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Nash The Slash “And You Thought You Were Normal”
またまた来ました、加の「1人Residents」或いは「覆面ヴァイオリニスト」ことNash The Slashを入手しました!今回は、5枚目のアルバム”And You Thought You Were Normal”です!ですが、オリジナルではなく、再発盤なので、2枚組となっており、かつD面にはエッチングが施されていると言う、ちょっとお得なブツです。Nash The Slashのバイオグラフィーについては、既に書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回も、元のアルバムは、彼自身のレーベルCut-Throat Recordsから1982年に出ていますが、私が購入したのは、先述のように、同じ加トロントのレーベルArtoffact RecordsとStorming The Baseとからの再発盤で、LP片面分ボーナストラックが付いており、かつD面にはエッチングが施されています。ボーナス・トラックと言う意味では、Bandcampのが一番多いのかな?今回も彼1人で制作されているようです(クレジットには書いてありません)。LP1にはA面5曲/B面6曲が、LP2にはC面4曲が収録されています。それでは、各曲をご紹介していきましょう。 ◼️LP1: ★A1 “Normal” (3:30)は、ディストーションを掛けたMandolin (彼はGを使わず、電気Mandolinにディストーションを掛けていますので、以下「DE-Mandolin」と表記)にディスコなマシンドラムとシンセが乗ってきて、時にSEなシンセ音も加わる曲で、シンプルなコード進行ですが、中々聴かせてくれます。 ★A2 “Pretty Folks” (3:32)は、いきなり彼の独特のVoとSynth-Bから始まりますが、強力なマシンリズムにシンセが乗ってきて、すぐさま、彼のポップな世界に引き込まれます。鉄琴も良い味を出しています。 ★A3 “The Hypnotist” (4:09)は、忍び寄るシーケンス・ベースにシンセやDE-Mandolinが乗るインスト曲ですが、ディレイを掛けたE-Vlnを弾きまくっており、一瞬「お前はHeldonか⁈」と突っ込みたくなります。 ★A4 “Citizen” (3:56)では、四つ打ちマシンリズムに、美麗なシンセと彼の切迫詰まったVoが入ってきて、極上のシンセ・ポップを楽しめます。間奏はDE-Vlnかな? ★A5 “In Search Of Prey” (2:16)は、太いSynth-Bのシーケンスとマシンドラムに、浮遊感あるシンセとピコるシンセが被ってくるミニマルなインスト曲です。 ★B1 “Dance After Curfew” (3:49)では、E-Vlnの爪弾きと重いリズムで、タイトルを繰り返す変調Voが入ります。あと彼は、DE-Mandolinを弾いているようです。手弾きシーケンスも冴えています。 ★B2 “Animal Jamboree” (4:06)は、重い持続音に「動物の鳴き声」風シンセが加わり、次第にリズムも入ってきて盛り上がるインスト曲です。 ★B3 “Remember When” (2:43)は、DE-Mandolinとシンセの浮遊から始まり、やがて手弾きシーケンスとシンセによるメロディも加わりますが、何処か悲しげな雰囲気です。 ★B4 “R.S.V.P.” (3:58)は、目まぐるしいシーケンスと彼のVoとストリングス・シンセから成る曲で、緩急の付け方が上手く、全く聴き飽きません。寧ろ、ダウンする音階パートがカッコ良いです。 ★B5 “Slag” (0:35)は、SE的シンセによるスケッチで、宇宙戦艦ヤマトの艦内のような感じです。 ★B6 “Memories” (3:33)は、ややアフリカンなマシンリズムに、重く暗めのシンセによるメロディが乗る曲ですが、これも悲しげなインスト曲になっています。 ◼️LP2: ★C1 “Vincent's Crows” (5:04)は、優しく悲しげなVoと、そのバックのゆったりしたマシンリズムと優しいシンセとSynth-Bから成る曲で、DE-Mandolinも冴えています。間奏のソロはE-Vln? ★C2 “Stalker” (5:18)は、切迫したシーケンスとSE的シンセに始まり、強靭なマシンリズムとDE-Mandolin及びシンセから成るインスト曲で、アレンジの上手さが良く分かりますし、カッコ良いです! ★C3 “Lake Ontario Suite (PT.1)” (1:24)は、優しく淡いシーケンスとシンセのメロディに溶ろけそうな小曲です。 ★C4 “Lake Ontario Suite (PT.2)” (2:04)は、Tangerine Dreamっぽいシーケンスに、軽めのマシンリズムと明るいシンセから成る曲で、本アルバムの最後に最適だと思います。 ★D: エッチング加工 本作品では、彼のVoが入っている曲が少なく、ちょっと残念な気もしましたが、逆に、インスト曲だと、演奏能力やアレンジ力がもろ分かってしまいますので、その意味では、彼の音楽の才能を存分に楽しむことが出来ましたし、それはそれで良かったと思います。まぁ、いつもの「Nash The Slash節」なんですが、一聴して分からせてしまう程の完成度とエキセントリックなアレンジが炸裂していますね。彼のトレードマークのE-Vlnが入っていたかどうか迄は分かりませんでしたが、それでも、やはり彼のポップネスをビンビン感じられ、傑作だと思います。もし、多少なりとも興味を持った方は、一度聴いてみてはどうでしょうか? https://youtu.be/-SrzEbbQ_vc?si=g1cd_ApEUnnC6aBC [オマケ: B1 “Dance After Curfew” live 1985] https://youtu.be/S6VKC1QXq1o?si=yf-M6Q3hMZk1IWt3 [BandcampのURLも貼っておきます] https://nashtheslash.bandcamp.com/album/and-you-thought-you-were-normal #NashTheSlash #AndYouThoughtYouWereNormal #ArtoffactRecords #StormingTheBase #2017年 #Cut-ThroatRecords #1982年 #Reissue #Remastering #2LPs #Etching #5ThAlbum #Electro #SynthPop #ElectricViolin #DistortedElectricMandolin #Synthesizers #JamesJeffreyPlewman
Synth Pop / Experimental Pop Artoffact Records / Storming The Base €13.95Dr K2
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Hans-A-Plast “s/t”
Hans-A-Plast (ハンズ・ア・プラスト)とは、独Hannoverで、1978年に結成されたパンク・バンドです。当時は、Neue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)が押し寄せてきた時期でもあり、その一つのバンドと捉えられることが多かったですね。彼等は、1978年のNo Fun Festivalに出演しようと思い、女性VoにSlimeに居たAnnette Benjaminを加えて、出演したのがキッカケで、翌年には、セルフ・タイトルのファースト・アルバムであり、本作品でもあるアルバムを出しています。1979年に、このアルバムは、Lava Recordsから出ていますが、これは米国向けレーベルであったようで、1980年には、独のNo Fun Recordsから同じ内容でリリースされています。Hans-A-Plastのバイオグラフィーは以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。 それで、このファースト・アルバムでのメンバーは、Annette Benjamin (Vo, Sax), Jens Meyer (G), Micha Polten (G), Renate Baumgart (B), BettyことBettina Schröder (Drs, Vo), Phil Luland (Vo; 実はLiveMixer)の6人組ですが、クレジットでは、Willi (変わり者)もメンバーだったみたいです。内容は、A面7曲/B面6曲となっています。では、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Rock'n Roll Freitag” (1:28)は、元気一杯でアップテンポのパンキッシュな曲で、一発目から飛ばしていきますね。 ★A2 “Lederhosentyp” (2:00)は、浮遊感のある女性Vo/コーラスから始まり、その後、お得意のパンク・サウンドをぶちかましてくれます。後半のBenjaminの奇声も中々ハマってます。 ★A3 “Für 'Ne Frau” (1:57)は、ツービートで走り回るハードコアの原型みたいな曲ですが、間奏のGソロがなんか変です。 ★A4 “Monopoly” (2:03)は、分厚いパンク・サウンドで、独語歌詞が良くマッチしています。それにしても、間奏のGソロでの不協和音はわざとなのかな? ★A5 “Teenage Traum” (2:45)は、口笛で始まり、ポップ・ミュージックかなあと思っていたら、サビはしっかりパンクでした!後半のコーラスワークも面白いです。 ★A6 “Rank Xerox” (2:37)は、ロータムのややスローなリズムで始まりますが、直ぐにお得意の軽快なパンク・サウンドに取って代わります。Benjaminの早口独逸語Voは面白いですね。 ★A7 “Es Brennt” (4:03)では、始め、Benjaminの語るようなVoと唐突なGノイズなんかが続きますが、やがてビートが生まれ、フリーキーなGも入ってきます。Benjaminの笑い声やしつこい位の歌詞の反復なんかもあって、ちょい実験的な曲です。 ★B1 “Starfighter” (2:43)は、スライド奏法のGなんかも含むポストパンクな曲で、A面よりもNo Wave的です。投げやりなVoもグーだし、最後のぐちゃぐちゃ具合も面白いですね。 ★B2 “Polizeiknüppel” (2:53)も、パンキッシュな曲で、疾走感もあってカッコ良いですね。間奏の銃撃音は、「警棒」って曲だからかな? ★B3 “Man Of Stone” (2:22)も、パンクよりもポストパンクな曲で、コーラスワークも冴えています。Benjaminの早口Voは結構な特徴ですね。 ★B4 “Amerikaner” (4:00)は、4拍子に3拍子のパートが組み合わさった不思議な曲で、寧ろ、Alternative TVのようなポストパンクなトラックで、メンバー各人のアイデアで演奏が駆動しています。 ★B5 “Hau Ab Du Stinkst” (2:44)は、一転、パンキッシュな曲で、Bのドライブ感がカッコ良いです。Benjaminの弾けっ振りも素晴らしいです。 ★B6 “O, O, O” (1:58)は、B→Drs→Gの順で音が厚くなり、そこにVoも加わり、ストップ&ゴーを繰り返しながら、最後はふにゃふにゃになります。 以前に紹介したライブ盤のことをすっかり忘れていましたので、今回、初めてスタジオ・アルバムを聴いて、「おっパンクじゃん!」と再認識した次第です。それでも、全曲パンクと言う訳ではなく、程良く実験的なことを組み入れており、それが、Benjaminの若気の至り?と言うか瑞々しさと相まって、相乗効果を成しているなあと感心してしまいました。それにしても、Benjaminのちょっとハスキーな声質は、個人的には好みです。しかし、Gが2人もいるのに、そんなに音が分厚くないのも、ちょっと不思議でしたね。まあ、1978年録音で、かつ独逸と言うことで、英国みたいなストレートなパンクでは無く、独逸らしいユーモアの粉を振りかけたパンク〜ポストパンクな作品になったのではないでしょうか?そんな意味でも興味深いので、もし見つけたら、ゲットして下さい❗️ https://youtu.be/wkUY6q5jIVk?si=NkOaRwa-do5BkCZk [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nxasK5dsz6k12dO15bAF1cJS6qeD2lMZM&si=crvIBBPltJ4a104L #Hans-A-Plast #FirstAlbum #LavaRecords #1979年 #NoFunRecords #1980年 #Reissue #2023年 #TapeteRecords #Hannover #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Punk #PunkRock #AnnetteBenjamin #JensMeyer #MichaPolten #RenateBaumgart #BettinaSchröder #PhilLuland #Willi
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Punk Rock Tapete Records (Lava Records) €28.95Dr K2
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Embryo “Father Son And Holy Ghosts”
