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Merzbow “Material Action 2: N.A.M”
新年早々、やっぱりこれが原点です、Merzbowのファースト・アルバム”Material Action 2: N.A.M”❗️リリース前の情報では、本作の前に録音した作品がFred Frithのライナー付きで、ファースト・アルバムとしてリリースとのことでしたが、それは叶わず、本作品がMerzbowのファーストになりました。元々、Merzbowは多作で、本作以前から多数のカセット・アルバムをリリースしてはいますが、レコードとしては本作がファーストに相当します。この時期のMerzbowは秋田昌美さんと水谷聖さんのデュオでしたが、基本的には秋田さんのソロに近い形で録音などの行っていたみたいです。前回もバイオグラフィーは少し書きましたので、そちらをご参照ください。結成は1979年、1980年に自身のレーベル”Lowest Music & Artsより、”Fuckexercise”カセットをリリースしたのが、一番最初で、翌年より”Collection”シリーズや多数のカセット音源をリリース。この音源の一部を池袋のアール・アイヴァンで購入し、聴いた時に、私は震えました。何となく、それまでのノイズ・ミュージックに関係した海外のアーティストやグループで(T.G.やWhitehorse またはM.B.など)はシンセなどの電子楽器を使っていることが多かったのですが、Merzbowの提示した「ノイズ・ミュージック」は、ヴァイオリンなどの生楽器や既存の音のテープ操作/加工とを組み合わせたもので,しかも曲名の代わりに使用楽器名を付記しただけと言う潔さがありましたから。その後は、自身のレーベル名をZSF Produktと変え、湧き出る泉の如く、カセット作品をリリースし、またMerzbow Null名義でのコラボ・ライブ(ライブでは秋田さんはドラムを担当、水谷さんはオルガンを担当しています)を積極的に行い、またそれもカセット・アルバムとしてリリースしていきます。そして、後々、ノイズミュージックの老舗となるRRRよりダブルアルバムの体裁で1986年にリリースされた”Batztoutai with Memorial Gadgets”で、世界的にブレイクします。それからは皆さんが知っているJapanoise(私自身はこの言葉は余り好きではありません)の始祖的存在となりますので、詳しくは書きませんが、機材の変遷に伴い、cheap electronicsを用いたアナログだったり、Laptopを用いたり、デシ・アナ混合だったりして、膨大な作品を出し続けています。それに伴い、Merzbowは秋田さんのソロプロジェクトとなってきました。 それで,本作品は,今から考えると、ヘルマン・ニッチェ達、ウイーン・アクショニズム派の作品に関係して作られたのかなと想像します。内容は片面づつ各1曲づつ長尺の曲が収められており、それぞれの曲の頭文字を取ると、本作の副題”N.A.M”となります。最初聴いた時に、A面のキリキリしたアコースティックな音とビートを刻まないパーカッシブな音にオルガン・ドローンやヴァイオリンの音が絡む曲にビックリしましたが、今回、聴き直してみると、寧ろB面の方が既にcheap electronicsを用いたハーシュなノイズの萌芽が聴き取れて、新たな発見となりました。やっぱり時間が経って、聴き直すことも重要だなと感じました。ノイズ好きの皆さんも、「轟音ノイズ王」と称される以前のMerzbowに触れてみては如何でしょうか? なお、秋田さんは、現在では、Merzbowをvigan streight edge noise projectと呼んでいます。 https://youtu.be/Emp09lZTUjw #Merzbow #MaterialAction2” #NoiseMusic #FirstAlbum #Chaos #ElectroAcoustic
Noise Chaos 2500円相当Dr K2
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Mars “Mars Archives volume one:China to Mars”
Brian Enoがプロデュースしたことで世界に衝撃を与えたコンピレーション”No New York”の中でも、更に衝撃的だった4人組Mars。近年、発掘音源が出されてきており、これも1977年のライブ音源。まだこの頃はヴェルヴェット・アンダーグランドと影響を感じることができる演奏だが、ここに各パートが合わせることを拒むような彼等の方向性を見出すことも可能。なお、メンバーの内、DrのNancy ArlenとVo/GのSamner Craneは病死している。これはわざわざスペインのレコード店から直で購入した。 