-
Nord “1st” in box “日本のノイズ音楽”
Nord(ノール)❗️もう一つの東京ノイズ・ミュージックのオリジネーター。実は、このNordのファースト・アルバムは、既にオリジナル盤を紹介してあるのですが、今回、改めて、リマスタリングされて、クリア盤と言うことで、再度、ご紹介します。オリジナルは、1981年にLPでリリースされていますが、その後、2017年に、未発表ライブ音源を付けて、2枚組CDとして、リマスタリングされて、日本のArt Into Lifeより一度、リイシューされています。そして、今回、オーストリアのKontakt Audioより、ArtefAKTs From The Early Japanese Experimental Noise Music Scene「日本のノイズ音楽」の第4弾として、再度、リマスタリングされて、リイシューされました。メンバーは、片山智と及川洋の2人で、彼等のバイオグラフィーは、前回の項目をご参照下さい。 内容としでは、リマスタリングが良いのか、音の分離が良く、各音が良く聞こえます。A面は、やばり、法螺貝のような音から始まり、ラジオ音とそのバックのシンセによる電子音、更に後から加わるDR-55のリズムボックスから成るA1は素晴らしいです。続く、硬質なギターと、これまた硬質な電子音が淡々としたリズムボックスの上でぶつかり合うソリッドなA2, 同じパターンのリズムボックスから始まり、硬質かつ歪んだGとホワイトノイズを中心としたシンセとが徐々に捻れきれていく強靭なナンバーA3も聴き処満載です。 B面は、かなりインダストリアルな雰囲気の音塊(=テープ音)から、ギターのフリーフォームでソリッドな演奏とシンセによる工業神秘主義的演奏が絡み合う長尺の曲で占められており、そのカオスっぷりが、正に「ノイズ」の産声であると確信出来ます。恐らく、片山さんの好きな裸のラリーズの演奏を想起させるようでもあります。 先述したように、リマスタリングが良いのか、以前のような、得体の知れない恐怖感よりも、純粋に音楽としての魅力を感受できた気がして、また新たな発見がありました!! これは、単に自分の聴き方やオーディオ機器の変化だけではなく、マスタリングの凄さと元の音の強靭さかあってこそだと思います。これが1981年に日本で既にLPに刻まれていたこと自体が凄いことだと思いますので、騙されたと思って、一度は、「日本のノイズの産声」を体験してみて下さい!!! A1 “Labyrinthe” (15:41) A2 “Entract” (3:01) A3 “Caricature” (9:04) B “Utopie” (26:23) [以下のYouTubeはoriginal LP] A1 “Labyrinthe” (15:41) https://youtu.be/kGegAb2BIes?si=3I3dbVDvQPm-M2-O A2 “Entract” (3:01) https://youtu.be/Y8llCBDdWhg?si=s8_SLpSQXoC8fvSz A3 “Caricature” (9:04) https://youtu.be/SgSYNQWOSp0?si=PNkqi_2vBX01G59k B “Utopie” (26:23) https://youtu.be/X5NGjQB7qZQ?si=TEOTmm0iZgoYWTj9 [BandcampのURLも貼っておきます] https://kontaktaudio.bandcamp.com/album/nord #Nord #1st #self-titled #KontaktAudio #2024年 #Reissue #Remastering #LimitedEditions #99部 #PinakothekaRecords #1981年 #2CD #Reissue #ArtIntoLife #2017年 #Noise #Originator #吉祥寺Minor #Psychedelic #Improvisation #Electronics #Radio #Synthesizers #Guitar #一発録り #ArtefAKTsFromTheEarlyJapaneseExperimentalNoiseMusicScene #日本のノイズ音楽 #SatoshiKatayama #片山智 #HiroshiOikawa #及川洋
Noise / Psychedelic Kontakt Audio (Pinakotheca Records) 不明Dr K2
-
Kiyoshi Mizutani “The Same Thing Makes Always Her Laugh” in box “日本のノイズ音楽”
初期Merzbowのメンバーで、1980年代には秋田氏との協力やMerzbow Null等でのオルガン演奏を、そして1990年代には盛んにソロ・ライブをやっていた水谷聖氏のファースト・ソロ作品が、この”The Same Thing Makes Always Her Laugh”で、1990年にZSF ProduktからLPでリリースされています。実は、私は、1980年代のMerzbowやMerzbow Nullでのライブも観ていますし、1990年代のソロライブでは何回も対バンしています。一見、普通の静かなサラリーマンのような風貌(実際、本業はシステム・エンジニアだったと思います)にも関わらず、主に環境音のDAT音源の再生とミキサーのフィードバックから成る摩訶不思議なソロ・ライブは何度観ても新鮮でした。1度だけ、水谷さんと私でコラボ・ライブもやってますね。また、個人的には、初期Merzbowでの彼のVlnやオルガンのプレイにも多大な影響を受けています。その後、彼は、自身のレーベルUlcer House等から作品を数少ないながらもリリースしています。一番直近のは、2014年にリリースされたChihei Hatakeyama / Kiyoshi Mizutani / HelloによるライブCD “Live At Ftarri Doubtmusic Festival”となっています。それで、本作品は、A面が1989年6月に、B面が同年11月に録音されていますが、ミックスは秋田昌美氏の自宅スタジオで行われています。特に、A1は、環境音とシンセとノイズから作られていますが、シンセとノイズは数学的に構築されており、あくまでも脇役的にミックスされているとのことです。そんな水谷氏のファースト・ソロ・アルバムが、今回、オーストリアのKontakt AudioのArtefAKTs From The Early Japanese Experimental Noise Music Scene (日本のノイズ音楽)の第二弾としてリイシューされた訳です。バラでは黒盤ですが、2025年末までにシリーズが終わるまでに収納されるボックスセットでは、クリア盤でかつTシャツ付きとなっていますので、興味のある方は今からボックスの方を購入しておいた方が良いかもですよ!そして、また、アルバム・タイトル「彼女はいつも同じことで笑う」と意味深ですが、そのアイロニックさがノイズに転化されているようにも思えます。 と言う訳で、内容の方ですが、全体的には、結構、ノイジーで激しい音像です。A面は、テープの逆回転とピョンピョンしたシンセと電子音の落ち着いた雰囲気で始まりますが、段々と強迫的にテープ音等が重層化されていくA1, 不協和音だらけのオルガンの持続音と敢えてビート感のないフリーな生Drs演奏(これは水谷さんが叩いているのかな?)、そしてノイズギターから成るA2となります。 B面は、一転して、会話等のテープ音とミキサーのフィードバックと思われる激烈なノイズとシンセの電子音が絡まり合い、結構カオティックな様相で始まりますが、激烈なギター・ノイズと思われる電ノコのような音と回転速度を弄ったテープ音、そしてエフェクトを掛けたシンセによる電子音がやはり組んず外れず絡み合う方向へとずれ込んでいきます。 飄々とした風貌で、如何にもエンジニア然とした実際の水谷さんを知っているだけに、B面の凶暴さには、正直、驚かされました。もっとアンビエント寄りの実験音楽だと思っていたからです。しかしながら、A2での狂ったようなオルガンの不協和音とかは、正に初期Merzbowのカセット等でも聴取できる演奏を拡大した感じでもあり、またB面のノイジーな音像も彼のソロライブで時に垣間見ることができたノイズへの指向性を伺わせるものだとも言えます(実際、ハコによっては、ソロライブでも、かなりノイジーで激しい演奏もやっていました)。そんな意味では、水谷さんこそが、本当の「マッド・サイエンティスト」なのかも知れませんね!!そんな「水谷聖」を体験したい方には激お勧めの1枚です!!きっとビックリすると思いますよー! A1 “Cross Off” (8:57) A2 “Guitars On M.T.L.” (11:34) B1 “Character Assassination” (23:20) [original full album] https://youtu.be/IoAf1e0a2ds?si=JYj1korwn_Wia0su [BandcampのURLも貼っておきます] https://kontaktaudio.bandcamp.com/album/the-same-thing-makes-always-her-laugh #KiyoshiMizutani #水谷聖#TheSameThingMakesAlwaysHerLaugh #KontaktAudio #2025年 #Reissue #Remastering #ClearVinyl #LimitedEditions #99部 #ZSFProdukt #1990年 #LP #Noise #Experimental #FirstSoloAlbum #数学的音楽 #環境音 #Synthesizer #Noises #Tapes #Guitar #Merzbow #ArtefAKTsFromTheEarlyJapaneseExperimentalNoiseMusicScene #日本のノイズ音楽
Noise / Experimental Kontakt Audio (ZSF Produkt) 不明Dr K2
-
Merzbow”Yantra Material Action” in box “日本のノイズ音楽”
元々、MerzbowのファーストLP”Merz”として、リリース予定で、ライナーはFred Frithが担当することになっていた音源が、このアルバム”Yantra Material Action”です。これは後に、カセット作品として、自身のレーベルMerzbow Lowest Music & Artsからリリースされており、その後も、ZSF Produktより1984年に、米国Anomalous Recordsより1993年に、更には1999年には豪Extreme Recordsより”Merzbox”の一部としてCDで、2018年には、Slowdown RecordsよりもCDで再発されています。そんなMerzbowの幻のファースト・アルバムが、今回、新たにオーストリアのKontakt Audioが始めたArtefAKTs From The Early Japanese Experimental Noise Music Scene(日本のノイズ音楽)の第一弾としてリリースされました。特に、このボックスセットでは、クリア盤となっており、しかもTシャツ付きです。また、この頃のMerzbowは、秋田昌美氏と水谷聖氏のデュオ形態の時期であり、轟音ハーシュではなく、アッセンブラージュ的ミュージック・コンクレートをやっていた時期の音源ですので、大変貴重な音源と言えると言えます。この時の編成は、秋田昌美(Tapes, Junks, Noise, Perc, Radio, G)と水谷聖 (Tapes, Synth, Vln, G, Kbd)とクレジットされており、予め1981年1月に家で2人が即興的に演奏した音源を録音したテープをJunction Music Worksスタジオや自宅で、リングモデュレーターを掛けて変調したり、加工したりして組合せると言った手法を使っていたと思われます。詳細については、Slowdown Recordsからの再発CDとかのライナーを参照して下さい。 それで、内容ですが、A面は、回転速度を弄ったテープで始まり、身の回りの金物を使った打撃音とラジオノイズと思われる持続電子音と弦楽器思われる音等を多重録音したプリミティブな実験音楽A1, 多層化されたプリペアードGの即興にディレイを掛けたり、他の物音系ノイズを加工して、加えたりしたミュージック・コンクレートなA2, アコギとDrsを中心とした即興演奏とヒョロヒョロした電子持続音から成るA3, ラジオの加工音や正体不明な物音の加工音、電子音、テープ音に、GやVlnと思われる演奏音源が渾然一体となったA4で締められています。 B面は、Vlnの不協和音とオルガンの演奏にバスドラのキックから成るB1, 何か(多分、発泡スチロール)の摩擦音と短波ラジオのチューニング音と正体不明のノイズが分厚く重なり合うB2, オルガンと深いリバーブの掛かったGの即興演奏に、更にシンセらしき電子音や金物Percやテープ音等の音(=ノイズ)を録音テープの切り貼りで繋いでいるようなB3, テープ音とシンセによる電子音とがトルネードの様に絡まり合い、Gのフィードバック音らしき音も加わり、結構カオティックになっていくB4で締められています。 確かに、当時のFred Frithが共振するのも分かる音楽です。これを「ノイズ」と呼ぶしかないのはよく分かりますが、細分化すること/カテゴライズすることは困難ですね。明らかに既存の音楽からの「逸脱」であり、通常、即興演奏した音源を更に加工するなんてことは殆ど行われていなかったのではないでしょうか(まぁ、Frank Zappaの“Uncle Meat”はありますが)? 結果、「ノイズ」としか言いようのない音楽が生み出された訳です。そう言う意味では画期的な作品であったと思います。これが、1981年にLPとして出ていたら、また違ったのかも知れません!また、A4やB2, B3とかには後のMerzbowの方向性を予感させますね。とにかく、「ノイズ・ミュージック」の産声が本作品には詰まっています!! 全ノイズ・ファン必聴!! A1 “Untitled” (11:24) A2 “Untitled” (2:51) A3 “Untitled” (1:47) A4 “Untitled” (4:35) B1 “Untitled” (1:05) B2 “Untitled” (8:40) B3 “Untitled” (7:24) B4 “Untitled” (4:38) [original cassette] https://youtu.be/cNDzKVTQ8ZU?si=f_PbNQMA4NZ5zfpJ [BandcampのURLを貼っておきます] https://kontaktaudio.bandcamp.com/album/yantra-material-action #Merzbow #YantraMaterialAction #KontaktAudio #2025年 #Reissue #Remastering #LimitedEditions #99部 #MerzbowLowestMusic&Arts #1981年 #Merz #ZSFProdukt #Cassette #1984年 #AnomalousRecords #1993年 #Merzbox #CD #ExtremeRecords #1999年 #SlowdownRecords #2018年#ArtefAKTsFromTheEarlyJapaneseExperimentalNoiseMusicScene #日本のノイズ音楽 #Experimental #Noise #MusiqueConcrete #Tapes #Guitar #Keyboards #Synthesizers #Junks #Noises #Violin #Percussions #MasamiAkita #KiyoshiMuzutani