またまた、きました!独Krautrockの生き残りEmbryoの3枚目のアルバム”Father Son And Holy Ghosts”をら、今回はご紹介します。今回、購入したのは再発盤で、嬉しいことに、44頁のブックレットが付いており、それを眺めているだけで、イっちゃいそうです。しかも、この再発盤は限定1000部なんですよ。無理して、海外通販して良かったです。このアルバム制作時のメンバーは、Dave King (B, Flute, Altomarimba, Vo), Christian Burchard (Drs, Perc, Marimbaphone, Vibes, Vo), Sigi Schwab (G, 12弦G, Veena, Bulbul Tarang), Edgar Hofmann (Vln, Soprano Sax)の4人で、相変わらずJazz Rockな音楽を全員マルチなメンバーが繰り広げられています。Embryoのバイオグラフィーは、既に書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品は、A面4曲/B面3曲が収められています。メンバーは先述の通りですので、早速、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “The Special Trip” (5:56)では、ブリブリのBで始まり、超絶Drsと如何にもなワウったジャズGに、プログレ臭のあるVoと隠し味のFluteが組んず解れずのインタープレイを聴かしてくれます。 ★A2 “Nightmares” (0:58)は、中東風打楽器とアコギから成る小曲です。 ★A3 “King Insano” (4:48)では、しっとりしたFluteとGと共に、上下する柔らかいBの調べから、全員で突入する緊張感溢れる演奏となります。割と基本のコード進行はミニマルです。そして、再び静寂へと戻ります。 ★A4 “Free” (6:19)は、カウントと取るハイハットとブリブリしたBにGや男女のVoの掛け合いが入ってくる曲で、間奏にSax?ハーモニカ?のソロやG等のソロ廻しが始まります。躍動感が半端無いです! ★B1 “The Sun Song” (8:48)は、イントロで竹とかの笛で始まり、緩やかなSaxやマリンバなんかも入ってきたと思ったら、跳ねるようなDrsが静寂を破り、盛り上がりをみせる曲で、多分、民族楽器を多用しているようでしよう。その内、GとSaxの掛け合いになり、Drsも叩きまくりになりますが、緩急をつけた曲構成で、長尺の曲ながらも聴き応え充分です。 ★B2 “Marimbaroos” (2:56)でも、マリンバのような音と静かなVlnのインタープレイが続き、そこにワウったG等も絡んできます。緊張感はありますが、何故か朴訥とした印象です。 ★B3 “Forgotten Sea” (9:09)は、粘るBラインにDrsとGや鉄琴等で静かに盛り上がっていくラウンジ・ジャズっぽい曲で、上手く緩急を付けたり、Vlnを入れたり、派手なGの超絶ソロ(時にフリーキーにもなる)を入れたりで、変化をつけていきます。時には走るDrsで速くなったりもします。それにしても聴かせてくれますねぇ。最後の不協和音がイカしてます! 個人的に、この作品は買ってから、実際に聴くまで結構放っていました。が、聴いてみると、中々、コンパクトに纏まっており、聴き易かったです。まあ、一言で言うと、ジャズロックなんですけれどね(フュージョンとは言いたくない!)。それと、Dave Kingのベース・プレイには感動しました。このミックスは最も効果的にベースの良さを引き出したのではないでしょうか!それと、よーく聴くと、至る所に民族楽器のような、ちょっと変わった音色が聞こえてくるのも、今後のEmbryoの方向性を想像する上で、興味深かったですね。昔はこう言う音楽とか聴くことが出来なかったんですが、何故か独プログレと言うだけですんなり聴けてしまうようになりました。いやー、成長したなぁ。勿論、ジャズロック好きのリスナーさんにも、ジャーマン・ロック好きのリスナーさんにもお勧めします!あと、ブックレットはフルカラーで豪華ですので、それだけで買う価値はありますよ! https://youtu.be/cxPksrGpJt0?si=tLd1R83H2aj9mUIM [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLLD8tmFAuglrpchegaZf5ujmEQaV7QKa5&si=FAEzI8Fb0MD0eR1B #Embryo #FatherSonAndHolyGhosts #GardenOfDelight #Reissue #2022年 #LimitedEditions #1000部 #UnitedArtistsRecords #1972年 #ThirdAlbum #Krautrock #JazzRock #EthnicInstruments #DaveKing #ChristianBurchard #SigiSchwab #EdgarHofmann
Krautrock / Jazz Rock / Ethno Garden of Delight (United Artists Records) €28.80Dr K2
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Hans-A-Plast “2”
またまた、来ましたよ、Hans-A-Plastです。彼等は、1978年結成のHannover出身の独パンクバンドの古参で、以前に、彼等のライブ盤とファースト・アルバムをご紹介していると思うのですが、覚えていらっしゃいますか? 今回は、彼等のセカンド・アルバム”2”をご紹介します。Hans-A-Plastのバイオグラフィーは前回、書いてありますので、そちらをご参照下さい。メンバーは、いつものAnnette Benjamin (Vo, Sax), Jens Meyer (G, Vo), Micha Polten (G, Vo), Renate Baumgart (B, Vo), BettyことBettina Schröder (Drs, Vo)の5人組で、内容は、A面7曲/B面5曲となっています。それでは、各曲についてご紹介していきましょう。因みに、2021年にバンドの創設者でもあるJens Meyerは他界しています。 ★A1 “Spielfilm” (2:40)は、インダストリアルなイントロから始まるノリのよいパンキッシュな曲で、間奏の鈴の音も良いです。 ★A2 “Reicher Vati” (2:42)も、パンキッシュな元気一杯の曲ですが、ここに来て漸く、BenjaminのSaxプレイが聴けました。 ★A3 “Kunde Und Vieh” (3:30)は、シンコペーションなリズムも持ち合わせたアップテンポな曲ですが、最早、ポストパンクです。スキャットやBソロもあり、曲構成も凝っています。 ★A4 “Dicke Kinder” (2:37)は、それぞれが何となく勝手に音出ししているようなフリーなイントロから始まる、切羽詰まったような曲調が秀逸で、Saxも聴取できます。 ★A5 “Sicherheit” (2:42)は、独特なユーモアを感じることが出来る何処か変な曲で、それが結構速いテンポで演奏されています。最後のコーラスもグー! ★A6 “Machtspiel” ~ ★A7 “Eidexe Kriech (3:31)は、闇を切り裂くGで始まり、アップテンポな小気味良いポップパンクな曲と成りますが、その内、軍靴の靴音に合わせた、何とも心許ない合唱になっていきます。まるで、予測不可能な面白さです。A6とA7はメドレーです。 ★B1 “Humphrey Bogart” (2:47)では、単に直線的なビートだけではなく、突っかかるビートや緩急を付けたり、反復したりと中々凝った構成になっており、上物にはコーラス等を使ったりと曲構成も意外と複雑です。 ★B2 “Kurz Und Dreckig” (3:09)も、最初のコーラスで油断していたら、いきなりアップテンポなビートをかましてくれます。間奏ではSaxソロや時に聴かれる変なブレイクとかもアイデア一杯で絶品です。 ★B3 “Tuaregs” (5:25)は、ミドルテンポで、自在なSaxソロやGのリフで始まりますが、Voが出てくると硬く垂直飛びをするようなビートになります。スローな曲ですが、Saxも沢山入っています。 ★B4 “Ich Zünd Mich An” (2:10)では、Gのリフから始まるアップテンポな曲で、早口Voと対比して、途中のGのリフがしょぼくて素敵ですね。最後はスパニッシュっぽいアンサンブルで終わります。 ★B5 “Mono-Ton” (3:49)は、最初、片方のスピーカーからしか音が出ておらず、故障か?と思い、そのまま聴いているとアップテンポのパンキッシュな曲なんですが、意外とGもフリーキーにかき鳴らされています。途中で反対側から人声が聴こえてきて、わざとなんだなと安心しました。 確かに、このアルバムは、単にパンクの枠では収まらずに、割と変なアレンジやちょい複雑な曲構成も聴けて、Hans-A-Plastのよりフリーキーな面とかポストパンクな面が出てきているようです。なので、このメンツでは最高峰の出来ではないでしょうか?また、Bの音も充分聴こえ、そのフレーズも絶妙で、また、BettyのVoとの掛け合いも良い味付けになっています。しかも、独逸語歌詞を早口で歌ったりして、独特のユーモアもあり、正しく、Hannoverの代表的ポストパンク・バンドに成長していますね。なので、ポストパンク好きなリスナーさんはトライしてみては如何ですか? 因みに、元々、彼等はX-Ray Spexのライブで衝撃を受けて、バンドを始めたようです。 https://youtu.be/B_YGaSe5scs?si=tMRk_KzSumHk00HU #Hans-A-Plast #2 #TapeteRecords #Reissue #2023年 #NoFunRecords #1981年 #2ndAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Punk #PostPunk #AnnetteBenjamin #JensMeyer #MichaPolten #RenateBaumgart #BettinaSchröder
Neue Deutsche Welle (German New Wave) Post Punk Tapete Records (No Fun Records) €10.00Dr K2
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Fehlfarben “Knietief Im Dispo”
久々に入手しました、独のスーパーグループFehlfarbenのアルバム”Knietief Im Dispo”です。スタジオ・アルバムとしては6作目に当たります。何故、スーパー・グループなのかと言うと、このバンドは、S.Y.P.H.とDer PlanとMittagspauseに在籍していた/しているメンバーによって形成されているからで、まるでドリーム・チームですね。Fehlfarbenのバイオグラフィーは以前に書いてありますので、そちらをご参照下さい。本作品でのメンバーは、Peter Hein (Vo), Kurt Dahlke (Electronics), Thomas Schwebel (G), Uwe Jahnke (G), Frank Fenstermacher (Kbd, Sax), Michael Kemner (B), Saskia von Klitzing (Drs)の7人で、内容としては、両面共8曲ずつ収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Rhein In Flammen”では、ノリの良いプレイクビーツのリズムに乗って、独語Voがワンポイントになっているポップスで、何となく「青春」を想起するのは気のせい? ★A2 “Die Internationale”は、特徴的なパルス音で始まり、カッコ良い曲調のアンサンブルから成る曲で、聴き惚れてしまいます。間奏のシンセやGもグー! ★A3 “Club Der Schönen Mütter”では、浮遊感のあるGとBで始まり、ピアノの目立つリリカルな曲調で、VoとSaxも良い塩梅です。また背後のオルガンも良い隠し味です。 ★A4 “Der Fremde”は、シーケンスと饒舌なVoで始まり、そこに歪んだGとBが入ってきますが、一瞬のブレイクの後、心地良いポップスとなり、間奏のSaxやシンセも秀逸! ★A5 “Schnöselmaschine”は、ブレイクビーツのリズムにラップ調のVoから成る曲で、間奏のGやシンセも心地良いです。 ★A6 “Was Der Himmel Verbietet”は、シーケンスから始まる、ややダークな曲ですが、音的には、ポストパンクですね。Saxソロもバッチリです。 ★A7 “Reiselust”は、切羽詰まったように掻き鳴らされるGとVoで、疾走感のある激し目の曲ですが、聴き方によってはカッコ良いです。 ★A8 “(Geh) Du Ran Du Ran”は、Gのフィードバックで始まる、結構、パワーポップ調の曲で、少し甘酸っぱい感もありますが、演奏はタイトで、Voも上手いです。 ★B1 “Das Leben Zum Buch”は、ワウGとBで静かに始まり、呟くVoも耳元に優しく、怪しく響き、やがてDrsや鋭いシンセ音も入ってきますが、しっとりと終わります。 ★B2 “Die Kleine Geldwäscherei”は、シンセと共に始まる、陽キャで良質なポップ・ミュージックで、鉄琴らしきメロディもトレモロGのアレンジも絶品! ★B3 “Herzen Gelandet”は、心音のようなリズム隊に、雑踏の音とVoが加わり、いつの間にかゴージャスなポップスに代わっています。ミドルテンポのブレイクビーツなリズムが現代風ですね。 ★B4 “Sieh Nie Nach Vorn”では、特徴的なBとシンセ音で始まり、DrsやトレモロGが入ってきて、Voで曲を引っ張っていきます。間奏のオルガンプレイも絶妙! ★B5 “Lebenskunst”では、歪んだGとBのイントロの後、歌い上げるVoを中心としたアンサンブルが始まりますが、感傷的なメロディに涙しそうで、最後のGソロも絶妙! ★B6 “Bode Und Rindt (bonus track)”は、リズムマシンとBとVoで始まり、GやDrsも加わりますが、次第に切羽詰まったような曲調になっていきます。 ★B7 “Föhnfrisuren (bonus track)”は、陽キャな曲で、ゴリゴリのBとGに、Drsのビートと歌い上げるVoがサーフっぽくて若々しく、サビのメロディもグー! ★B8 “Alkoholen (bonus track)”は、喧騒の中でのキックと多人数でのコーラスが何とも心強く響きます。短いですが、印象的な曲で、本作品を締めています。 この作品でのFehlfarbenは、最早NDWとかとは関係無く、良質なポップ・ミュージックを作り、演奏する、ある種、独逸語による「シティーポップ」グループのようにも思えます。ちょっと曲が短いとも感じますが、それを勘定しても余る位、本当に聴き易い音楽が詰め込まれています。Pyrolatorのプロデュース力なのか?それともメンバーの力量なのか?は分かりませんが、各人のバックボーンのグループとは違った良質な「ポップネス」が見事に発揮されており、聴いていて安心できると同時に、ワクワクもしますね。そんなFehlfarbenも体験してみて下さい❗️ https://youtu.be/XSynajIoX_E?si=zX7aruWJGWZXVqeA [full album + bonus tracks] https://youtube.com/playlist?list=PLqc_o0ElXSiCzaMIJHgb7DQHN57Z5tSXv&si=YYNDV-6LjcxON7wj #Fehlfarben #KnietiefImDispo #TapeteRecords #Reissue #LimitedEditions #重量盤 #BonusTracks #2014年 #!K7Records #Wonder #2002年 #6ThStudioAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #PostPunk #PopMusic #Producer #Pyrolator #PeterHein #KurtDahlke #ThomasSchwebel #UweJahnke #FrankFenstermacher #MichaelKemner #SaskiaVonKlitzing #DerPlan #S.Y.P.H. #Mittagspause