Side A China名義 (February & June 1977) A1 “Cry” A2 “No Idea” A3 “Can You Feel It?” A4 “Big Bird” A5 “Red” A6 “Look At You” A7 “E (Early Version)” Side B Mars名義 (September 1977) B1 “Cats” B2 “Cry” B3 “3E” B4 “Plane Separation” B5 “Compulsion” B2 Mars “Cry” https://youtu.be/60fbb724HJU?si=0UiwhlBbXOHjq-00 B4 Mars “Plane Separation” https://youtu.be/XTwKq0ZzjRg?si=_t-Yllm20YawqFGQ B5 Mars “Compulsion” https://youtu.be/WduJVYKb8Kw?si=JTenj7AHihiMDuIl #Mars #MarsArchivesVolumeOne:ChinaToMars #NoNewYork #FeedingTubeRecords #NegativeGlam #China #LiveAlbum #LimitedEditions #800部 #LiveRecording #EarlyRecording #NoWave #ConstanzaBurg #ChinaBurg #MarkCunningham #NancyArlen #SumnerCrane
No wave Feeding Tube Records / Negative Glam ¥3000くらい?Dr K2
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坂本龍一 “B-2 Unit”
まあ、皆さん、坂本龍一氏のことは良くご存知だとは思いますが、私は今まで何故かYMOも含めた、彼のアルバムを避けてきました。YMOも”BGM”しか聴いてませんし。それで、多くのリスナーが”BGM”と本作”B-2 Unit”は良いとの感想を聞いてきましたので、それなら、聴いてみようとなった訳です。坂本龍一氏のキャリアについては、多分、皆さんの方が詳しいとは思いますが、本作までの経緯を簡単に。1979年代に彼は活動を開始していますが、当時は、日本芸術大学の作曲科の学生で、修士まで取得しています。それで、彼は1978年に、細野晴臣氏と高橋幸宏氏とYMOを結成し、その後、破竹の勢いで、テクノポップの王道を作りあげます。また、同時にソロ作もコンスタントに出しており、その一つが、本作”B-2 Unit”です。それ以降の活動については、ここでは控え、本作について述べたいと思います。本作は1980年と言う、特異な年に発表されています。セルフ・プロデュースですが、参加アーティストとして、XTCのAndy Partridge, グンジョウガクレヨンの組原正、大村健司も協力しており、更にはエンジニアにはダブの達人Dennis Bovellの名前もあります。あと、YMOのタンスを操っていた松武秀樹もプログラミングで参加しています。この事からも分かるように、坂本氏は、ダブやその当時出てきたAlternative Musicのコンテンツを、自身の電子音楽のフィルターで解釈しようとしたのではないでしょうか?それ程、ダブの影響は強くはありませんが、それを想起させる瞬間はあります。また、リズムを強調した音処理も同時代性を感じさせます。個人的にはB面最後の曲”the end of europe”のヘビネスが好みです。クラシックの素養のある坂本氏がこのようなロック或いはポップミュージックのフィールドでやっていたことにどのような意味があるのかな?と勘ぐってしまいますが、早々、彼は様々なフィールドで活躍していくのを見て、本作は正しく「1980年の音楽」であったと言えましょう。それにしてもジャケは「ん〜」です。 A1 “Differencia” (2:04) A2 “Thatness And Thereness” (3:27) A3 “Participation Mystique” (6:41) A4 “E-3A” (4:45) B1 “Iconic Storage” (4:43) B2 “Riot In Lagos” (5:40) B3 “Not The 6 O'Clock News” (5:02) B4 “The End Of Europe” (4:57) https://youtu.be/UPcz-XTvigE?si=1QoEItY54tfAw9cN #RyuichiSakamoto #坂本龍一 #B-2Unit #AlfaRecords #Dub #Experimental #AlternativeMusic #1980年 #Engineer #DennisBovell #Guests #AndyPartridge #KenjiOmura #TadashiKumihara #ComputerProgramming #HidekiMatsutake
Experimental Music / Dub Alpha Records 1200円Dr K2
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モリモト アリオミ “ソニック”