Noise / Experimental / Musique Concrete Kontakt Audio (Merzbow Lowest Music & Arts) 不明Dr K2
-
V.A. “Krautrock Eruption (An Introduction To German Electronic Music 1970-1980
ジャーマン・ロック発掘の総本山Bureau Bがまたまた、やってくれました。ジャーマン・ロックで最も特徴的な「エレクトロニックなロック」を集めたコンピレーション・アルバム”Krautrock Eruption (An Introduction To German Electronic Music 1970-1980)”を今回は、ご紹介します。個別のアーティスト/グループについては、既に紹介してあるのも多いので、ここでは割愛させて頂きます。なお、本アルバムに関連した書籍も同時に発刊されています。 それで、内容の方ですが、コンピレーションの為、途中で編集されている曲もあり、そこがちょっと残念ではありますが、まあサンプラーとしてはありかなと思います。 ◉A1 Conrad Schnitzler “Con" (1978年作)(EGG 90 184) より。ミニマルなシーケンスを中心に簡素な電子音が続く心地良い、Schnitzler先生らしい1曲となっています。 ◉A2 Faust “The Faust Tapes" (1973年作)(Virgin VC 501)より。ジャングル大帝のようなトランペットやホーンとミニマルなBにの後にミニマルな変拍子Drsが続き、更に激しくなる、捻った2曲分です。 ◉A3 Brian Eno, Dieter Moebius, Hans-Joachim Roedelius “After The Heat" (1978年作)(SKY 021) より。ピアノとシンセのよるミニマルかつ何処か冷やっとした感触の1曲で、その音感触が如何にもEno関連の音源らしい。 ◉A4 Harald Grosskopf “Synthesist" (1980年作)(SKY 043)より。ミニマルなシーケンスとDrsに、多層的なシンセが絡む1曲で、シンセのメロディは煌めくように響いています。 ◉A5 Cluster “Cluster" (1971年作)(Philips 6305 074)より。蠢く電子音の海から、次第にダブなリズムが不安定に立ち上がってくる混沌とした初期Clusterの代表曲のダイジェストです。 ◉A6 Dieter Moebius & Conny Plank “Rastakraut Pasta" (1980年作) (SKY 039)より。強靭なリズムを持ちながらも、何処か牧歌的な雰囲気もあるMoebiusらしさとPlankらしさの融合した1曲です。 ◉B1 Hans-Joachim Roedelius “Durch Die Wüste" (1978年作)(SKY 014) より。エレピとクラヴィーアの合奏から成る独浪漫派的な美に溢れた曲で、次第にシンセの旋律がテンポダウンしていきます。 ◉B2 Pyrolator “Inland" (1979年作)(Warning Records WR02)より。これは個人的には嬉しい!正にコロコロしたミニマル極まりない多層的なシーケンスから成る曲です。多分、Korg MS-20を使っていると思います。 ◉B3 Wolfgang Riechmann “Wunderbar" (1978年作)(SKY 017)より。流れるようなシンセとシーケンスに、Neu!のようなハンマービートが乗る心地良い曲のダイジェストです。 ◉B4 Kluster “Klopfzeichen" (1970年作)(Schwann AMS Studio AM511)より。ディレイを掛けたBやGやらフルートやらを即興的に演奏している、この時代としては画期的な曲のダイジェストで、本アルバムの中ではやや異質です。 ◉B5 Günter Schickert “Überfällig" (1979年作)(SKY 032)より。様々な奏法で演奏されたGと簡素なDrsを多重録音したSchickertらしいミニマルな曲のダイジェストですが、Voと共に、次第に盛り上がるのが特徴的です。 ◉B6 Asmus Tietchens “Nachtstücke (Expressions Et Perspectives Sonores Intemporelles)"(1980年作) (EGG 91 040)より。上昇するシーケンスに多層的に重ねられたシンセが、数学的とも言える程、美しい初期の名曲です。 この際、これがロックなのかどうかは置いておいて、正しくジャーマン・ロックと言うがエレクトロな音楽の好サンプラーとなっていると思います。特に、殆どの曲が各アーティスト/グループのファースト・アルバムから取られている点は興味深いです。要するに、彼等は最初から、電子音に魅了されていた証であり、また、ミニマルな展開が多いことも、ジャーマン・ロックの特徴と言われていますが、これも当時のシーケンサーとかと相性が良かったのではないかと想像します。多分、私自身は、そこら辺の「ミニマルな電子音による音楽」と言う点が元々大好きだし、そこから、私自身の興味もNDWへと移ってきたのだと思います。なので、久しぶりに、ジャーマン・ロックを並列に聴けたのは、逆に新鮮でした。この当たりのジャーマンロックに興味のある若いリスナーさんにはもってこいのサンプラーだと思います(ヘビーリスナーさんには食べ足りないかも?)!! A1 Conrad Schnitzler “Ballet Statique” (5:03) A2 Faust “I've Heard That One Before / Watch Your Step” (2:50) A3 Eno, Moebius, Roedelius “Foreign Affairs” (3:30) A4 Harald Grosskopf “Emphasis” (4:59) A5 Cluster “21:32 (Bureau B Edit)” (4:36) A6 Moebius & Plank “Rastakraut Pasta” (6:18) B1 Roedelius “Glaubersalz” (3:29) B2 Pyrolator “Minimal Tape 3/7.2” (4:22) B3 Riechmann “Himmelblau (Bureau B Edit)” (6:08) B4 Kluster “Kluster 2 (Electric Music) (Bureau B Edit)” (2:46) B5 Günter Schickert “Apricot Brandy II (Bureau B Edit)” (5:14) B6 Asmus Tietchens “Falter-Lamento” (6:18) B6 Asmus Tietchens “Falter-Lamento” (6:18) https://youtu.be/gQPknhpji_8?si=WnEx1WvgGALO0xQW [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lkloIY4BvOzYdQPAymnLNTQypwW0NpEg4&si=HQuZ8gNjXuGsGn7X [BandcampのURLを貼っておきます] https://bureaub.bandcamp.com/album/krautrock-eruption-an-introduction-to-german-electronic-music-1970-1980 #VariousArtists #KrautrockEruption #AnIntroductionToGermanElectronicMusic1970-1980 #BureauB #VentilVerlag #CompilationAlbum #Krautrock #Electronic #ConradSchnitzler #Faust #Eno,Moebius&Roedelius #HaroldGrosskopf #Cluster #Moebius&Plank #Roedelius #Pyrolator #Riechmann #Kluster #GünterSchickert #AsmusTietchens
Krautrock / Electronic Bureau B / Ventil Verlag 4840円Dr K2
-
Stephan Eicher “Les Chansons Bleues”
今回は、スイスのシンガーStephan Eicher (ステファン・アイヒァー)をご紹介します。彼は、仏語、独語、英語、伊語、スイス独語、ローマン語で駆使して、同じ曲を時々違う言語で歌っようなシンガーです。まぁ、そんな彼のバイオグラフィーを少し書いておきます。 Stephan Eicherは、スイスBern近郊のMünchenbuchsee(ミュンヘンブーフゼー)で生まれ、父親も音楽家でした。Eicherは、スイスの国際寄宿学校であるエコール・デュマニテで教育を受け、チューリッヒ美術アカデミーで音楽教育を受け、そこでコンピュータを使った作曲法を学んでいます。1980年には、兄のMartinと共にアルバム”Grauzone”に収録された最初のシングル”Eisbär”をリリースしています(ここら辺は以前にGranzoneの所でもう少し詳しく書いてあります)。その後、1983年に、Stephan Eicherは、Jacques Dutronc (ジャック・デュトロン), Georges Brassens (ジョルジュ・ブラッサンス), Serge Gainsbourg (セルジュ・ゲンズブール)らの歌に影響を受け、また、Patti SmithやJohnny CashやBob Dylanにもインスパイアされて、本作品でもある、ファースト・ソロ・アルバム”Les Chansons bleues”をリリースします。その後の2枚のアルバムで、彼の名声は確固たるものになり、1985年にリリースされたアルバム”I Tell This Night”とシングル”Two People in a Room”で、このアルバムはスイスのチャートで最高10位を記録し、12週間チャートインしています。その2年後、アルバム”Silence”は3位に達し、スイスのトップ10に14週間ランクインしていますが、どちらのアルバムも、彼がほぼ独力で制作しています。1989年作アルバMy Place”では、方向性を変えて、仏語の歌詞は、友人で作家のPhilippe Djian (フィリップ・ジャン)が書いています。彼の最大の商業的成功は、1991年のアルバム”Engelberg”で、スイスで5週間1位、合計46週間チャートインしています。その中の曲”Déjeuner en paix”は、仏でも2位になっています。この作品から、Manu Katché (マヌ・カチェ)とPino Palladino (ピノ・パラディーノ)との共同作業が始まり、1996年のアルバム“1000 vies“まで続きます。その後のアルバムも、スイスのアルバムチャートで定期的にトップ5に入っており、アフリカでのコンサートを含むワールドツアーの後、1994年に初のライブアルバム“Non ci badar, guarda e passa“を制作しています。 2001年に、Eicherは初のベストアルバム”Hotel*s”をリリースしていますが、長年、スイスのEngelberg (エンゲルベルク)にあるHotel Hessは彼の第二の故郷でもあり、ホテル経営者夫婦の息子Martin Hessは、彼の親友であり、プロデューサーでもありました。このホテルで、アルバム”Engelberg”と”Louanges”が制作されています。Eicherは、同年に取り壊されたこの豪華なホテルへのオマージュとして、”Hotel*s”というタイトルを、公式ホームページを参考にファンに選んでもらったとのことです。 以上が、Stephan Eicherのバイオグラフィーとなります。まさか、Granzoneと関係していることは、すっかり忘れていました!本作品は、先述のように、Eicherのファースト・ソロ・アルバムに当たりますが、クレジットが余り書いていなくて、誰が実際演奏しているのがは、不明ですが、多分、殆どがEicher本人でしょう。また、A面は全曲Eicherが作曲していますが、B1は、スイスのパンクバンドKleenex/Lilliputのメンバーが、B4では、ベーシストKlaudia Schifferle(別名Klau Schiff)が作曲に参加しており、B2は、スイスのニューウェーブバンドThe Sick /Mother’s Ruinのドラマーによる曲で、B3は、米国The Righteous Brothersの1964年のヒット曲のカバーです。また、ゲストとして、Astrid SpiritことLilliputのVoのAstrid Spirig (Vo [A2, B2]), Jeanne (Back-Vo [B1]), SylviaことMother’s Ruinの Sylvia Holenstein (Back-Vo [B1]), スイスのプロデューサーでもあるVoco Fauxpas (B [B3])が参加しており、プロデュースは、NYの99 Recordsを運営するEd BahlmanとEicher本人が行っています。それでは、内容の方をご紹介していきましょう。なお、本アルバムは、2003年にリマスタリングされて、仏レーベルからCD再発しており、その際、1曲ボーナス曲”Noise Boys”も加え、ミックスも変更されており、A面はかなり印象が変わっています)。 先ず、A面は、可愛らしい鉄琴とクリーントーンのGの奏でる切な気なメロディに、思い入れたっぷりなVoが乗るA1から始まり、細かいアコギのリフからツービートアップテンポなリズムに雪崩れ込み、全体的に、エレクトロ色の強い80年代ニューウェーブ風に仕上げたA2, スライドGとピアノに”Go! Go! Go, Johnny! Go!”と歌い、やはりアップテンポのノリの良いロッケンロー風に仕上げたA3, ドラムマシンにピアノやストリングス・シンセやアコギ等の演奏を乗せ、仏語で切々と歌う感動的なA4から成ります。 B面は、鋭いGのカッティングとドラムマシンにシーケンスと女性コーラスが印象的なB1で始まり、ダブ的ミックスも施されています。シンセとドラムマシンにピアノを加え、仏語で切々と歌うB2 (Gainsbourgっぽい曲です), Human Leagueも1stアルバムでカバーしている曲で、エレクトロ色の強い簡素な編成で、思いっ切り歌っているB3, 割とアップテンポのリズムで、クリアトーンのGとシンセをバックに、仏語で切な気に歌うタイトル曲でもあるB4で、締めています。 