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Post Punk Tapete Records (!K7 Records / Wonder) €24.90Dr K2
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Nichts “Tango 2000”
ちょっとでも、Neue Deutsche Welle (German New Wave)を知っている方なら、Der KFC (因みにKentucky Fried Chickenではない!)って言うパンクバンドの名前位は聞いたことがあるかもしれませんね。或いはDer KFCのVo/GのTommi Stumpffが解散後、ソロで活動していたと言うことを知っている方もいらっしゃるかもしれません。では、Nichtz (ニフツ)はどうでしょう?簡単に言ってしまえば、Der KFCの残りのメンバーが新たに結成したバンドのことなんです。今回は、そんなNichtzのセカンド・アルバム”Tango 2000”をご紹介したいと思います。 先ずは、Nichtzのバイオグラフィーから書いていきます。Der KFCはNDWの中でもパンク色の強いバンドで、Düsseldorf で1978年に結成され、1982年に解散しています。先述のように、Vo/GのTommi Stumpffは、その後、エレクトロ・パンクとも言うべき音楽で、ソロ活動していきますが、その頃に脱退していたTobias Brink (Drs)とMeikel/Michael Clauss (これを機にBからGにチェンジ)は、Andrea Mothes (Vo)とChris Scarbeck (B)を誘って、1981年にNichtzを結成しています。そして、1981年に、自主制作レーベルSchallmauer Recordsから、ファースト・アルバム”Made in Eile (直訳すると「急いで作った」)”を出しており、そのクレジットで、メンバーの名前は、Micky Matschkopf, Fritz Fotze, Prunella Pustekuchen, Paul Popperkindと偽名が記載されています。その後、大手CBSより、シングル”Radio”を出し、翌年1982年に、WEAとも契約して、本作品でもあるセカンド・アルバム”Tango 2000”をリリースし、また、2枚のシングル”Tango 2000”と”Ein Deutsches Lied”もリリースして、メジャーデビューを果たしていますが、1982年秋にMeikel ClaussとChris Scarbeckが脱退してしまいます。それで、新メンバーPeter Szimanneck (B, G, Kbd)とStephen Keusch (G)を加えて、サード・アルバム”Aus Dem Jenseits”を出しますが、その年にバンドは解散してしまいます。しかしながら、2009年に、新メンバーSabine Kohlmetz (Vo), Meikel Clauss (G, Synth, Vo), Ufo Walter (B, Electronics, Vo), Steve "Vom" Ritchie (Drs)で再結成し、2011年に新録のスタジオ・アルバム”Zeichen Auf Sturm”を出して復活しています。また、2019年にはライブアルバム”Live 2019”をStrange Recordsからも出していますが、この時のメンバーは、Sabine Kohlmetz (Vo)とMichael David Clauss (G)以外に、Joachim Kremer (B), Björn Sondermann (Drs)から成るラインナップになっています。HPが2024年でも更新されていますので、現在も活動しているようです。 それで、今回は、彼等がメジャー・デビューしたセカンド・アルバム”Tango 2000”を紹介していきたいと思います。メンバーは、Andrea Mothes (Vo), Michael (Meike) Clauss(G), Chris Scarbeck (B), Tobias Brink (Drs)の4人です。プロデュースはMeikel ClaussとDieter Joswigでやっています。それでは、各曲を紹介していきましょう。あっ、それから、私が購入したのは、Records Store Day用のブツなので、CDサイズのブックレットと、ボーナストラックとして、シングルB面の曲”Nichts Ist Ewig”が、B7として付いています。 ★A1 “Tango 2000” (3:38)は、前身のDer KFCに比べるとかなりソフィストケートされたニューウェーブな曲で、トレモロGと女性Voが中々聴かせてくれます。 ★A2 “Ein Deutsches Lied” (2:10)は、ゴリゴリしたBの主張の強いポップスで、性急なテンポも相まって、カッコ良いです。Voもキュートだし、間奏でGも弾きまくってます。 ★A3 “Schwarze Gedanken” (1:53)も、弾むようなBから始まるポストパンクな曲で、サビでのGの存在感が良い。 ★A4 “Gitarrero Ade” (3:00)は、ちょっとスパニッシュな雰囲気の曲で、そう言う意味では、ニューウェーブだと思います。Gのフレージングが如何にもですね。 ★A5 “Weisse Wände” (3:28)は、性急なビート感のあるパンキッシュな曲で、Voもやや荒い感じで、Gもちょいとフリーキーです。途中のブレイクもカッコ良い! ★A6 “Nachts” (2:40)は、一転、どんよりしたBとリムショットで進行するスローな曲で、何とも虚な雰囲気を放っています。 ★B1 “Ich Bereue Nichts” (3:08)は、モロUKポストパンクな雰囲気で、2流Gang of Fourとキュートな女性Voを混ぜ合わせたような曲です。 ★B2 “Licht Aus” (1:54)は、アップテンポの元気一杯な曲で、Voも弾けてます。 ★B3 “Lieber Anonym” (2:32)では、BラインとGのコード弾きが、歌詞を反復するVoと良く合ってます。 ★B4 “Freitag Der 13.” (2:49)は、ややアップテンポなパンキッシュな曲で、Gの音色と、偶に引き攣る所とかは良いです。でも、これ「13日の金曜日」でしょ? ★B5 “Ein Stiller Gruss” (2:16)は、どんよりしたドローンBから、危機感の煽るようなGに誘われて、立ち直ってくるインスト曲です。 ★B6 “Nichts” (2:00)は、ライブ音源ですが、長いMCとオーディエンスのレスポンスだけが収められています。結構、人気あったのかな? ★B7 “Nichts Ist Ewig” (2:12)は、結構カッコ良くて、ノリも良いキャッチーなインスト曲で、バットマンのテーマ曲にちょっとだけ似てる? メジャー・デビュー前のファースト・アルバムを聴いていないので、比較は出来ませんが、全体の印象は、 ややキュートなVoと洗練されかけたニューウェーブ或いはポストパンクな音楽が詰まったアルバムだなぁと思いました。ただ、もう少し迫力ある音にしても良かったのではないかとも思いました。そうしたら、国内だけでなく、欧州とかでももっと評価されていたと思います。今のままでは、ちょっとパンチにかけるようです。そんなNichtz、聴いてみますか? ツボる方にはツボりますよ!それから、付属のブックレットも当時のバンドの写真が掲載されていて、雰囲気が良く分かります。 https://youtu.be/IMSbrqIehtw?si=pwENjyrFzxbOVMq6 #Nichtz #Tango2000 #CargoRecords #2021年#Reissue #RecordStoreDay #NeonYellowVinyl #WEA #Schallmauer #1982年 #SecondAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #PostPunk #DerKFC #AndreaMothes #Meikel(Michael)Clauss #ChrisScarbeck #TobiasBrink #BonusTrack #Booklet
Neue Deutsche Welle (German New Wave) New Wave Cargo Records (WEA / Schallmauer) €24.90Dr K2
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Motörhead “Orgasmatron”
パンクスからもヘビメタからも好かれていたバンド、それがMotörheadです。私は、以前にベスト盤のCDを買って、気に入って聴いていたのですが、どうしてもLPが欲しくなって、今回、購入したのが、彼等の8枚目のスタジオ・アルバム”Orgasmatron”でした。まぁ、普通はこのアルバムから入るリスナーは少数派だとは思いますが、前述のベスト盤でお気に入りだったのが、タイトル曲”Orgasmatron”だったので。 それでは、先ず、Motörheadのバイオグラフィーを書いていきたいと思います(まぁ、私が紹介するよりも詳しい方はいるとは思いますが、ご勘弁を)。皆さん、知っていると思いますが、Lemmyは、英国サイケバンドHarkwindに在籍していましたが、1975年5月に、薬物強迫症の為、バンドを抜けてカナダで静養しています。その時に、自分のバンドをやりたいと決意し、自分がHarkwind時代に書いた曲からMotörheadと新バンド名を決め、MC5のように、速くてダーティなロックを目指し、Pink FairiesのLarry Wallis (G)とその紹介でLucas Fox (Drs)を誘い、Motörheadを始めます。1975年7月に英国Roundhouseにて、Greensladeのサポートでライブデビューし、同年10月には、Hammersmith Odeonで、Blue Öyster Cultのサポーティング・アクトを務めています。それで、彼等は、United Artists Recordsと契約し、スタジオでセッションを始めますが、Foxがイマイチ頼りにならないと言うことで、ドラムをPhil "Philthy Animal" Taylorに代えます。その後、1976年3月に、もう1人ギタリストが必要と考えで、 "Fast" Eddie Clarke (G)が加入します。WallisはPink Fairiesのツアーを続けていたこともあり、Clarkが新Gに決まった途端、脱退します。結果として、Lemmy/Clarke/Taylorと言う、今では良く知られている古典的Motörheadのラインナップが完成します。それで、デビューアルバムをどこから出すかで揉めて、結局、Chiswick Recordsから、6月にシングル”Motorhead”を、8月にアルバム” Motörhead”を出し、UKアルバムチャートは43位となります。1978年には、全英ツアー後、カバー曲"Louie Louie"を出し、またこの時期に、BBC Radio 1 John Peel Session用に録音し、また同年10月にはBBCのTV番組Top of the Popsにも出演しています。この番組での新曲の演奏が良い反応だったことで、バンドは1979年3月からスタジオに入り、3月24日にセカンド・アルバム”Overkill”を出します。これはUKアルバムチャートで24位まで上がります。同年10月12日にはサードアルバム”Bomber”をリリース、UKアルバムチャートで12位になり、ツアーでは爆撃機の巨大模型を使った大掛かりなステージを披露しています。1980年5月8日に、レーベルは、初のライブEP”The Golden Years”を出し、UKシングルチャート8位までいきます。同年夏にスタジオ入りし、10月27日にシングルを、11月8日に、4枚目のアルバム”The Ace of Spades”を出し、UKアルバムチャートは4位とバンド史上最高の評価を受けます。また、アルバムのジャケ写の「砂漠のガンマン」姿はリスナーを釘付けにしています。1981年にあは、GirlschoolとのコラボEP”St. Valentine's Day Massacre”を出し、UKシングルチャート5位に、また、ライブアルバム”No Sleep 'til Hammersmith”も出し、これはUKアルバムチャート1位になります。同年4〜7月は、USツアーで、Ozzy OsbourneのバンドBlizzard of Ozzのゲスト出演をしています。