アナログ縛りの本美術館ですが、今回はモリモト・アリオミ氏のカセット作品を紹介したいと思います。モリモト氏は東京で活動する多彩なミュージシャンで、多くのバンドにギターやベースで参加したりしています。そんなモリモト氏が、「テクノポップ」を作ったと聞いたのは一昨年位でしょうか。その作品は”ピクニック”と題されており、すぐさま入手して聴きました。その作品は、モデュラーシンセとヴォーカルだけで作ったとのことで、それだけでも驚きなんですが,そこに封じ込められた音楽は、テクノポップの仮面を付けた「昭和な」フォーク・ミュージックではないのだろうかと確信しました。その後、モリモト氏はその路線で”クリニック”をカセットで出しております。その時に、モデュラーで弾き語りをやって貰えないだろうか?と企画を立てたのですが、丁度、コロナ禍が厳しい状態であった為、実現はしませんでした。それから、暫く、かの「ニック」シリーズはご無沙汰だったのですが、漸く第三弾”ソニック”が2021年11月にリリースされました。本作品も、インスト曲を含む15曲が丁寧な装丁で包まれています。今回は一部、ハードシンセも使ったとの事ですが、基本、モデュラーシンセとヴォーカルだけです。多くのモデュラー使いのアーティストがクラブ寄りでガンガン行くか電子音楽寄りでゴニョゴニョ行くのに対して、モリモト氏はあくまでメロディとハーモニー、そして小音量で録音されたモデュラーのリズムから成っており、モデュラーシンセの違った可能性を示してくれています。以前、尋ねたら、「ヴォーカルは一発録りです」とのことで、その不安定なVoと簡素な電子音からは、四畳半フォークの流れを感じてしまいます。その柔軟さ、危うさ、心地よさはモリモト氏の「ニック」シリーズの最大の特徴だと思います。十年後位にこれら3部作がレコード・リイシューされることを願って、今は大切に聴いてみたいと思います。 A1 “ソニック” (3:53) A2 “シネマの夜” (3:56) A3 “窓拭きのアルバイト” (4:44) A4 “假想通貨” (3:10) A5 “シネマの昼” (3:38) A6 “マネキン” (3:24) A7 “エレメント” (4:47) A8 “シネマの朝” (2:14) B1 “地方銀行“ (3:07) B2 “都市銀行” (4:13) B3 “潰れたスーパーマーケット” (4:13) B4 “あの頃のバンドマン” (4:11) B5 “毎日が行き止まり” (3:22) B6 “ルイルイ2” (4:32) B7 “救世主” (6:12) モリモト氏の”ピクニック”収録曲のエレキギター弾き語り。 https://youtu.be/cqHj8tJKwJo #モリモトアリオミ #ソニック #カセット #ニック3部作 #モデュラーシンセ #四畳半 #フォークミュージック #テクノポップ
テクノポップ レコードの目 不明Dr K2
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Organum & The New Blockaders “Wrack (In 4 Parts)”
遂にやってきました❗️Organum & The New Blockaders (TNB)の決定版”Wrack (In 4 Parts)”の登場です❗️ OrganumはDavid Jackmanのソロノイズプロジェクトと言うことは以前に紹介しましたが、TNBは?と言うと、Richard & Philip D Rupenus兄弟を中心にした英国のノイズプロジェクトです。この英国の2つのノイズプロジェクトについては既に書いてありますので、そちらを参照して下さい。それで、通称 ”Organum/ TNB”の ”Wrack (In 4 Parts)”ですが、かなりTNBのノイズ度が高いです。しかしそこに入っている持続音はOrganumの音かな?金属ジャンクをギコギコ/ガチャガチャと擦ったりして出た音を増幅・変調した音源と金属質なギーって言う持続音を(一発?)録音した曲が4つのパートに分かれて収められています。どれも同じように聴こえますが、多分、何回か演奏してみて、良かった部分だけを取り出したのでは?と思います。この辺りの作品は、正に私の趣味にピッタリ合うと言うか、私も同様の演奏をしていたので、親近感が湧きます(今聴くと、私の”The Rust”[前回参照のこと]とほぼほぼ同じ録音仕方をしているのでは?と思います)。多分の両者のコラボ音源としては最高の作品ではないでしょうか?また、限定でクリア盤で余計な情報が無いなので、ちょっと素っ気ない感じもしますが、そこがまた、彼ららしいと言えばらしいですね。本来は45回転ですが、33 1/3回転でも聴けます笑) あとレーベルのDom Bartwuchsですが、これはH.N.A.S.のChristoph Heemannが1989-1992年にやっていたDOMのサブレーベルです。役者は全て揃ったと言う感じですね。音圧もちゃんとあって、聴き応えも満足です。私の愛聴盤の一つですね。クリア盤は限定なので、今からの入手は難しいかと思いますが、メタル・ジャンク・ノイズの金字塔なので、是非とも探してゲットして下さい。 https://youtu.be/yQ7kTvpt3vs #Organum #TheNewBlockaders #Wrack #DomWartwuchs #ChristophHeemann #MetalJunk
Noise Dom Bartwuchs 不明Dr K2
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Airway “Live At Lace”
