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Die Tödliche Doris “Ohne Titel”
独の最大の「不思議」である致死量ドリスことDie Tödliche Dorisを紹介します。前回も書きましたが、正直言って、私は割とこう言う感じの音楽は避けてきました。あのWaveが出した2枚組は持っていますが、当時は、何故かピーンとはきませんでした。Die Tödliche Dorisのバイオグラフィーについては、前回もちょっと書きましたが、少しだけ復習を。グループは、1980年の西ベルリンの壁に設置されたTempodromで開催されていた、新しい表現を組合せたり、試みたりするイベントGeniale Dilletanten 運動 (ゲニアーレ・ディレタンテン[天才的好事家]; 本来の綴りはGeniale Dilettantenですが、意図的にスペルミスを入れて、そのままイベント名にしています)に参加していたWolfgang Müller(ヴォルフガング・ミューラー)とNikolaus Utermöhle (ニコラウス・ウーターメーレ)が中心となって、後に、Käthe Kruse (ケーテ・クルーゼ)、Dagmar Dimitroff (ダグマー・ディミトロフ)やTabea Blumenschein (タベヤ・ブルーメンシァイン)も加わり、Die Tödliche Dorisが結成されています。この時期には、コアメンバーの男性2人にDagmar Dimitroffの3人で活動していたようです。そのイベントには、他に、Einstrützende Neubauten, Frieder Butzmann (フリーダー・プッツマン)や Sprung Aus Den Worken (スプルンク・アウス・デン・ヴォルケン)なんかも参加しています。また、このイベントについてはドキュメント作品がありますので、そこで詳細を紹介することにします。 今回、取り上げたのは、Die Tödliche Dorisの1981年作の12㌅EP”Ohne Titel (オーネ・ティテール)”で、Die Tödliche Dorisにとっては初のヴァイナルです。これは、どう見ても”7 Tödliche Unfälle Im Haushalt(実際、A-1に収められている)”がタイトルになりそうなんですが、グループ側は、この作品のタイトルは”Ohne Titel (無題)”であると主張していますので、それに従うことにします。また、ジャケが素っ気ない感じなんですが、そこがまた彼等らしくもあり、好感が持てますね。内容的には、A面4曲/B面2曲が収録されています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “7 Tödliche Unfälle Im Haushalt” (3:45)は、不安な響きのDrsとクラリネットに、男性Voが語り口調で乗る曲で、バックには怪し気なドローン音も聴取できます。多分、「家庭内における7つの死亡事故」について語っているものと思われます。 ★A2 “Tanz Im” (3:38)では、リズムマシンのビートに、男性の叫び声と何らかの空気音も聴こえ、途中からアコーディオンや囁き声も入ってきたりします。こう言う曲には「パンク」を感じますね。 ★A3 “Avon-Gard” (1:10)は、リズムマシンとDrsと木琴とアコーディオンに、男女語りVoが絡み合う、何とも忙しない小曲ですが、Voはダルダルになります。 ★A4 “Stop Der Information” (1:53)は、バシバシしたDrsにフリーキーなGと切羽詰まった男性Voから成る曲で、途中、短波ラジオノイズも聴取され、その成分は増えていきます。 ★B1 “Der Krieg Der Basen” (4:58)では、歪んだGカッティングと何かのノイズに、切羽詰まったように男性煽るVoが乗るのですが、時に別の女性?Voも挿入されてきて、それが更に不安を煽ります。そして最後には物音系な音も。 ★B2 “Der Astronaut Und Der Kosmos” (4:13)では、6/8拍子のリズムマシンと生Drsの単調なリズムに、リズムを刻むオルガン?と深いリバーブを掛けた語り口Voとコーラスが挿入されます。途中で音が変わって、クラリネットのフリーな演奏が不穏に鳴り渡り、再び男女のコーラスも復活します。 やはり、Die Tödliche Dorisは、LP位の長さでガッツリ聴いた方が良いですね。それにしても、彼等のぶっ飛び方は凄いです。それは、まるで「アート・パンク」のようです。何者にも縛られない発想と実践を、この最初の時点で既にやっていることに驚かされますね。12インチ45回転なので、音質も良好で、そこら辺も拘ったのか知りたいところです。それにしても、Die Tödliche Dorisの初期の魅力の詰まった、このミニ・アルバムは基本の基なので、是非とも聴いて欲しいです!「表現とは何か?」の発想の芽が感じられると思いますよ。 https://youtu.be/Prl3MzmqPS8?si=7GNPmuE6DyStYxiv #DieTödlicheDoris #OhneTitel #ZickZackPlatten #12inchEP #LimitedEditions #2000部 #FirstVinyl #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Avant-Grade #Experimental #FreeMusic #7TödlicheUnfälleImHaushalt #WolfgangMüller #NikolausUtermöhlen #KätheKruse #ChrisDreier #DagmarDimitroff #TabeaBlumenschein