実は、もっとシャンソン色が強いのかなと思っていましたが、B面等は特にニューウェーブ色(特に1980年代)の強いアレンジが施されており、ちょっと意外でした! それにフレンチ・ポップの影響やA3のようなカントリーへの憧憬も感じられて、結構楽しめました! やはり音楽一家で育ったのが幸いしているのか、どの曲もポップで、それでいて、一捻りのあるアレンジで、彼の才能が感じられます!1980年代ニューウェーブ・ファンの方には、激お薦めアルバムです!! A1 “Sweetheart” (4:55) 作曲: Stephan Eicher A2 “Les Filles Du Limmatquai” (4:29) 作曲: Stephan Eicher A3 “J.B.G.” (3:17) 作曲: Stephan Eicher A4 “La Pièce” (5:00) 作曲: Stephan Eicher B1 “Nice” (3:41) 作曲: Klaudia Schifferle, Lislot Hafner, Marlene Marti B2 “Tu Tu (A Little Time With You)” (3:20) 作曲: Markus Tränkle B3 “You've Lost That Lovin' Feelin'” (4:36) 作曲: Barry Mann, Cynthia Weil, Phil Spector B4 “La Chanson Bleue” (6:15) 作曲: Klaudia Schifferle, Stephan Eicher B1 “Nice” (3:41) https://youtu.be/BqvPU4bnARw?si=LcsVExzr41hMcEKY [full album + α (remastering version] https://youtube.com/playlist?list=PLiN-7mukU_RFhhztAxH7XRMXCHezoR42I&si=cYxKTPCTk56FpY6n #StephanEicher #LesChansonsBleues #OffCourseRecords #Switzerland #FirstAlbum #Bern #Münchenbuchsee #Granzone #Eisbär #NewWave #FrechPop #Country #Electro #Synthesizers #JacquesDutronc #GeorgesBrassens #SergeGainsbourg #PattiSmith #JohnnyCash #BobDylan #Lyrics #PhilippeDjian #HotelHess #Guests #AstridSpirit #Lilliput #AstridSpirig #Jeanne #Sylvia #Mother’sRuin #SylviaHolenstein #VocoFauxpas #Co-Producer #EdBahlman #99Records #CoverSong #TheRighteousBrothers #Composition #Kleenex #Lilliput #KlaudiaSchifferle #LislotHafner #MarleneMarti #TheSick #Mother’sRuin #MarkusTränkle
Swiss New Wave / New Wave / Chanson Off Course Records €15.00Dr K2
-
S.Y.P.H. “Punkraut 78-81”
Canの再来と言われ、実際、Holger Czukayのプロデュースでもアルバムを出している独のバンドS.Y.P.H.の初期音源の決定版が、Tapete Recordsより出来立てほやほやで届きました! タイトル通り1978年〜1981年に行われたセッションからのベスト(?)テイクをコンパイルした内容となっています。Harry Ragの声明が載っていますが、彼は1972, 3年から活動を開始しており、その頃からテープレコーダーが大のお気に入りの楽器だったとのこと。1975年に、Uwe Jahnkeと出会い、2人ともCanの大ファンであったことで意気投合し、寝室で、アコギやボンゴ、おもちゃのトランペット、メロディカなんかでセッションして、毎回、ラジカセで録音していたのだそうです。c-60とかc-90とかのカセットに録音して、”Spleen”と名付けて記録しており、その後、1977年末にThomas Schwebel、その後Ulrich Putschが加わり、S.Y.P.H.と名乗ることになったようです。Jojo Walterは1979年秋に加わっています。Ragによると、彼等は、Erich Kästnerの「やらなきゃ良かったなんてことはない」をモットーに、とにかくやりたいように演奏し、録音をしてきたと言うことです。 本アルバムに収録されている曲A1-A3, A5, A6は、Harry Rag, Uwe Jahnke, Jojo Walter, Ulrich Putsch, A4は、Harry Rag, Uwe Jahnke, Gilbert Hetzel, Thomas Oberhoff, A7, A8は、Harry Rag, Uwe Jahnke, Andrea Becker, Thomas Schwebel, Ulrich Putsch, A9は、Harry Rag, Uwe Jahnke, Gilbert Hetzel, B1には、Harry Rag, Uwe Jahnke, Gilbert Hetzel, Thomas Oberhoff, Stephanie De Jong (Boss & Beusiの片割れ)からなっており、A7, A8は、1978年6月にデュッセルドルフのCarschhausでのライブ音源で、A1, A9, B1は1981年12月にハンブルクでのセッションをUlf Kaiserが録音した音源で、残りは、1978-1979年にゾーリンゲンでのセッションをHarry Ragが録音した音源とのことです。 それで、本作品の内容ですが、A面は、先ず、ヘロヘロのPercにシンセとオルガンや鉄琴やらと即興的なVoが乗るA1, カッコ良いファズGとまるでWildman FisherのようなVoの共演のA2, ヒョロヒョロした笛とファズGのふざけたような共演が続くA3, 結構カッコ良いミニマルでクラウトロックなミディアムテンポのA4, アコーディオンとヘロヘロのPercにBと言う何とも脱力なA5, 渋めのアコギにピアニカとラジオ音、更に出鱈目に歌うハーモニカと言うまたまた脱力感満載のインスト曲A6, いきなりアップテンポで突進するパンキッシュなクラウトロックにも聴こえるA7, これまたミニマルでCanの影響をモロに感じるA8, ゴソゴソしたバックの演奏にMichael Calori風の鋭いGが特徴的なインスト曲A9で、A面は締められています。 B面の長尺の曲は、ややスローで延々と続くBのリフとDrsに、Gや様々なノイズ的音、更に、Boss & Beusiの片割れでもあるStephanie De Jongの速射砲のような電話の声が乗ると言う”B級Can”のようで、中々聴き応えがあります(レコードではロックト・グルーヴになっています)。 本作品に収められている曲は、それぞれ、録音状態も完成度もバラバラですが、初期のS.Y.P.H.がどう言うバンドであったか?また彼らが何故、NDWの中で「Canの再来」と言われたのか?が良く分かる内容になっています。それが確認できるだけでも、このアルバムを聴く価値はあるのではないかと思います!!とにかく、彼等の実験精神がパンパンに詰まったアルバムですね。タイトル通り、全独ロック・ファンは必聴です!! A1 “Ich Und Ich” (0:55) A2 “Industriemädchen (Splut)” (0:28) A3 “Töneflöten” (1:04) A4 “Liebeslied” (3:46) A5 “Mittelalterloop” (1:24) A6 “Wildes Males” (3:36) A7 “Blech” (3:03) A8 “Mondpogo” (2:22) A9 “Two Minutes In A Room” (2:11) B1 “Hello Mr.” (18:44) A1 “Ich Und Ich” (0:55) https://youtu.be/h-CPaCwr2Xw?si=yAzq1iafUOyxyXjV [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_meEER6lWH83TftJvCugV_9ea0lAcPbXMU&si=wT5vmgCPRKtZUlea [BandcampのURLも貼っておきます] https://s-y-p-h.bandcamp.com/album/punkraut-1978-1981 #S.Y.P.H. #Punkraut78-81 #TapeteRecords #EarlyRecordings #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Canの再来 #Experimental #Punk #PostPunk #Krautrock #LiveTrack #StudioRecording #HarryRag #UweJahnke #JojoWolter #UlrichPutsch #GilbertHetzel #ThomasOberhoff #AndreaBecker #ThomasSchwebel #StephanieDeJong
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental Rock Tapete Records ¥5060Dr K2
-
V.A. “Jugend Forscht”
これは、以前、ご紹介したバンドMC²が入っていたコンピなので、ついでに購入した作品なのですが、MC²以外のバンドは全く知りませんでした。また、後から気が付いたのですが、最近、リリースされたDer Moderne Manのセルフ・コンピと同じタイトルなのですね。それでは、各バンドと各曲を簡単に紹介していきましょう。 先ず、MC²ですが、アルバム収録曲と同じ曲が2曲収録されています。詳しくは、前回紹介の項目をご参照下さい。メンバーは、Michael J. Clohc (Vo, Synth), Günter Skimann (G, Back-Vo, Effects), Günter Huppert (Synth, Effects), Alfred Erhart (B, Back-Vo), Mario Bulas (Drs, Perc)の5人組です。収録されている曲A1とA2はアルバム収録曲で、ライブ音源です。A1がアルバムとほぼ同様のアレンジなのですが、A2では、映画007のメロディも敢えて使ったりして、アレンジをかなり変えており、そこがまた良いです。 続いて、Vitaminですが、全くの謎です。女性Voがいることと、仏語圏のバンドの可能性があること位しか分かりませんでした(すまん!知っている人がいたら、教えてください!)。ただ、曲はライブ音源で、ミックスをE. Neubautenでも有名なJohn Caffreyがやっています。突っかかるようなアップテンポのリズムに、ややハスキーな女性VoとSaxと言うB級仏版Essential LogicのようなA3と、リズム構築が面白く、Saxと仏語Voが特徴的なA4もライブ音源で、ドラマチックな曲です。 次に、Bildstörung (ビルトシュトゥルンク)ですが、1981年に1枚アルバムをGeeBeeDeeから出しています。メンバーは、Frieder Hüttig (Vo), Musti Ungör (G), Werner Seidel (B), Peter Prochir (Drs) Hans-Günther Vitzthum (G)の4人組で、2006年に初期のライブ音源をLP”Frankfurt Babylon 1980”として、Rotten Totten Recordsから出していますので、それなりにフランクフルトでは人気があったのではないでしょうか? 割と軽めのリズムにポストパンク風のシンプルな演奏から成るA5と細かく刻むGと独特ののBラインが興味深いA6もライブ音源です。歪み無しのGが心地良いです。 続いて、Strassenjungs (シュトラッセンユンクズ)は、実は最も良く知られたバンドで、元々は、Axel KlopproggeとEckehard Ziedrichが、英国のSex Pistols等のパンクの流行りに乗ろうとして、でっちあげたのが最初で、その為に、バート・カムベルクのバンドTiger B. SmithのリーダーであるHolger Schmidt (Vo,G)とKarl Heinz Traut (Drs, Perc)、更にNils Selzer (B; 元The Cheats, 元Orgon)とAlexander B. Rodmann (G, Vo; 元Lady, 元Octopus)を集めて、偽名を名乗らせて、録音したのが、ファースト・アルバム”Dauerlutscher”で、これにCBSに飛びつきますが、商業的成功には至らず、一旦解散しています。その後、Nils Selzerがバンド名の権利を持っていたので、新たに、Harry Heinen (Vo, G), Volker “Pickup“ Picard (B, Vo), Martin Herbolzheimer (Drs)を集め、自分はGにチェンジして、1978年に、自主制作でアルバム”Wir ham ne Party”をリリース、結構、ライブバンドとして人気があったようです。Nils Selzerは、自主レーベルTritt Recordsの運営も始め、それが縁でEmbryoやTon Steine Scherbenとも関わりを持ちます。Nils Selzerのバンドの方は、1981年に次のスタジオ・アルバム”Los!”をリリースしますが、ファースト・アルバムについて、連邦審査委員会(映倫のような組織?)は、1982年秋〜2007年8月まで、有害アルバムとして認定していました。1983年には、ライブ・アルバム”Immer Weiter Geh'n...”もリリースしています。また、SelzerとHeinenはそれぞれソロアルバムも制作しています。また、Selzerは、当時の恋人が参加していたフランクフルトのバンドStrapazeのアルバムを自身のレーベルから出しています。1984年に、バンドは、新録アルバム”Bleiben Oder Geh'n”をRockport Recordsから出しますが、Heinenに代わって、Matthias Baumgardt (G)が参加しています。ポップだったのですが、成功とは言えず、1986年に、次のアルバム”6”をTritt Recordsから出しています。その後、1990年に、Selzerは健康上の理由から表舞台から身を引き、Michael Liebert (G), Torsten Dechert (Drs), Volker “Pickup“ Picard (B)でアルバム”Duell”を1991年にリリースしており、その後もメンバーチェンジを経て、今も現役です。それで、本アルバムのB面に移りますが、ドカドカしたDrsと変なカッティングのGが独特なB1で始まり、と思ったら、ストレートなロッケンローなB2, そうしてコーラスワークも素晴らしいポップパンクなB3となり、いずれもライブ音源です。 お次は、当時のNils Selzerの恋人も在籍していたStrapaze (シュトラパッツェ)で、彼女達は1枚アルバム”Wild + Weiblich”を出しています。