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Wolf Eyes “Dumpsters & Attitude Vol. One”
皆さーん‼️2024年2月に、あの米国のベテランデュオWolf Eyesが来日ツアーしますよ❗️と言う訳で、またまた、Wolf Eyesの来日ツアー記念アルバム“Dumpersters & Attitude Vol. One”を紹介します。Wolf Eyesは現在、Nate YoungとJohn Olsonのデュオで、Psycho-Jazz(って言っちゃって良いのかな?)を演奏するバンドになっています。元々は彼等自身が2022年に自主制作CDRとしてリリースされた”Dumpersters & Attitude”を、日本のRockatansky RecordsがちゃんとLPとして今年(2023年)にツアー向けに再発してくれました。彼等のバイオグラフィーは以前、紹介しましたので、そちらをご参照ください。それでは、本作品について各曲をご紹介してきます。 ★A1 “Time Garbage .. Again”は、何とも形容し難い変なパルス音と虫に刺された所を掻くような電子音が乗ると言った不思議な音楽で、後半はパルス音も無くなり、改造Saxと波状電子音から成ります。 ★A2 “Nerves In A Blender”は、宇宙音のようなシンセで始まり、エコーの掛かったクラリネット(?)と重い反復リズムとYoungのVoから成る曲で、段々と盛り上がり、音塊化していきます。 ★A3 “Dumpster Attitude”も、重い反復リズムと斬り裂き魔のような電子音から成り、深いエコーのVoが入ってきて、往年のT.G.っぽい展開になっていきます。 ★B1 "’The’ Echo-Mines”は、パルスを有する持続電子音と付いては離れる微かな電子音から成りますが、途中で大きく展開し、リズムも出てきます。最後は、ショートループとなって終わります。 ★B2 “Ditched Tub”は、ダウンテンポで民族音楽調のリズムとシンセ音から成る曲で、やがて電子ドローンや改造リード楽器も加わわって、不意に終わります。 ★B3 “Exploding Time 2”も、重めでテンポダウンしたマシンリズムに、T.G.っぽいVoと改造リード楽器なんかが絡み合う曲となっています。 ★B4 Negacopic Buckets”は、正体不明な物音とか電子音とかが絡みまくって、塊となり、リード楽器らしき音や電子音が生々しく放射されています。どうもスタジオ・ライブ録音では? 今回、感じたことは、Wolf Eyesが、実は本当にT.G.の正当な嫡子だったのでは?と言う点ですね。リスナーの期待を裏切り、電子音やリード楽器音をノイズ化していく手法や、それに固執しないで、作品毎に違うアプローチをしていくのも、T. G.のミステリアスな面を現代的変換しているように感じました。これは益々、来日公演が楽しみですね‼️ 2/24, 2/25は落合Soupへ行こう‼️ [Ref Panda live session part 2] https://www.youtube.com/live/Kn-fxv6ovhA?si=SLmdj5lA19YY8Fl_ [BandcampのURLも貼っておきます) https://wolf-eyes.bandcamp.com/album/dumpsters-attitude #WolfEyes #Dumpsters&AttitudeVol.One #RockatanskyRecords #2024JapanTour #Reissue #LimitedEditions #700部 #ThrobbingGristle #Abstract #Noise #Electronics #MutatedReed #NateYoung #JohnOlson
Experimental / Psycho-Jazz / Anstract Rockatansky Records (self release) 0円Dr K2
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Tom Tom Club “s/t (おしゃべり魔女)”
本家のTalking Headsではなく、今回は、そのバンドのリズム隊からスピンオフしたバンドTom Tom Club (以下、TTCと表記)をご紹介します。先ず、TTCのバイオグラフィーを紹介したいと思います。米国バンドTalking HeadsのTina Weymouth (B)とChris Frantz (Drs)の夫婦が、1981年に、サイドプロジェクトとして始めたのが、TTCです。2人は、Compass Point All StarsのメンバーやAdrian Belew (G)、それにTinaの姉妹達の比較的緩い関係で録音したり、ライブを行ったりしています。TTCと言うネーミングは、元々、1980年のTalking Headsのリハを行ったバハマのダンスホールから付けられたとのこと。そして、1980年代初頭に出したシングル”Genius Of Love”や”Woody Rappinghood”がヒットしたこともあって、ダンス・ミュージック・シーンで成功を収めます。それで、これらの曲も含んだファースト・アルバムをSire Recordsからリリースし、そこそこの成功を収めていますが、David Byrneには無視されていました。しかし、"Genius of Love"は、色々なアーティストにサンプリングされ、それはHip Hopの黎明期とも関係しています。一方、英国でもこの曲の短縮盤が、1982年に12㌅EPでIsland Recordsから配給され、英国ではThe Driftersの”Under the Boardwalk"のカバーが英国Top 40に食い込む程のヒットを記録しています。た、”Genius of Love”は、1984年に、Talking Headsのコンサート映画”Stop Making Sense”にもフィーチャーされています。