Sympathy Nervous “Sympathy Nervous”

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ここ最近、盛り上がった、日本の自主制作レーベルVanity Recordsの中にあって、一貫してテクノ(ポップ)な音を追求していたSympathy Nervousのリイシュー盤が本作です。テクノ(ポップ)と言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、広義の「テクノ」と考えて下さい。Sympathy Nerviousは初期の東京時代に2枚の自主制作7㌅(自身のレーベルOut Put Recordsより)を出していた新沼好文氏のテクノユニットのことです。その後、故郷の岩手に戻り、国産テルミン工房を営みながら、自身の自宅スタジオで音楽作製を続けていました。本作は、Vanity Recordsから1980年にリリースされたSympathy Nervousのファーストアルバムのリイシューであり、アメリカの自主制作レーベルMinimal Waveによるものです。新沼氏曰く、幼少期はクラシック音楽と電気工作の好きな少年でしたが、ジャーマン・ロックに出会ってから、これだ❗️と思い立って、音楽活動を始めたとのことです。なので、テクノ(ポップ)と言うにはちょっと実験性がある音作りをしています。当時、このような音楽を扱うレーベルは殆どなかったのですが、唯一、大阪で阿木譲氏が運営していたVanity Recordsが興味を示し、本作LPと ”Polaroid”7㌅ (この作品は東京時代に作製されたものです)シングルをリリースしてもらっています。新沼氏は、KORGのシンセサイザーと、自身が組み立てたU.C.G.(Universal Character Generator)コンピューターシステムで、独自のテクノを追求していきます。そのきっかけとなったのが本作になります。前述しましたように、ミニマルな宅録テクノでありますが、アンダーグラウンド特有の陰りやヴォイスの逆回転、千崎達也氏のギターノイズなども垣間見られ、適度な実験精神を感じます。新沼氏は故郷岩手で作製を続けてましたが、東日本大震災で被災し、家財道具は勿論、機材や音源も全て失います。その後、東京に避難しますが、そこで2014年に他界しました。。独自の実験テクノ路線を追求していただけに、惜しい才能が震災によって無に帰してしまったのは、大きな文化的消失と言えましょう。この機会に彼の「テクノ」に触れてみて下さい。また、後期の作品はかなりクラブ寄りの王道テクノになっています。なお、内容はVanity盤とMinimal Wave盤で変わりはないですが、ジャケは異なっています。

A1 “A Worm”
A2 “Go On And Off”
A3 “Temprament”
A4 “Deaf Picture”
B1 “Automatic Type”
B2 “Quick Starttype”
B3 “Inverted Type”
B4 “Sympathetic Nerves”

B4 “Sympathetic Nerves”
https://youtu.be/ccViN_dcIcg?si=3LHzzZpMV3oGbkLW

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_li9HEUmsehPqUCw_iDHlzJ6zpVMo3mdKQ

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    4AD

    2024/03/19 - 編集済み

    Vanityの中でも Sympathy Nervous は聴きやすかったです。 

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      Dr K2

      2024/03/19

      そうですね。一番、ポップだったのではないでしょうか!

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