その時の参加メンバーは、Manuela Pohl (G, Vo), Aika Wolf (G, Perc, Vo, Kbd), Petra Ilyes (B), Sandra Kercher (B [A1, A2, A4, B1]), Lotti Marsau (Drs)となっています。割と力強いビートを叩き出しいる演奏をパックに女性Voが歌いまくるB4ではGソロっぱい間奏も聴取されます。細かいBラインにバタバタしたDrsと打楽器的GがポストパンクなB5から成り、両曲共ライブ音源です。 最後は、Flex-Y-Bellですが、1980年代初頭に活動していた、フランクフルト/マインのバンド(?)で、1枚のアルバムと1枚のシングル及び1本のカセットを出しています。どうも、先述のStrassenjungsのアルバムにも参加したことのあるMatthias Baumgardtのソロユニットのようで、作詞にはScotty Roosenらが携わっていたようです。1982年リリースのセルフ・タイトルのアルバムには、Matthias Baumgardt (G)の他、Tina Knaus (Vo), Angelika Fleer (Synth), Philip Lynch (B), Josy Green (Drs)が参加していますが、作曲等には多くの人が携わっています。割と大胆なGをフィーチャーしながも、女性Voが繊細に歌うB6と少しレゲエ調のリズムに力強い女性Voが乗り、サビでは弾けるB7で、本アルバムを締めています。 全曲、ライブ録音だったので、多分、何かのフェスとかのライブ音源のコンピレーションではないかと思うのですが、割とどのバンドもポストパンクっぽくて聴き応えがありました!細かいことよりも、この時代の雰囲気を味わうのにはもってこいのライブ・コンピレーション・アルバムだと思いますので、是非とも、皆さんに聴いて欲しいですね! A1 MC² “Stadt Aus Stahl” A2 MC² “007” A3 Vitamin “Où Es Tu” A4 Vitamin “Le Petit Bourgeois” A5 Bildstörung “Choo Choo Mann” A6 Bildstörung “Cadillac” B1 Strassenjungs “Konfusion” B2 Strassenjungs “Bundeswehr” B3 Strassenjungs “Autokino” B4 Strapaze “Tranquilizer” B5 Strapaze “Schwer” B6 Flex-Y-Bell “Immer Mehr” B7 Flex-Y-Bell “Prima-Prima” A1 MC² “Stadt Aus Stahl” https://youtu.be/P7ooU21rZJk?si=kUBA4QdNPwCHom8s A3 Vitamin “Où Es Tu” https://youtu.be/Cd6NVZrPTsA?si=_cT48l55uLOMRERD A4 Vitamin “Le Petit Bourgeois” https://youtu.be/u-aGzdhaxPI?si=JZw-9D3hryHPs7Kw A5 Bildstörung “Choo Choo Mann” https://youtu.be/WAiNHlqF5Aw?si=xXQ27IElkblqGGcv B1 Strassenjungs “Konfusion” https://youtu.be/y6-32T8JJJA?si=0niT7pIWKcZJGkzN B2 Strassenjungs “Bundeswehr” https://youtu.be/QTee5QxuHo8?si=Jpta9V90BDcnWngr B3 Strassenjungs “Autokino” https://youtu.be/z_vEkbT3UjQ?si=vgBO6boxQmpiY6HD 参考までにStrapaze アルバム“Wild + Weiblich” https://youtu.be/W0wKVl2o5W0?si=lxD7y6WYVpNERXnV 参考までにFlex-Y-Bell “TV Song” https://youtu.be/mDqGfiNSB0w?si=pa7Vfx7qnZy2KNFW #VariousArtists #JugendForsch #BatschRekords #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #Punk #PostPunk #MC² #Vitamin #Bildstörung #Strassenjungs #Strapaze #Flex-Y-Bell
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / New Wave / Punk Batsch Rekords €10.00Dr K2
-
Nichts “Aus Dem Jenseits”
独パンクバンドの先駆けDer KFCのTobias Brink (Drs)とMichael Clauss (G)が、Der KFC脱退後に、結成したのが、このNichts(ニヒツ)で、このアルバムはサード・アルバムに当たり、Claussは既に脱退しています。Nichtsのバイオグラフィーは、前回書いてありますし、Labの「私的Neue Deutsche Welle」の独パンクの項目にも書いてありますので、それらをご参照下さい。それで、本作品のメンバーは、Andrea Mothes (Vo, Synth), Steven Keusch (G), Peter Szimanneck (B, Synth), Tobias Brink (Drs)となっており、Klaus Bohlmannとバンドで、共同プロデュースしています。また、ジャケのイラストは、Heseler & Heselerで、カバーデザインは、Erwin Schmidtが手がけており、何となく一貫性を感じますね。因みに、このアルバム “Aus Dem Jenseits (アウス・デム・イェンザイツ;「彼方から」の意)を出した後に、バンドは一度解散し、2009年に、Michael Claussとそれ以外新メンバーで再結成され、2011年に、新録のアルバムを出しています。 それで本作品ですが、先ずA面は、軽快なリズムにポップなメロディのニューウェーブと言うかポップンロールなA1で始まり、小刻みなBとタム多用のドカドカDrsによるポストパンク的曲ですが、サビはキャッチーでノリが良いA2, 何か「青春ポップ・パンク」っぽいA3, キレの良いGを中心に結構、ポップなA4では、間奏のGもカッコ良いです。やや落ち着いたテンポのニューウェーブなA5でもシンセが効いています!迫力あるDrsと細かく刻むGが印象的なA6でA面を閉じています、 一方、B面も、バネのあるリズムながら、やや悲しげなポップソングB1で始まり、スローでGのカッティングの効いてはいますが、中々良いメロディのB2では泣きのシンセも聴取できます。スペーシーななシンセで始まるアップテンポで弾けるニューウェーブ・ソングB3, スパイ映画のような怪しげなメロディのB4では、Gが大活躍しています。ドラムマシンにバネのあるBと怪しげで不安気なシンセのメロディが印象的なインスト曲でタイトル曲であるB5で締めています。 久しぶりにNichtsのアルバムを購入して、聴いてみましたが、こんなにニューウェーブでポップだったかな?と一瞬戸惑いました。しかしながら、これは恐らく、GのClaussが抜けて、新たにSteven Keuschが加入したこと、またシンセを多用していること等も関係しているのかな?と推測しました。決して出来が悪い訳ではなく、寧ろよりポップになっているので、聴き易くなっていると思います。しかしながら、Nichtsはこのアルバムで一旦解散してしまいます。そんな雰囲気を最後の曲B5に感じてしまいました!そんなNichtsの、翳りのあるポップなアルバムを一度、体験してみて下さい!! A1 “Horrorskop” (3:03) A2 “Auf Zeit” (3:00) A3 “Normal” (2:34) A4 “Du Kommst Zu Spät” (2:30) A5 “Verlorene Illusionen” (3:07) A6 “Irgendwann” (2:09) B1 “Liebe” (2:49) B2 “Und Die Flammen...” (3:10) B3 “Halluzination” (2:56) B4 “Zu Schön” (2:48) B5 “Aus Dem Jenseits” (3:29) https://youtu.be/84tYnzThXNg?si=YyRbhC3NtRycXZXW #Nichts #AusDemJenseits #WEA #ThirdAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Punk #NewWave #PopPunk #DerKFC #AndreaMothes #StevenKeusch #PeterSzimanneck #TobiasBrink #Co-Produce #KlausBohlmann
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / New Wave / Punk WEA €25.00Dr K2
-
Geile Tiere “s/t”
以前に、Geile Tiere Berlinとして紹介しましたLuciano Castelli (ルチアーノ・キャステリ)とSaloméことWolfgang Ludwig Cihlarz (ヴォルフガング・ルートヴッヒ・チーラルツ)から成る「パンク」デュオGeile Tiere (ガイレ・ティーレ)の唯一のアルバムを、今回はご紹介します。先ず、ジャケ写のインパクトが凄いですね。前回、彼等のバイオグラフィーは書きましたが、2人ともアート畑出身ですので、こう言うグラフィックの効果も狙っているのでしょう。彼等の詳細については、前回のバイオグラフィーをご参照下さい。 それで、内容の方ですが、先ずは、ダルなリズムマシンとGに、変調Voやら正体不明のノイズやら時々パンキッシュなVoが乗るダラダラしたA1で始まり、唐突にリズムマシンにストリートアートのように塗りたくられた音や声が面白いA2へと続き, 銅鑼の音共に始まる、軽快なマシンビートにジャズ・オルガンのリフやら不協和音やらと自在なVoが飛び交うA3はニューウェーブと言うよりノーウェーブ的です。雄叫びのようなシンセとマシンリズムに変調Voと生Voが絡み合うA4では、BやGが段々存在感を増していきます。ダブ処理されたリズムマシンに合わせて、能天気な歌と自在なGとオルガンらしき演奏から成るA5で、Bが辛うじて曲を保っています。 B面は、ドンカマのリズムに乗って、Gやオルガンと共に、早回しのVoや仰々しいVoを呪文のように繰り返すB1で始まり、唐突にバンド形態(生Drs, B, G, Kbd)の演奏に、キャッチーなVoとノーウェーブなオルガンが乗るB2, 再びマーチのマシンリズムと地響きのようなBと壮大なKbdに合わせて、シアトリカルなVoでの寸劇を繰り広げるB3, スローで土俗的リズムマシンに生Drsのロータム、更にこちょこちょしたシンセに乗せ、引き攣ったようなVoを延々と繰り返すB4, 結構、ロッケンロー的マシンビートとシーケンス及びGに、語り(?ラジオ音?)や早回しVo等を乗せたノリの良いB5, テープ音からいきなり太く荒々しいBとオルガンとDrsの演奏をバックにパンキッシュなVoが鮮烈なライブ音源B6で、本アルバムを締めています。 この作品では、Geile Tiereのアート・パンクな側面が前面に出ており、また殆どがLucianoとSaloméの2人だけで録音されたと思われる曲が多く、敢えてダルな雰囲気したり、様々なスタジオ・テクニックを駆使して、割とミニマルかつノーウェーブに仕上げたりと聴き応えも充分になっています。特にB6のライブ音源は貴重だと思います。最初は、少し把握し辛い印象もありましたが、聴く程に味のあるアルバムだと思います!ニューウェーブ好きよりもノーウェーブ的要素をNDWで消化した内容なので、そこら辺に興味のあるリスナーさんにはお勧めです!面白いですよー! A1 “Rosa / Hellblau” (5:50) A2 “Ich Bin Ein Huhn” (1:58) A3 “Place Des Alpes” (5:15) A4 “Liebst Du Mich?” (5:10) A5 “Supergeil” (5:06) B1 “Plastic” (3:53) B2 “Ausbildung” (3:04) B3 “Interview” (3:47) B4 “Kein Gefühl” (5:34) B5 “Just In Case” (3:33) B6 “Love You (Live)” (2:47) A1 “Rosa / Hellblau” (5:50) https://youtu.be/Wgbb1bI0MnA?si=Ex68AsHlRO4Utb4W A3 “Place Des Alpes” (5:15) https://youtu.be/hD14VWBKr18?si=0USVHDuvYaBzZUhh A4 “Liebst Du Mich?” (5:10) https://youtu.be/BQpHhfyo5o0?si=KZK4x_RnxtKa_ABf B1 “Plastic” (3:53) https://youtu.be/a7FKYpxP8r0?si=VKP_wFV6TF8LBonI B2 “Ausbildung” (3:04) https://youtu.be/cTUzz1s7m6Q?si=Qp4EJwUKUiDosuS5 B6 “Love You (Live)” (2:47) https://youtu.be/28mtlrxguMs?si=B_4ym-x1g2F5V_KZ #GeileTiere #self-titled #GeeBeeDee #FirsAndLastAlbum #Berlin #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Experimental #Minimal #ArtPunk #NoWave #LucianoCastelli #WolfgangLudwigCihlarz #Salomé
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Experimental GeeBeeDee €55.00Dr K2
-
高橋悠治 & 藤枝守 “「電脳カフェ」のための音楽”