しかしながら、翌年にリリースしたTTCのセカンド・アルバム”Close to the Bone”はヒットしませんでした。ただ英国盤は6種類のカラー盤でリリースされており、Treacherous Threeは、シングルカットされたTTCの"Pleasure of Love"をサンプリングしていたりもします。その後1988年に4年振りに、TTCは、サード・アルバム”Boom Boom Chi Boom Boom”をリリースしていますが、この時には、米国外のレーベルFontana/PolyGramと契約しており、内容も、もう少しエッジの効いたロック調の作品が制作されています。しかしながら、このアルバムでも商業的成功は収められず、1992年には、4枚目のアルバム”Dark Sneak Love Action”をリリースしています。このアルバムには、Hot Chocolateの”You Sexy Thing”のカバー曲も含んでおり、全体としては、よりテクノに近いた内容です。2000年には、5枚目のアルバム”The Good, the Bad, and the Funky”をリリースし、これにはDonna Summerの”Love To Love You Baby”とLee “Scratch” Perryの”Soul Fire”のカバー曲を含んでいます。2002年にはTalking Headsがロックの殿堂入りを果たしますが、その後、TTCとしてのライブも時々と言う風に少なくなっていきます。しかしながら、現在もWeymouthとFrantzはTTCを現役で活動を続けているとのことです。 と言うのが、TTCのザッとした流れです。ではTTCのファースト・アルバムで本作品でもある”おしゃべり魔女”の紹介をしていきましょう。 ★A1 “Wordy Rappinghood (おしゃべり魔女)”は、結構、Weymouthのラップ調のVoと着実でタイトなリズムとシンセやPercが初々しくも、弾けるような曲です。当時はよく流れていましたね。 ★A2 “Genius Of Love (悪魔のラブソング)”は、A1に連続して始まり、Weymouth姉妹のコーラスワークが映えるファンキーな曲です。シンセのリフが癖になります。しかし邦題は酷いんじやない? ★A3 “Tom Tom Theme (トムトムクラブのテーマ)”も、連続して始まり、Percをふんだんに使ったリズム楽器だけのインスト曲です。 ★A4 “L'Éléphant (エレファント)”は、Adrian Belewお得意の「パォーン」なGワークとダンサブルなリズムに、Weymouth姉妹の可愛らしいコーラスワークが冴えています。 ★B1 “As Above, So Below (魔法は気まぐれ)”は、DrsとPercとKbdの刻みが絶妙な曲で、やはり姉妹のコーラスが素人っぽくてキュート!間奏のシンセがピロピロしてて、グーです。 ★B2 “Lorelei (ローレライ)”は、ちょっと落ち着いた雰囲気の曲ですが、多分それはウィスパーなコーラスのせいでしょう。曲自体はダンサブルです(Aunt Sallyとは同名異曲)。しかし、結構、細かい所に凝った音作りしています。 ★B3 “On, On, On, On... (オン・オン・オン)”は、割と直線的なビートの曲で、ファンクっぽくはないです。そんなロックなビートと姉妹のVo/掛け合いが良くマッチしています。ダブ処理もあり。 ★B4 “Booming And Zooming (ブーミングとズーミング)は、フニャフニャなシンセとビートに、変調(男性)Voによる語りが乗る曲で、最初と最後だけ姉妹のコーラスが聴けます。ちょっと毛色が違う曲です。 Talking Headsより肩の力が抜けた感じで、楽しんでやっている感がひしひしと感じられます。それも、キュートかつ素人的なWeymouth姉妹のコーラスがメインVoであることによるのでしよう。また、よく聴いてみると、曲の至る所にダブ処理などちょっとだけ凝った音作りも発見できて、そこら辺の塩梅がアート臭くないポップネスになったのではないか?と思います。肩の力を抜いて聴く時に良いかも❗️またはビール片手に軽く踊る感じかな? A4 “L'Éléphant (エレファント)” https://youtu.be/pll08D09IJk?si=u6Sf-7ACBQeYhcWC [full album] https://youtube.com/playlist?list=PLE2DNBZSMVztRgpDFQ8-jAaAuhjbDkWVh&si=tWL4wvmLT9yRJovC #TomTomClub #おしゃべり魔女 #SireRecords #FirstAlbum #NewWave #Funk #Rhythm #Drums #Bass #TalkingHeads #ChrisFrantz #TinaWeymouth #AdrianBelew #UziahStickyThompson #TyroneDownie #MonteBrown #LoricWeymouth #LaniWeymouth #LauraWeymouth #BenjaminArmbrister #KendalStubbs
New Wave / Funk Sire Records 不明Dr K2
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Bangles “Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”