1970年初頭から活動するアメリカ西海岸のLAの前衛音楽集団LAFMS(Los Angeles Free Music Society)の中でも人気の高い轟音即興グループがAirwayであり、これはAirwayの全貌を知るのに丁度良いレコードで1978年の録音です。彼らは大人数で集団即興を演奏するが、メンバー2人はPA卓でそれらの音に過剰なエフェクトをかけて、爆音にしてしまうと言う人間シンセサイザーの異名があり、ライブは余りの轟音でコンクリートの壁が振動したとか、軍の音響兵器スピーカーを使ったりしていたとか。私はいつの間にか入手したが、何度聴いても迫力がある。なお、本作品への参加者は、Vetza (Vo), Rick Potts (Mandolin), Dennis Duck (Sax), Juan Gomez (B, G), Tom Recchion (Drs), Chip Chapman (Electronic Circuits, Tapes), Joe Potts (Electronic Circuits, Tapes)となっています。 A “Untitled” B “Untitled” side A https://youtu.be/tSeznAU7mWE?si=GEVOc-XAq6hQ4BQ8 side B https://youtu.be/hbxgibVhHrg?si=HwP1hO8qxEJzoCpb #LiveAtLace #Airway #FirstAlbum #LosAngelesFreeMusicSociety #LAFMS #Noise #HumanSynthesizer #Vetza #RickPotts #DennisDuck #JuanGomez #TomRecchion #ChipChapman #JoePotts #ElectronicCircuits&Tapes
Improvisation / Noise / Experimental LAFMS 不明Dr K2
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Pere Ubu “Dub Housing”
これもアメリカだが、70年代末にクリープランドで結成されたPere Ubu(ペル・ウブと発音)の2nd full albumです。元々はRocket from the Tombsから派生したバンドで、余り文化的に活発では無かった地方都市から、70年代後半頃にミュータントの如く「変な」バンドが出現しており、Pere Ubuもその一つ。VoのDavid Thomasのキャラと、此処彼処に仕掛けられたぐちゃぐちゃ感のある演奏が素晴らしく、またこのアルバムではかなり電子音を用いた実験的な曲も収められている。個人的には高校生の頃、このレコードを買って、かなりショックを受け、特に”Caligari’s Mirrorや”Navvy(これ「土方』って意味だが)などから「世界一悲しい」バンドと思っている。現在もDavid Thomasだけがオリジナルメンバーだか、活動は続けている。アメリカの「闇」です。因みに、このアルバム参加メンバーは、David Thomas (Vo, Organ), Allen Ravenstine (ELM Synth, Sax), Scott Krauss (Drs), Tom Herman (G, B, Organ), Tony Maimone (B, G, Piano)です。 A1 “Navvy” (2:43) A2 “On The Surface” (2:40) A3 “Dub Housing” (3:40) A4 “Caligari's Mirror” (3:48) A5 “Thriller!” (4:35) B1 “I, Will Wait” (1:46) B2 “Drinking Wine Spodyody” (2:44) B3 “(Pa) Ubu Dance Party” (4:47) B4 “Blow Daddy-o” (3:37) B5 “Codex” (4:56) A4 “Caligari’s Mirror” (MV) https://youtu.be/j7EwTcn_Lbw?si=czDTHApA9OczQBB4 [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLW1w8neoXejvI0tQjOH12g17FybZn6Awz&si=rzAaQX3qQlIz6R54 #PereUbu #DubHousing #Chrysalis #Avant-Rock #ArtRock #Experimental #RocketFromTheTombs #Cleveland #DavidThomas #AllenRavenstine #ScottKrauss #TomHerman #TonyMaimone
Avant-Rock / Experimental Chrysalis Records 2000円位Dr K2
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The Human League “Reproduction (人類零年)”