これは、何の気無しにちょっと興味を持ったので、購入していたブツなんですが、漸く聴いてみようと思いました。それで、いつものように、各人のバイオグラフィー。先ず書いておきますが、高橋悠治氏のはマジで書くと、物凄い量になるので、かなり端折って行きたいと思います。高橋悠治の家族は、音楽一家で、父は季刊誌「音楽研究」の編集長を務めた音楽評論家高橋均、母はピアニスト蔭山英子。ピアニストの高橋アキは実妹。そして、高橋悠治自身は、ピアノとコンピュータによる即興演奏や、日本の伝統楽器と声のための作曲等の音楽活動を行っています。彼は、橋本國彦、團伊玖磨、柴田南雄、小倉朗に作曲を、伊藤裕、宅孝二にピアノを師事し、桐朋学園短期大学作曲科を1958年に中退後、1960年の東京現代音楽祭でボー・ニルソンの「クヴァンティテーテン; 『量』の意」の日本初演でピアニストとしてデビューし、注目を浴びる。そののち、草月コンテンポラリー・シリーズにおいて、武満徹の「ピアノ・ディスタンス」、John Cageの”Winter Music”やIannis Xenakisの”Herma”等を演奏しています。1962年に秋山邦晴、一柳慧、小林健次らと実験的演奏家集団New Directionを結成し、作曲家として同年、ピアノ曲”Extacys”, 電子音と12楽器による室内楽のための”Phonogienne”, 1963年にはテープと器楽アンサンブルのための「冥界のへそ」を発表。同年秋からはフォード財団の助成を得て西ベルリンに留学し、Xenakisに師事。1964年作曲の”Chromamorph Ⅱ”は、6月にベルギーのGentで初演されています。一方、パリのドメーヌ・ミュジカルなど欧州各地においてピアニストとしても活動しています。Xenakis作品を演奏したアルバムで1965年度のフランス・ディスク・アカデミー大賞を受賞。翌年1966年5月、日生劇場において開催された現代音楽祭Orchestral Spaceに参加し、高橋悠治のピアノ、小澤征爾の指揮でクセナキスの”Eonnta (エオンタ)”を演奏する。同年ロックフェラー財団の奨学金を得てタングルウッドのバークシャー音楽センターで開催される夏期講習に参加するために、NYCへ移住し、コンピュータによる作曲を研究した。また、バークシャー音楽センター、ラビニア音楽祭、ストラットフォード(オンタリオ)演劇祭、ニューヨーク州立大学バッファロー校の『創造と演奏の芸術』センターなど各地で演奏し、のちには『創造と演奏の芸術』センター所員として作曲を行っています。この間、ロンドン交響楽団、ニューヨーク交響楽団、ボストン交響楽団、シカゴ交響楽団、サンフランシスコ交響楽団、フィラデルフィア管弦楽団、トロント交響楽団、バッファロー交響楽団などと共演し、アテネ音楽祭、ストックホルム音楽祭、オックスフォード・バッハ音楽祭、プリンストン室内楽音楽祭、ニューヨークにおける「新しい音楽と音のイメージのための夕べ」では独奏者として演奏しています。この時期、多くのアルバムを録音しています。1966年と1968年には、マニラとニューヨークで開催されたユネスコ国際音楽評議会で演奏や講演を行っており、1968年6月5日、現代音楽祭「OrchestralSpace 1968」において、自作”6つの要素(4つのヴァイオリンのための)”が演奏されています。1969年1月14日小澤征爾指揮トロント交響楽団とともに武満徹の”Asterism”の初演に参加し、同年秋一時帰国し、1970年の大阪万国博覧会における武満徹が音楽監督を務める日本の「鉄鋼館―スペースシアター」での演奏作品”エゲン”を収録しています。1970年代以降は、民衆の声や音を用いた創作手法も重視し始めます。1971年6月、渋谷公会堂でのリサイタルのために一時帰国。6月9日には朝日講堂で、日米現代音楽祭クロストーク最終回として室内楽作品”和幣(ニキテ)”が初演されています。同年8月30日にインディアナ大学の数理自動音楽研究センター(CMAM)の副ディレクターに就任し、秋からは、同大学で作曲とピアノを教えています。また、サンフランシスコ音楽院でも教鞭を執っています。しかし、同年12月14日、大学学長から翌年1972年5月付けでの解雇を宣告され、Xenakisと共同でコンピュータ音楽研究室を結成し、過去数年間同大学でXenakisが継続してきた実験の企画に1年間協力するも、研究している音楽と他の領域との中間にある探究の実現にとっては、既成の学問領域分割に基づく大学の固定的区分はどうにも不自由であったらしいです。1972年末研究室は解散し、Xenakisはパリに移り、16ビット、10万サンプル/秒のD/A変換によって実験を継続することになります。1972年に高橋悠治は、東京大学の情報科学研究室でGRAMS/ICOM計画に参加し、コンピュータによる作曲と音響発生の結合を実験し始めますが、1974年のある時期以降は、しばらく大学に行かなくなります。その後、1972年4月に帰国し、グラモフォンで「武満作品集」を収録。1973年には3月20日の渋谷公会堂での第600回N響定期公演において、Xenakisのピアノ協奏曲”Synaphai (シナッフェ)”を演奏、同年、武満徹、林光、松平頼暁、湯浅譲二と共にグループTransonicを組織し、1976年まで季刊誌”Transonic”の編集活動を行っています。1973年7月からは日本コロムビアの川口義晴プロデュースによるレコーディング開始し、「バッハの世界」を作成しています。1974年9月には4チャンネルを使った「パーセル最後の曲集」を作成、1975年には、J.S.Bach “Die Kunst der Fuge(フーガの技法)”, John Cage “Sonata & Interlude”等、同社からのアルバム・リリースは1980年1月収録のSatieまで続いています。一方、FM放送録音として、1974年1月20日の日生劇場でのリサイタル録音には、1973年に高橋悠治によって初演されていた近藤譲”Click Clack”、1973年に仏ピアニストMarie-Françoise Bucquet (マリー=フランソワーズ・ビュケ)により初演されていたXenakis の”Evryali(エヴリアリ)”の日本初演に当たる音源等が収録されています。また、1976年から画家の富山妙子とスライドで絵と音楽による物語作品を製作する。1978年にはタイの抵抗歌を日本に紹介するために、水牛楽団を組織し、以後5年間、各地の市民集会でアジアやラテンアメリカの民衆の抵抗歌を編曲・演奏する活動を行っており、1980年1月から月刊「水牛通信」を発行。同年9月からは光州事件を受けて、各地で韓国政治犯支援コンサートを開催、1981年1月、「山谷越冬闘争支援集会」「金大中氏らを殺すな! 杉並市民集会」「金大中氏らに自由を! 新宿コンサート」を開催しています。同年2月に「高橋悠治とその仲間」を東京文化会館にて開催し、同年4月からは「都市シリーズ」コンサートとして「ワルシャワ物語」。これは「カタルーニャ讃歌」「サンチャゴに歌が降る」「コザの向こうにミクロネシアが見える」「バンコックの大正琴」を開催しています。同年10月にはタイのバンコクのタマサート大学で「血の水曜日」5周年追悼集会に参加。同年12月には、加藤登紀子と日比谷公会堂における国連パレスチナ・デー記念コンサート「パレスチナに愛をこめて」で共演。1982年1月には、緊急コンサート ポーランド「禁じられた愛」が中野文化センターで開催されています。1983年以後は次第にコンピュータとディジタル・サンプラーによる作曲やライブが中心となってきますが、また室内楽やオーケストラ曲の作品を書き、三宅榛名とのユニットによるコンサートプロジェクトをはじめ、富樫雅彦、豊住芳三郎、John Zornとの即興演奏も行っています。1987年12月築地本願寺講堂において、水牛通信100号記念コンサート「可不可」を上演、1988年8月、1986年出版のChristoph Wolff校訂Bach “フーガの技法”自筆初期稿をピアノで演奏録音しています。1989年には東京でマッキントッシュ・フェスティバルに参加、1990年2月には築地本願寺Buddhist Hallにおいて、コンサート「可不可Ⅱ」を上演。高田和子に三味線を習い、同年以降は邦楽器や雅楽の楽器のための作品を多数発表しています。1990年4月には、「発掘品に拠って復元製作された弥生期のコトのための『ありのすさびのアリス』―矢川澄子の詩による―」コンサートに参加し、1991年には初の環太平洋電脳音楽会と池袋電脳カフェを開催しています。後者では、高田和子と共作のコンピュータと三絃弾き語りのための「水……」を初演しています。CD時代に入り、1992年サイバーサウンドウィーク、管絃心戯を企画し、コンピュータ演奏を開始し、また同年よりFONTECからCDシリーズ「高橋悠治リアルタイム」により、自作を含む演奏・録音物をリリースしています。1993年三絃弾き語りとオーケストラのための「鳥も使いか」を作曲、1995年には、詩人藤井貞和とコラボレーションを始めています。1997年のパシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌には作曲部門の講師として参画し、若手音楽家たちによって多くの高橋作品が演奏され、自身もピアニストおよび指揮者としています。1999年には作曲家・編曲者である蘭人Louis Andriessen(ルイス・アンドリーセン)とともにポーランドにおける第19回若手作曲家のためのISCMサマーコースに、同年、東京フェスティバルには、韓国の伝統音楽の専門家であり、作曲家のHwang Byung-ki(ファン・ビョンギ)とともに参加しており、一方、同年には演奏集団「糸」を結成しています。2002年コンピュータによる音響作品の制作を始めています。同年10月より約1年間病気により休養後、2003年の大阪での北東アジアフェスティバルにおいては、中国の作曲家瞿小松(チュ・シャオソン)や韓国の作曲家Hype-shin Na (ヒョーシン・ナ)と共に「東アジアからの提案」シンポジウムを組織しています。2006年にはニューヨークの現代芸術財団 (FOCA) から助成金を授与され、2008年にはモンポウ、ブゾーニの作品、2009年には「Bartók(バルトーク)初期ピアノ作品集」を制作し、21世紀に入ってからも多くのピアノソロを収録しています。 一方、藤枝守も、現代音楽家であり、カリフォルニア大学サンディエゴ分校では湯浅譲二, Morton Feldman, Gordon Mumma他に師事し、現在は、九州大学名誉教授です。それで、藤枝守は「耳の理解をはるかに超えた複雑で緻密な作曲手法は…(中略)、けっして耳に居心地のいいものではなかった」と言う点から、自身の創作を展開しています。つまり、聞いて感じが良いものとは何か、それはなぜ感じが良いのか、といった2つの問いに答えることが藤枝守の創作の根幹にあります。初期の藤枝守は、調性に基づいたシステマティックなパターンを西洋音楽の古典にも適用し、古典のメロディを際限なく自身の創案したパターンで「寄生」することによって音楽を成立させており、この時期の代表作にピアノのための「遊星の民話」がある。また、同時に、調性的なパターンに特殊な変調を施した電子音楽もこの時期に制作されています。その後、カリフォルニア大学サンディエゴ分校では湯浅譲二, Morton Feldman, Gordon Mumma他に師事し、この地で、Harry Partchの43分割音律を知り、自身の音楽を調律の問題へシフトさせています。彼は、12平均律全盛の前衛音楽の歴史に一石を投じることができるのではと考え、音律の変更が楽な、琴、クラビコード、笙といった楽器編成に変更して電子楽器とは離れますが、自身の使用する調律にはコンピュータが用いられており、古典から現代までに試みられた様々な調律を参照した自身の調律法で作曲されることが多かったようです。近年では新たに提唱された「バッハ調律」といったもので自身の作品を演奏するなどの試みも続けている。またインスタレーションにも熱心で、実際の植物の電位変化をコンピュータ解析した結果でメロディを生成して楽曲を制作したりもしています。 以上が、2人のバイオグラフィーになりますが、本作品は、1991年9月4日〜8日に池袋西武百貨店カフェ・ポアンで、高橋悠治の企画の元、開催された「池袋電脳カフェ - 街へ出たコンピューター・ミュージック」の為に制作された4曲が収録されています。この4曲は、この企画中に販売する為に、急遽、柴田南雄邸で、櫻井卓によって録音されたカセット作品が元になっており、その時のカセットスリーブが、ジャケに貼ってあったり、ICチップの基盤が貼り付けてあったりします。そして、副題にもありますように、内容もコンピューター・ミュージックでありますが、元々はサウンド・インスタレーションの為の音楽であったとのことです。本作品では、Yuji Takahashi (Computer), Mamoru Fujieda (Computer, Synth, Transducer)が参加していますが、実際のインスタレーションでは、高田和子(3弦)や朝吹亮ニ(Vo, Poet)も参加する時間帯があったようです。因みに、ここでのコンピューターと言うのはMacのことで、特に作曲支援プログラムMAXを使っていたようです。 それで、内容ですが、A面は、金属質な音をバックに変調音を組合せたシンプルなA1で始まり、次には、如何にもコンピュータ音楽と言う感じのサンプリング機能と変調機能をバリバリに使って、金属質な変調音をバックにコロコロした音等が点描的に配置された「現代音楽」的なA2となります。間の取り方やパンの仕方が「現代音楽」的です。 B面も、金属質な音(弦楽器の変調音?)と象の鳴き声の絡みから始まり、様々なサンプリング音やその変調音を時間的に加えていくB1から始まりますが、シンセ等の電子音も聴取できます。やはり金属質な音をバックに、如何にも「コンピューター処理しました」と言うような具体音や楽器音或いは打楽器音を加えていくB2で終わっています。 コンピューター・ミュージックの走りであったことを考えると、多分、当時は革新的だったのだろうことが容易に予測できますが、現在の音楽テクノロジーの進歩に慣れた耳で聴くと、割とシンプルな変調とか曲構成しかしていないようにも感じます。なので、逆に「懐かしい」音楽にも感じますね!!それは現在では、音楽テクノロジーの進歩と安価にその手の機材が入手出来る状況であることから、現代では、如何に、そのようなテクノロジーを使いこなすか?と言う命題にぶつかるのではないかと思います!!そんなことを考えさせてくれる1枚でした!! ただジャケのデザインは中々面白いなと感じました! A1 “Morning” (4:44) A2 “Afternoon” (9:38) B1 “Evening” (9:34) B2 “Night (Remix)” (4:40) https://youtu.be/PE5lTPKfVIA?si=p3K7j_x00tHNVjz1 #高橋悠治 #YujiTakahashi #藤枝守 #MamoruFujieda #「電脳カフェ」のための音楽 #MusicForCyberCafe #EMMusic #現代音楽 #ComputerMusic #Macintoch #MAX #Synthesizer #Sampler #カセット #販売用 #池袋電脳カフェ #街に出たコンピューターミュージック#西武百貨店 #カフェポアン #SoundInstalation #録音 #櫻井卓
Modern Classical / Electronic / Experimental EM Records ¥3250Dr K2
-
Einstürzende Neubauten “Greatest Hits”