何で?Bangles? とまあまあ、落ち着いて。これでも多少の思い入れがあって買ったんですよ。でももう、35年位聴いてないですけどね。久々に聴き直してみました。それで、先ず、Banglesのバイオグラフィーについて簡単に書いておきます。Banglesは、1981年に米国CAのL.A.で結成されたガールズ・バンドで、1980年代にヒット曲を飛ばし、有名になりました。もう少し詳しく書きますね。結成時のメンバーは、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Michael Steele (B, Vo)です。元々、HoffsとVicki & Debbi姉妹は、1980年12月にL.A.でバンドを始めようとして、HoffsがThe Recycle紙にメンバー募集をかけ、Annette ZilinskasとPeterson姉妹のハウスメイトでThose GirlsをやっていたLynn Elkindが反応し、色々話しを聞いたりして、最終的に、Annette Zilinskas (B)が加入することになり、そのラインナップで、1981年にThe Coloursとしと言うバンドになります。その後直ぐに、バンド名をThe Bangsと替え、L.A.のペイズリー・アンダーグラウンド界で活動し、1981年に、自身のレーベルDownKiddie Recordsからシングル”Getting Out Of Hand" c/w "Call On Me"を出しています。その後、Faulty Productsと契約し、Susanna Hoffs (G, Vo), Vicki Peterson (G, Vo), Debbi Peterson (Drs, Vo), Annette Zilinskas (B, Vo)で、1982年にEP"The Real World"をリリース、これがハリウッドのクラブで掛かり、大いに受けますが、同名のバンドがいたことから、バンド名をBanglesにします。それで、最初のEPをBangles名義にして、1983年にリリースし直し、更にリミックス12㌅EPも出しています。このレーベルは、I.R.S. Recordsが配給するようになりますが、Zilinskasは自身のバンドBlood On The Saddleに集中する為、バンドを脱退します。その代わりに、The Runawaysなどに在籍していたMichael Steele (B)が加入します。そうして、1984年に、Banglesのデビュー・アルバム”All Over The Place”がColumbia Recordsよりリリースされ、そのパワー・ポップな音楽が受けます。シングルカットされた"Hero Takes A Fall"や"Going Down To Liverpool"はThe Beatlesっぽくもあって売れます。その時、MVを作製している過程で、HoffsとLeonard Nimoy (スタートレックのスポック役の俳優)は意気投合しています。そして、Banglesはシンディー・ローパのFun Tourのオープニング・アクトも務めています。これを気に入ったプリンスが、元々自身のグループApollonia 6の為に書いた曲"Manic Monday"をBanglesに提供しており、この曲は米・英・独で第2位のヒットを記録しています。そうして、1986年に、彼女らは、本作品でもあるセカンド・アルバム”Different Light”リリースします。より洗練されたアルバムで、Liam Sternbergによって書かれた曲"Walk Like an Egyptian"はナンバー1のヒットとなり、ビルボード200でも2位となり、一気にメインストリームに躍り出ることになります。その後も、1987年には、Simon & Garfunkelの"A Hazy Shade Of Winter"のカバーを出したり、1988年にも、アルバム”Everything”を出したりして活躍しています。しかしながら、誰がメイン・ヴォーカルを取るか?誰が曲を書くか?で揉めてしまい、Banglesは、1989年に解散してしまいます。その後、1998年に、Banglesは、再結成し、映画”Austin Powers: The Spy Who Shagged Me”のサントラを手掛けていますが、これは、監督がHoffsの旦那だったと言うこともあるようです。2003年にはアルバム”Doll Revolution”を出し、現在も活動中のようです。 と言うのが、Banglesの流れになります。それでは、セカンド・アルバムである本作品を紹介していきます。内容は両面6曲ずつで、メンバーは先述の通りです。 A1 “Manic Monday”は、キッチュなHoffsのVoとキャッチーなメロディで、コーラス・ワークも完璧な曲です。 A2 “In A Different Light (シルバー・スクリーンの妖精)”は、やや激しい曲で、これぞパワーポップと言う感じで、メインVoはVickiが担当しています。 A3 “Walking Down Your Street”は、美しいコーラスで始まり、舌足らずなHoffsのVoが可愛らしいです。途中ブレイクのギターがカッコ良い! A4 “Walk Like An Egyptian (エジプシャン)”もヒット曲で、軽妙なリズムとメロディが心地良いです。Voは、Vicki, Steele, Hoffsがとってます。 A5 “Standing In The Hallway (ホールウェイに立ちすくみ)”は、飛び跳ねるようなリズムがファンキーな曲で、オルガンが効いてます。VoはDebbiですが、コーラスワークが素晴らしいです。 A6 “Return Post”の出だしは、スパイ映画っぽいですが、その後のVickiのVoは可愛らしくて、如何にもアメリカンな曲調です。 B1 “If She Knew What She Wants”は、軽妙なVoが掛け合いが心地良い軽い曲で、メインVoはHoffsです。この曲はシンディー・ローバとの共作も行っているJules Shearによるものです。 B2 “Let It Go”は、アコギも弾きまくりで、素晴らしいコーラスワークを楽しめるテンポがやや早い曲です。 B3 “September Gurls (9月の少女)”は、Alex Chiltonのカバー曲ですが、すっかりBangles風にアレンジされています。VoはSteele。 B4 “Angels Don't Fall In Love (恋に堕ちた天使)”も、ハイテンポの曲で、VickiがVoですが、何処となくカントリー調ですね。最後の木琴が良い! B5 “Following”はアコギをメインにしたカントリー調の弾き語りで、VoはSteele。でも、染みるなぁ。 