- Kinky Musik Museum
- 2F Underground music: Germany
- Populäre Mechanik “Muster / Scharfer Schnitt (No1)“
Populäre Mechanik “Muster / Scharfer Schnitt (No1)“
Populäre Mechanik (ポプレーレ・メヒァニーク)とは何ぞや? と言う疑問が湧いてきましたので、少し調べてみました。と言うのも、ジャケのデザインが、Holger Hiller監修のアルバムと良く似ており、偶々なのか?それとも何らかの関係があるのか?が気になったから、この際、調べてみようと思ったからです。
それで調べてみると、Kluster を皮切りに近年はソロでも素晴らしい作品を残し続けている Wolfgang Seidel (ヴォルフガング・ザイデル)が、NDWの時期てある1980 年代初頭にやっていたJazz/Funk〜Dubを過激に導入したGerman Post-Punkプロジェクトが、このPopuläre Mechanikであるとのことです。1981年に、自費出版にて本作品でもあるデビュー・シングル”Muster / Scharfer Schnitt (No1)“をリリースしており、このシングル自体は、現在では入手困難とさえ言われています。その後、このシングルの2曲は、Palais SchaumburgのHolger Hillerが厳選セレクトした楽曲を収録した編集盤”Kollektion 03 Compiled By Holger Hiller”(こちらは入手可能)にも収録されており、計算し尽くされた屈折ぶりやミニマル感が際立った奇異なリズム、更には脱力Jazz/Funk〜Dub導入のアプローチ辺りは勿論、音響的にも最高のプロダクションとなっており、Palais Schaumburg に代表される最高峰 NDW 勢と比べても勝るにも劣らない輝きを放つ物凄い音源にして1980年代初頭のGerman New Wave深淵中の深淵作とも評されています。元々、Seidelは、Ton Steine Scherbenと言うバンドをやっていましたが、ポスト・パンク/ジャズをやる為に、このPopuläre Mechanikとして活動を始めたようです。長い間、彼はバンド活動を休止していますが、それはバンド活動にもはや熱狂出来なくなったからだそうです。彼は、Joseph Beuysの学生だったConrad Schnitzlerらが運営していたパフォーマンス・クラブZodiak Free Arts Labで、シンセの演奏やその後のドラムの演奏をやっており、1970年代後半には、同学年の人々と知り合い、1960年代のロックの熱狂を分かち合い、当時出てきたパンクはとても魅惑的に見えてはいたが、ただ一点、パンクはロックンロールをベースしているのは気に食わなかったとのことです。そんな中で、DevoやXTCは大変気に入っており、逆に、ジャズ・ミュージシャンにも、ジャズの単なる娯楽振りから離れようとする人がいたので、これらを融合させることを彼は思い付き、Populäre Mechanikを始めだと言う経緯らしいです。それで、カセット・レーベルを立ち上げ、とにかく、自分達の音楽を素早く、安くリリースする意図がありました。その為、4トラックのカセットMTRで、いつでもジャムった音を録音しており、その中からセレクトして、カセット作品として出しています(Discogs上ではそんなに出してはいないみたいです)。そんな中から、先述のように、Holger Hillerがカセット音源をセレクトして、”Kollektion”シリーズを出しているとのことです。SeidelとHillerは、45年経っても、ロックとポップのことで話し合い続けています。
と言うのが、Populäre Mechanikの略歴なのですが、これには、私はちょっと驚きましたね。まさか、SequenzaことWorfgang Seidelが、ジャズ/ファンクとパンクと新しいテクノロジーとしてのシンセを融合させ、かつパンクのDIYのように自身のレーベルからカセット作品をバンバン出していたなんて、想像もしていなかったですよ。その意味では、本シングルは、非常に貴重な位置付けだったのですね。では、各面の曲について、ご紹介していきますね。
★A: “Scharfer Schnitt (No1)”は、レゲエ調のDrsやPercに反復するBライン、更にシンセらしき電子音やG或いはオルガンが絡み合い、更にそれらの音にダブ処理が為されていると言うインスト曲で、今聴いても、全然古さを感じさせないですね。
★B: “Muster”は、リズムマシンに強烈なキックと自在にうねるBと鋭いカッティングのG、ホワイトノイズを含む電子音や黒っぽいVoが絡む曲で、いきなり終わってしまいます。こちらは、それ程、ダブ処理は行われていません。それにしても充分にダンサブルです。
いゃ〜参りました。あのSequenzaがここまで、ファンクでダブな音楽を録音しまくっていたのかと思うと、New Age Steppers以上の破壊力を含有していると言えるでしょう。これを目隠しで聴いて、独逸人がやっていると思えるリスナーさんは殆どいないんじゃないかなぁ。その位、ある意味正統派なサウンドで、完成度も高いです。こりゃあ、Holger Hillerセレクトの”Kollektion”シリーズも聴かなきゃならんか?!
A: “Scharfer Schnitt (No1)”
https://youtu.be/kPi-e4j6fQs?si=09lblpfJ49GjcmRt
B: “Muster”
https://youtu.be/VZfJJivlbD8?si=VHTY0I-o4UI-eqRp
#PopuläreMechanik #Muster #ScharferSchnitt(No1) #self-release #1981年 #7-InchSingle #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Jazz/Funk #Dub #Post-Jazz/Funk #Kluster #WolfgangSeidel #TonSteineScherben #Kollektion03CompiledByHolgerHiller #CassetteLabel #Punk #Jazz #Devo #XTC #HolgerHiller
4AD
2024/07/06 - 編集済みこれもなぜか持ってますが あまりドイツっぽくない音ですよね
3人がいいね!と言っています。
Dr K2
2024/07/07NDW特有の骨折ファンクではなくて、ファンクそのものですね。ノリは良いです。
1人がいいね!と言っています。
Dr K2
2024/07/07A面はダブですね。
1人がいいね!と言っています。