またまた、Einstürzende Neubautenです。しかし、今回は”Greatest Hits”と言うベスト盤と言うかセルフ・コンピレーション・アルバムです。まぁジャケ写からして、如何にもE.Neubautenらしい、インパクト大なものだと思います。それで、今回のベスト盤は、丁度、F.M. EinheitやMarc Chung在籍時期と、彼等の脱退後のJochen ArbeitとRudolf Moser在籍時期の両方を跨いでいますが、どちらかと言うと後者の方により重点をおいているようです。それで、参加メンバーはと言うと、Blixa Bargeld (A1-D4), Alexander Hacke (A1-D4), N. U. Unruh (A1-D4)の他、F.M. Einheit (A3, A4, D2), Marc Chung (A3, A4, D2), Jochen Arbeit (A1, A2, B1-D1, D3, D4), Rudolf Moser (A1, A2, B1-D1, D3, D4)で、ゲストに、Jan Tilman Schade (Violincello, 指揮者[String and Trombone Ensemble], アレンジ), Berkcan Ertan (Double-B), Daniel Casimir (Trombone), Rob Gutowski (Trombone), Bruno Schmidt (Viola)も参加しています。また、プロデュースは、バンド自身とBoris Wilsdorf (A2, A4, B1-C1, C3, D1, D3, D4), Gareth Jones (A4), Jon Caffery (A1, A3, A4, C2, D2)がそれぞれ行っています。 また、曲目は、古い順に、A4はアルバム“Haus Der Lüge” (1989年作)から、A3, D2はアルバム“Tabula Rasa” (1992年)から、A1はアルバム“Ende Neu” (1996年)から、B1, B2, B4, C2, C3はアルバム“Silence Is Sexy” (2000年作)から、C1, D4はアルバム“Perpetuum Mobile” (2004年作)から、A2, B3, D1はアルバム“Alles Wieder Offen”(2007年作)から、D3はアルバム“Lament”(2014年作)からコンパイルされています。 と言う訳で、ミレニアムを跨いだ新旧の作品が取り上げられている本作品の内容をご紹介していきましょう(とは言っても、既にご紹介している曲もありますが)。 LP1のA面は、珍しく英語の歌詞で、ゆったりとした曲にピアノの単音弾きにストリングスがバッチリ合っている名曲A1で始まり、次もアップテンポで、メタパーのスネアに、またまた英語/独逸語の歌詞がマッチしているA2(ちょっと前に紹介しています), 重めのスプリングPercとBとの絡みにBlixaの切羽詰まったVoがかなり緊迫感を醸し出しているA3, そうして録音し直して、かなりメタパー色の強くなり、ドラマチックになったA4では、ストリングスがポイントです。 LP1のB面は、ミレニアムの作品から、ピロートークのように呟くBlixaのVoが頭に残るシンプルですが、ザイロフォンやストリングスが良い味を出しているB1で始まり、静かなる「炎」を感じされる、ドラマチックな展開をみせる長尺のB2, これまた、ストリングスとPercとBと言うシンプルながらも段々と盛り上がるB3(この曲もちょっと前に紹介しました), この頃のBlixaは英詞が多かったのかな?と思わせますが、ガラスのPercとストリングスがポイントのB4で、LP1を締めています。 LP2のC面は、シンプルな音をバックに、Blixaが優しく歌うC1で始まりますが、盛り上がる所はちゃんと盛り上がります。次には、割とリズミカルなバックに呪文のような、そして微かな呟きのようなBlixaのVoが乗るインダストリアルなC2, 更に静(語り)と動(サビ)の対比がクッキリとした、更にインダストリアルな名曲C3へと続きます。サビの前のめりのVoが最高です! LP2のD面は、馬の足音のようなリズムが心地良いD1(この曲もちょっと前に紹介済み)で始まり、これまた呪文のようなコーラスとVoが絶妙なD2, 不穏なエレピの調べに語るようなVoが秀逸なD3では、バックの音が簡素にも関わらず、表情豊かで、突然盛り上がります。これも英詞ですね。そして、雫のようなエレピとBをバックに、しっとりとそして呟くように、またハキハキと歌ったりと表現力豊かなVoが冴えるD4で締めています。 もう、近年のE. Neubautenの魅力がダイジェスト的にたっぷりと楽しめます。初期の破壊的な音響ではなく、寧ろ、Blixaの独語歌詞に重点を置いた、シンプルながらも、ストリングス等で上手く盛り上がていく手法はミレニアム頃から確立していたことがよく分かる内容となっています。また、初期メンバーによる演奏と後期メンバーによる演奏の違いや曲そのものの違いも分かり、その点も興味深いと思います!なので、E. Neubautenの近年の魅力を手っ取り早く知りたければ、本作品は良いサンプル・アイテムとなるでしょう!!聴いて、損は無いアルバムでさよ!! ◼️LP1 A1 “The Garden” (5:13) A2 “Let's Do It A Da Da” (5:32) A3 “Die Interimsliebenden” (5:01) A4 “Haus Der Lüge (New Mix / Rec)” (4:00) B1 “Sabrina” (4:40) B2 “Sonnenbarke” (7:00) B3 “Susej” (4:46) B4 “Total Eclipse Of The Sun” (3:52) ◼️LP2 C1 “Dead Friends (Around The Corner)” (4:50) C2 “Die Befindlichkeit Des Landes” (6:02) C3 “Redukt” (10:13) D1 “Nagorny Karabach” (4:25) D2 “Salamandrina” (3:00) D3 “How Did I Die?” (7:31) D4 “Ein Leichtes Leises Säuseln” (4:32) C2 “Die Befindlichkeit Des Landes” (6:02) https://youtu.be/i3dzy-y1xI8?si=IYd5oTG4DRvUmH9i [partially full album] https://youtube.com/playlist?list=PLVjZYT4jcq_WKsFxGN8LdhYkdStO2sqaa&si=_eWOTxTHbTX4cjcu #EinstürzendeNeubauten #GreatestHits #Potomak #Cloud-fundingSystem #SelfCompilation #ベスト盤#Industrial #Intelligence #MetalPercussions #HausDerLüge #TabulaRasa #EndeNeu #SilenceIsSexy #PerpetuumMobile #AllesWiederOffen #Lament #BlixaBargeld #AlexanderHacke #N.U.Unruh #F.M.Einheit #MarcChung #JochenArbeit #RudolfMoser #Guests #JanTilmanSchade #BerkcanErtan #DanielCasimir #RobGutowski #BrunoSchmidt #Co-Producers #BorisWilsdorf #GarethJones #JonCaffery
Industrial / Neue Deutsche Welle (German New Wave) Potomak ¥5060Dr K2
-
Sissy Spacek “Entrance”
今回は、出来立てほやほやのSissy Spacekの新譜”Entrance”をご紹介します。元々、Sissy Spacekは、米国LAのJohn Weise (B, Vo)とCharlie Mumma (Drs, Vo)から成るグラインド・コア・バンドとして始まりましたが、やがて、実験音楽的要素を取り入れるようになり、異形のバンドへと変貌していきます。今回は、先述の2人以外に、元P16.D4のリーダーであったRLWことRalf Wehowskyが参加していることが話題ではないでしょうか!それに加えて、日本からは実験ターンテーブリスト毛利桂さんも参加。また、奇才C. Spencer YehやAaron Hemphill, Brad Laner, Marco Fusinato, Tim Barnesも参加しており、更に、各面1曲ずつと言う、グラインド・コアからしたら信じられないような物理量であることも特筆すべき点であり、それだけで期待値爆上がりしてしまいますね。レーベル側の宣伝文を読むと、バンド結成26周年記念の作品であり、元々の音源は、John WeiseとCharlie Mummaが即興的に演奏した時に録音したものを使っているらしいのですが、コラボレーターである外部のミュージシャンによって、それらの音源は大きく変調・加工され、結果として、ミュージック・コンクレートのような、極めて実験的な音楽に仕上がったとのことです。特に、Ralf Wehowskyは新たなコラボレーターであったようで、それも大いに関係しているとのこと。それだけではなく、現在、米国実験音楽界で大活躍のJohn Weiseのコンセプトやテープ操作も本作品に大きく関わっているとのことです(実際、JohnはLAFMSにも関わっていますし、サウンド・エンジニアとしても活躍しています)。ロックを解体し、ミュージック・コンクレートとして再構築した、新たな「ロック」が本作品には詰め込まれています。 それで、内容ですが、先ず、A面は、いきなり、不協和音のピアノらしき打撃音から始まり、とてもグラインド・コアの演奏を加工したとは思えないような静謐かつ緻密な音響工作的な曲であり、物音のようなノイズや完全に加工され尽くされた演奏等が絶妙に配置されています。C. Spencer YehのVlnらしき音や変調された会話等、この組合せ方は如何にもRalf Wehowskyが行ったのではないか?と思わせる出来です。 B面も、テープ操作から、歪んだBや細切れのSaxやホーンやファズG、リズムを刻まない金属製打楽器(ここら辺はCharlie Mumma的)、更には物音系ノイズやフィールド録音等が緻密に組み合わさったミュージック・コンクレート曲になっています。時々、2人の演奏らしき音源の断片が挿入されるのもグーですし、ゆったりとした音や間、騒がしい音、時に暴発する音等、起伏の激しさもロック的に感じます! C面は、ドラムの即興演奏の断片が収められていますが、あくまでも裁断されたサウンド要素としてであり、その間には、キリキリとしたVlnの軋みやフルート、ヴォイス、再生速度を極端に変えた演奏、更には正体不明なノイズがパラパラ漫画のような速さで展開しており、見事にアタックのあるミュージック・コンクリートに仕上がっています。ある意味、最も「ロック的」な曲かも知れません。 D面は、不穏なオルガンとDrsの演奏から始まり、比較的ゆったりとしたドローン的展開と騒がしいグラインド・コア的展開とが上手く組み合さった曲で、時に分離し、時に重なり合い、また、電子音にも似た音源操作も加わって、カラフルな曲構成になっています。 この作品はSissy Spacekが行き着いた、彼等の実験音楽としての到達点なのかも知れませんね。特に、Ralf Wehowskyの参加は、論理的ミュージック・コンクレート的曲の制作に当たって、かなり大きな影響を与えたのではないでしょうか!? なので、これまでのSissy Spacekのファンからしてみたら、かなり異質な問題作だと思います!! ファンの方は覚悟して聴かれた方が良いかも!逆に、本作品はRLWファンには必聴ですね! ◼️LP1 ★A “Web Of Unfolding Appearance” (9:53) 参加者: Charlie Mumma, John Wiese, Katsura Mouri, Ralf Wehowsky, Aaron Hemphill, C. Spencer Yeh ★B “Figure Of Reflected Light” (17:46) 参加者: Charlie Mumma, John Wiese, Brad Laner, C. Spencer Yeh, Marco Fusinato ◼️LP2 ★C “Trancher And The Inheritors” (17:51) 参加者: Charlie Mumma, John Wiese, C. Spencer Yeh, Tim Barnes ★D “True Dimension (From The Opaque-Spike)” (16:13) 参加者: Charlie Mumma, John Wiese, Ralf Wehowsky A “Web Of Unfolding Appearance” (9:53) https://youtu.be/mefDOV4w2zI?si=_na8n9Bm4O4d60-_ B “Figure Of Reflected Light” (17:46) https://youtu.be/2nlwwNYzie4?si=PFdI2JmxeVaUwwnj C “Trancher And The Inheritors” (17:51) https://youtu.be/iSTbGwn1iMo?si=6db7ZUmpSHkPApTs D “True Dimension (From The Opaque-Spike)” (16:13) https://youtu.be/7naqPutCmg8?si=iyMUuG5RP3sfXWWM [BandcampのURLも貼っておきます] https://sissyspacek.bandcamp.com/album/entrance #SissySpacek #Entrance #ShelterPress #US #GrindCoreBand #Experimental #Noise #MusiqueConcrete #JohnWeise #CharlieMumma #Collaborators #RalfWehowsky #KatsuraMouri #C.SpencerYeh #AaronHemphill #BradLaner #MarcoFusinato #TimBarnes
Noise / Experimental / Musique Concrete Shelter Press ¥5830Dr K2
-
Lilli Berlin “Süss Und Erbarmungslos”