私が高校生時代からずっと影響を受けてきたパンドの一つが、The Human Leagueであります。このグループは、1977年にその前身であるThe Futureをやっていたイアン・クレイグ・マーシュ(Synth)とマーティン・ウェア(Synth)が、フィリップ・オーキー(Vo)を誘い、映像担当のエイドリアン・ライトが加入して結成されたとか。当時、テクノポップが流行っていた訳で、多くのバンドが既存のリズムボックスをそのまま使っていたのに対して、シンセでドラムトラックも作成し、更にはヴォーカル以外、全てのパートをシンセで構築した稀有な存在だったからです。しかも映像担当がいた為か、アートワークを含むヴィジュアルがカッコ良かった。多くのシンセポップが未来志向なのに、本作の一曲目が”Almost Medieval”(殆ど中世)というタイトルというのも何かしら違和感があった訳です。B面にはホール&オーツの”You've Lost That Loving Feeling”(ふられた気持ち)のカバー曲もある点には彼等のルーツを探る意味で、注目すべきであると思います。噂ではDavid Bowieが彼等のプロデュースを申し入れたとか。結局はColin Thurstonと彼等自身でプロデュースしています。 A1 “Almost Medieval” (4:34) A2 “Circus Of Death” (3:51” A3 “The Path Of Least Resistance “(3:27) A4 “Blind Youth” (3:16) A5 “The Word Before Last” (3:56) A6 “Empire State Human” (3:10) B1a “Morale...” B1b “You've Lost That Loving Feeling” (9:30) B2 “Austerity / Girl One (Medley)” ()6:38 B3 “Zero As A Limit” (4:01) [Demo & Outtakes versions of “Reproduction”] https://youtu.be/7EuEwfQOMas [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLijPiy4xM0hdnzH8373R1hfQU923NUuyG #HumanlLeague #TechnoPop #ElectroPop #Reproduction #人類零年 #VirginRecords #Synthesizers #Slides&Films #IanCraigMarsh #MartynWare #PhilipOakey #PhilipAdrianWright
Electro Pop, Techno Pop Virgin Records 2500円?Dr K2
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白石隆之 “d^b”
またまた、白石隆之さんの本名名義の作品”d^b(ダブ)”です。今回は、今までの過去音源の紹介とは違って、新録と言うことと7㌅シングルにブックレットが付いているのでご紹介します。盤はクリア盤で、3〜4分程度の曲”Zanzo”と”Zankyo”からなります。両曲とも打ち込みによる電子音楽で、頭の中をちょっとシェイクするかのようなアブストラクト・テクノな内容となっています。まあ,踊れない電子音楽ですね。これに対応して、ブックレットの方も,白石さん撮影の多露光撮影の写真のカラー印刷が納められており,こちらもアブストラクトな内容となっています。この二つの媒体を取り出し、プレーヤーにかけたり、裏返したり、ブックレットをめくって見たりする行為にフィジカルな意味合いがあるように思え、一種の謎解きがあるようにも感じられます。また,白石さんはこの作品を自身のプライベート・レーベルHERE.から出しており、ちょっとした実験的音源を軽いフットワークでリリースすることができるアウトプットが欲しかったと言っています。丁寧に作られていますので、もし、現在進行形の白石さんの音に興味が有れば、聴いてみて下さい。恐らくそんなにはプレスしてないと思われますので、このシングル&ブックレットが欲しい方は急いで下さい❗️ [流石にYoutubeにはアップされていませんので、白石さんの2011年のライブ音源を] https://youtu.be/xADFQDzzOrQ #ShiraishiTakayuki #Zankyo #Zanzo #HERE. #PostRock #AbstractTechno #Booklet
Experimental techno HERE. 1000円Dr K2
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Barbara Proksch “Opto_Phon”
これは試聴して気に入ったので購入したBarbara Prokschのソロ・ワークです。Barbara Prokschは1943年ベルリン生まれのヴィジュアル・アーティストで、1982年からドローイングを中心にフリーランスとして活動しています。現在は、バイエルン自由州に在住。本作品は、ドローイング中に発生する音、またそれが結果として作品に与える影響に気づき開始したという、楽器として使われる特定の道具や素材を使ったドローイング・サウンドパフォーマンスの録音となります。その際使われたスクレーパー、ブラシ、ペン、ナイフ、小枝など様々なツールと支持体に付けられたコンタクト・マイクで、ガキガキ、ゴロゴロした硬質な音が表情豊かに収められています。特に、A面にはチェコの教会での初演時の抜粋が収められているのですが、協会の残響音によって、更に広がりのある音楽になっています(これは必聴ですね)。絵を描くことで生み出される音を、更に聴くことで、絵の方にも影響を与えると言うフィードバックからの音で、うるさくなったJeff Jermanとようにも聴くことは可能かと思いますが、コンセプトは面白いですね。