B6 “Not Like You”では、一転、跳ねるように明るい曲調となり、VoはDebbiが担当していますが、コーラスが素晴らしい! と言う訳で、聴き直しましたが、何だか、青臭い感じがして、ちょっと気恥ずかしいですね。しかしながら、如何にも「アメリカン」な曲やアレンジは流石にセンスを感じますね❗️こう言う「表」のアメリカンから「裏」に行くと、めちゃくちゃ、個人的には好きなポイントなんですが、偶には、「表」のアメリカン・ポップも良いですね! A4 “Walk Like An Egyptian”[live version] https://youtu.be/JA0VfqtIK_A?si=vFH5Ws7nZl73fWju [full album] https://youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_lmP1iUgE5IC8hyq-M3vNP4TlEwJ9JakWU&si=WFyHbP1wOGDotSXA #Bangles #DifferentLights #シルバー・スクリーンの妖精 #CBS/Sony #US #AllFemaleBand #PowerPop #Rock #SecondAlbum #Hit #Prince #ManicMonday #WalkLikeAnEgyptian #SusannaHoffs #VickiPeterson #DebbiPeterson #MichaelSteele #AnnetteZilinskas
Rock / Power Pop CBS/Sony 2800円Dr K2
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Lou Reed “Berlin”
またまた、紹介します。「私の趣味外」だけれども持ってるレコード、それはLou Reedのソロ3作目”Berlin”です。多分、当時は、勉強のつもりで購入したのだと思いますが、それ以来、殆ど聴いていませんでしたね。Lou Reedと言うと、The Velvet Undergroundの創設者/メンバーであった訳で、ここで、私がごちゃごちゃ言うよりも詳しい方は沢山いらっしゃるとは思いますが、まあ、私個人の整理も兼ねて、紹介していきたいと思います。Lou Reedと言えば、米国の音楽家/作曲家/詩人/写真家である訳ですが、NYC生まれで、その音楽のキャリアは、1958年に、高校生バンドThe Jades (ドゥーアップ・グループ)のメンバーとして録音したことから始まっています。その後、彼は、1960年代初頭に、Syracuse大学に進学した時に、神経衰弱から鬱や不安神経症などを発症し、その為に、電気ショック療法(ECT)を受けています。後に、この時の経験を”Kill Your Sons”と言う曲にしています。また、この時期に、Reedは、一時的な記憶喪失と同時に、自分がホモセクシャルではないかと思い込むようになります。そのなこともありましたが、彼は大学で、詩について学んでいましたが、様々なバンドを結成していました。しかし、そこで彼は、自分の指導教官でもある詩人/作家Delmore Schwartz教授に大きな衝撃を受けており、後にThe Velvet Undergroundの曲”European Sun”を捧げています。それで、卒後に、Pickwick Recordsの専属のソング・ライターとなりますが、やがて、1964年に、John Caleと出会い、The Velvet Undergroundを結成しています。ここら辺の経緯は以前にThe Velvet Undergroundの作品を紹介した時に書いていますので、はしょります。結局、Reedは、1970年にThe Velvet Undergroundを辞めています。その後、家計を助けることもあって、1971年にRCA Recordsと契約し、初のソロアルバム”Lou Reed”を英国Londonで、Yesのメンバー達やセッション・ミュージシャン達と作製、しかしながら、このアルバムは、評論家受けは良かったのですが、余り売れませんでした。その後、Reedは、1972年11月に、よりコマーシャルな作品として、David BowieとMick Ronsonの共同プロデュースで、アルバム”Transformer”をリリース、特に英国のリスナーを意識して作られたそうです。シングルカットされた"Walk on the Wild Side"は、実は1960年代後半にAndy WarholのThe Factoryでの様子を歌ったものだそうです。その後、ReedはBowieとつるむようになりますが、Reedが暴力を振るうようになって、Bowieは離れていきます。1972-1973年は、NYのバー・バンドThe Totsを引き連れて、”Transformer”のツアーを行なっていましたが、更に鍵盤奏者のMoogy Klingmanを加えた5人体制で、次の録音に取り掛かります。それが、本作品でもある”Berlin”で、1973年から作製されますが、丁度、ReedがBettye Kronstadと結婚した時期でもあり、コンセプト・アルバムとなっています。つまり、DVやアル中、売春、死と言ったネガティブで退廃的なテーマを持った曲を収録しています。その為、評論家や同業からは酷い評価でしたが、2003年には聴くべきアルバム500にも選ばれていまし、英国アルバムチャートでは7位になっています。それでも、余り売れなかったこともあり、Reedは、Blood, Sweat & TearsのSteve Katzと組んで、The Velvet Undergroundの完全なるライブ・バンドを目指し、その結果、1974年2月にアルバム”Rock’n’Roll Animal”をリリースします。このアルバムには、The Velvet Underground時代の曲が多く含まれていますが、これで漸く、Reedが求めていたライブ・ロック・サウンドが完成したと言われており、事実、このアルバムは、ビルボード200で、28週間連続で最高45位までいき、Reed最大のヒット作となっています。その後、1974年8月に、アルバム”Sally Can't Dance”をリリース。