1982年1月にバンドは自己プロデュースで録音を行い、シングル”Iron Fist”を4月に出し、更に5枚目のアルバム”Iron Fist”もリリースして、UKアルバムチャートは6位になっています。ただし、これがLemmy/Clarke/Taylorの最後のリリースとなり、5月の北米ツアーでClarkeは脱退します。LemmyとTaylorは、新たなGとして、Thin LizzyのBrian Robertsonをリクルートし、6枚目のアルバム”Another Perfect Day”とシングル2枚を制作。それで、6月〜11月まで日本、欧州、米国ツアーを敢行しますが、Robertsonの服装のお陰で、観客に困惑を招いた為、1983年11月のベルリンでのライブを最後に、彼は脱退します。そして再び、ギタリスト選びにかかりますが、その中からWürzelことMichael Richard BurstonとPersian RiskのPhil Campbellを選ばれます。それで、1984年2月に、Lemmy/Campbell/Taylorで、TV番組用に”The Ace of Spades”を録音をしますが、おふざけが過ぎた為が、その直後にTaylorが脱退します。それで、CampbellはSaxonのPete Gill (Drs)を誘ってみます。GillはOKして、ロンドンにやって来ますが、レーベル側から「もう腰を落ち着けてやってくれ」と言われます。それで、Lemmyも引き継ぎをして、1985年5月にスタジオ入りします。そうして、9月1日にシングル ”Killed By Death”を、9月15日に2枚組アルバム”No Remorse”をリリース、アルバムはUKチャートで14位になり、シルバーディスクを取っています。しかしながら、レコード会社は、バンドが適切な手続きを取っていないと裁判を起こし、録音スタジオを2年間使用禁止にしてしまいます。その為、バンドは、ツアーとTV出演などに注力します。それで、1986年に、漸く、レコード会社との裁判で、概ねバンドが勝訴し、その事もあって、彼等は自身のレーベルGWRで自分達のマネージメントをしていくことにします。Motörheadは、ロンドンのMaster Rockスタジオを借り、シングル”Deaf Forever”を7月5日に、本作品でもあるアルバム”Orgasmatron”を8月9日にリリースします。アルバムは、UKチャートで21位となります。この後、Lemmyは、第二次世界大戦の独軍爆撃機を使うパフォーマンスを辞めています。また、1987年に、映像”Ear The Rich”の撮影が行われますが、その間にGillは脱退してしまい、代わりにTaylorが戻ってきます。その撮影では、Lemmyは他のコメディアンとかと同じように、有名人らしく振る舞っていました。それでバンドは、映像の為に新曲”Eat The Rich”を特別に書き上げ、サントラにも収められています。その後、同年9月5日にGWRとしてはセカンドに当たるアルバム”Rock ‘n’ Roll”を出しています。1988年にフィンランドでコンサート後、この時の音源をライブアルバム”Nö Sleep at All”として出していますが、シングルカットの問題が拗れて、「店頭にはシングルは渡さない、全部引き上げる。もし欲しいなら、ツアーを観に来るか、公式ファンクラブを通して買うかだ」と言う事態になり、1989年〜1990年の間、バンドはライブを続けざるを得ない状態になり、更にGWRとも裁判沙汰になり、1990年代中盤まで続くことになります。この裁判が和解した後に、バンドは、Epic/WTGと契約します。とまあ、この先も話題てんこ盛りにあるのですが、今回はここら辺までとしますが、Motörheadの最後だけちょっと書いておきます。2015年12月28日に、Lemmyは、70歳の誕生日の4日後に、前立腺癌と不整脈で他界しており、同年11月12日にTaylorは肝不全で61歳で他界しています。残ったメンバーのMikkey Dee (Drs)が、Lemmyの死によって、Motörheadは終わった、もう復活することはないと宣言して、バンドは終焉を迎えました。 とまあ、Motörheadを語ろうとしたら、まだまだ足りませんが、今回は、1990年までと言うことでご勘弁願いたい。それで、本作品”Orgasmatron”なのですが、このアルバムのメイン・プロデューサーは何と!あとBill Laswellなんですよ。私が、このアルバムを選んだ理由の1つではありますね。あと、意外にこのアルバムはヤフオク等の中古市場に出回らないんです。なので、思い切って海外通販で買いました。まあ、そんなことはどうでも良いのですが、この時期のMotörheadのラインナップは、Lemmy Kilmister (B, Vo), Michael "Würzel" Burston (G), Phil "Wizzö" Campbell (G), Pete Gill (Drs)の4人編成なんです(しかも、MotörheadでのPete Gillのアルバムの録音はこれだけなんよ)。これは聴くのが楽しみですね。それでは、各曲を聴いていってみましょう。 ★A1 “Deaf Forever” (4:26)は、独特のドライなスネアから繰り広げられる力強いビートとザクザクとリズムを刻むGと共に、Lemmyの酒焼けしたVoが堪らんです。ベスト盤とヴァージョンが違うのかな? ★A2 “Nothing Up My Sleeve” (3:11)は、スラッシュ気味のアップテンポの曲で、一種のミニマリズムすら感じますね。Gが2本なので、音が分厚いです。 ★A3 “Ain't My Crime” (3:42)も、Gが2本なのを活かしたイントロから始まり、爆走していきます。正にジャケ写の通りです。 ★A4 “Claw” (3:31)は、Drsの乱打から始まり、ドコドコしながらも、スラッシュ・メタルのように激走していきます。サビの盛り上がりや間奏のGソロもカッコ良いです。とにかくDrsが凄い! ★A5 “Mean Machine” (2:57)は、A4と連続して始まり、速いテンポで一丸となって暴走するタンクのような鉄の塊りを想起させます。痺れます! ★B1 “Built for Speed” (4:56)は、ややテンポを緩めてますが、「Rock’n’Rollの為に俺は生まれた」と歌うLemmyの心意気をビンビン感じます。2人のGソロの掛け合いも絶妙! ★B2 “Ridin' with the Driver” (3:47)も、スラッシュな疾走感と鋼の重量感のある曲ですね。刷り込みかもしれませんが、この曲も、やっぱりジャケ写のイメージそのものです。最後の雄叫びもカッコ良いです。 ★B3 “Doctor Rock” (3:37)は、やや跳ねるような腰のあるリズムですが、重量感もある演奏とLemmyのVoは冴えまくってます。また、間奏のGが変わったフレーズを弾いています。 ★B4 “Orgasmatron” (5:26)は、タイトル曲ですが、先ず逆回転から始まり、ミニマリズムを極めたような分厚い音の壁が、押し殺したようなLemmyのVoと共に強迫的に胸ぐら掴んできます。この曲には、特にBill Lawellのプロデュース・センスを感じますね。シンプルでミニマルでヘビーな名曲だと思います!終わり方も秘密兵器のように消えていきます、 Motörheadと言うと、どうしても、最初の3人のラインナップで、”The Ace of Spades”で爆走するイメージが強いですが—— Lemmy自身もそれにうんざりしていた——、本作品で聴くことのできるシンプルさとそれをミニマルに演奏すると言うロックンロールの鉄拳と、そのエキスを抽出したような曲が詰め込まれたアルバムも、個人的には大好きですね(因みに、Phillは、Laswellが初期ヒップホップのリズムを融合させるんじやないかと思っていたらしいですが、結果的にそれはできませんでした。特にB4のタイトル曲は全てのロックファンに聴いて欲しいです❗️丁度、パンクで言うところのThe Ramones初期とかWireの”Pink Flag”とかにも通じると思うんですよね。なので、皆さんもこのアルバム、一回は聴いてみて下さい! https://youtu.be/19vwnAD8ssA?si=I58UXvxubDQzbObu #Motörhead #Orgasmatron #BMG #SanctuaryRecords #GWRRecords #1986年 #Reissue #2015年 #Rock’n’Roll #HardRock #ThrashMetal #Producer #BillLaswell #LemmyKilmister #MichaelWürzelBurston #PhilWizzöCampbell #PeteGill
Hard Rock / Rock’n’Roll BMG / Sanctuary (GWR Records) 5430円Dr K2
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Reifenstahl “Die Wunderwaffe”
強烈なジャケ写で登場したのは、1980年代初頭の独DüsseldorfのデュオReifenstahl (ライフェンシュタール)で、本作品は彼等のファースト・アルバムでもあります。先ず、バンド名からしてふざけています。ナチのベルリン・オリンピック記録映画「民族の祭典」を撮影した女性映画監督Leni Riefenstahl (レニ・リーフェンシュタール)を文字って「熟した鋼」としたところは得点高いですね。 それで、彼等のバイオグラフィーを少し調べてみました。DüsseldorfでPAレンタルをしていたGerd Gaida (CrooxのGでもある)と、彼の同級生Mathias Rappの2人によって、1979年に結成されています。その後、同郷の自主制作レーベルInk Recordsから、1980年にデビュー・シングル”Radio Moskau”をリリースし、その翌年1981年に、本作品でもあるファースト・アルバム”Die Wunderwaffe” (WW2でナチスが命名した「秘密超兵器」のこと)をリリースしています。この時期に、英国BBCでは、DJのJohn Peelが盛んに自分の番組Radio 1で掛けており、Reifenstahlのことをダイナミック・デュオと呼んでいたそうです。実際、彼等は、GやSynth以外にも、チェーンやおもちゃの風船、エナメルのボール等を色んな風に使って出した音をミニマル・ウェーブの要素として用いていました。その後、Crooxのファーストに参加していたSax奏者Micky Reinhard ことMichael ReinhardtとInk Recordsも運営していたCrooxのギタリストMike Schmidtが加入し、4人組となりますが、一度、解散してしまいます。その後、1984年に、Geld Gaida, Michael Reinhardt, Mike Schmidtの3人で、(第2期)Reifenstahlを再開し、Ink Recordsの後継レーベルDer Produzentenklubから、1986年にセカンド・アルバム”Rex”をリリースしますが、活動休止となっています。 以上が、Reifenstahlの略歴ですが、本作品では、強烈なジャケ写で分かる通り、ホラー/サスペンスへのオマージュとして制作されているらしく、そのバックボーンには、プログレ、バッハ、レゲエ、ファンクまでの色んな音楽をごった煮にして、ホラー要素を少々振りかけたエレクトロ・ポップが詰め込まれているとのことです。なお、録音は1980年12月23日〜1981年1月11日に、DüsseldorfのInk Recordsスタジオで行われています。それでは、本作品(A面7曲/B面5曲)に収録されている各曲を紹介していきましょう。 ★A1 “One Two” (2:11)は、キックと共にカウントを数える声と物音系の音、その他、BやらDrsやら何やら。全くナンセンスな曲です。 ★A2 “Die Wunderwaffe” (3:47)は、線の細いシーケンスにBの低音リフと抑制的Voから成る曲で、時にシンセ等が挿入されますが、何かサビみたいな所やその後のSaxとGによる間奏も意味不明に素晴らしい。 ★A3 “Der Wüstenfuchs” (3:41)では、上下するパルス音に、トイドラムとオペラめいたVo、そして時々電子ノイズも。何だこれ? ★A4 “Epilog” (0:28)では、トイドラム対トイサックスの試合かな? ★A5 “Space Invaders” (4:10)も、パルス音に合わせたぶっ壊れたロッケンローが素晴らしい。Bはちゃんと弾けるのかな?変調VoとかGとか、、かっこ良い! ★A6 “Zerbröckelnde Gesellschaftsstrukturen” (1:08)は、おもちゃの笛とシンセ音と反復する癇癪VoとミュートしたBの混合物ですが、全然混ざり合っていないです。 ★A7 “Bonanza” (1:25)は、割とまともな曲で、ビックリだよ!しかし、逆回転とか挟むなよぉ!と言いたくなる。 ★B1 “Intellektuell” (4:17)は、スカスカで完全にLo-Fiなロックで、潔い程、下らない、その中ではDrs(とB)が無理矢理を曲を維持している。そしてVoも! ★B2 “Reumütige Raumfahrer”(4:09)は、ぼんやりした低音Bと何とか「曲」にしようと踠いているGとかDrs等諸々の音断片達から成り、後半では曲っぽくなって巻き返しするインストです。 ★B3 “Tritt Bitte Nicht Auf Mein Glas” (1:57)では、こんな下手な演奏でも朗々と歌えるぜ的Voに思わず泣かされます。 ★B4 “Je T' Air (Ich Dich Luft)” (4:12)は、メトロノーム音に太いBがドライブする曲で、Gも割とまともだし、ユーモラスなシンセも活躍するインスト曲。途中の歪んだGもグーですね。最後テープは何? ★B5 “Ich Denke Oft An Dich (Live Version)” (2:52)では、何かネジ切れたようなGとリフを弾いているらしいBとかがカオスっていますが、段々とシンセやPercで落ち着いてきます。 しかし、これは凄いわ!内容は、もうジャケ写通りの類人猿がやっているような音楽(らしきモノ)ですよ。タガが外れていますが、時々、人類になる所もあり、カテゴライズ不可能ですね。まあ、時代が時代だったし、今はこれは出来ないでしょう。こう言うユーモア・センスが、1980年頃の独逸人っぽいなぁ。日本で言えば、ほぶらきんに相当? 下らなくて、崇高な音楽を演奏するグループですね。要チェック❗️ A7 “Bonanza” (1:25) https://youtu.be/ZDSmNjVyl90?si=MDF2EcgPU_uMlWcu [full album(曲順違い&ボートラあり)] https://youtube.com/playlist?list=PLLvdvodyj3fLUiCdewzWRA8pOL-sVXdPb&si=h_kPEj5dOo8iN43w #Reifenstahl #DieWunderwaffe #InkRecords #FirstAlbum #Düsseldorf #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop#Electro #Bass #Percussions #Guitar #Synthesizers #Toys #Croox #GerdGaida #MathiasRapp