また、B面には、ミシンの音を増幅した音源を使っています。時として視覚芸術のアーティストが演る「音楽」が興味深いことがありますが、本作品もその一つだと言えるでしょう。ビジュアル/オーディオの芸術に興味がある方は勿論、物音系ノイズに興味のある方も是非聴いてみてください。なお,300枚限定ですので、お早めに! A1 “Echoräume Der Unzählbarkeit” (11:01) “Zeile Für Zeile ... Schritt Um Schritt” (A2-4 medley) A2 “Laufschritt” (5:49) A3 “Tastschritt” (3:34) A4 “Versplitterung” (3:21) B “Räderwerk Durch Zeitzonen” (23:33) [“Opto_Phon”performance (2006)] https://youtu.be/8qdYh06gZiY?si=OiPjD-2FEcgM6v_4 B “Räderwerk Durch Zeitzonen” (23:33) https://youtu.be/2z4IAjnY3IY?si=qDlbOD7OdEqxrw2G #BarbaraProksch #Opto_Phon #EditionTelemark #LimitedEditions #300部 #Experimental #VisualArtist #ContactMic #物音系 #SoundArt #Salching #Performance #AmplifiedSewingMachine
Experimental music Edition Telemark 3420円Dr K2
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The Human League “Travelogue (幻の果てに)”
英国シェフィールド出身のThe Human Leagueのセカンドアルバムです。メンバーはフィリップ・オーキー(Vo/Synth)、イアン・マーシュ(Synth)、マーティン・ウェア(Synth)、エイドリアン・ライト(映像)の4人ですが、本作は、このメンバーでの最後のフルアルバムとなります。この編成でのThe Human Leagueの特徴は、バックのシンセ音や曲の構築は極度に実験的であるにも関わらず、フィルのポップさ全開のヴォーカルが絶妙なバランスで配置され、融合しているところです。この様な危ういバランスが最も私が惹かれたところですが、やはり長続きはしなかったのが、悔やまれると言うか自明の理と言うか、まあ仕方ないです。本作には自主制作時代にシングルで出していた名曲”Being Boiled”が格段の素晴らしいアレンジで納められています。この他にも”Toyota City”と言うミニマル・アンビエントな曲や”Life Kills”と言った実験的な曲もあり、凄く刺激的ですので、電子音楽やシンセウェーブに興味のある方は一度、聴いてみて下さい。本作発表後、イアンとマーティンは脱退し、Heaven 17を作り、残されたフィルとエイドリアンは女性メンバーを集めて、バンドを継続させ、”Don’t You Want Me(愛の残り火)””の大ヒットを飛ばしますが、もうかつての緊張感は無くなりましたので、私も本作以降は追っかけてはいません。 A1 “The Black Hit Of Space” (4:05) A2 “Only After Dark” (3:45) A3 “Life Kills” (3:02) A4 “Dreams Of Leaving” (5:46) A5 “Toyota City” (3:40) B1 “Crow And A Baby” (3:40) B2 “The Touchables” (3:20) B3 “Gordon's Gin” (2:56) B4 “Being Boiled” (4:20) B5 “WXJL Tonight” (4:38) https://youtube.com/playlist?list=PLjIuADMrDKIb1RMsN-sI-PIOtks2uRDdb “Being Boiled” (original version) https://youtu.be/I_NStTkSRQw #HunanLeague #Travelogue #TechnoPop #ElectroPop #Synthesizers #Experimental #BeingBoiled #IanCraigMarsh #MartynWare #PhilipOakey #PhilipAdrianWright
Electro Pop, Techno Pop Virgin Records 2500円Dr K2
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The Stranglers “IV: Rattus Norvegicus”