1970年代のReedは、アルコールとメタムフェタミンの中毒で、時にはステージに立たない/許可が降りない状態でした。そんな中で、1975年にリリースされたのが、ロック史上最大の問題作”Metal Machine Music”です。ギターのフィードバック音が延々と続く2枚組アルバムで、Reed自身はLa Monte Youngのドローン・ミュージックに触発されたと言っていますが、当時のファンや評論家からは最悪と評され、数週間で何千枚の返品があったそうです。そして、同年リリースされたアルバム”Coney Island Baby”は、当時のReedのトランスジェンダーのパートナーRachel Humphreysに捧げた作品になっています。その後、1978年には、当時、勃興してきたパンクロック・シーンにインスパイアされて作製されたアルバム”Street Hassle”をリリースし、NYパンクの殿堂CBGBでもライブをやっています。1979年には、ジャス・トランペット奏者Don Cherryをゲストにアルバム”The Bells”をリリースし、欧州/米国ツアーを行なっています。取り敢えず、Lou Reedのバイオグラフィーは長いので、今回は1980年手前までとしておきます。 それで、本作”Berlin”について紹介していきたいと思います。先述なように、ネガティブな要素の多いアルバムなので、リリース当時は全く良い評価はされていませんでした。それはプロデューサーのBob EzrinがReedに推し進めたようで、JimとCarolineが、ドラッグに溺れ、売春をし、鬱になり、DVが酷くなり、そして自死すると言う「堕落した」ロック・オペラになっています。このアルバムには、Lou Reed (Vo, A-G, Choir), Bob Ezrin (Piano, Mellotron), Steve Hunter (G), Dick Wagner (G, Choir), Jack Bruce (B [A2, B2以外]), Aynsley Dunbar (Drs [A2, B2以外]), Steve Winwood (Hammond organ, Harmonium), Michael Brecker (Tenor Sax), Randy Brecker (Trumpet), Tony Levin (B [B2]), B. J. Wilson (Drs [A2, B2]), Allan Macmillan (Piano [A1]), Gene Martynec (A-G, Synth [B3], B [A2]), Jon Pierson (Bass Trombone), Blue Weaver (Piano [A3]), Steve Hyden (Choir), Elizabeth March (Choir)が参加しています。では、各曲を紹介していきます。 A1 “Berlin”は、いきなりカオスなテープ音とリリカルなピアノで始まり、呟くような音量でReedのヴォーカルが入っています。 A2 “Lady Day”は、オルガンとピアノの効いたシアトリカルなロックで、緩急の付け方が絶妙です。サビの部分は印象的です。 A3 “Men Of Good Fortune”は、Reedのヴォーカルから始まる曲で、ここではギターやベースの存在感も負けてはいません。割とドラマチックな曲ですが、歌詞の内容自体はネガティブっぽいです。 A4 “Caroline Says I”は、DVに関する曲らしいのですが、割と明るめの曲調で、アコギが中心になって、途中ではメロトロンも高らかに奏でられています。また、歌詞も余りDV的な内容ではない様に思います。 A5 “How Do You Think It Feels”は、A4と連続して始まり、Reedの独特のヴォーカルが活きている曲となっていますが、どうも歌詞の内容はドラッグを暗に指し示しているようです。そのせいか、曲の後半はプラスとギターが響き渡ります。 A6 “Oh, Jim”では、フェイド・インしてくるドラムに、Reedのヴォーカルもブラスとが絡み合うゴージャスな曲なんですが、後半にアコギ一本をバックにロックンロール調にReedが歌う部分があり、ちょっとフラッシュバックしました。歌詞は暗にJimの自堕落な生活とCarolineへの強制を歌っているように感じました。 B1 “Caroline Says II”は、A4のリフレーズから成るアコギとピアノのバックで独白の様に歌われますが、歌詞は、愛するが故の暴力とかDVとかを示唆していると思います。しっとりした曲調がより一層そのことにスポットします。 B2 “The Kids”も、アコギをバックに独白調にReedが切々と歌っていますが、どうも歌詞の内容は大人になり切れない2人(或いはCaroline)がやがて、立ちんぼになってしまう様子のようで、スライドギターの音色と最後の赤ん坊の泣き声や叫び声がやるせないです。 B3 “The Bed”も、アコギをバックに独白調なんですが、Reedの声は消え入りそうで、Carolineの自殺を思わせる曲になっています。もう取り返しが付かない感じです。 B4 “Sad Song”は、B3から連続していますが、何故か、ブラスやギターも入ってきて、上を向いて生きよう的な雰囲気にもなりますが、逆を言えば、フランダースの子犬のように天に召された後のJimの心境かも知れませんね。 この作品に関しては、歌詞が非常に重要だと思いますので、是非国内盤で聴く方が良いです。と言うのも、このアルバムが、ロック・オペラとして作製されていますので、アルバム自体に物語り性があり、JimとCarolineが、退廃と混乱の街Berlinで会い、ドラッグに溺れたり、暴力を振るったり、そのせいでCarolineが売春したり、でもやっぱり辛くて彼女は自殺してしまい、それをJimは呆然と見て、俺は何てことやってたんだ!と言うところまで、理解しないと中々、この作品の本質には辿り着けないかと感じました(解釈は他にもあるとは思いますが)。そう言う意味では非常に良く出来たアルバムだと思います❗️青二歳の当時の自分に言ってやりたくなりました!まあ、なので、ノリの良い曲は殆ど無いんですが。 