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Pop INK Records €15.00Dr K2
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Snatch “Shopping For Clothes”
皆さん、Snatchって覚えていますか? NYCのパンク・ガールズ・デュオで、Judy NylonとPatti Palladinが1980年代初頭にやっていました。私自身も、高校生か大学生の頃に、Snatchの名前は聞いていたのですが、実際の音楽を聴いたことがありませんでしたので、今回、偶々入手した12㌅EPを紹介したいと思います。 先ず、Snatch(と言うか、彼女らそれぞれの)のバイオグラフィーを書いておきます。Judy Nylon (本名Judith Anne Niland)は、米マルチメディアアーティストで、1970年にLondonに行っていますが、1970年半ばには、米国Patti PalladinとパンクバンドSnatchを結成しています。Nylonは、当然、NYCとLondonのグラムロック、パンク、No Waveの影響を受けていましたが、彼女自身はそれらを録音してはいません。しかし、1982年に、彼女はAdrian Sherwoodとの共作アルバム”Pal Judy”を出して、話題になっています。一方、Palladinは、Nylonのアルバム”Pal Judy”に、"Trial by Fire"と言う曲を共作して、自身のバックバンドCrucialで参加もしています。そんなSnatchは、実は英国音響仙人Nurse With Woundのナース・リストにも関わっており、NWWの1980年のアルバム”To the Quiet Men from a Tiny Girl”のアートワークの一部を担当しています。Snatchは、1978年に、Brian Enoとの共作曲”R.A.F.”をEG Recordsのコンビ・アルバム”First Edition”に提供していますが、この曲にはバーダー・マインホフ(独逸赤軍派)の身代金要求メッセージがカットアップして使われています。また、Nylonは、Brian Enoの曲”Back In Judy’s Jungle”のモチーフにもなっており、Enoの1974年のアルバム” Taking Tiger Mountain (By Strategy)”からの抜粋”China My China”でも彼女が歌っているビデオがあります。なお、Enoは、1975年作”Discreet Music”の裏ジャケに、アンビエント・ミュージックの確立に影響を与えた人物の1人としてJudy Nylonを挙げています。一方、Palladinは、The HeartbreakersのJohnny Thundersとも関係を持っており、Thundersの1978年作ソロ・デビュー・アルバム”So Alone”と1985年作アルバム”Que Sera Sera”に参加、そして1988年ではThundersとPalladinはコラボ・アルバム”Copy Cats”をJungle Recordsからリリースしています。また、2人はFred Wise & Ben Weismanの”Craw Fish”のカバー曲を1984年に録音、オリジナルのレーベルPostcard Recordsとの和解後、Alan Horneが立ち上げたSwamplands Recordsからリリースしています。また、Palladinは、1980年辺りで、英国Flying Lizardsのメンバーになっており、1981年のアルバム”Fourth Wall”に参加しています。また、Palladinの曲”The Nuns New Clothes”は、London Recordsが1983年に出したコンピ・アルバム”The Batcave: Young Limbs And Numb Hymns”に収録されています。一方、Nylonの方は、1970年代には、VelvetsにいたJohn Caleとコラボしており、1974年には、Caleのソロアルバム”Fear”の中の曲”The Man Who Couldn't Afford to Orgy"にスポークンワードで参加、ライブや他の録音にも参加しており、Caleの1987年作のライブアルバム”Even Cowgirls Get the Blues”にも参加しているのが確認できます。また、PalladinとNylonは、Johnny Thundersの1978年の初期のライブで、バッキング・ヴォーカルをやっています。 とまあ、Judy NylonとPatti Palladinは、それぞれ重要な場面で登場し、活躍している訳ですが、肝心のデュオSnatchに関しては、今一つよく知られていませんし、録音物も多くはありません。唯一のセルフタイトルのアルバムは、1983年にPandemoniumからリリースされています。また、シングル/EPは長い活動歴にも関わらず3枚だけです。その中で、今回、ご紹介する12㌅EPは、先述のように、John Caleのプロデュースで録音されています。そして、A面は、LAのドゥアップ・グループThe Coastersの曲のカバーで、B2では、Brian Enoとの1978年共曲”R.A.F.”に使用したヴォイス・サンプルを流用しており、その最後はロックト・グルーヴとなっています。それでは、各曲を紹介していきましょう。 ★A “Shopping For Clothes” (5:16)では、原曲の断片をサンプリングしてバックトラックを作り、2人(メインはJudy Nylon?)がスポークンワードっぽく歌うと言う曲で、それにGノイズやフリーキーなSaxを少し加えて、異形の「ジャズもどき」な曲に再構成しています。 ★B1 “Joey” (3:12)は、コンガとエレピらしき音によるエスニックなリズムに2人が歌っている曲になっていますが、何故か「似非エスノ」な臭いがします。 ★B2 “Red Army” (4:49)は、四つ打ちキックとファンクっぽいBに、バーダー・マインホフの録音や2人による朗読が乗り、更にシンセらしき電子音やGノイズが挿入される曲で、個人的には、吉野大作&プロスティテュートの名曲”M.U.R.A.”との差異が興味深いです。 何となく、No WaveとNYCの狂気(これはJohn Caleによるものか?)が混ざった、とんでもない音源だと感じました。素っ気ないジャケも余計に拍車をかけています。勿論、B2の政治的アウト感もそうなんですが、A面のサンプリングを上手く使った「似非ジャズ」への変換/ カバーが素晴らしく、全く原曲を感じさせない極めて冷徹なノリに感動すら覚えました!こりゃあ、LPも買わなきゃだな。 https://youtu.be/FCHrW2R4FGc?si=m6mJVr_B2SXkgs8P #Snatch #ShoppingForClothes #Joey #RedArmy #FetishRecords #1980年 #12inchEP #NewYorkUnderground #Experimental #NoWave #PseudoJazz #PseudoFunk #GirlsDuo #PattiPalladin #JudyNylon #Producer #JohnCale #TheCoasters #CoverSong
Experimental / No Wave Fetish Records €12.00Dr K2
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Flipper “Love”
これは、1980年からのファンとしては、買っちゃいますよねー!米国パンクの中でも、「クズ」と言う意味では「真」のパンク、Flipperのスタジオ・アルバムとしては4枚目”Love”、しかも白盤❗️まあ、当然、CDは持っていたのですが、やっぱりVinylとなると買っちゃいますね。スタジオ・アルバムとしては4枚目ですが、ライブ・アルバムも混ぜると、8枚目になります。 Flipperのバイオグラフィーは、あんまり書いていなかったかもしれませんので、ちょっと書いておきます。結成は、1979年、CAのSan Franciscoです。Flipperは、元SleepersのRicky Williams (Vo)、元Red CommandのTed Falconi (G)、それにNegative TrendのWill Shatter (B)とSteve DePace (Drs)で結成されましたが、Williamsはバンドが何か録音を始める前にドロンしています。それで、Bruce “Loose” Calderwood (Vo)が代わりに加入、LooseとShatterは曲によってパートをチェンジするようになります。因みに、Falconiは元ベトナム帰還兵で、非常にユニークなGを当時から弾いています。それで、Flipperの最初の音源は、SFの新興レーベルSubterranean Recordsの7㌅コンピ・シングル”SF Underground”で、これがリリースされたのは、1979年後半で、次に、1980年には、Flipper単独のシングル”Love Canal”/“Ha Ha Ha”がリリースされます。1981年に、名曲”Sex Bomb”を含むセカンド・シングルが出て、パンクスの間でバンドの悪評が高まっていきます。翌年1982年に、ファースト・アルバム”Album - Generic Flipper”がSubterranean Recordsよりリリース、同時に、シングル"Get Away"/"The Old Lady that Swallowed the Fly"もリリースされます。この頃になると、SFでも定期的にライブをやるようになりますが、他のパンクバンドが、速いハードコア・パンクへ向かうのに対して、Flipperは、遅く沈み込むような曲を演奏しています。しかし、パンクスからは賞賛され、至る所にFlipper Rulesとスプレーで落書きされています。1983年には、Rick Schmidtの自主制作映画”Emerald Cities”にFlipperの曲3曲のライブ映像が使われています。1984年には、名曲”Sacrifice”等を含むセカンド・アルバム”Gone Fishin’”がSubterranean Recordsよりリリースされます。また同年には、カセットレーベルROIRから、CBGBでのライブ音源から成るライブアルバム” Blow'n Chunks”がリリース、これは1990年にはCD再発されています。そうして、1986年には、ボードゲーム付き2枚組ライブアルバム”Public Flipper Limited”がリリースされますが、1987年12月9日に、Will Shatterが薬物過剰摂取で他界してしまい、レーベル側は、バンドのシングルやレア音源を集めたアルバム”Sex Bomb Baby”をその年に出しています。一旦、バンドは休止していますが、1990年に、シングル”Some Day"/"Distant Illusion"を、1991年には、新たなライブ・アルバム”Nürnberg Fish Trials”を出します。この時には、John DoughertyがBで参加しており、1992年には、新メンバーで新レーベルDef Americanよりスタジオアルバム”American Grafishy”をリリースします。しかしながら、この年に、一番最初のVoだったRicky Williamsもヘロインの過剰摂取で他界してしまい、また、新BだったDoughertyも1997年に薬物で他界してしまいます。その後、バンドの新作リリースは止まりますが、2002年に、Bruceは、自らの名前をLoseからLooseに変えて、杖をついて、しかもバンド名はNot Flipperと名乗って、Berkeleyで一夜限りのライブを行います。この時には、以前手伝ってもらったBruno DeSmartassがBで参加しており、その後も、このラインナップで2006年からライブを再始動します。2006年12月に、Bruno DeSmartassの代わりに、元NirvanaのKrist NovoselicがBで加入し、英国、アイルランド、全米のツアーを敢行しています。なお、2000年にリリースされたNirvanaトリビュートアルバム用に録音した "Scentless Apprentice"は、セットリストに加えられています。そうして、2008年にNovoselicを加えて新録が開始され、2009年5月19日に、ツイン・アルバムがリリースされます。1つは、本作品でもあるスタジオ新録アルバム”Love”、もう1つは、新旧の曲を集めたライブアルバム”Fight”です。共に、シアトルのJack Endinoがプロデュースしています。しかしながら、Novoselicが家庭の事情で、2009年9月までに脱退しなければならないとアナウンスし、FrightwigにいたRachel Thoele (彼女はゴッホの娘らしい)がBとして加入します。2008-2009年に、Flipperが今まで出した作品のCDリイシューが盛んに行われましたが、2015年10月に、BにBruno DeSmartass、VoにScratch Acid / Jesus LizardのDavid Yowを迎えて、SFで2日間ライブを行っています(因みに、Bruce Looseは2015年に他界しているようで、杖をついていたのも、事故で脊椎を痛めたのだとか?)