The Stranglersはパンク勃興期の初期に登場したイギリスの4人組で、Vo/GのHugh Cornwellが脱退し、KbdのDave Greenfieldが最近コロナで死亡、DrのJet Blackは高齢の為、名誉ドラマーとなっており、オリジナルメンバーはB/VoのJean-Jacque Burnel一人である。初期からゴリゴリしたメロディックなベースとピロピロしたオルガンやエレピが特徴的であった。この作品もその記念すべきファーストアルバムである。しかし、セクシズム的態度や曲(“Peaches”とか)の為、ロンドンのレコード屋では発禁になったりしたが、熱狂的ファンは彼等を支持した。私も丁度高校生の時にはそれこそ盤が擦り切れる程聴いた作品です。日本盤が出ていたので、入手はし易かったです。 A1 “Sometimes” (4:50) A2 “Goodbye Toulouse” (3:12) A3 “London Lady” (2:25) A4 “Princess Of The Streets” (4:34) A5 “Hanging Around” (4:25) B1 “Peaches” (4:03) B2 “(Get A) Grip (On Yourself)” (3:55) B3 “Ugly” (4:03) B4 “Down In The Sewer” (7:30) B4a “Falling” B4b “Down In The Sewer” B4c “Trying To Get Out Again” B4d “Rats Rally” https://youtu.be/B7t1EE8M2PI?si=OKX_3GO6pn6XmwzJ #TheStranglers #IVRattusNorvegicus #Punk #NewWave #UnitedArtistsRecords #FirstAlbum #HughCornwell #Jean-JacquesBurnel #DaveGreenfield #JetBlack #Peaches #Bass #Keyboards
Punk Rock / New Wave UNITED ARTISTS Records 2500円?Dr K2
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Mr. Partridge “Take Away”
今回は、Mr. PartridgeことAndy Partridgeのファースト・ソロ・アルバムです。Andy Partridgeと言えば、XTCのリーダーにして、Vo/Gとして有名ですし、また、英国ポップソングの頑固なソングライターでもあります。XTCは、近年はライブを一切やらないバンドになりましたが、デビュー当時は、英国テクノポップ・バンドとして活動していました。元々、洒落好きで、本作品もそうなんですが、XTCの変名サイケバンドThe Dukes of Stratosphearでモロ60年代のサイケなアルバムを作ったり、また、”Go+”と言う実験的な曲(元々はバリー・アンドリュースのアイデアらしい)から成る12㌅EPをXTCのセカンドアルバム”Go 2”の特典につけたりしています。そんなAndyのソロは、XTCのアルバム”Drums and Wires”辺りの作品からの曲を素材にして、原曲がひん曲がるくらいに加工したホワイト・ダブな作品になっています。レゲエのダブが身体的なのに対して、本作品もベースの重たさはダブ的なんですが、よく聴いてみると、極めて断続的かつシャープに音は削られ、ドラムにフランジャーかけたり、ドラムの変則的な演奏を取り出してみたり、再生速度を変えてみたりして、恣意的で、何とも異質で異形な音楽になっています。所謂、レゲエのダブがディレイとかエコー処理を感覚的にやっているのに対して、本作はエコー処理などは控えめで、ベースの重たい音処理位しか共通点が見い出せません。なので、ホワイト・ダブと言っても、原曲を異化させると言う意味で、ダブ的であると言う意味です。そんな歪でファンキーな音楽を一度は試してみませんか?面白いよぉ〜。 フルアルバム。 https://youtube.com/playlist?list=PLsq9i9wjMUCW5I3U0JNPwyUncOUaunL1y “Cairo” https://youtu.be/YQnK5mFk4iQ #AndyPartridge #TakeAway #Dub #WhiteDub #XTC #Experimental #Avant-Pop
Experimental Dub Virgin Records 1000円?Dr K2
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V.A. “Subterranean Modern”
Gary Panterのカラフルなジャケ写で登場したのは米国西海岸の謎4組によるコンピレーション “Subterranean Modern”です。収録バンドは、Chrome, MX-80 Sound, The ResidentsとTuxedomoonです。そして、一つの縛りとして「思い出のサンフランシスコ(I Left My Heart in San Francisco)」のカバーを入れることです。ChromeとThe Residentsは以前に紹介しましたので、MX-80 SoundとTuxedomoonについて少し紹介しておきます。先ず、MX-80 Soundは、1974年にインディアナ州Bloomingtonで Bruce Anderson (G)とDale Sophiea (B)で結成され、翌年Jeff Armour (Dr)とKevin Teare (Dr)が加入して,その後、1976年にRich Stim (Vo, G, Sax)とDave Mahoney (Dr)が加入して、Teareが脱退しました。