラリーで、既にビデオ・ミュージックを録音・演奏(?)しています。そんなダダイスト達との交流で、Schnitzler先生はビデオ作品に関わったり、また自ら作製したりしていたようです。そんな彼のビデオ作品を妄想しながら聴いてみても良いのではないでしょうか‼️

A4 “14/1975A”
https://youtu.be/BSsfQdnZ4aE

Side B “Lichtepunkte Und Schwarze Zeichen”
https://youtu.be/ypVlcoldu2o

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