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Avantgarde Zick Zack 8949円Dr K2
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Extrabreit. “Welch Ein Land ! - Was Für Männer:”
Extrabreit. (エクストラブライト)って? まぁそうですよね、これでピーンとくるリスナーさんは相当のジャーマン・ロック・マニアだと思います。しかしながら、独では結構、人気があって、最近まではリリースもしています。なので、先ず、Extrabreit.のバイオグラフィーを書いておきます。Extrabreit.は、1978年、独Hagenにて結成されていますが、元々、独パンク・バンドとして始まったこともあり、それ程、Neue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)とは関係が濃くなかったようです。音楽的にも、所謂、英国パンクロック・サウンドに影響をうけており、しばしば歌詞も政治や社会問題に関するものが多く、メンバーも自分達のことをパンクスと考えていました。まぁ、時期的に、NDWと被っていましたので、時々目にする機会があったと言うことらしいです。彼等のバンドのHPには "Ja wir haben den Scheiß eben mitgemacht!" (Yeah, we went along with that shit)と書いてあります。ただ、彼等の人気のピークは、1981年〜1983年で、その時期には、ソールドアウトで観に来れなかった観客の為だけに演奏をしたり、ゴールドディスクやプラチナディスクを取る勢いもあり、ティーン向け雑誌”Bravo”の表紙にもなっています。1983年にメンバー2人(Public UliとHunter)が脱退後、2枚のアルバム”Europa”と”LP der Woche”をリリースしますが、イマイチで、スランプは1987年まで続きます。その年に、彼等は、The Cureに影響を受けたアルバム”Sex After 3 Years In A Submarine”で再び浮上します。1990年代には、歌詞は、より社会問題を取り上げ、より辛辣な皮肉を込めたものになっていきます。しかしながら、商業的成功は、以前ほどではなく、彼等は、1998年9月19日に、HohenlimburgのHagenバレエ・ホールで、ファイナル・コンサートを行ないます。しかしながら、その後、2002年にはBochemで演奏しており、国内ツアーも敢行しています。2010年には、Hagen交響楽団とコラボ・ライブも行なっています。また、過去に、バンドは、独の女優兼歌手のHildegard KnefやHarald Juhnke及びMarianne Rosenbergと一緒に録音もしています(独国民的な女優や歌手らしいです)。そうして、バンドは、2005年8月27日に、1000回目のコンサートを地元HagenのHengstey湖畔で、数千人のファンと共に行なっています。これで漸く、彼等はプラチナディスクを受けることになります。現在のメンバーは、Kai "Havaii" Schlasse (Vo; カイ”ハウァイ”シュラーセ), Stefan "Kleinkrieg" Klein (G; シュテファン”クラインクリーグ”クライン), Bubi Hönig (G; ブービ・ヘーニッヒ), Lars Larson (B; ラーズ・ラーソン), Rolf Möller (Drs; ロルフ・メラー)となっています。 以上がExtrabreit.の略歴で、本作品は、彼等のセカンド・アルバムになります。タイトルの意味は、「なんて国だ!何てヤツだ!」です。この時のメンバーは、Kai Hawaii (Vo; 本名Kai Oliver Schlasse), Stefan Weltkrieg (G, Vo; 本名Stefan Klein), Public Uli (G; 本名Ulrich Ruhwedel), Hunter (B; 本名Wolfgang Jäger), Rolf Möller (Drs)で、ゲストとして、Thomas Hermann (Noise), Nürnberger Streicher (独Nürnberg市立交響楽団), Gabi Lappen & Die Buscheypfeifen (Gabi Lappenのソロユニットことで、Vo, Synth, Sax, Piano, Flute)も参加しています。曲は、もっぱらHunterが書いていたようです。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “3-D” (2:14)は、タイトなビートに乗ったパンキッシュな曲ですが、途中でトイピアノも出てきて、音的にはUKパンクですかね? ★A2 “Hol Uns Hier Raus, Mama!” (3:43)は、ファットなBとカントリーの洗濯板の効いたイントロから、Gも入ってきて、シンガロングも入ってくる曲で、執拗に反復します。 ★A3 “Wir Leben Im Westen.” (3:03)は、ドコドコしたリズム隊とシャープなGと共に、Voパートとシンガロング・パートとが入ってくる曲です。間奏のGソロも最小限で、シンセもちょっとだけ。 ★A4 “Polizisten.” (5:22)は、スローな曲で、不穏なBラインにVoが語るように歌っています。2本のGのリフはポストパンク的で、サビでVoと共に爆発します。 ★A5 “Glück & Geld” (3:57)は、ノリの良いパワーポップ調の曲で、小気味良い疾走感を味わえます。間奏にはシンセ音がちょと入ります。最後のパートもグー! ★B1 “Der Präsident Ist Tot.” (6:24)は、いきなりシンセの電子音で始まる重くスローな曲です。サスティンの効いたGで、Voも切々と歌っています。表題が表題ですからね。葬行曲?最後のSEも洒落が効いてます。 ★B2 “Tanz Mit Mir.” (4:17)は、鬼気迫るGのリフと跳ねるような腰のあるリズム隊に、高らかに歌うVoから成る曲です。間奏の2本のGの絡みは面白いです。 ★B3 “Der Führer Schenkt Den Klonen Eine Stadt ...” (3:03)は、エコーの効いた語りで始まる、キレの良いパンキッシュな曲です。危険域にいるような雰囲気がプンプンしますね。サビ後のコーラスが良い味です。 ★B4 “Salomé” (2:34)は、DrsとVoだけのイントロから次第にBやGも入ってきますが、どうも曲自体が、彼等の曲ではないのか、ややコミカルな一面を垣間見た気がします。 ★B5 “Allegro Für Annemarie” (2:02)は、Von 等の室内弦楽器に合わせて、女性合唱が歌い上げる曲で、何のギミックもなく、その通りに録音されています。 いゃ〜面白かったです。確かに音なんかはUKパンクの影響も受けているとは思いますが、独逸語の語感やユーモア、アイデアなんかが満載で、単に独パンクとして片付けるのは忍びないです。また、HermannかLappenかは不明ですが、シンセとかも適切に使っており、B5のような室内楽団の曲も含めている度量の広さに感服しました。最早、ポストパンクに入れても良いのではないかとも思える程の引き出しの多さがあるバンドですので、ちょっと注目してみようかな?とも思いました。パンクとかポストパンクに興味のあるリスナーさんにはお勧めします! [live track “Polizisten. (A4)” on Dortmund 1982] https://youtu.be/ksTf1lfDRWo?si=VgDz9AUKT1ola38I [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ltLsPOXiPPa1Gck-0mASaehf_KeF7FHuc&si=7pOlNA_VexuKsuxf #Extrabreit #WelchEinLand!-WasFürMänner: #ReflektorZ #SecondAlbum #GermanPunk #Punk #Hagen #PlatinumDisc #KaiHawaii #KaiOliverSchlasse #StefanWeltkrieg #StefanKlein #PublicUli #UlrichRuhwedel #Hunter #WolfgangJäger #RolfMöller #Guests #ThomasHermann #NürnbergerStreicher #GabiLappen&DieBuscheypfeifen #GabiLappen
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Ideal “Der Ernst Des Lebens”
ずっと前にご紹介しました独のバンドIdealのセカンド・アルバムをやっと入手しましたので、今回は、セカンド・アルバム” Der Ernst Des Lebens (デァ・エルンスト・デス・レーベンス)”をご紹介します。NDWの中で、最も成功したバンドであり、インディーズながらも、前作ファースト・アルバムが独のゴールドディスクに輝いているバンド、それがIdealです。Idealのバイオグラフィーは前回書いてありますので、そちらをご参照下さい。今回もメンバーは、Annette Humpe (Vo, Kbd; アネット・フンペ), Ernst Deuker(B, Vo; エルンスト・ドイカー), Frank-Jürgen “Eff Jott” Krüger (G, Vo; フランク-ユルゲン ”エフ・ジョット” クリューガー), Hans Behrendt (Drs; ハンス・ベーレント)の4人ですが、共同プロデューサーとして、Conny Plankも参加しているのも、注目すべきところでしよう(因みに、VoのHumpeは、Ideal解散後、実妹のInga Humpeと共にHumpe Humpeとしてアルバムをリリースしていますので、そちらについては、別のバイオグラフィーをご参照下さい)。本作品は、A面6曲/B面5曲を収録しています。それでは、各曲について紹介していきましょう。 ★A1 “Eiszeit” (2:53)は、Gとオルガンの効いたアップテンポのカッコ良い曲で、女性Voもイカしています。 ★A2 “Schwein” (3:00)は、堅固なリズムにオルガンと男性Voから成る曲で、独逸語の語感なのか、ややハスキーに呟くVoが良く合っています。 ★A3 “Sex In Der Wüste” (3:38)は、似非民族音楽的リズムとG(?)のメロディに、男性Voが乗るスローな曲で、コーラスやコントラバスも秀逸です。Kbdがまたポップ! ★A4 “Herrscher” (3:41)は、性急なビートとニューウェーブ的なオルガンに、男性Voが乗る曲で、シンセBを使っているようです。最後のシュプレヒコールもグー! ★A5 “Feuerzeug” (4:19)では、スローなビートにオルガンと女性Voがしっとり絡み合い、間奏のGソロも雰囲気抜群です。最後の仕掛けがまた絶品。 ★A6 “Immer Frei” (2:27)も、性急なビートを繰り出すリズム隊に、複数の男性Voや女性Voが絡み合う曲で、間奏のフリーキーなGソロもカッコ良い。 ★B1 “Erschießen” (3:40)は、跳ねるようなノリの良いにオルガンとGに、女性Voが歌うポップ曲で、元気一杯で、最後のGソロもカッコ良い。 ★B2 “Monotonie” (4:44)は、女性Voから始まる落ち着いたカリプソ風の曲で、蠢くBのリフと間奏のKbdが秀逸です。勿論、男性コーラスやGソロも! ★B3 “Ich Kann Nicht Schlafen” (3:32)は、スパイ映画のサントラのような曲で、男性VoとGやオルガンとの掛け合いがカッコ良く、焦燥感溢れるサビも絶品です。 ★B4 “Spannung” (3:00)では、Gのカッティングと優しいKbdに、女性Voが良くマッチしており、雰囲気抜群です。途中のブレイクもグー! ★B5 “Spion” (5:00)は、雑踏音のSEから、5拍子のリズム隊と女性Voに、歪んだGや怪しげなオルガンが絡んでくる、ちょっと異質な曲です。 セカンド・アルバムは、バンドも乗りに乗っていた時期なので、曲もアレンジも格段に良く、正直、捨て曲無しとさえ思えます。アップテンポからしっとり系や変拍子曲まで幅広く収録されており、これは傑作ですね。また、VoもHumpeだけではなく、男性も担当しているので、多分、思っていた以上に多様性/柔軟性のある曲作りをしていると思えました。ジャケはファーストの続きのような首無しの絵で、パッとはしませんが、内容は彼等のポップネスが詰まっていますので、これは是非とも聴いて欲しい一枚です❗️ [live Rockpop In Concert 1982] https://youtu.be/lifx7x_E5hU?si=EBr2Tl4gtPsLRwy_ [full Album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_nl87GgRz_uuOXDa5YK99tV2PYvubluFio&si=qh0Ohch6AzFAFRJD #Ideal #DerErnstDesLebens #EitelImperial #WEA #SecondAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #AnnetteHumpe #Frank-JürgenEffJottKrüger #ErnstDeuker #HansBehrendt #Co-Producer #ConnyPlank
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Yellow Magic Orchestra “Technodelic”
正直言って、私はYellow Magic Orchestra (以下、YMO)の熱心なファンではありませんので、このアルバムも昔、何となく買いましたが、殆ど聴いていませんでした。なので、もう一度、聴いてみようと思い立って聴きました。YMOについてのバイオグラフィーは以前に書きましたので、ここでは省略させて頂きます。彼等の6枚目のアルバム”Technodelic”。正直、このアルバム・タイトルには「やられたなぁ」と思いました。当時のレビューでは、最新のテクノロジーを使って、各々の好き勝手な実験性を取り入れた音楽を、明らかにポップ・ミュージックの世界で展開した作品と言われていたように思います。そんなことも踏まえながら、各曲を紹介していきたいと思います。 ★A1 “Pure Jam (ジャム)”は、イントロでいきなりサビのコーラスから始まり、ジャストなリズム(特にDrs)で繋いでいく曲です。バックに人声が僅かに聴き取れます。 ★A2 “Neue Tanz (新舞踏)”は、一時のCabsも想起させるようなリズムと何とも不思議なメロディで構成されていますが、既にサンプラーも使われているようです。 ★A3 “Stairs (階段)”でも、サンプラーによってリズムや生ピアノのリフが作られており、ミニマルな展開になっています。途中のピアノ・ソロは手弾きかな? ★A4 “Seoul Music (京城音楽)”は、割と初期YMO的な中華風味の曲で、メインVoは歪んだ語り調ですが、サビは高橋氏の粘着質なVoになっています。