これまた、何故か、ジャケにそそられて、全然知らないのに、購入したアルバムです。なので、いつもの如く、ちょっと調べてみました。1980年に、ベルリンで、女優のUschi Lina (ウシィ・リナ)が、Jürgen Barz(ユルゲン・バルツ)とバンドを結成し、その後、Uschi Linaは自らをLilli Berlinと呼ぶようになったのが、このバンド(?)の始まりです。彼女らに加えて、 元MetropolisのManfred Opitz (Kbd; マンフレット・オピツ)や Harald Grosskopf (Drs;ハロルト・グロスコッフ)がメンバーとなります。歌詞は、後に夫になり、録音ディレクターにもなったJürgen Barzが殆ど書いていたそうです。1982年にシングル”Ostberlin-Wahnsinn”をリリースすると、エアプレイチャートにランクインしています。フロントのLilli Berlinの生意気な態度と風変わりな声、そして良いメロディーのおかげで、このバンドは、当時、出てきたバンドの中で目立つことが出来たそうです。1982年以降は、Frank Lüdecke (Sax; フランク・リューデッケ), Gerry Bowen (Trumpet; ゲリー・ボーヴェン), Jürgen Scheele (Trumpet; ユルゲン・シェーレ)も参加しています。1982年リリースのセカンド・アルバム”Süß und Erbarmungslos(ジュス・ウント・エルバールムングズロス;「甘くて容赦ない」の意)”からのセカンド・シングル”Liebe ist was große(リーベ・イシュト・ヴァズ・グロッセ;「愛は素晴らしいもの」の意)”も、チャート入りを含め、ラジオでのエアプレイも良好でした。 1983年に、サード・アルバルにしてラストアルバム”Huh Huh”をリリースしました。このアルバムには、ケルンのZeltinger BandのJürgen Zeltinger (ユルゲン・ツェルティンガー)とのデュエット曲”True Love”(シングルカットされます)も収録されています。1983年末に、バンドのメンバーは其々の道を歩むことになり、バンドとしては解散します。先述のように、LilliはJürgen Barzと結婚します。1994年に、Jack Wiebers Recordsが、セカンドとサード・アルバムを1000枚ずつCD再発しますが、全曲が収録されていないようです。Lilliは現在ファッション業界でデザイナーとして働いており、Jürgen Barzはテレビ番組のコピーライティング等を行っています。 Harald Großkopf はプロデューサーおよびミュージシャンとして音楽業界で活動を続けています。Manfred Opitzは現在、映画音楽や舞台音楽を作曲しているそうです。 以上が、Lilli Berlinのバイオグラフィーとなります。本作品セカンド・アルバムでの参加者は、Lilli Berlin (Vo), Harald Grosskopf (Drs, Synth, Vo, Painting), Manfred Opitz (Kbd, Vo)に加えて、先述のように、Frank Lüdecke (Sax), Gerry Bowen (Trumpet), Jürgen Scheele (Trumpet)も参加しており、Micky Wolfがプロデュースしています。 それで、内容ですが、A面は、いきなり、奔放なLilliのVoが、シーケンスと生Drsのニューウェーブ風の軽快なビートにばっちり合っているA1で始まり、アップテンポで電子カントリー調とも言える演奏をバックにLilliのVoや間奏のシンセが炸裂するA2, 直線的なシーケンスと軽やかなビートに、甘いシンセとキッチュなVoが乗るA3ですが、サビの所の崩し方が何とも粋です。バネのある跳ねるような打ち込みリズムに押し殺したようなLilliのVoが乗る、シリアスな雰囲気のA4は後半、明るくなっていきます。原爆の音を挟んで、カクカクしたシーケンスとシンプルな生Drsに、呪文のようなVoとコーラスが乗るA5ですが、突然のLilliのはっちゃけたVoやFrankによるSaxソロも聴取できます。軽めのシャンソン風の演奏をニューウェーブ鍋で煮込んだような軽妙なA6では、仰々しいVoや間奏での高揚感のあるシンセソロも聴取でき、中々、ドラマチックです。 B面は、シンプルかつミニマルなシーケンスと生Drsのビートに乗って、Lilliが演じるように歌うB1で始まりますが、唐突にトランペットやPercが入ったりしますが、独逸語が分かるともっと楽しめそうです。そして、ドンカマのようなリズムマシンに、男性コーラスとLilliのVoが乗る、ちょっと実験的でミニマルなB2へと続きます。スパイ映画のサントラのようなシーケンスと指パッチンをバックに、LilliのVoが炸裂するB3も、ちょっとした仕掛け(=アレンジの妙)があり、後半では生Drsも入って、生き生きとしてきます。一風変わったシーケンスと呪文のようなVoで始まり、強力なスネアや鉄琴風シンセやスケールの大きなホーン等が加わってくるB4, またまた、軽妙なビートに、優雅なシンセと、シアトリカルなLilliのVoと男性コーラスとの掛け合いが乗るヒット曲B5で、本アルバムは締められています。 所謂、「独の戸川純」的立ち位置なのではなかったのかと思います(戸川純程の破壊力は無いですが)。ちょっと変わった女性Voとシンセを中心とした、ギターレスのバック演奏が、どうしてもそんなことを思い出させくれます。時期的にも同じような時期ですし。しかしながら、Lilliの自由奔放なVoスタイルだけではなく、バックの男性コーラスとな対比や演奏のアレンジなんかは聴いていて、面白いですし、また、ニューウェーブ的な軽快さも心地良いです。なので、1980年代初頭のニューウェーブで、女性Voモノが好きなリスナーさんにはお勧めします!! また、B面前半のミニマルな曲は、彼女達なりの実験精神の現れのようにも思えて、それがまた好感度をアップしていますね! A1 “Liebe Ist Was Grosses (Naja Wa)” (3:25) A2 “Flottmann” (1:45) A3 “Lächerlich” (2:15) A4 “R.R. Bombasto” (5:17) A5 “Atomkraftteddy” (4:05) A6 “Freunde” (4:43) B1 “Dumdidum” (5:40) B2 “Handtaschencomputer” (2:53) B3 “Verpiss Dich” (4:18) B4 “Freizeit” (4:19) B5 “Ostberlin-Wahnsinn” (3:45) A1 “Liebe Ist Was Grosses (Naja Wa)” (3:25) https://youtu.be/1IcrudKHpR0?si=H8Kt6yXn3P-UeoMk A3 “Lächerlich” (2:15) https://youtu.be/1S9ftkb2-ms?si=lO35nUro6B3jYlQi A5 “Atomkraftteddy” (4:05) https://youtu.be/ESMIuus-zrs?si=zdmwNfTSwD0JyGVc A6 “Freunde” (4:43) https://youtu.be/7i2IEctuOzU?si=Hw7wwud3_VWi4NP1 B4 “Freizeit” (4:19) https://youtu.be/KZ2Czk-o9Yg?si=pjo8pkqO-3LUWDFd B5 “Ostberlin-Wahnsinn” (3:45) https://youtu.be/BUnzv6cgFb0?si=pd4fsid5QdnB-IPi #LilliBerlin #SüssUndErbarmungslos #Rocktopus #BASF #SecondAlbum #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #Electro #SynthPop #Synthesizers #Trumpet #Sax #Actress #FrontWoman #LilliBerlin #UschiLina #HaraldGrosskopf #ManfredOpitz #Lyrics #JürgenBarz #Guests #FrankLüdecke #GerryBowen #JürgenScheele #Producer #MickyWolf
Industrial / Neue Deutsche Welle (German New Wave) Rocktopus (BASF) €13.11Dr K2
-
Foyer Des Arts “Von Bullerbü Nach Babylon”
今回は、ベルリンの鬼才デュオFoyer des Arts (フォイアー・デス・アルツ; 芸術のホアイエ)をご紹介します。Foyer des Artsは、マルチ奏者のMax Goldt (マックス・ゴルト)とGerd Pasemann (ゲルド・パーゼマン)のデュオで、両名とも、Aroma Plus (他のメンバーはSimone Mack [Kbd], Günther Donday [B], Peter Pasch [Drs])と言うバンドのメンバーでした。 それでは、Foyer des Artsのバイオグラフィーをもう少し振り下げてみます。1978年に、Max GoldtとGerd Pasemannは、ベルリンの市の雑誌の広告(メンバー募集?)を介して出会い、Aroma Plusを結成し、ライブハウスにも何度か出演して、2枚の自主制作盤(アルバム”Liechtenstein”とシングル”Jokes” / “We Don't Need Rock'n'Roll”)をリリースしています。まだこの頃は、英語の歌詞でした。それで、1981年に、Aroma Plusが解散すると、2人は、Foyer des Artsと言う「プロジェクト名」で、完全即興で制作されたファースト・ミニ・アルバム”Die Seltsame Sekretärin (ゼルトザーメ・ゼクレテリン;「奇妙な秘書」の意)”をAORからリリースします。シングル”Eine Königin mit Rädern untendra”はベルリンではちょっとしたヒットになり、これに目をつけた大手レーベルWEAが、Neue Deutsche Welleの流行りに乗っけて売り出そうし、彼等は、WEAと不当な契約を結んでしまいます。因みに、Foyer des Artsは、基本的には、Max Goldt (Vo. 作詞)とGerd Pasemann (楽器)と言う担当でしたが、アルバムによって、ゲストを沢山入れたりしています。それで、本作品でもあるセカンド・アルバム”Von Bullerbü Nach Babylon (フォン・ブラーブュ・ナッハ・バビロン;「ブラーブュ(スウェーデンの作家アストリッド・リンドグレーンによる児童書に出てくる『騒音村』のこと)からバビロンへ」の意)”をリリースし、社会現象まで引き起こした2枚目のシングル”Wissenswertes über Erlangen (ヴィッセンズヴェルテス・ウーバー・エルランゲン;「エルランゲンの興味深い事実」の意)”がチャート36位まで達し、彼等の最大のヒットになります。しかしながら、その後は、商業的な成功に中々恵まれなかったことで、2人は ZDFヒット・パレード等の、本人達には不愉快なプロモーション活動に出演せざるを得ない状況になりますが、やはり売上は改善せず、 WEA側は最終的に、1986 年までレコード・リリースを拒否、Foyer des Arts の活動を凍結しました。その一方で、WEAは、バンドとの契約を解除することはなかったので、ほぼ完成していたアルバム”Guter Reisewind (グッター・ライズヴィント)”は結局、リリースされませんでした。丁度その頃、Max Goldtはソロ活動も活発化しています。1986年にWEAとの契約が終わると、すぐさま、Foyer des Artsは、アルバム”Die Unfähigkeit Zu frühstücken (ディー・ウンフェーイッヒカイト・ツー・フリューシュトゥッケン;「朝食を食べられない」の意)”のインディー・レーベルFünfundvierzig (フュンフントフィアツィッヒ)からリリースし、再び、また高評価を得られ、1988年に、アルバム”Ein Kuss In Der Irrtumstaverne”と2枚組ライブ・アルバム”A Was Ist Super?”をリリースした後に、2010年と2011年には英国ラジオBBCのJohn Peel sessionに招待されていますが、1989年から長い間、バンドは 音信不通でした。そうして、1995年に「別れのアルバム」とされるアルバム”Die Menschen”がリリースされて、デュオとしてのFoyer des Artsは終わっていますが、その後にも2000年に、ベストアルバム”Könnten Bienen Fliegen - Das Beste Von Foyer Des Arts”がリリースされたり、Max Goldtは2019年に6枚組CDセットのセルフ・コンピレーション“Draußen die herrliche Sonne“をリリースしたりしています。因みに、1990年代には、Max Goldtは、ユーモラスな文章を書く作家として成功しています。 以上がFoyer des Artsのバイオグラフィーになります。それで、メジャー契約第一弾のセカンド・アルバム”Von Bullerbü Nach Babylon”の内容について、少しご紹介します。確認したら、英語の歌詞も数曲混じっていますね。 A面は、女性Voから始まったと思ったら、シンプルなドラムにアコースティックな楽器とBをバックに、Goldtが何か不思議な感じで歌い、途中に劇が繰り広げられるA1で始まり、Drsと言うよりも大太鼓のリズムにトロンボーンのリフや弦楽器のミニマルな旋律をバックに、Goldtがシアトリカルに歌うA2では、逆回転が所々に差し込まれています。これまたミニマルかつ朴訥としたアコースティックな演奏をバックに、女性コーラスと共に、Goldtがダルそうに歌い、やがて熱を帯びて歌うA3, 殆ど弦楽器四重奏のような演奏をバックに、段々と熱を帯びて歌うA4ですが、時にノリが良くなったりして、その差異がまた堪りません。アコースティックな直線的ビートの上で、Goldtが歌い、演じるA5はシンプルながら聴かせてくれます。ダルシマーのような音色の演奏に微かに馬の走るが如きビートが重なり、そこにGoldtが優しく歌うA6では、最後の鉄琴が良いスパイスです。 B面は、ズルズルした音のイントロから、ミニマルなリズムに乗って、弦楽器の軽やかな演奏が繰り広げられ、それと同時にGoldtも歌い上げる芝居がかったB1で始まります。ドラマチックな演奏に呼応するかのようなGoldtのVoも切ないB2ですが、間奏のティンパニ風打楽器の連打が盛り上げています。ちょっと変拍子っぽいDrsに、語り合うように歌うGoldtが楽しそうで、またサビではロッケンロー風にノリも良くなるB3, ブリキを叩いているようなリズムに時々入るリズムマシン、またその上でエキセントリックなVoと寸劇が繰り広げられるB4, そして唐突に始まる縦ノリリズムのノリの良い曲B5ですが、間奏のオルガンとかVlnがポイント高いですし、Goldtも思いっきり歌ってます。シンプルなキックに合わせて、様々な声色で、寸劇的に歌いまくるB6で本作品を締めています。 何と言っても、このアルバムは、当時ならエレクトロニクスを使う所を、敢えて使わずに、メジャーとの契約を良いことに、大胆にアコースティック楽器の演奏者を使って、自分達の音楽をやっている所でしよう。また、エキセントリックなMax Goldtの表現力もさることながら、Gerd Pasemannの作曲能力にももっと注目すべきではないかと感じました!とにかく、シンプルな曲展開なので、一度聴いたら、また聴きたくなるような中毒性を持った曲が本作品には詰まっています。久しぶりに感激したアルバムです!! 寸劇の内容までは分かりませんでしたが、「NDWなんて、どうせシンセ使って、適当に演奏しているだけでしょ?」と思っている方にこそ、聴いて欲しいアルバムです!