A1 “Berlin” A2 “Lady Day” A3 “Men Of Good Fortune” A4 “Caroline Says I” A5 “How Do You Think It Feels” A6 “Oh, Jim” B1 “Caroline Says II” B2 “The Kids” B3 “The Bed” B4 “Sad Song” B1 “Caroline Says II” https://youtu.be/Y793DlD0Sxg?si=Ih-dcdiMdfNeWXY3 [full album] https://youtu.be/GyhJh1SMpVg?si=F9qvrDqZDXiRf92f #LouReed #Berlin #RCA #3RdSoloAlbum #RockOpera #ConceptualAlbum #Psychedelic #Jim&Caroline #BobEzrin #SteveHunter #DickWagner #JackBruce #AynsleyDunbar #SteveWinwood #MichaelBrecker #RandyBrecker #TonyLevin #B.J.Wilson #AllanMacmillan #GeneMartynec #JonPierson #BlueWeaver #SteveHyden #ElizabethMarch
Rock / Psychedelic RCA 1800円?Dr K2
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James Blood Ulmer “Black Rock”
ちょっと意外なモノも投下。何で買ったか?よく覚えていないJames Blood Ulmerの日本盤で、彼の4枚目のアルバム”Black Rock”を紹介してみます。「みます。」と言うのも、私自身はブラックなものはてんで駄目なんで、これを聴き直して、さて、どうしたもんか?と思う可能性もありますので、そのような表現になってしまいました。なので、これも買ってから、40年位聴いていないんですよ。それなので、先ずは簡単に彼のバイオグラフィーを紹介したいと思います。James Blood Ulmer、本名Damu Mustafa Abdul Musawwir。米国サウス・カロライナ出身のブルース、ジャズ、フリー・ファンクのギタリストでありヴォーカリストです。彼のキャリアは、1959年〜1964年にビッツパークでのソウル・ジャズ・アンサンブルで始まり、1964年〜1967年はOhio州Columbusに移り、1964年にオルガン奏者Hank Martとの録音を行い、その後、1971年にNYCでArt Blakey’s Jazz Messengersに加入しています。1970年代には、UlmerはOrnette Colemanと一緒に演奏するようになり、Colemanにとって、初めてのエレキ奏者となり、フュージョン志向だったColemanの信頼を勝ち取っています。Ulmerは、また、Arthur Blytheの2枚のアルバム、1979年作”Lenox Avenue Breakdown”と1980年作”Illusions”に参加、同時にColumbiaレコードと契約を結びます。その勢いで、彼は、3枚のアルバム”Free Lancing”, “Black Rock”, “Odyssey”をOdyssey The BandのドラマーWarren Benbowとヴァイオリン奏者Charles Burnhamと共に作り上げます。このトリオは評論家に"avant-gutbucket"と呼ばれ、「Skip JamesとAlbert AylerがMississippi Deltaでジャム・セッションをしているようだ」と評されています。また、1980年代になると、彼は、David Murrayと共にUlmer formed Music Revelation Ensembleを結成し、このアンサンブルは、後にはArthur Blythe, Sam Rivers, Pharoah Sanders, John Zornを加えて、1990年代まで続きます。また1980年代には、Ulmerは、Sax奏者George AdamsとPhalanxカルテットも結成し、よりブルース志向のアルバム”Memphis Blood”, “No Escape from the Blues”, “Bad Blood in the City”, “Birthright”をリリースしています。Ulmerは、2005年に、ある雑誌のインタビューで、「ギター・テクニックはJimi Hendrixの死後、発展していない」と発言し、更に、「もしかしたら、ピアノのようにギターも終わりかもしれない」とも発言しています。その後、2009年に、Ulmerは、レーベルAmerican Revolutionを設立。そして、2011年春には、James Carterのオルガン・トリオにゲスト出演し、Blue Note New Yorkで6晩連続で演奏しています。大体の彼の流れはこんな感じですが、私には今一ピーンとはきませんでした。 それで、本作品を聴いてみて、紹介していきたいと思います。内容はA面4曲/B面5曲で、Damu Mustafa Abdul Musawwir & James Blood Ulmer (G, Vo)の他、Amin Ali (B), Ronald Drayton (Rhythm G [A1-A4, B2, B3]), Grant Calvin Weston (Drs), Cornell Rochester (2nd Drs [A1, A3, B1-B3]), Sam Sanders (Sax [A3, B3]), Irene Datcher (Vo [A4, B2])と言う布陣で録音をしています。 A1 “Open House”は、ゴリゴリしたベースと複雑かつノリの良いビートを叩き出すドラムが自由自在に演奏され、その間を、Ulmerのフリーキーなギターが駆け巡る熱いインスト曲です。 A2 “Black Rock”では、複雑かつバネのある演奏に黒人独特のソウルフルなヴォーカルも聴くことが出来ます。