ただ、合いの手がどうしても”fuck”に聴こえますが、大丈夫でしょうか? ★A5 “Light In Darkness (灯)”は、リズムに凝りまくったミニマルなインスト曲で、DrsとBがとにかく凄いです! ★B1 “Taiso (体操)”は、割とミニマルなピアノのリフと突進力のあるDrsから成る曲で、珍しく日本語歌詞で、語りと歌との上手いコンビネーションが光ってます。 ★B2 “Gradated Grey (灰色の段階)”では、リズムにリズムマシンと生Drsを組合せており、非常に分かりにくい形でバックの演奏や歌が入っているミニマルな曲です。 ★B3 “Key (手掛かり)”は、直線的で突進力のあるリズム隊がカッコ良い曲なのです。実は前作”BGM” の”Cue”と対の曲なのかな? ★B4 “Prologue (前奏)”は、シンセで雨垂れのようなリズムを作った、アンビエント・ミニマルなインスト曲で、Human Leagueの”Toyota City”っぽいですね。 ★B5 “Epilogue (後奏)”は、B4に連続して、サンプリングした物音をリズムに、淡々と時にドラマチックなシンセによるメロディが乗るインダストリアルな曲です。 今、聴き直すと、それ程、嫌な感じはしないですね。寧ろ、ミニマルだったり、サンプリングだったりを上手く使っており、これはこれでありじゃないか?と唸ってしまいました❗️しかしながら、やはり全体的な印象は脚を一歩、実験性に踏み込んでおり、それは結構、興味深かったです。まあ、今では当たり前になったテクノロジーですが、当時としては革新的であったのでしょう。それと、アルバム全体では、口ずさめる曲がないと言うで「抽象的」な印象でしたね。 [A3 “Stairs (階段)” live version] https://youtu.be/w71iOzRFrdc?si=YYma-SMCI8Og4yxm [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLmMmr1jpPlKPQ-uGqSAN9bfv04HxvI5Dl&si=39o9cdr9Gjets4Yc #YellowMagicOrchestra #Technodelic #AlfaRecords #6ThAlbum #TechnoPop #Experimental #Synthesizers #Drums #Bass #RyuichiSakamoto #坂本龍一 #YukihiroTakahashi #高橋幸宏 #HaruomiHosono #細野晴臣
Techno Pop / Experimental Alfa records 不明Dr K2
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Colin Newman “Provisionally Entitled The Singing Fish”
ご存知、WireのVo兼G兼ソングライターであるColin Newmanのソロアルバム第二弾“Provisionally Entitled The Singing Fish”の登場です。Colin NewmanのバイオグラフィーについてはWireの項目等をが参照下さい。それで、このアルバムは、1980年にWireが一時的に解散した翌年に、Newmanがほぼほぼ全部のパートを録音して作り上げた作品です(因みに、1984年にWireは再結成されています)。彼のファーストソロアルバム”A-Z”は1980年にリリースされており、それには、This Mortal CoilやGary Newmanがカバーした曲も含まれています。今回のセカンドアルバムでは、全曲、ほぼほぼインスト曲(ヴォイスは使われていますが、歌詞は無いです)で、しかも、曲名は全て”Fish(数字)”と言う徹底振り。またジャケも極めて空虚な印象で、それこそWireの”154”のジャケを思わせるシュールなものとなっています。なお、B3 “Fish 9”ではWireのRobert Gotbedがドラムで参加しています。どの曲も割とミニマルかつ抽象的な展開で、淡々と流れて行きますが、何処かしらWireで聴くことの出来たギターの音色とかを感じますね。Newmanはギター以外にも、Piano, A-G, B, Mouth Noise (Voices), Drs(DrumMachineかも?), Sax等も演奏しており、その多彩振りが遺憾無く発揮されています。B面最後に、ちょっとしたギミックがありますが、ネタバレになってしまうので、聴いてみて下さい。そんな訳で、本作品は、独自かつ孤高の出来栄えとなっており、現在のミニマル・ミュージック(或いはミニマルなロック)の礎の一つとしても考えられます。なので、そう言う音楽の限定を探りたい方にはお勧めします。また、NewmanやWireのファンにはマストな一枚ですね。 B2 “Fish 8” https://youtu.be/0RRzYH5upFk [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_m3wg5JuawqKYy7_-xrbhfcc4juurvfRDE #ColinNewman #ProvisionallyEntitledTheSingingFish #4AD #Wire #Minimal #Instrumental #Experimental #PostPunk #SecondAlbum #SoloAlbum #Surrealistic #AllInstruments #RobertGotbed
Post Punk / Experimental 4AD 不明Dr K2