このようなメンツで地元で演奏しようとしていましたが、彼等の音楽はart rockとかpost punkとかacid punkとか言われてカテゴライズされなかった為、演奏する場が無くなり,またJeff Armourも脱退し、バンドは1978年にSFに移住し、そこでThe ResidentsのレーベルRalph Recordsと契約しました。それで何枚かのレコードをリリースし、その後、メンバーの補充や再加入を経て、現在でも活動中です。一方、Tuxedomoonですが、1977年にSFで、サンフランシスコ市立大学の電子音楽科の学生であったBlaine L. Reininger (Kbd, violin)とSteven Brown (Kbd, other instruments)で結成され、ヘルプのVoとしてGregory CruikshankとVictoria Loweが、パフォーマンス・アーティストとしてWinston Tongが加入。名曲”No Tears”の録音時に、 Michael Belfer (G)とPaul Zahl (Dr)がヘルプで加入しましたが、TongとBelferは一時脱退し、代わりにPeter Principle (B: 本名 Peter Dachert)が正式に加入しています。彼等の音楽は、ジャズやフュージョンからニューウェーブ・ポップ、はたまたシンセによる実験的音楽までに及び、1979年にRalf Recordsと契約しました。彼等のレコードはオランダやベルギーで受けたこともあって、バンドはベルギーのブリュッセルに移住し、現在も活動を続けています。 そこで、本作品についてですが、前述のように「思い出のサンフランシスコ」のカバーを必ず含むと言う縛りがあったのですが、4者4様のアレンジです。僅か27秒の儚くも美しいカバー(?)のChrome、一番まともなカバーを披露するMX-80 Sound、完全に自分達のオリジナルっぽくカバーしたThe Residentsそして電話の会話に合わせて薄ーく流れるTuxedomoon、誰も一筋縄ではなきカバーです。残りの曲はそれぞれの音楽性が遺憾なく発揮されています。Chromeは丁度”Red Exposure”辺りのアシッド・サイケな曲を、MX-80 Soundはダブルドラムによる分厚い音の壁を、The Residentsはいつもの変態アレンジの曲を、Tuxedomoonは室内楽の様な一風変わった曲を提供してます。もし、聴く機会があれば,聴き比べてみて下さい。 https://youtu.be/IbbZxBs0e4E #SubterraneanModern #Chrome #MX-80Sound #TheResidents #Tuxedomoon #RalfRecords #ILeftMyHeartInSanFrancisco
Experimental music Ralph Records 不明Dr K2
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Hermann’s Orgie “Die Moderne Welt Und Andere Disharmonien…”
このバンドは全然、なんで買ったのか?記憶がないのですが、まあ、NDWの独逸のバンドだからと思って買ったのでしよう。と言う、いつもの言い訳で、この作品を紹介します。バンドはHermann’s Orgieで、1977年に南ハンブルクの郊外で結成されたパンクバンドです。結成時のメンバーはClement Hülse (Vo, B), Tom Meyer (G, Vo), Frank Peterson (Dr)のギタートリオで、初めて独逸語の歌詞で歌ったパンクバンドの一つとのことです。1979年にEP”Moderne Musik”を自身のレーベルよりリリースし、翌年、本作品であるアルバムを出しましたが、リリースはそれだけで、1982年に解散しています。このアルバムにはChristian HaimerlがSaxで参加しており、そのような曲は英国のX-Ray Spexを思い起こしますね。またJorg Holestもクレジットに記載されていますが、何をしたかは不明です(ドラム?)。内容的には、所謂、英国の70年代パンクの遺伝子を受け継いだストレートでギミックのないパンク・サウンドで、独逸語は分からないですが、こうストレートだと、懐かしくもちょっと恥ずかしい感じすらしますね。それから、B面には、彼等のライブ・トラックも収められ、その熱演も聴くことができます。それから、シングルでもリリースされていた”Moderne Musik”は、2007年に”Paris-Berlin”の中でStereo Totalによってカバーされています。また、2016年には本アルバムがTapete Recordsが出版したFalscher Ort Falsche Zeit誌によ紹介されています。なので、以外とそこそこ有名だったのかもしれませんね。と言う訳で、ハンブルクのパンクシーンが少しは分かりました。皆さんもどうですか? “1977” https://youtu.be/8CRvkhA11gc #Hermann’sOrgie #DieModerneWeltUndAndereDisharmonien… #Punk #Hamburg #NeueDeutscheWelle
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