結構、ギターが即興的に弾きまくられてますね。 A3 “Moon Beam”も、スラップ奏法も交えたファンキーなベースとドラムの強力なリズム隊と要所要所を押さえたギターに加え、フルートやサックスも入ってくるインスト曲です。 A4 “Family Affair”では、しっとりと始まり、女性ヴォーカルとUlmerのデュエット/掛け合いで、結構、落ち着き気味ですがソウルフルに仕上がっています。しかしながら、盛り上がる所は盛り上がる緩急のついた曲です。 B1 “More Blood”は、トリオによる完全即興演奏で始まりますが、その内、グルーヴが生まれていくのてすが、あくまでもフリーな演奏に始終する、カッコ良いインスト曲です。こう言うのは好きですよ、私も! B2 “Love Have Two Faces”は、今までと一転して、落ち着いたブルース調の曲で、Ulmerのヴォーカルも沁みますね。しかしながら、サビではニューウェーブみたいな曲調に変わり、彼のキャパの広さを感じます。 B3 “Overnight”では、再び、トリオにサックスを交えた強力なバネのあるフリーキーなファンク・サウンドをぶちかましてくれます。途中のドラムソロもカッコ良し!なお、これもインスト曲です。 B4 “Fun House”は、怪し気で完全フリーな即興演奏から始まりますが、アイコンタクトなのか、ブレイクが決まるので、垂れ流しにならないです。また、この曲はヴォーカルも入っているのですが、ソフトな印象で、それ程「黒く」はないです。因みにヴォーカルはベースのAliみたいです。因みにThe Stoogesの曲とは同名異曲です。 B5 “We Bop”は、やはり、基本に戻って、ファンクな曲なんですが、単に踊らせるだけではなく、複雑なリズム構造や流れを持っており、正しくフリー・ファンクとも言うべきインスト曲になっています。 それで、40年振りに聴いてみたのですが、単にファンクとかソウルと言う訳ではなく、かなりフリー・インプロヴイゼーションの要素が強く、それがあって、このアルバムを買ったのだなと一人納得しました。ただ、如何にもソウルフルなヴォーカル曲はやはり苦手ですね。インスト曲は単純に強力な演奏に感服しました❗️また、これからは「黒い」音楽も聴いていこうとおもいました。 A1 “Open House” A2 “Black Rock” A3 “Moon Beam” A4 “Family Affair” B1 “More Blood” B2 “Love Have Two Faces” B3 “Overnight” B4 “Fun House” B5 “We Bop” https://youtu.be/OKUrb0Rw-4Q?si=qbNfss8HgGga3Ssx #JamesBloodUlmer #BlackRock #CBS/Sony #4ThAlbum #FreeFunk #Soul #Blues #Improvisation #DamuMustafaAbdulMusawwir #GrantCalvinWeston #CornellRochester #AminAli #RonaldDrayton #SamSanders
Free Funk / Soul CBS/Sony 2500円?Dr K2
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Tin Huey “Contents Dislodged During Shipment (不思議な落とし物)”
Devoが出てきた時に、米国のゴムの街アクロンが注目を浴びたのですが、その中でも途轍もなく変なバンドが、このTin Hueyです。彼等は1972年に結成、1982年に解散しています。それで、先ず、Tin Hueyのバイオグラフィーを書いておきます。元々はMark Price (Wesley the Stashと名乗っていました)がギターを、Michael Aylwardがベースを、Stuart Austin (Napoleon Lemensと名乗っていました)がドラムを担当していたRagsと言うバンドから派生したと言われています。その後、Harvey Goldがオルガンで参加しで、Tin Hueyにバンド名を変えますが、Priceが脱退してしまいます。残ったメンバーは一時期、アコースティックな音楽もやっていましたが、やがて、Arthur Batanoff (G)とWayne Swickley (B)が加わります。しかしなから、BatanoffとSwickleyは脱退してしまい、その後、Priceがベースで再加入します。それに伴って、Aylwardはギターにシフトし、Goldはギターとキーボードを担当することになりすぎ。そして、Lochi Macintoshがサックスで加わりますが、その後、Ralph Carneyが彼に代わってサックスを担当することになります。そして、15-60-75 (The Numbers Band)でベースを担当したChris Butlerが最終的にギターで加入し、Tin Hueyとしてファーストアルバムの時のラインナップになります。彼等は、Captain Beefheart, Frank Zappa, The Stooges或いはthe Soft Machineに影響を受けて、アクロン/クリーヴランドで、Devo, Pere Ubu, Electric Eelsらと共に活動しはじめます。そして、1977年に最初のシングル”Pappet Wipes”をClone Recordsより、更に翌年セカンドシングル”Breakfast with Tin Huey”を同レーベルからリリースします。丁度、その頃、Devoなどが注目を浴びたこともあってか、アクロン/クリーヴランドのグループに注目があつまり、その関係か、彼等はWarner Broth. Recordsと契約し、1979年に、本作品でもあるファースト・アルバム”Contents Dislodged During Shipment”をリリースします。しかしながら商業的成功は得られませんでした。