。そうして、2019年に、Flipperは結成40周年を迎え、バンドは今後、パーマネントなBは置かず、Steve DePace, Ted Falconi, David Yowの3人でやっていくと宣言します。Bとしては、Rachel ThoeleやMinutemenのMike Watt、Krist Novoselicがその都度ヘルプで入るような感じですが、No ParentsやMike Watt & The Secondmen, Quiらのサポートの下、ThoeleをBに添えて欧州ツアーを考えているとのことです。 以上がFlipperの略歴となりますが、今だに現役なのが凄いです。また、Flipperに影響を受けたバンドには、Nirvana, American Hardcoreの著者Moby, Black FlagのHenry Rollins等がいますし、The MelvinsやR.E.M., Unsaneは、Flipperの曲のカバーもしています。それで、本作品”Love”についてですが、メンバーは、先述の通り、Bruce Loose (Vo), Ted Falconi (G), Krist Novoselic (B, Back-Vo [A2]), Steve DePace (Drs, Back-Vo [A2])の4人で、演奏としては一番安定していたのではないかと思われます。では、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Be Good, Child!” (1:44)は、とにかくドライブするリズム隊と吐き捨てるようなVo、それにアップピッキングでノイズのようなG、全てがカッコ良い! ★A2 “Learn To Live” (3:05)も、やや落ち着いたテンポですが、次々吐き出されるVoはパンクそのもの。しかし、Gはどんなリフを弾いているか不明で、それに対し、Bの音色はゴリゴリしていてグー! ★A3 “Only One Answer” (6:15)は、Flipperらしい曲で、スローで沈み込んでいくようなミニマルなBラインと必死でそれに争うDrs、ギラギラのノイズを振り撒くGと毒づくVo。完璧だ! ★A4 “Live Real” (2:36)も、A1と同様にドライブするリズム隊とノイジーなGのコントラストがカッコ良い。 ★A5 “Triple Mass” (2:41)は、変則的なBラインで始まり、それを突き崩そうとしながらも、ビートをキープするDrs、それらとは関係なさげなGに、ニヤリとするVoが叫びまくります。 ★A6 “Love Fight” (4:52)も、多分、表題曲なんでしょうが、スペシャルなものは無く、ひたすら単調でノイジーな坩堝の中でBruceが叫びまくります。 ★B1 “Transparent Blame” (2:26)は、珍しくGから始まりますが、タイトなリズム隊と伸び切ったゴムのようなGに、唾を飛んでくるようながなり声。相変わらず、単調なんですが、心地よい。 ★B2 “Why Can't You See” (6:33)は、もうFlipperの真骨頂とも言えるスローダウンな曲です。逆に言えば、この曲だけ聴いてもらっても良い位です。ダラダラしているが強迫的なGと一言一言しっかりと叫ぶVoは、何とも説得力があるではないか! ★B3 “Night Falls” (3:33)は、タイトでドライブ感のある曲で、録音自体良いのもありますが、多分、Novoselicの加入による影響ではないかと思われます。新境地かな? ★B4 “Old Graves” (8:55)も、モロFlipperな曲ですが、タイトルとマッチしており、不気味な様相を呈しており、本当に沼地にズブズブ沈み込んでいくように錯覚します。珍しく、Voにはエフェクトが掛けられており、それが返って怪しげでもあります。 ここに書いた紹介は、筋金入りのFlipperファンである私の単なる美辞麗句なのかもしれませんので、余り当てにはしないで下さい。それから、本作品では、Novoselicの加入で、ドライブする曲が多めのようにも思えます(FalconiのGは相変わらずだけど)。でも、A3やB2, B4が好きな方は多分、Flipperを好きになれると思います。確かに、最初の2枚のアルバム位までは、本当にクズな演奏を繰り広げていましたが、ここまでくると、単にクズと言うよりも、もはや貫禄すら感じますね。クズ王、即ち、彼等の音楽こそ濃厚パンクエキスの抽出物です!まぁ、聴いたことのない方は一度、聴いてみて下さい❗️ https://youtu.be/-IAYiVhcuqw?si=UNfUH2c0dpsAekpk #Flipper #Love #MVDAudio #2009年 #Repress #2014年 #4ThStudioAlbum #WestCoastScene #AmericanUnderground #Punk #TruePunk #Legend #BruceLoose #TedFalconi #SteveDePace #KristNovoselic #Nirvana
Punk MVD Audio €12.00Dr K2
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Harmonia “Live 1974”
またまた、来ましたよー!独のHarmoniaの1974年のライブ音源”Live 1974”です。本当は購入するつもりはなかったのですが、送料の関係で、一緒に注文してしまいました。Harmoniaのバイオグラフィーについては、以前にも書いてありますので、そちらをご参照下さい。簡単に言ってしまえば、Cluster+1/2Neu!って感じでしょうか?これじゃあ、ザックリし過ぎですかね。まぁ、メンバーは、Michael Rother (G, E-Perc, Piano, Organ), Hans-Joachim Roedelius (Organ, Piano), Dieter Moebius (Synth, E-Perc)の3人です。今回は、1974年3月23日に、独逸GriessemのPenny Stationでのライブ音源から、A面2曲/B面3曲と言う内容になっています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Schaumburg” (10:45)は、淡々とE-Percのリズムが刻まれる中、Rotherが伸びやかにGを弾きまくり、それに絡むようにエレピやシンセも入ってくる心地よい極楽浄土な曲です。ミックスがまた「変」なところもあって、それぞれの音量が微妙です。 ★A2 “Veteranissimo” (17:25)も、可愛らしいE-Percのフェイドインから始まり、オルガン?シンセ?の音が微かに聴こえてくると同時に、低音リズムが強調されたり、Gやエレピが入ってきたりしますが、基本のリフは一定ですので、心地よいです。しかしミックスが変! ★B1 “Arabesque” (5:20)では、手弾きシーケンスにGが絡んでいきますが、微かにE-Percの音も聴取できます。どちらかと言うとG主体の曲ですね。 ★B2 “Holta-Polta” (15:00)は、一転、強力なE-Percのリズムに、ヴァイオリンのようなヒュルヒュルしたシンセやGが入ってくる曲で、何か催眠的な雰囲気になります。 ★B3 “Ueber Ottenstein” (9:30)は、ちょっとエスノなリズムとGとシンセの混合物のような曲で、どの音も自由に放射されています。この曲でもRotherのGが効いてますね。 このアルバムで面白いと思ったのは、ミックスですね。E-Percなのに、全然「機械的」な感じではなく、それぞれの楽器の音量を上げたり下げたりして、意図的に音同士の距離感を錯覚するように操作され、それにより、曲としては、何か「生き物」のような(有機的)音楽として成立しています。このミックスを実際のライブで行っていたのか?後でミックス・ダウンしたのか?は分かりませんが、面白い効果だと思いました。目から鱗!それと、全体的にはRotherの演奏が目立つようにも思いましたが、そこら辺は好き好きかと。スタジオ盤とはまた違う印象なので、気になる方には、一聴をお勧めします❗️ https://youtu.be/1Tl5fvP7LBM?si=IqBDtvFp2AZPfoXO #Harmonia #Live1974 #GrönlandRecords #Reissue #LiveAlbum #Krautrock #Electronic #Mixing #ElectronicPercussions #Guitar #Piano #Organ #Synthesizers #PennyStation #Germany #MichaelRother #Hans-JoachimRoedelius #DieterMoebius
Krautrock / Electronic Grönland Records €18.00Dr K2
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Croox “A”
やっと手に入れました、Neue Deutsche Welle (NDW)の徒花Croox (クルックス)のファースト・アルバム、この名も”A”です!私はセカンド・アルバム”Geld Her!”は持っていて、既に本ミュージアム内でも紹介していますが、日本でファーストの中古は中々出回っていなかったので、海外通販でやっと購入しました。Crooxのバイオグラフィーは前回書いてありますので、そちらをご参照下さい。それで、今回の参加メンバーは、ClemenzことClemens Golz (Lead-Vo, G), CrashmanことGerd Gaida(G, Vo), Mike Schmidt (B, Kbd, Vo), BineことSabine Niedergassel (Synth, Kbd, Vo), Micky Reinhard (Wind Instruments, Vo), Kay Wolde (Drs, Perc)の6人です。内容も目一杯詰まって、両面(A面はThe Other side, B面はThis Sideと表記されています)9曲ずつです。それでは、各曲について紹介していきましょう。因みに、リリース元のInk Recordsは、DüsseldorfでMike Schmidtが運営していました。 ◼️side A: The Other Side ★A1 “The Croox Opera” (1:10)は、水音で始まり、ピアノの伴奏に素人合唱から成る曲です。 ★A2 “Scotch” (2:58)は、ギクシャクしたフレーズの曲で、生の女性Voと変調男性Voの掛け合いが面白く、途中のシンセソロも興味深く、Saxも吹きまくっています。 ★A3 “Ain't Got Time To Leave” (2:55)は、アップテンポでパンキッシュな曲で、シンプルな仕上がりになっています。メインは女性Vo、コーラスは男性。間奏のSaxソロもイカしています。 ★A4 “Commercial No.1” (0:38)は、ヘンテコなシンセとリズム隊と女性Voから成る小曲です。 ★A5 “A Ska” (2:32)は、曲名通り、スカのリズムで、Saxやトランペットも大活躍の曲です。後になって、男性コーラスでの歌が出てきます。 ★A6 “Oh No!” (2:40)は、オルガンの効いたニューウェーブな曲で、Voは男性。痙攣するGソロがカッコ良いです。 ★A7 “Commercial No.2” (0:51)では、土俗的リズムと不明瞭なバックの演奏に合わせて、呪文のような低音男性Voが聴取されます。 ★A8 “Nifty Cube” (6:11)は、男性Voとコーラスの対比が面白い、割と軽めの曲ですが、間奏のフリーキーなGソロとシンセソロ及びSaxソロ、それぞれが違った味があって、面白いですね。 ★A9 “Commercial No.3” (0:32)は、何かのセッションテイクだろうか?グラインダーも使っているみたいです。 ◼️side B: This Side ★B1 “Commercial No.4” (0:29)は、多重録音したSaxから成る小曲です。 ★B2 “Mon Dieu!” (3:00)は、シンセの使い方がユニークなニューウェーブ曲で、男性Voが飄々と歌い、コーラスもグー!Gソロも重ねている? ★B3 “Backyard Rats” (2:37)も、パンキッシュな曲で、コーラスやVoもパンク調なのですが、バックのシンセが、頭の中を擽ってきます。 ★B4 “A Dub” (0:30)は、早回しDrsとシンセから成る小曲ですが、ダブは良く分かりませんでした。 ★B5 “Lonely” (3:25)では、イントロのシンセ音でイッちゃいますね。その後は、Saxも加えたポストパンク調になります。 ★B6 “City Lights” (2:13)は、ピンクパンサー調の雰囲気の曲で、特にSaxが雰囲気を出しています。バックのエレピも良い塩梅。途中のブレイクとその後の乱れっぷりが最高。 ★B7 “Commercial No.5” (0:51)は、声の逆回転から鉄琴とBと唸り声(?)から成る小曲です。 ★B8 “I See You” (2:10)も、パンキッシュなテンポの速いストレートな曲で、カッコ良いです。間奏のSaxも聴きどころですね。 ★B9 “Stiff Beach” (4:53)は、シーケンスのようなシンセとシンセBを背景に、Saxが泣くイントロですが、その後は、ほぼシンセから成る曲になりますが、再び、イントロのパートに戻り、フェイドアウトしていきます。 アルバム全体から受ける印象は、その言葉通り、正に、「独逸のニューウェーブ」です!それも、プリミティブで、良くも悪くもB級(垢抜けない)のニューウェーブですね。なので、好きな人にはハマると思いますよ。そう言えば、この手の音楽をやっている独バンドって、考えたら、この時期の(NDW)シーンには少なかったですね。だからこそ、貴重なバンドだと思います。その意味で、世界中のニューウェーブ・ファンに聴いて欲しい一枚です❗️ https://youtu.be/0epAdRkJ0vc?si=lrEaDWaEUhGQDNrS #Croox #A #InkRecords #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #Experimental #ClemensClemenzGolz #GerdCrashmanGaida #MikeSchmidt #SabineBineNiedergassel #MickyReinhard #KayWolde
