Extrabreit. “Welch Ein Land ! - Was Für Männer:”

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Extrabreit. (エクストラブライト)って? まぁそうですよね、これでピーンとくるリスナーさんは相当のジャーマン・ロック・マニアだと思います。しかしながら、独では結構、人気があって、最近まではリリースもしています。なので、先ず、Extrabreit.のバイオグラフィーを書いておきます。Extrabreit.は、1978年、独Hagenにて結成されていますが、元々、独パンク・バンドとして始まったこともあり、それ程、Neue Deutsche Welle (NDW: German New Wave)とは関係が濃くなかったようです。音楽的にも、所謂、英国パンクロック・サウンドに影響をうけており、しばしば歌詞も政治や社会問題に関するものが多く、メンバーも自分達のことをパンクスと考えていました。まぁ、時期的に、NDWと被っていましたので、時々目にする機会があったと言うことらしいです。彼等のバンドのHPには "Ja wir haben den Scheiß eben mitgemacht!" (Yeah, we went along with that shit)と書いてあります。ただ、彼等の人気のピークは、1981年〜1983年で、その時期には、ソールドアウトで観に来れなかった観客の為だけに演奏をしたり、ゴールドディスクやプラチナディスクを取る勢いもあり、ティーン向け雑誌”Bravo”の表紙にもなっています。1983年にメンバー2人(Public UliとHunter)が脱退後、2枚のアルバム”Europa”と”LP der Woche”をリリースしますが、イマイチで、スランプは1987年まで続きます。その年に、彼等は、The Cureに影響を受けたアルバム”Sex After 3 Years In A Submarine”で再び浮上します。1990年代には、歌詞は、より社会問題を取り上げ、より辛辣な皮肉を込めたものになっていきます。しかしながら、商業的成功は、以前ほどではなく、彼等は、1998年9月19日に、HohenlimburgのHagenバレエ・ホールで、ファイナル・コンサートを行ないます。しかしながら、その後、2002年にはBochemで演奏しており、国内ツアーも敢行しています。2010年には、Hagen交響楽団とコラボ・ライブも行なっています。また、過去に、バンドは、独の女優兼歌手のHildegard KnefやHarald Juhnke及びMarianne Rosenbergと一緒に録音もしています(独国民的な女優や歌手らしいです)。そうして、バンドは、2005年8月27日に、1000回目のコンサートを地元HagenのHengstey湖畔で、数千人のファンと共に行なっています。これで漸く、彼等はプラチナディスクを受けることになります。現在のメンバーは、Kai "Havaii" Schlasse (Vo; カイ”ハウァイ”シュラーセ), Stefan "Kleinkrieg" Klein (G; シュテファン”クラインクリーグ”クライン), Bubi Hönig (G; ブービ・ヘーニッヒ), Lars Larson (B; ラーズ・ラーソン), Rolf Möller (Drs; ロルフ・メラー)となっています。

 以上がExtrabreit.の略歴で、本作品は、彼等のセカンド・アルバムになります。タイトルの意味は、「なんて国だ!何てヤツだ!」です。この時のメンバーは、Kai Hawaii (Vo; 本名Kai Oliver Schlasse), Stefan Weltkrieg (G, Vo; 本名Stefan Klein), Public Uli (G; 本名Ulrich Ruhwedel), Hunter (B; 本名Wolfgang Jäger), Rolf Möller (Drs)で、ゲストとして、Thomas Hermann (Noise), Nürnberger Streicher (独Nürnberg市立交響楽団), Gabi Lappen & Die Buscheypfeifen (Gabi Lappenのソロユニットことで、Vo, Synth, Sax, Piano, Flute)も参加しています。曲は、もっぱらHunterが書いていたようです。それでは、各曲について紹介していきましょう。

★A1 “3-D” (2:14)は、タイトなビートに乗ったパンキッシュな曲ですが、途中でトイピアノも出てきて、音的にはUKパンクですかね?
★A2 “Hol Uns Hier Raus, Mama!” (3:43)は、ファットなBとカントリーの洗濯板の効いたイントロから、Gも入ってきて、シンガロングも入ってくる曲で、執拗に反復します。
★A3 “Wir Leben Im Westen.” (3:03)は、ドコドコしたリズム隊とシャープなGと共に、Voパートとシンガロング・パートとが入ってくる曲です。間奏のGソロも最小限で、シンセもちょっとだけ。
★A4 “Polizisten.” (5:22)は、スローな曲で、不穏なBラインにVoが語るように歌っています。2本のGのリフはポストパンク的で、サビでVoと共に爆発します。
★A5 “Glück & Geld” (3:57)は、ノリの良いパワーポップ調の曲で、小気味良い疾走感を味わえます。間奏にはシンセ音がちょと入ります。最後のパートもグー!
★B1 “Der Präsident Ist Tot.” (6:24)は、いきなりシンセの電子音で始まる重くスローな曲です。サスティンの効いたGで、Voも切々と歌っています。表題が表題ですからね。葬行曲?最後のSEも洒落が効いてます。
★B2 “Tanz Mit Mir.” (4:17)は、鬼気迫るGのリフと跳ねるような腰のあるリズム隊に、高らかに歌うVoから成る曲です。間奏の2本のGの絡みは面白いです。
★B3 “Der Führer Schenkt Den Klonen Eine Stadt ...” (3:03)は、エコーの効いた語りで始まる、キレの良いパンキッシュな曲です。危険域にいるような雰囲気がプンプンしますね。サビ後のコーラスが良い味です。
★B4 “Salomé” (2:34)は、DrsとVoだけのイントロから次第にBやGも入ってきますが、どうも曲自体が、彼等の曲ではないのか、ややコミカルな一面を垣間見た気がします。
★B5 “Allegro Für Annemarie” (2:02)は、Von 等の室内弦楽器に合わせて、女性合唱が歌い上げる曲で、何のギミックもなく、その通りに録音されています。

 いゃ〜面白かったです。確かに音なんかはUKパンクの影響も受けているとは思いますが、独逸語の語感やユーモア、アイデアなんかが満載で、単に独パンクとして片付けるのは忍びないです。また、HermannかLappenかは不明ですが、シンセとかも適切に使っており、B5のような室内楽団の曲も含めている度量の広さに感服しました。最早、ポストパンクに入れても良いのではないかとも思える程の引き出しの多さがあるバンドですので、ちょっと注目してみようかな?とも思いました。パンクとかポストパンクに興味のあるリスナーさんにはお勧めします!

[live track “Polizisten. (A4)” on Dortmund 1982]
https://youtu.be/ksTf1lfDRWo?si=VgDz9AUKT1ola38I

[full album]
https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_ltLsPOXiPPa1Gck-0mASaehf_KeF7FHuc&si=7pOlNA_VexuKsuxf

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