アコースティックと言っても、トラッドとかフォークロアとは全く違うので、逆に、全電子音楽ファンにこそ聴いて欲しいです! ★A1 “Wissenswertes Über Erlangen” (4:43) Max Goldt (Voice Actor [Reiseleiter, Touristinnenchor, Einzelne Dame], Kaffeebüchsen), Marion Deu Ssing (Voice Actor [Schwatzende Damenwelt]), Miko Lay Czak (Voice Actor [Schwatzende Damenwelt]), Gerd Pasemann (B, G, Voice Actor [Die Wolfsburgerin] ), Turhan Gezer (Congas, Perc), Klaus Walter (Drs [Bums-klatsch Bums-klatsch]), Boris Ballin (Steel-Drs), Jürgen Scheele (Trumpet), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★A2 “Steps Into The Ministry” (3:35) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G), Marion Deu Ssing (Back-Vo), Miko Lay Czak (Back-Vo, Timbales), Günter Gasi Friedenberg (B), Klaus Walter (Drs), Paul Gebauer (Trombone), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★A3 “Komm In Den Garten” (4:45) Max Goldt (Zither, Perc, Vo), Gerd Pasemann (G-Solo), Marion Deu Ssing (Back-Vo), Miko Lay Czak (Back-Vo), Günter Gasi Friedenberg (B) ★A4 “Toulouse-Lautrec” (4:18) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G), Marion Deu Ssing (Back-Vo), Miko Lay Czak (Back-Vo), Günter Gasi Friedenberg (B), Michael Krayer (Cello), Klaus Walter (Drs), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★A5 “Wolfram Siebeck Hat Recht” (1:58) Max Goldt (Drs, Perc, Voice Actor [Frau Urban, Jens]), Gerd Pasemann (Voice Actor [Frau Dr. Biermann]). ★A6 “Little Girls” (3:12) Max Goldt (Vo, Pixiephon, Flute), Gerd Pasemann (G, Pixiephon, Quäkophon), Turhan Gezer (Perc), Michael Krayer (Cello) ★B1 “Eine Königin Mit Rädern Untendran” (3:52) Max Goldt (Vo, Zither), Gerd Pasemann (B, G), Harry Lyth (Conductor), Matthias Wildenhof (Cello), Michael Brehm (Clarinet), Klaus Walter (Drs), Claudia Barthel (Handclaps), Irmgard (Handclaps), Donder (Handclaps), Petra Leupold (Handclaps), Simone Mack (Handclaps), Dinah Backhaus (Vln), Jan Van Schaik (Vln) ★B2 “Olympia” (4:32) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G, Xylophone), Günter Gasi Friedenberg (B), Klaus Walter (Drs, Timbales), Wolfgang Loos (Piano), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★B3 “Trends” (3:24) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G), Nino Hiemann (B), Hans Schumann (Drs), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★B4 “Familie Und Beatmusik” (1:45) Max Goldt (Voice Actor [Vater, Sohn], Perc), Gerd Pasemann (G, Voice Actor [Mutter]), Günter Gasi Friedenberg (B, RhythmMachine), Klaus Walter (Drs) ★B5 “Schön Bunt” (5:00) Max Goldt (Vo), Gerd Pasemann (G), Nino Hiemann (Fretless-B), Hans Schumann (Drs), Joachim Strieben (Organ), Agnes Stein Von Kamienski (Vln), Jan Van Schaik (Vln), Ulrike König (Vln) ★B6 “Hubschraubereinsatz” (1:50) Max Goldt (G, Grundbeat, Vo), Hans Schumann (Bass-Dr, Synth-Dr) B2 “Olympia” (4:32) https://youtu.be/pFt6crdWJbU?si=JZoVZ7LGEgmcHRdF [full album (remasteringも含む)] https://youtube.com/playlist?list=PLVT6eUQesofFh7o7dRboUta5GBlQQoSnz&si=8SqYWMYrkHDR7LBu #FoyerDesArts #VonBullerbüNachBabylon #WEA #SecondAlbum #Berlin #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #ExperimentalPop #AcousticSounds #TheatricalVocal #VoiceActors #MaxGoldt #GerdPasemann #Guests #MarionDeuSsing #MikoLayCzak #TurhanGezer #KlausWalter #BorisBallin #JürgenScheele #AgnesSteinVonKamienski #JanVanSchaik #UlrikeKönig #GünterGasiFriedenberg #PaulGebauer #MichaelKrayer #HarryLyth #MatthiasWildenhof #MichaelBrehm #ClaudiaBarthel #Irmgard #Donder #PetraLeupold #SimoneMack #DinahBackhaus #WolfgangLoos #HansSchumann #NinoHiemann #JoachimStrieben
Neue Deutsche Welle (German New Wave) / Electro Pop / Experimental WEA €47.88Dr K2
-
Zeitgeist “s/t”
これもいつもの如く、何も知らないで、ちょっとだけ視聴して購入したブツです。なので、少し調べてみました。Zeitgeist(ツァイトガイスト;「時代精神」の意)は、1980年末に、Marianne Langfeldt (Vo; マリアンネ・ラングフェルト), Matthias Hanselmann (G, Vo; マチアス・ハンゼルマン), Matthias Witting (Kbd; マチアス・ヴィッティンク), George Kranz (Drs, Choir; ゲオルゲ・クランツ), Axel Kottmann (B, Choir; アクセル・コットマン)によって、ベルリンで結成されていますが、その前身として、Axel Kottmann以外のメンバーは、Firma 33と言うフュージョン系ロック・バンドを1970年代後半にやっていました。最初のデモ音源を作成後、Biber Recordsと契約し、シュトゥットガルトのZuckerfabrik録音スタジオで、本作品でもあるファースト・アルバムを録音しています。セルフ・タイトルのデビュー・アルバム、は1981年5月にリリースされています。音楽誌の評判はよく、Tip Magazine誌では「息を呑むほど野心的なロックソングが彼らの切り札であり、歌詞にはウィットと皮肉が溢れている」と、またHiFi-Stereophonie誌でも「音楽的には、彼らは独のロックバンドの中でもトップクラスだ」と評されており、バンドは、3度の独国内ツアーを行っています。1982年に、Zeitgeistは、またまたセルフ・タイトルのセカンド・アルバムをリリースしていますが、レコードのリリースに合わせて、他のNDWバンドよりも積極的に、多くのフェスティバル出演を含む独とスイスを巡る 30 日間のツアーを敢行しています。マインツでの野外コンサート後、ある国際音楽誌は「Zeitgeistの音楽はエネルギーだ。しかし、それは単なる消費ではなく、関与を求めるエネルギーだ。緊張感があり、力強く、リズミカルで、脈打つ。心と頭に響く。活力万歳。それはステージ上のバンドのテーマでもある。動き、相互作用、そして観客への語りかけ。」と評しています。1983年になると、Zeitgeistは数々のコンサートを通じて、優れたライブバンドとしての評判を強めていきます。サード・アルバム”Gib mir Zeit!“では、新たな方向性としてブラス系楽器も使っていますが、バンドとしてはこのアルバムで終わっているようです。一方、ドラマーのGeorge Kranzは、Zeitgeistに参加する前から、後のソロリリース”Trommeltanz”の基礎を築いていました。それは、1978年に”Blain de din”と言う曲でのドラムソロから始まり、Tangerine DreamのChristoph Frankeが、1981年にこの曲に気づき、スタジオでこの曲の制作を続けようとFrankeからの申し出で、最終的には、バンドメンバーのMatthias WittingがKbdを担当したバージョンが、1983 年の夏に、George Kranzのソロシングル”Trommeltanz”として初めてリリースされます。マキシシングルに対する最初の反応は、ベネルクス3国から、その後、米国からも寄せられました。このマキシアルバムは、その年の冬に、国際向け用のタイトル曲”Din Daa Daa”として再リリースされています。このレコードはビルボードのダンスチャートにランクインし、ヒットリストで1位を獲得しています。その為、George Kranzは東海岸でいくつかのコンサートを行っており、その中にはNYCのFunkhouseやGarageと言った有名なハコでのコンサートも含まれています。 以上が、Zeitgeistのバイオグラフィーになりますが、George Kranzはその後も活動していたようですね。 それで、内容の方ですが、先ず、軟らかいシンセのニューエイジ的インスト小曲A1で始まり、アップテンポで見事にシンセ多用の軽めのニューウェーブなA2に雪崩れ込みます。ロリなVoもさることながら、曲構成も結構凝ってます。続いて、ミドルテンポで、やや重苦し気で、哀愁のGや切実なVoも聴取できるA3となりますが、間奏のピアノの連打が良いスパイスです。連続して、Bとピアノによるバネのあるリズムに、コーラスとVo、それにファズGが絡むA4へと続きますが、間奏のエレピのソロが癖になりそうです。生ピと太いシンセBから仰々しく始まるA5でも”Hiroshima”と言う歌詞が出てきますし、この重々しさはそう言うことか!と納得させられます。 B面は、少しフュージョン臭さもあるアップテンポなニューウェーブな曲で、巻き舌Voが歌っていたと思っていたら、子供の合唱なんかも使われていて、中々凝った曲B1で始まり、軍靴の音だけから成るB2を挟んで、またまた深いシンセと柔らかいBからダイナミックに始まり、声を張り上げて歌うB3へと続いていきます。この曲なんかは如何にも元フュージョン・バンドっぽいアレンジです。ホンキータンクなピアノを中心としたユーモラスなツービートのB4, スラップ奏法のBも活躍しまくりですが、それ程ファンク色は強くないB5ではサビで弾けます。最後は、ダンサブルなビートに、ニューウェーブ風のシンセが被り、男女のVoの掛け合いが楽しいB6で、本アルバムを締めています。 度々、フュージョン!フュージョン!と言っていますが、曲そのものの構成や展開等は非常に凝っており、またそれを演奏するテクも充分にあり、聴いていて、安心できます。また曲の展開を色んな視点から聴くことができるのも一興です。まぁ、正直、彼等は、カッコ良いツボを良く知っていますよ! それが独逸語で歌われるので、尚更、面白いです!まぁ、好き嫌いは別として、偶には、フュージョン(また言ってる!)からのニューウェーブも面白いんじゃないかな?! 時代的はそう言う時代だったので、、、。そこでふと思い出したのが、四人囃子の”Neo-N”ですね(まぁそこまでのテクではありませんが)。皆さんはどう感じますか? A1 “Vorhang Eins” (0:40) A2 “Frankensteins Kinder” (3:58) A3 “Spinnste! Spinnste?” (5:05) A4 “All-Tag” (4:36) A5 “Keine Gefahr” (5:30) B1 “Der Film Beginnt” (3:33) B2 “Vorhang Zwei” (0:30) B3 “Dornwittchen” (6:32) B4 “Max” (2:02) B5 “Sticker” (4:14) B6 “Hep! Hep! Happy End” (4:14) A2 “Frankensteins Kinder” (3:58) https://youtu.be/1cEurnBR2rk?si=PyETJPbBZmNa7xF6 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLggvVsXDCFg_TTBzf1d_OXSUPoldqNYoQ&si=jDRbieY08ZnoxRSS #Zeitgeist #self-titled #BiberRecords #FirstAlbum #Berlin #NeueDeutscheWelle #GermanNewWave #NewWave #Firma33 #FusionBand #Trollemeltanz #DinDaaDaa #ChristophFricken #MarianneLangfeldt #MatthiasHanselmann #MatthiasWitting #GeorgeKranz #AxelKottmann
Industrial / Neue Deutsche Welle (German New Wave) Biber Records €8.18Dr K2