Neue Deutsche Welle (German New Wave) INK Records €4.90Dr K2
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Nash The Slash “American Band-ages”
皆さん、覚えていますか?Nash The Slashを!本名James Jeffrey "Jeff" Plewmanで、ステージでは、包帯グルグル巻きで顔を隠し、更に、タキシードを着て、サングラスとシルクハットと言う出たちで、エレクトリック・ヴァイオリンを弾きまくるカナダ人アーティストです。以前にも紹介していますが、今回、中古で別アルバムを入手しましたので、ご紹介します。彼のバイオグラフィーは、以前にも書いていますので、ご参照下さい。 今回、ご紹介するのは、彼の6枚目のアルバム”American Band-ages”です。それまでは、彼は自身のレーベルCut Throat Recordsからアルバムを出していましたが、今回、米国進出も兼ねて、英国のレーベルHeavy Metal Americaからのリリースとなっており、また、以前に彼が在籍していたプログレ・バンドFMのメンバーのヘルプもあって、本作品は制作されています。今回は、Nash The Slash (Lead-Vo, E-Vln, E-Mandolin, Synth, Back-Vo, Harmonica, Effects)の他に、Michael Waite (B [A1-A3, B1-B3], G [B3], Synth [A1, B1, B3], Back-Vo [A1, A2, A5, B4], Vocoder [A2, A4]), Terry O'Brien (G [A3, A5, B4]), Cameron Hawkins (Synth, Back-Vo [A2, A5, B4]), Claude Desjardins (Linn Drums: Drum Machine), Martin Deller (Simmons Drums: Drum Machine [A2, A3, A5, B2, B4]), The Acht-Tones (Choir [A1], Gang Shouts [A2, B2], Owl Shouts [A4])が参加しています。ジャケ写の通り、かなり米国を意識したものとなっており、ほぼ全曲が米国バンドのカバー曲です。また、それまでの彼はGを使わないことでも有名だったのですが、今回は、Gもゲストで使っています。内容としては、両面共5曲ずつ収録されていますが、内3曲は数十秒のトラックになっています。それでは、各曲をご紹介していきます。 ★A1 “(American Bandstand Theme) Bandstand Boogie” (0:39)は、正しく軽めのブギの断片で、B2のイントロみたいなアレンジです。 ★A2 “American Band” (3:34)は、Grand Funk Railroadのカバー曲ですが、B1からいきなりのサビが始まります。原曲に結構忠実に聴こえます。間奏は、E-Violinでしょうか。とにかくカッコ良い! ★A3 “Born To Be Wild” (4:04)は、Steppen Wolfのカバー曲ですね。シンセのパルス音から始まり、時にシンセも導入されていますが、割と原曲に忠実にカバーしながらも、シンセ・ロックにアレンジされており、ゴージャスです。 ★A4 “Who Do You Love? “ (4:08)は、The Wooliesのカバーでしょうか? 分かり辛いアレンジが施されています。ドラムマシンにシーケンス・ベース、シンセによるバックに、抑制的なVoで、Gらしき音は、Mandolin? シンセ? ★A5 “1984 (West Side Version)” (5:35)は、多分David Bowieのカバーと思われますが、いきなりシンセベースのパルス音から始まり、分厚いシンセやG、それにコーラスワークも冴えて、ゴージャスな仕上がりになっています。 ★B1 “Bandstand Boogie Reprise” (0:26)も軽めのブギの断片です。 ★B2 “Hey Joe” (3:34)は、ちょっと分かりにくいですが、The Jimi Hendrix Experienceのカバー曲ですね。直線的なシーケンスと強力なリズムに、Gのリフと力強いVoが乗る曲で、ソロパートはE-Violinも加わり、豪華になっています。 ★B3 “Psychotic Reaction” (5:29)は、鼓動のような音から始まる、遅急の展開が激しい曲で、原曲はCount Five ですが、結構分かり辛いです。GやE-Violinなんかも弾きまくってます。また、ハードロック的Voは勿論、それ以外に左右のスピーカーから語りが聴こえてきます。最後は性急ないビートで終わります。 ★B4 “1984 (Dance Version)” (6:35)も、David Bowieのカバーで、A5よりこちらの方が原曲に近いかな?四つ打ちキックに、シーケンスなんかで装飾し、サビのゴージャスなコーラスと共に、ディレイの掛かったVoが聴こえてきます。ソロはE-Violinかな? ★B5 “Run Through The Jungle” (0:35)は、B4に連続して、ドラムマシンとシーケンスから成る曲で、微音で曲名を繰り返すVoが入っており、非常に気付きにくいです。 以上が本作品の内容になりますが、王道のアメリカン・ロックを、時に忠実に、時に分かりにくくカバーしている内容になっており、多分、米国進出を掛けたNash The Slashの「ご挨拶」と言う所でしようか?しかしながら、彼のアレンジ力の素晴らしさを体験できる、良い作品になっていると思います。なので、ちょっと集めてみようかな?とも思いました。もし、気になる方は何とか海外通販とか中古で入手してみて下さい❗️ クレジット A1 “(American Bandstand Theme) Bandstand Boogie” (0:39) A2 “American Band” (3:34) A3 “Born To Be Wild” (4:04) A4 “Who Do You Love? “ (4:08) A5 “1984 (West Side Version)” (5:35) B1 “Bandstand Boogie Reprise” (0:26) B2 “Hey Joe” (3:34) B3 “Psychotic Reaction” (5:29) B4 “1984 (Dance Version)” (6:35) B5 “Run Through The Jungle” (0:35) https://youtu.be/9FnyjZzu8OA?si=GX7CAAvrJl-XtZV4 カバーの原曲 A2 Grand Funk Railroad “AmericanBand” https://youtu.be/QxNXFNCTr2I?si=FNGHs8NeFaoxOPqF A3 Steppen Wolf “Born To Be Wild” https://youtu.be/egMWlD3fLJ8?si=ED3UZOHEWokrW_S- A4 The Woolies “Who Do You Love?“ https://youtu.be/SfgmaNPJXZo?si=3DXfkx6XSsKQsvSl A5&B4 David Bowie “1984” https://youtu.be/x2xfpMMQIJ8?si=o3SK1Fv917JEFhBR B2 The Jimi Hendrix Experience “Hey Joe” https://youtu.be/rXwMrBb2x1Q?si=7xqMHm6G0S1Bujn3 B3 Count Five “Psychotic Reaction” https://youtu.be/lrsGz6mQuN4?si=q2qntq4-26clpOas #NashTheSlash #AmericanBand-Ages #HeavyMetalAmerica #UKLabel #6ThAlbum #CoverAlbum #AmericanBands #ElectricViolin #ElectricMandolin #Keyboards #Synthesizers #Glockenspiel #BandagedStyle #Canada #NewWave #HardRock #Electro #Multi-Instrumentalist #MichaelWaite #TerryOBrien #CameronHawkins #ClaudeDesjardins #MartinDeller #TheAcht-Tones #GrandFunkRailroad #SteppenWolf #TheWoolies #DavidBowie #TheJimiHendrixExperience #CountFive
Pop / New Wave / Cover曲集 Heavy Metal America £6.54Dr K2
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Karl Bartos “Off The Record”
今回は、1975年〜1990年の期間、あのKraftwerkのメンバーであったKarl Bartosのソロ名義でのセカンド・アルバム”Off The Record”を紹介しましょう(彼は、最初、Electric Musicと言う名義でも活動しており、最初にセルフタイトルをアルバムも出していますので、それを加えると、サード・アルバムとも言えます)。先ず、簡単に、彼のバイオグラフィーを書いておきます。本名Karlheinz Bartosで、1952年5月に独のMarktschellenbergで生まれています。大学生の時(1965年〜1975年)には、The Jokersのドラマーとして活動していますが、その時には、Carlos Bartosと名乗っていました。この後、1975年〜1990年まで、電子音楽グループKraftwerkのメンバーとして、Wolfgang Flürと共に活動していますが、この時期のKraftwerkは最も安定しており、創作活動も充実しています。Bartosは、元々、AutobahnのUSツアー要員として誘われたのですが、Karlhainzと言う本名は、ネオン管で作るには長過ぎるし、費用も掛かるとRalf Hütterに指摘されたので、ステージ名としてKarl Bartosとなりました。Kraftwerkでは、パーカッションを担当していましたが、アルバム”Man-Machine”, “Computer World”, “Electric Café”では作曲にも関わっており、特に後者では1曲、リードVoも担当しています。しかしながら、Bartosは、バンドの創設者Ralf HütterとFlorian Schneiderが、完璧主義に益々拍車が掛かり、バンドとしての活動が極端に遅くなり、それに対して不満が噴出したことから、1990年8月にバンドを脱退しています。それで、Bartosは、Elektric Musicを立ち上げ、1993年にKraftwerk風アルバム”Esperanto”を、1998年にはよりギターポップ的なアルバム”Electric Music”をリリースします。この2枚の間にも、1996年には、Bernard SumnerとJohnny Marrとのコラボを行い、Electronic名義で、アルバム”Raise the Pressure”を、またOMDのAndy McCluskeyと共作して、”Esperanto”とOMDのアルバム”Universal”にそれぞれ名を連ねています。また、スウェーデンのバンドMobile Homesのアルバムもプロデュースしたりして、余りにギターポップだったこともあり、一時期、シンセポップ・ファンを落胆させましたが、このアルバムは商業的には成功しています。その後、彼は、2003年に、Karl Bartos名義で、シンセポップ・アルバム”Communication”をリリースします。2007年には、グラフィック・アーティストJean Giraudに関するドキュメンタリー”Moebius Redux – A Life in Pictures”の音楽を担当しています。そうして、彼は、2008年初頭に、オーディオ・ヴィジュアル展Crosstalkの第1版をオーブンすることを自身のHPで宣言し、21本の映像、リミックス、カバーから成るプログラムを開催し、スウェーデン、ベルギー、蘭、独、英や日本からの素材をマッシュアップしています。2011年3月には、iPhoneのアプリとして、Mini-Composerを出しています。2013年3月5日に、本作品でもあるセカンド・アルバム”Off The Record”をリリースします。その前に、シングルカットされた”Atomium"を2月1日に1000枚限定で世界同時にリリースしています。2020年9月には、彼の公式ニュースレターが、新たなプロジェクトを進行していると公表しましたが、パンデミックの為、それは公開されませんでした。2021年5月12日に、Kraftwerkはロックの殿堂入りを果たし、Schneider, Hütter, Flürと共に、Bartosも賞されています。 ここら辺が、Karl Bartosの経歴ですが、本作品”Off The Record”は、元々、CD作品としてリリースされており、その一部は本作品のようにLPフォーマットでもリリースされています。本作品は両面共6曲ずつ収録されています。それでは、各曲をご紹介していきましょう。 ★A1 “Atomium” (3:16)は、7拍子と言う変拍子ですが、全然違和感の無い打ち込みシンセポップに仕上がっています。奇跡! ★A2 “Nachtfahrt” (3:30)は、バックはもろKraftwerk調なのですが、ほぼ生のVoが入ることで、より親しみ易いシンセポップになっています。メロとサブメロの掛け合いも良い塩梅です。 ★A3 “International Velvet” (4:37)は、変調Vo(ここでの「変調Vo」はヴォコーダーを通したVoです)も入った寛ぎのシンセポップで、メロディもテンポも優しい。Kraftwerkよりもずっと人間味に溢れています。 ★A4 “Without A Trace Of Emotion” (3:28)は、ノリの良い陽キャな曲で、この曲では生声で歌っており、ロックすら感じます。途中で7拍子のフレーズや変調Voも入ってくるのも良いアクセント! ★A5 “The Binary Code” (1:41)は、パルス状の電子音の波から成るインスト曲で、頭の中に沁みます! ★A6 “Musica Ex Machina” (5:15)も、ダンスチューンのようなリズムに合わせて、変調Voで歌っており、バックのシンセ音も絶妙なミックスと音色で良きかな。最後の転調もグー! ★B1 “The Tuning Of The World” (3:33)は、優しいメロディと変調Voによるシンセポップで、人間味溢れた曲調がKraftwerkとは違い、言わばシンセ弾き語り! ★B2 “Instant Bayreuth” (3:36)は、スローで簡素なリズムに、通奏低音と単音のシンセによるメロディが心に沁みるインスト曲です。 ★B3 “Vox Humana” (2:56)は、人間臭いリズムと人声サンプリング、それにピロピロしたSE的シンセが絡む、何かが言いたいような曲で、途中途中でテンポが変わります。 ★B4 “Rhythmus” (4:16)は、その表題通り、強靭な打ち込みリズムを強調した曲で、変調ロボットVoと生Voとを使い分けており、そこら辺に秀逸さを感じます。 ★B5 “Silence” (0:06)は、ポリシンセの2フレーズだけのSE的小曲です。電子音楽のNapalm Death? ★B6 “Hausmusik” (3:29)は、陽キャなメロディのシンセポップで、軽く変調したVoと軽やかなシンセのメロディもツボを押さえていますね。 と言う訳で、Karl Bartosの”Off The Record”を聴いてみましたが、Kraftwerkに似た部分もあるのですが、多分見ている方向が真逆で、打ち込みによるシンセポップながら、非常に人間臭いものを感じました。そこら辺も意識しているのかも知れませんが、大きな違いだと思います。根本にはバピネス指向ではありますが、所々に批判精神も感じられ、そう言う意味では、一聴の価値ありと思いますので、本作品を是非聴いて欲しいですね❗️ A6 “Musica Ex Machina” (MV) https://youtu.be/msAFXe4PEVU?si=e7dF7yd5FmouGqzv [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_klyXA2OKwTf5C0xO5fdbpzYSRfIQzrcdc&si=me56ZwJowKJ1PmiY #KarlBartos #OffTheRecord #BureauB #ElectroPop #Synthesizers #Kraftwerk #SoloAlbum #2ndAlbum #変拍子 #Humanity #German #ElectricMusic
Electro Pop Bureau B £14.81Dr K2
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Humpe Humpe “ Humpe・Humpe”
Humpe Humpe (フンペ・フンペ)。これは、以前に紹介したNeue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)の真っ只中にいたバンドNeonbabiesで、VoとKbdを担当していた実の姉妹Annette Humpe (Anita Spinettiと名乗っていた)とその妹Inga Humpe (Inga DiLemmaと名乗っていた)が、その後1980年〜1983年に在籍していたバンドIdealを経て、更にその後1983年〜1985年に在籍していたバンドDeutsch-Österreichisches Feingefühl (因みにこのバンド名はDAFを文字ったもので、2枚のアルバムを出しています)を経て、姉妹だけで1985年に結成したデュオのことです(因みに、IdealのメンバーはTrioとも仲が良く、特にAnnetteは彼等の曲にコーラスでゲスト参加もしたりもしています)。彼女らは、1987年にデュオを解消するまでに2枚のスタジオ・アルバムを制作し、中でもシングルカットされた”Careless Love”は独シングルチャート24位まで上りました。独国内では、Inga & Anete HumpeとかHumpe Humpeとして知られていましたが、英国では、英語でHumpeが隠語を意味することからSwimming with Sharks (彼女らのセカンド・アルバムの表題でもあります)として知られていたそうです。1987年頃には、彼女達は、独国外、特に英国を意識していたこともあり、セカンド・アルバムからシングル"Careless Love"と"No Longer Friends"は、BBC Radio 1で盛んに放送されていましたし、英国の音楽誌も強くプッシュしていましたが、英国チャートには反映されませんでした。デュオを解消してからの2人の動向ですが、姉のAnnetteは、1990年に初のソロアルバム”Solo”をリリースしたものの、1997年〜2002年の間、表舞台から退く形で、作曲やプロダクションなどに携わっていました。その後、2004年に、Adel TawilとIch + Ichと言うデュオを結成し、独では結構成功しています。一方、Ingaの方は、TrioのStephan RemmlerやMark Almond等の他のアーティストのバック・ヴォーカル等を行いながら、1990年には自身のソロアルバム”Planet Oz”をリリース、またBamby名義で、アルバム”Walls of Sugar”もリリース、その後、1994年には、Kylie Minogueの為に”Automatic Love”を作曲したり、また、Andreas DorauがプロデュースしたHumpeのアルバムを聴いたことで、1993年から付き合い出したTommi Eckartとは、2000年にBerlinで2raumwohnung成るエレクトロ・ポップ・デュオを結成し、現在も現役で活動しています。 と言うのが、Humpe姉妹の流れですが、本作品について紹介しましょう。彼女らは、それまでのバンドでも曲は書けましたので、多少の他者との共作はありますが、全曲彼女らの作曲となっています。また、A3, A4, B2, B4, B5は、Conny Plankが、A1, A2, A5, B1, B3 はRoma Baranがプロデュースしています。内容は両面とも5曲ずつ収録されていますが、それぞれの曲で、バック・ミュージシャンを従えて、両姉妹(特にIngaの方)がVoを取る形となっていますが、歌詞が2曲以外全部英語なのはちょっと残念ですね。それでは、各曲について紹介していきます。 ★A1 “3 Of Us” (3:39)は、強力なドラムマシンと生Drsに、ゴージャスなシンセとIngaの舌足らずなVoが乗る曲で、メジャーでも通用しそうな程、キャッチーです。 Inga Humpe (Lead-Vo, Kbd, Vo), Annette Humpe (Vo), Simon Jeffes (Megaphone-Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), David Van Tieghem (Drs), David Collard (Kbd), Ingo Bischoff (Kbd), Jeff Bova (Kbd) Klaus Buhlert (Kbd). ★A2 “Happiness Is Hard To Take” (3:56)は、独特な音色のキックのリズム隊に、Annetteの渋めなVoとサビでの姉妹のコーラスワークが映える曲で、極上のポップスに仕上がっています。MuteのDaniel MillerやDepeche ModeのMartin Goreも参加。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd, Vo), Inga Humpe (Vo), Alistair McMordie (B), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Gerd Paseman (G) Peter Viehweger (G, Whistle), Martin Gore (Kbd), Roma Baran (Kbd), Daniel Miller (Synth). ★A3 “Memories” (5:02)も、ゴージャスでキャッチーなシンセ・ポップスで、ちょっとだけ変調したIngaのVoと姉妹のコーラスは素晴らしいです。Drsを中心としたスケール感も大きく、これなら非独語圏でもヒットするのでは?と思ってしまいます。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (Mandolin). ★A4 “Can't Leave The Pool” (3:43)は、姉妹揃ってのユニゾンVoが優しく響く、やや落ち着いた曲で、また、サビでの息の合った掛け合いは素晴らしいです。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd), Inga Humpe (Lead-Vo), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). ★A5 “Don't Know Where I Belong” (3:36)も、姉妹揃ってのVo(ひょっとするとIngaが声を重ねている?)で語るように歌う、落ち着いた曲で、最後に入ってくるドラムマシンも良い塩梅です。この曲にもMartin Goreが参加していますが、音は分からなかったです。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Simon Jeffes (G), Martin Gore (Toy Kbd). ★B1 “Yama-Ha” (2:45)は、タイトルから分かる通り、あの「ヤマハ」ですが、日本企業の名前を連呼するVoと若干の和風な/琴のようなKbdの音色にちょっとズッコケます。しかし曲自体はキャッチーですね。 Annette Humpe (Lead-Vo, Kbd), Inga Humpe (Lead-Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Simon Jeffes (G), Peter Vieweger (Hoo Ha). ★B2 “Geschrien Im Schlaf” (3:30)は、NDWっぽい曲調ですが、Ingaの可愛らしいVoは世界に訴えられるのでは?またAnnetteのKbdも凄くて、引き込まれます。この曲は独逸語の歌詞です。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). ★B3 “Yo No Bailo” (2:56)でも、舌足らずなIngaのVoがキッチュで、ホーンやPercとの合わせもトロピカルで、極上のポップスです。この曲の歌詞は英語でも独逸語でもないですね。伊太利語? Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo), Carol Coleman (B), Jimmy Bralower (Drum Machine), Peter Vieweger (G, Piano), Phenix Horns (Horns), Sue Hadjopoulos (Perc). ★B4 “Belle Jar” (3:43)では、御大Conny Plank自ら組んだシーケンスに対して、堂々と歌うHumpe姉妹のVoも力強いです。サビなんかは、Eurythmicsにも匹敵する位です。 Annette Humpe (Lead-Vo), Inga Humpe (Lead-Vo), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G), Conny Plank (Sequence). ★B5 “You Didn't Want Me When You Had Me” (4:18)は、再び落ち着いた雰囲気の曲調で、やや気怠く歌うIngaのVoとHumpe姉妹でのコーラスなんかは本当にメジャー級です。AnnetteのKbdもツボを押さえています。珍しく、Gが弾きまくってますね。 Inga Humpe (Lead-Vo, Vo), Annette Humpe (Vo, Kbd), Hans Bäär (B), Rüdiger Braune (Drs), Rüdiger Elze (G). と言う訳で、それまでNeonbabies〜Ideal〜DÖFとNDWの中で活動してきたHumpe姉妹が、実はメジャー級の作曲能力や歌唱力を持っていたと改めて納得しました。まあ、これには賛否両論あるとは思いますが、ポップ・ミュージックとしては本当に良く出来たアルバムだと思いますよ。個人的には、独語の歌がもっと聴きたかったですね。皆さんも機会があれば、是非聴いてみて下さい❗️(それにしてもB1 “Yama-Ha”の破壊力は凄かったw) B1 “Yama-Ha” https://youtu.be/JAuftdVhiGg?si=PpbDxb4QGdprHOF6 [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_mtBKKO7xuQlP6BKb7lbdakT69meIlLi9A&si=KmFW_FJPhbStbpfv #HumpeHumpe #Humpe・Humpe #WEA #FirstAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #SynthPop #Electro #Vocals #Synthesizers #Neonbabies #Ideal #DeutschÖsterreichischesFeingefühl #AnnetteHumpe #IngaHumpe
Electro Pop / Synth Rock WEA 不明Dr K2