再度、この時のメンバーをまとめますと、Chris Butler (G, Perc, Birdcalls, Vo), Harvey Gold (Piano, Synth, G, Vo), Michael Aylward (G, Slide-G, Vo), Mark Price (B, Vo), Stuart Austin (Drs, Perc, Synare Vo), Ralph Carney (B, Tenor-, Alto-, Soprano-Sax, Clarinet, Organ, Perc, Piano, Harmonica, Vo, Large Nose, Duck Calls)の6人組です。その後、彼等は個々人でそれぞれ活動していましたが、1980年代初頭には、バンドは、Ralph E. ことRalph Legniniと一緒に演奏しています。そんなこともあって、次のアルバムを出すまで20年もかかっています。そんなセカンド・アルバム”Disnformation”は、1999年に ButlerのレーベルFuture Fossil Recordsから出ています。さらに最近では、1970年代中盤のスタジオ録音やライブ録音を集めたサードアルバム”Before Obscurity: The Bushflow Tapes”が2009年にSmog Veil Recordsから出ています。その後も活動しているようですが、Priceは大腸癌で他界しています。 ザッとこんな感じのバンドなのですが、本作品の内容について紹介していきます。先ず、最初に感じるのは、メンバー皆んな、演奏が上手いと言うことです。と言うのも、曲は皆んな2〜3分の曲なのですが、結構、どの曲も展開が早かったり、変拍子らしき変な譜割りがされているのを難なくこなしているのは凄いです。私的には、B面の方が好みなのですが、それは上記の特徴がより明確になっているからです。とは言え、時にジャジーに、時にフリーキーに、時にブルージーに、また時にハードロック調になったりするのも興味深いです。多分、サックスやクラリネット担当のRalph Carneyによるアレンジが大きいのかも知れません。確かにそう言う意味では、Frank ZappaやCaptain Beefhesrtの影響はあったのだろうと思います。なので、単に米国の地方のニューウェーブ・バンドとして片付けるのも惜しいですね。因みに、A1の”I Am A Believer”はMonkeysのカバーですが、割と「普通」に演奏しています。そんなTin Hueyですが、もし、アクロン・サウンドに興味があれば、聴いてみて欲しいですね。 https://youtu.be/o3RMOp8Y2E0 #TinHuey #ContentsDislodgedDuringShipment #WarnerBrothRecords #AlternativeRock #NewWave #AkronSound #Cleveland #FirstAlbum #ChrisButler #HarveyGold #MichaelAylward #MarkPrice #StuartAustin #RalphCarney
Alternative Rock Warner Broth. Records 1800円Dr K2
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Chrome “Red Exposure(赤い露光)”
今回、紹介するのは、アメリカ西海岸の闇Chromeの唯一の日本盤です。Chromeと言うと、皆さん、前作”Half Machine Lip Moves”を挙げる方が多いように思いますが、私の場合、田舎の高校生だったので、国内盤として発売された、このアルバムが初体験だった為、この作品の方が身体に刷り込まれてしまっています。前作がエレクトロ・ガレージ・サイケとも言える位、激しいrawな録音かつ曲をコラージュしてのポスト・プロダクションを施した作品であったのですが、本作では、ガッツリしたヘビーなミディアム・ビートが主体となっています。もう最初の曲”New Age”に痺れました。ジャケ写通り、極彩色で粘り気のある曲が大半を占める、このアルバムは本当にカッコいいと思います。そうですねぇ、LSDを体験したら、こんな感じかな?と想像させる音楽ですね。また、過剰なプランジャーの掛け方やLFOを掛けたヴォーカルもカッコ良かった‼️だからこそ、Chromeのファンの方にも、マイナーミュージック・ファンの方にも、もっと聴いて欲しいと思います。裏西海岸サウンド。なお、Chromeのメンバーは?と言うとDamon EdgeとHelios Creedなんだが、John L. Cyborgがゲスト参加しています。EdgeとCreedの2人はマルチ奏者なので、宅録してレコード制作をしていたようてす。 A1 “New Age” (3:11) A2 “Rm. 101” (2:14) A3 “Eyes On Mars” (3:35) A4 “Jonestown” (2:28) A5 “Animal” (2:55) A6 “Static Gravity” (3:22) B1 “Eyes In The Center” (4:10) B2 “Electric Chair” (4:16) B3 “Night Of The Earth” (4:21) B4 “Isolation” (4:38) A5 “Animal” https://youtu.be/kkFViEqhOts?si=MON7gyxzEGOy5ZDi https://youtube.com/playlist?list=PLbHHE6cZMWepjbVGFoTwM75-geJxAdo2O&si=nDcy9PGYk-9OTeXk #Chrome #RedExposure #赤い露光 #BeggarsBanquet#AlternativeRock #Acid #Psychedelic #LSD #WestCoastScene #DamonEdge #HeliosCreed #JohnLCyborg
Alternative / Acid / Psychedelic WEA (Beggars Banquet) 2500円?Dr K2